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【WAgg連載】Vol.5──ウタウウタ「一体感を作りながら個性を乗せていけるグループにしていきたい」

StoryWriter

BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiREのマネジメントを行うWACKが手がけるアイドル育成プロジェクト『WAgg』。「その後の進路はBiSに行ったり、BiSHに行ったりとか色々考えます」とアナウンスされており、WACKの将来を担う可能性に満ちたグループとなっている。

9月9日にはTSUTAYA O-WESTにて、BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiRE各グループの楽曲をパフォーマンスし、デビューを果たした。その後、東名阪仙公演を開催し、現在はEMPiREとの2マンライヴツアーを開催中である。そんな8人のソロ・インタビューを掲載する連載がスタート。

第5回は、ウタウウタのインタビューをお送りする。2018年3月に壱岐島で開催された「WACK合宿オーディション2018」に参加するも脱落、悔し涙を飲んだが、自らの意思でWAggオーディションに参加し、合格を勝ち取った。同じグループ内の愛と仲がよい彼女は、どのような人生を経てWAggにたどり着いたのか。話を訊いた。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:外林健太


全員がちゃんと話せるようになった

──エリザベス宮地監督の映像作品『WAggドキュメント「俺らはIDOL」』では、WAggがデビューするまでの1ヶ月間が赤裸々に映し出されています。その中で渡辺(淳之介/WACK代表)さんからメンバー全員が怒られているシーンがありますが、その後ウタさんの周りではどんなことがあったんでしょう。

 

ウタウウタ:渡辺さんから話をしてもらった日の夜、愛ちゃんと2人で泣きながらしゃべったんです。それまでメンバー8人の前でしゃべらなかったようなことも愛ちゃんはしゃべってくれたし、私も愛ちゃんにいろいろしゃべることができて、お互いもっと頑張ろうってなりました。

──活動初期からウタさんは愛さんと仲がいいですよね? どういうところで気が合うんでしょう。

ウタウウタ:どこで気が合っているかはわからないんですけど、愛ちゃんはいい子だし、かわいいし、すごく変な子でおもしろい。お互い何かあったら、すぐにLINEしちゃいます。くだらないLINEもくるし、会っても話します。

──正直、仲がいいことが馴れ合いみたいな形で外に見えちゃっていた部分もあったと思うんですけど、O-WESTでのEMPiREとの2マンを見たら、いい意味で独立して1人ずつ立っているなと感じていいなと思いました。

ウタウウタ:みんなでインタビューを受けたり、話し合いで意見を言ったり、このライヴはこうしようとか話していくうちに、私はみんなとしゃべれるようになったし、愛ちゃんもみんなとしゃべれるようになりました。全員がちゃんと話せるようになったから、誰と誰がずっと一緒とかそういうのではなくなったのかなと思います。

──初インタビューのときは、全員よそよそしい感じがありましたもんね。

ウタウウタ:あのインタビューが終わったあと、スタッフさんから「みんなグループのことじゃなくて自分のことしかしゃべっていない」って注意してもらって。(カミヤ)サキさんからも「このライヴはこうしようとか、この曲はこういう気持ちで歌おうとか、考えてやったほうがいいよ」って言われて。みんなでライヴをする前に、このライヴはこうしようって話すようになりました。

──そのあと、他のメンバーとの関係性も変わっていった?

ウタウウタ:みんな怒られてからいろいろ考えたと思うんです。怒られた翌日に全員で話し合いをしたんですけど、それぞれ思っていることや意見をいっぱい言いあったんです。その次の日とかは気まずかったし静かだったけど、時間が経つ中で少しずつ思ったことを話せるようになってきていると思います。

よく双子みたいだって言われて間違われます

──今日は個別インタビューなので、ウタさんの小さい頃の話から聞いていきたいと思うんですけど、どんな子どもだったと言われることが多いですか?

ウタウウタ:よく覚えていないんですけど、ママからは「ずっと食べ物を食べていた」って言われます。ちょうど私が赤ちゃんの時、お姉ちゃんがチョコレートにハマっていたらしくて。赤ちゃんにチョコは食べさせちゃいけないのに、お姉ちゃんがこっそりチョコレートをあげていたみたいで。それからチョコレートを食べ続けて育ちました。毎日食べていたよって(笑)。

──今もチョコレート好きなんですか?

