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【ライヴレポ】EMPiRE、マイナビBLITZ赤坂で魅せた「終わりと始まり」の初ワンマン

StoryWriter

201851日(火)EMPiREがグループ初となるワンマン・ライヴ〈THE EMPiRE STRiKES START!!をマイナビBLITZ赤坂にて開催した。

このライヴをもって、メンバーのYUiNA EMPiREは同じ事務所WACKのグループBiS 2ndへ完全移籍、また今年3月に行われたWACK合同合宿オーディションで合格したMAHO EMPiREMiKiNA EMPiREがお披露目となることが発表されており、その期待を表すかのようにチケットはソールドアウト。約1,300人のエージェント(※EMPiREファンの呼称)たちが会場を埋め尽くす中、2部構成でライヴが行われた。

1部はYUiNAを含む5人体制、2部は新メンバー2名を加えた6人体制で、それぞれまったく同じ曲順で持ち曲11曲を披露した。

本ページでは、このワンマンライヴをレポートする。


正直言って、こんな1stライヴは観たことがない。

ライヴ中も、ライヴ後も、このレポートを書いている今でさえ、このワンマンを理解しようと頭がフル回転中だ。実に濃厚な2時間強のライヴだった。

EMPiREは、エイベックスとWACKによる共同プロジェクト「Project aW」から誕生したアイドル・グループだ。20173月に行われた5泊6日のWACK合宿オーディションで合格した2名、合宿で脱落したものの追加オーディションで合格を勝ち取った2人、合宿に参加してはいないもののアイドルになる夢を持ち続けていた1名。そんな5人により誕生したグループである。

1123日、六本木Morph-Tokyoにて、入会金3万円&150人限定のファンクラブ「EMPiRE CORE」会員前でお披露目ライヴを行い3曲を披露、その後WACK所属グループが出演するイベントへの出演、同じ事務所の先輩BiSHの全国ツアーのオープニングアクトとしてライヴをしてきた。小さなライヴハウスで対バンを重ねてきたわけでもなく、最初のワンマンがマイナビBLITZ赤坂でのワンマンというのは前代未聞ともいえる。

さらに、1stアルバム『THE EMPiRE STRiKES START!!』は、デビュー前にiTunesトップアルバム1位、オリコンデジタルチャート週間1位を獲得、411日にリリースされたカセットテープはオリコンデイリー4位、週間7位を獲得するなど、華々しい結果を残している。デビューにして雑誌の表紙を飾ったり、ラジオやテレビ出演をするなど、同じ事務所所属のBiSHBiSGANG PARADEと比べても、鳴り物入りでデビューを果たしたグループでもある。

しかし、注目度に対して、5人のメンバーたちは限られたライヴしか機会の中で、自分たちを成長させてこなければならなかった。お客さんたちの期待値に対して、メンバーの実力が追いついているのかどうか。そんな世の中の期待と本人たちの間の差は埋まっているか、そうした部分もこのマイナビBLITZ赤坂の見所の1つともいえた。

開演5分前に事務所WACK代表の渡辺淳之介がステージに登場し、諸注意とともに「本日、今日しかない1stワンマン、観に来てくれて本当にありがとうございます。EMPiREを観に来たということが自慢できるようなライヴにしたいと思っています。目に焼き付けてください。よろしくおねがいします」と挨拶。定刻になると照明が落ち、ライヴがスタートした。

1曲目はEMPiREの初楽曲「EMPiRE is COMiNG」。曲の途中でYUiNA EMPiREが「私たちがEMPiREです。今日をずっと楽しみにしてきました。最後まで目を離さないでください。最高の1日にしましょう!」と叫び、2曲目「Buttocks beat! beat!」ではMiDORiKO EMPiREが「ブリッツーーー!! 盛り上がって行こうぜ!」と煽り、「デッドバディ」へ。

