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【イベントレポ】クリトリック・リス、マキタスポーツを迎え、日比谷野音行き心のデコチャリ急発進

StoryWriter

2018年8月15日(水) 20:00より、渋谷のトークライヴハウスLOFT9にて〈クリトリック・リス日比谷野音 公開記者会見&決起集会〉が行われた。

このイベントは、来年2019年4月20日(土)に日比谷野外音楽堂にて開催される〈クリトリック・リス50th生誕ワンマン・ライヴ〉を盛り上げるべく企画されたもの。

クリトリック・リスことスギムを迎え、西澤裕郎(株式会社SW)が司会進行役を務め、1部「なぜ、野音ライヴを開催することになったのか?」、2部「どうしたら野音ライヴが盛り上がるのか?」、3部「クリトリック・リス、ライヴ」の3部構成で行われた。

西澤の挨拶に続き、盛大な拍手に迎えられて登場したスギムは「お盆のお忙しい中、ありがとうございます! 今日はみなさん一丸となって野音ライヴを盛り上げていただければと思います!」と挨拶。

イベントの様子は生配信されているということもあり、「くれぐれも全裸にだけはちょっと」(スギム)、「くれぐれもチ〇コは出さないでください」(西澤)と、開始前から異様な盛り上がりを見せる観客に対して機先を制した。

まずは、全員起立の上、「野音ライヴの成功を祈って!」とスモールサイズの樽で鏡割りをおこない、全員にコーヒー×お酒のショットがふるまわれ、スギムの音頭で乾杯をして賑々しくイベントがスタートした。

第1部「なぜ、野音ライヴを開催することになったのか?」

36歳で音楽活動を初め、メジャーからのリリースも経験したスギム。次の目標を定める中で、以前から思い入れのあった野音ライヴを実現させ、50歳の節目にピークを持ってきたい気持ちがあったという。

そんなとき、2008年にクリトリック・リスを初めて観たことで感動したという西澤が会社員を辞めて「株式会社SW」を立ち上げ、「クリトリック・リスの自伝を作りたい」と言ってきたことをきっかけに、「野音ライヴをやろう」という話が持ち上がったそうだ。

ただし、日比谷野音を使用するには、抽選で当選しなければならない。

そこで、西澤がでダメもとで応募したところ、数百倍の倍率の中、一発で当選を勝ち取ったという。「人生の運をすべて使い果たした」という西澤の全身全霊をかけた引きの強さに、客席から称賛の声が沸き起こった。

来年で活動13年目を迎えるというクリトリック・リス。

「野音に立つことができるアーティストは限られていると思います。クラウドファンディングも考えたものの、みなさん平等に僕のことを応援してほしい、楽しんでほしいと思った」ということで、チケットを3,000円の低料金で、ライヴハウス的なイメージをテーマに開催することにしたという。

「第1回のフジロックと同じように、“あのときのクリトリック・リスの野音を見たんやぞ”と自慢できるはず」と、伝説の第1回フジロックを引き合いに出し、見逃せないライヴであることを煽るスギム。

ただし、「安全面と空気だけは守っていきたい。柵の前には筋肉隆々の黒人を置いて安全面には配慮するので安心して楽しんでください」と、冗談とも本気ともつかないセキュリティの万全さをアピールした。

「みなさんで、野音を成功させましょう! よろしくおねがいします。」と、スギムが謙虚に客席に呼びかけて、第1部は終了となった。

第2部 マキタスポーツ登場!「どうしたら野音ライヴが盛り上がるのか?」

休憩を挟み、第2部では、サプライズ・ゲストとして、仕事の合間に急遽駆けつけたという、マキタスポーツが登場!

年齢が近いという2人。10年以上前に大阪で対バンして、昨年新宿レッドクロスで久々に対バン、マキタのラジオにスギムが出演するなど、交流が続いているという。

客席を見渡し、「それにしても、女性が少ないな!」とマキタ。「最近の若者はライヴハウスに興味ない。若い子はみんなフェスに行くよね。今はスタジオに行ってもおじさんばっかりだもん」と、昨今のライヴシーンの傾向を語る。

また、スギムによると最近は酒を飲んだら演奏できないような速い曲をやるバンドが多く、ライヴハウスの楽屋で酒を飲んでいると若いバンドマンに叱られる、と嘆いた。

スギムから「イベントを成功させる方法を訊きたい」とアドバイスを求められたマキタは、「今はあなたみたいな、失敗もエンターテイメントとして見せられる人の方が成功させられるんじゃないの?」と分析。また、西澤から「批評的な視点を持っているマキタさんから見て、正直クリトリック・リスが野音ライヴを行うことをどう思いますか?」と率直な感想を求められると、

「すげえと思うよ、同世代だし。俺だって、テレビには出ているけど音楽シーンでは全然ペーペーだから、昔一緒にライヴをやっていたクリトリック・リスが孤独な戦いをしながら野音をやるっていうのは、失敗すればいいなって」と語ると、客席は爆笑。

「失敗がよく似合う男じゃないですか? お客さんも、“成功されてたまるか”っていう、愛憎半ばする気持ちでおっかなビックリ見ていると思う。こんなに売れてほしくないやつっていないと思うんだよね。そういう、微妙な心理状態をついていて、今一番臨界点にあるわけでしょ。野音をうっかり成功させちゃったら、この辺(のお客さん)が一掃できるわけですよ。一掃しようキャンペーンなんだよ」と、最前列で盛り上がるファンを指して語ると、スギムも「それは、無理してでも頑張りたいなあ」と同意して笑わせた。

「野音を通過点にして、本当のゴールってどこなの?」とマキタに問われると、「野音が成功したら、テレビに出たい。失敗したらドサまわり」と答えるスギム。

「どんどんステージを上げてもらいたい。野音を通過点に、その先に行ってほしい」と期待するマキタに対し、スギムが「俺の場合、客が足を引っ張るんですよ」と返し、前方の客席から一斉に「謝れ!」とクレームの声が上がり、「すいませんでした!」と高速謝罪する場面も。

また、西澤は「野音に3,000人が集まって成功したらスギムさんが変わってしまう危惧がある」という、複雑な心境をのぞかせた。

ここでスギムが野音ライヴをいかに宣伝するか、の構想を発表。

「デコチャリを作って、当日は大阪からデコチャリで野音入りするとか。ロックのイメージはバイクと結びついてるから、僕の音楽はデコチャリかなと(笑)。「1人打ち込みでデコチャリ」を流行らせたい。それと「デコチャリキャノンボール」をやりたい」と語り、「この中でデコチャリで一緒に走ってくれる人はいますか?」と呼びかけると、数人のファンが挙手。不思議なファンとの絆を感じさせた。また、「デコチャリで渋谷を走れば、マリオカートのやつみたいに写真を撮られてSNSで話題になるのでは?」との案には客席から爆笑が起こった。

「スギムさんには人徳があるし、みんな、失敗してほしいといいつつ頑張れと思っている」(西澤)

「それはあるよね。リスクは大きいかもしれないけど、野音で失敗しても、ひと財産だし」(マキタ)

「失敗するつもりではやってないんですけど(笑)」(スギム)

最後は、マキタがスギムにグータッチして健闘を祈り、大きな拍手に見送られてステージを後にした。

第3部「クリトリック・リスライヴ」

第3部では、客席前方をスタンディング・エリアにしてライヴを開催。

ファンに煽られるままに、「俺たちがELLEGARDENだ!」と、最新の話題に乗っかった無茶苦茶な自己紹介から「酒相撲のテーマ」でスタートしたライヴは、観客総立ちで大盛り上がり。改めて見るとアラフィフにしては結構引き締まったボディのスギム。既に野音に向けて仕上がっているのかもしれない。

途中、収集のつかないほど盛り上がる客席に降りて飛び蹴りをするスギム。

「こんなんじゃ野音できない! みんな俺の言うこと聞いてくれんと!」と、野音ライヴを成功させる上でお客さんと共に作り上げていこうという姿勢を改めて示した。

「BUS-BUS」「1989」「MIDNIGHT SCUMMER」と、会場一体となる盛り上がりでライヴを終えると、「今、チケットぴあ先行受付を開始してます。良い席ですよ。というか、良い席しかないです」と告知も忘れない。

「今は何が正解なのかわかっていない状態なので、長い時間をかけて俺もお客さんも成長していけたらと思います。今日はどうもありがとうございました!」とイベントを締めくくった。

ライヴを見ているうちに、あの野音のステージに立ち大観衆を前に1人で立つ、というのはとてつもないことだろうなーと考えると、人ごとながら恐ろしい気分になってきた。その分、「これを野音で見たら、ものすごい感動が待っているのではないか?」と想像できるライヴでもあった。

これからクリトリック・リスはどのように野音ワンマンへのロードを進んで行くのか? 大いに注目していこう。

取材・文:岡本貴之
写真:大橋祐希


日比谷野音、オフィシャル先行チケット発売中!! 


クリトリック・リス生誕50thイベント
2019年4月20日(土)@日比谷野外音楽堂
時間:開場 17時00分 / 開演 18時00分
チケット料金:前売り 3,000円 / 当日 3,500円
※雨天決行
※3歳以上要チケット

クリトリック・リス オフィシャル先行 ※抽選先行
受付URL:  http://w.pia.jp/t/clitoricris-yaon/
受付期間 :  8/15(水)  22:00  〜 9/9(日)23:59
枚数制限 : お1人様4枚まで申し込み可
受付席種 : 全席指定 3,000円

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