MCで自己紹介をし、YUKA EMPiREが「この5人でのワンマンライヴは今日が最初で最後になります。2度と来ることのない今日という景色をしっかりと目に焼き付けていってください。そしてなにより、この空間を精一杯楽しんでいってほしいと思います。私たちも全力でぶつかっていくますのでよろしくおねがいします」と語った。

YUiNAが「みなさん、まだまだ盛り上がっていけますか? いけますか? いけますかーー?」とエージェントと掛け合いをし「マッドラブ」。ここから続けて7曲を披露すると、「アカルイミライ」では客席が白いペンライトで一色となり、YUiNAだけでなくYU-Ki EMPiREも涙ぐむ姿が観られたが笑顔で歌いきった。

そしてYUiNA EMPiREがEMPiREのメンバーとして最後のMCを行なった。

YUiNA EMPiRE「本日はEMPiREのワンマンライヴに来てくれてありがとうございます。EMPiREを観に来てくれる人だけで埋まった会場でライヴができることを、ずっと楽しみにしていました。初めてのワンマンライヴでこんなに立派な会場を用意していただいて、チケットもソールドアウトして、こんなにたくさんのエージェントの方々が見にきてくれて本当に嬉しいです。

私、YUiNA EMPiREは、今日のこのワンマンライヴで、EMPiREから、同じ事務所のBiS 2ndに完全移籍します。完全移籍を告げられたときは正直、いよいよここからスタートだっていうときで、すごく悔しい気持ちでいっぱいだったんですけど、振り返ってみると、自分が弱いところがあって。だから私はもう、怖いこととか、嫌なこととか、辛いことから逃げないように強くなるって決めました。

11月にお披露目をしてからEMPiREの5人の期間は本当に短かったですけど、5人のEMPiREも最高だったよねってみんなの思い出になれるように、今日まで後悔しないように全力で走り続けてきました。EMPiREの「EMPiREです」ってポーズは5人で最初にで決めたんですけど、5人でこれから爪痕を残していくぞっていう意味が込められていて私は少しでも爪痕を残せましたでしょうか? (会場拍手) 

私はEMPiREの活動を通して、大切な人とたくさん出会いました。BiSに行っても応援するよって言ってくれるエージェントのみんな、これからも大好きなEMPiREのメンバー。MAYUちゃんはいつも推しメンって言ってくれるし、YU-Kiちゃんは髪の毛をやってくれていつもポジティヴだし助けてもらっています。YUKAちゃんは自分のことをあんまり言わないけどすごい強い心を持っているなと思うし、MiDORiKOはいつも隣にいるし、本当に4人は1人1人尊敬することがたくさんあって私の自慢のメンバーです。この私の大切な人たちの期待に応えるためにも、移籍することの意味をしっかりと理解して、私はBiS 2ndで必要不可欠な存在になれるように、そしてBiS 1stでも輝けるような人を目指して変わっていく姿をみんなに見せていきます。

EMPiREは、これから新しいメンバーが入って、さらに強くなると思うし、EMPiREにしか歌えない格好よくておしゃれな曲をいろんな人に聴いてもらいたいし、みんなに格好いいって憧れてもらえるようなグループになると思います。これからもBiS 2ndYUiNA EMPiREと、新しくはじまる新しいEMPiREを見逃さないでいてください。これからもよろしくおねがいします。今までも、これからもEMPiREが大好きです。グループは変わっちゃうけど、一緒に前を向いて、上を目指すことは変わらないです」

「それでは聴いてください。5人最後の曲です」と「FOR EXAMPLE??」を歌い踊り、初期EMPiREの初めで最後のワンマンライヴでのパフォーマンスは終了した。

5人がステージから下がり幕が締まると、客席からは「EMPiREコール」が起こった。これはアンコールなのか、それとも新メンバー2人への期待のコールなのか? 叫んでいるエージェントたちも、その意味を把握しきれていなかったのではないだろうか。

思い返せば、今年13日に同じマイナビBLITZ赤坂で〈アイドル甲子園〉に出演した際、お客さんに圧倒され、自分たちの空気が作れなかったと5人は反省しきりだった。それとは真逆で客席を圧倒するようなライヴを作り上げた。最初で最後にふさわしい完璧な5人のステージであったことはこの会場にいたエージェントのコールが物語っていたといっても過言ではないだろう。

コールが続く中、幕があき新メンバー2人を加えて新衣装に身を包んだ6人が登場した。そして1部とまったく同じセットリストで6人初めてのライヴが行われた。

「改めまして私たちEMPiREです。よろしくおねがいします」と1人ずつ挨拶し、新メンバー2人の自己紹介でより一層大きな歓声があがると、MAYUが「これからこの6人で大きな帝国を築いていきたいと思います。今日は終わりとはじまりの日、私たちの第一歩を見逃さないでください。よろしくおねがいします!」と語り「ブリッツーー、いけますか? いけますかーー?」というMiDORIKOの煽りとともに再び7曲を披露した。アイナ・ジ・エンドが振り付けをした「アカルイミライ」のYUiNAの振り付け部分を新メンバー2名が行っているのも印象的だった。

そしてMiDORiKOが、9月にミニ・アルバムをリリースすること、EMPiRE初の全国6カ所を巡る単独ツアーの開催を発表。ファイナルを再びマイナビBLITZ赤坂で行うことを発表し、新メンバー2名がMCを行った。

MiKiNA EMPiRE「改めまして、新メンバーのMiKiNA EMPiREです。私は、いままで必死でがんばることは、自分を全部晒しているみたいですごく恥ずかしくて、必死でがんばれない人生を送ってきました。そんなとき、BiSHさんの幕張(メッセのワンマン)を観て、すべてをさらけ出して人間臭くライヴをしているところがすごく格好よくて感動して、オーディションに応募しました。合宿は覚悟をもって臨んだし、死ぬ気でがんばれたから自分は変われたと思っていたんですけど、合宿が終わった瞬間に日常に戻ってしまって、元のなにもできない、やらない自分になってしまいました。EMPiREの練習が始まったときも思った以上にポンコツすぎて、歌もダンスも覚えられなくて、毎日お母さんに話して泣いていました。でも1つだけ、合宿のときと変わったことがあって、それは自分のことを待ってくれる人が少なからずいたことで、誰かが自分を待ってくれているっていことが、すごい自分の強みになったからがんばれたし、今日ここでみなさんと会えて本当に嬉しいです。

私はEMPiREにとってまだ異物なような存在で、歌もダンスもできないし、要領が悪くてネガティヴになっちゃうけど、でもEMPiREに選ばれたっていうことは何かを期待されてなったということだから、これからも諦めずにやり続けていきたいです。私はまだメンバーとか、周りのみなさんに支えられてばっかりですけど、これから変わり続けて、異物だからこそできる、EMPiREに今までいなかった存在になって、EMPiREに風穴を開けていきたいと思っています。だからこれからも私を、EMPiREを、MiKiNA EMPiREをよろしくおねがいします!」

MAHO EMPiRE「はじめまして。MAHO EMPiREです。私はWACKのオーディションを受けるまで、いわゆる綺麗な人生というか、ザ優等生な人生を歩んできました。それは自分がやりたかったとかじゃなくて、間違いたくないとか、そういうことでずっとそういう人生を歩んでいて、大人になっていくにつれて、それがだんだん虚しくなってきて。それでWACKのオーディションを受けました。実は決まっていた未来があったんですけど、それを捨ててここに入りました。

私は自分のことを自分でずっと決められなかったんですけど、このオーディションを受けることは、家族にも友達にも誰にも言わずに1人でちゃんと決めて合宿に行きました。合宿ではあんまり目立てなくて、それが見えなかったと思うんですけど、ちゃんと覚悟を決めて、あの合宿に行きました。そして合格させてもらって、いまここに立っています。なので絶対にちょっとしたことで私はめげたりしないし、もっと強くなりたいと思っています。強気なことを言ってしまったんですけど、みなさんの力が必要なので、これから6人のEMPiREになりますが、どうか変わらず応援してください。よろしくおねがいします」

大きな拍手と歓声が湧き上がる中、MiDORiKOが「本日は本当に本当にありがとうございました。またここで会いましょう」と語り、6人で「FOR EXAMPLE??」を披露し新体制でのライヴは幕を閉じた。そしてYUiNAもステージに迎え7人で写真撮影をし、EMPiREにとって初めてのワンマンライヴは終了した。

EMPiREは、WACK所属グループのなかでも、プー・ルイが作り出したBiSという存在からは1番遠いグループである。WACKのグループは、これまで初ワンマンを中野heavysick ZEROで行ってきた。EMPiREは、それとは違う一歩を踏み出した。しかも1日にして、初期5人の最初で最後のワンマンライヴ、新体制で初ワンマンを成功させた。

そんな大舞台でプレッシャーを抱えながら期待に応えてみせたのは、メンバーの多くがWACK合同合宿オーディション参加者たちで構成されているというのも大きいだろう。過酷な合宿を乗り越えてきたメンバーたち、そしてそのメンバーと一緒に切磋琢磨してきたMiDORiKOによるEMPiREは、WACKの新世代を担うグループであり、まだ誰も観ない景色を切り開いていくグループになるかもしれない。そんなことを夢物語でなくリアルに思わせてくれる最高で濃厚すぎるワンマンライヴだった。

EMPiREが9月4日に同じマイナビBLITZ赤坂で行うワンマンは果たしてどのようなライヴになるのか。すでに気になるくらい鮮烈のデビューワンマンといっても言い過ぎではないだろう。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

THE EMPiRE STRiKES START!!
201851()マイナビBLITZ赤坂
セットリスト
第1[WiTH YUiNA EMPiRE]
1. EMPiRE is COMiNG
2. Buttocks beat! beat!
3. デッドバディ
4. MAD LOVE
5. Donʼt tell me why
6. TOKYO MOONLiGHT
7. LiTTLE BOY
8. Black to the dreamlight
9. コノ世界ノ片隅デ
10. アカルイミライ
11. FOR EXAMPLE??

第2[NEXT EDiTiON]
1. EMPiRE is COMiNG
2. Buttocks beat! beat!
3. デッドバディ
4. MAD LOVE
5. Donʼt tell me why
6. TOKYO MOONLiGHT
7. LiTTLE BOY
8. Black to the dreamlight
9. コノ世界ノ片隅デ
10. アカルイミライ
11. FOR EXAMPLE??

◼︎LIVE情報
EMPiRE NEXT EDiTION TOUR
2018年7月14日(土)仙台 enn2nd
2018年7月21日(土)福岡 DRUM SON
2018年7月29日(日)名古屋 新栄Daytrive
2018年8月18日(土)、8/19(日)札幌 KLUB COUNTER ACTION
2018年8月26日(日)大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
2018年9月4日(火)マイナビBLITZ赤坂

EMPiRE CORE先着先行:5/2(水) 22:00〜5/3(木・祝)22:00
WACK FAMiLY CLUB先着先行:5/3(木・祝)23:00〜5/4(金)23:00
EMPiRE DROiD抽選先行:5/11(金)18:00〜5/17(木)23:00
HP抽選先行受付:5/18(金)18:00~5/21(月)23:00
URL▶http://w.pia.jp/t/empire/
チケット一般発売日:6/2(土)AM10:00〜
チケット料金: 4,000円
お問合せ:KM MUSIC 045-201-9999

◼リリース情報
NEW MiNi ALBUM
“タイトル未定”
2018.09.05発売予定

・EMPiRE無料ファンクラブ『EMPiRE DROiD』
http://empire-fc.com/mailmag/

・EMPiRE OFFiCiAL
Twitter https://twitter.com/EMPiREIDOL
HP  https://empire-official.com

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