ウタウウタ:あまり好きじゃないです。ネバネバしていて気持ち悪いってなっちゃう。

──完全に小さい頃のトラウマじゃないですか(笑)。性格的にはどんな子どもでしたか?

ウタウウタ:友だちがいなかったって言われます。お姉ちゃんとずっと一緒にいたから友だちがいなかったんです。

──お姉ちゃんとは何個違いなんですか?

ウタウウタ:3歳違います。友だちとは違うし、なんて言ったらいいのか分からないんですけど、ずっと一緒にいる存在でした。地元にいた時、同じ部屋だったので、同じ服を着たりもしていました。

──お姉ちゃんきっかけで好きになったものは他にもありそうですね。

ウタウウタ:お姉ちゃんはバンドがすごく好きなんです。同じ部屋にいるのに、二段ベッドの上から下にいる私に「このバンドいいよ」ってLINEを飛ばしてきて。私も気に入ったバンドは、お姉ちゃんがチケットを発券して渡してくれて一緒に行っていました。

──絵に描いたような姉妹って感じがしていいですね。

ウタウウタ:よく双子みたいだって言われて間違われます。お披露目ライヴの時にも来てくれていたんですけど、私は会えなくて。家族で渡辺さんに挨拶したらしいんですけど、そのときはギャルみたいな服装をしていたらしく、渡辺さんから「お姉ちゃん、すごい露出していたよ」って言われました(笑)。

──(笑)。ウタさんのライヴを観て、ご家族はどんな感想を言っていましたか?

ウタウウタ:「歌が下手だね」っていっぱい言われました。パパからも「歌、頑張ってね」ってLINEが来て…… 悲しくなりました(苦笑)。

──それ以外の感想は?

ウタウウタ:なしです(笑)。

人にあまり干渉したくないし、されたくなかった

──(笑)。話を戻して…… 小さいとき、どんな子どもだったんでしょう。

ウタウウタ:保育園の時のことはあまり覚えていないんですけど、「いないないばあ」とか「しまじろう」を観ていた記憶はあります。あと保育園へのママの迎えが遅くなる日はお菓子をいっぱい食べれたんですよ。ママに「お菓子食べれるから1番遅く来て」ってずっと言っていて。最後まで保育園に残って、ヨーグルトとかクッキーとかをむさぼっていた記憶があります。

──食べるのが好きだったんですね(笑)。小学校生活はどんな子どもでした?

ウタウウタ:小学2年生のときに友だちを作ろうと思った記憶があって。私は人と話すのが得意じゃなかったので、みんなが友だち作ってく中、1人で本を読んでいたんです。結果的に、中学校に上がってから学校に行かなくなってしまうんですけど……。

──緊張して人とうまく話せない?

ウタウウタ:例えば、誰かから「昨日、家でお寿司を食べた」っていう話を聞いても「そうなんだ」と思って終わっちゃうんですよ。「あそこのサーモンが美味しくって」「どんな味?」みたいな感じで別に話をしたくないというか。別に知りたくなかった。うまく伝わるかわからないんですけど、人にあまり干渉したくないし、されたくなかった。それでみんなとうまく話せなくて。

──心のどこかで、しゃべりたい気持ちはありませんでした?

ウタウウタ:なんで友だちができないんだろうなとは思っていました。こうやって考えると自分が100%悪いんですけど、寿司の話を聞くより本の方がおもしろかった。それで本を読んでいたら、だんだん友だちがいなくなって…。

──その分、本をたくさん読んだんですね。

ウタウウタ:読みました。おじいちゃんが本をいっぱい持っていて、家のガレージみたいなところにずらーっと本があるんですよ。夏休みとかでおじいちゃんの家に行った時、いっぱい借りてきて全部読むみたいな感じでした。

──印象に残っている本を挙げるとしたら?

ウタウウタ:ママが三島由紀夫のことが好きで、おじいちゃんの家で本を選んでいるときに押し付けてきたんです。で、読んでみたらおもしろくて、ずっと三島由紀夫を読んでいました。もともと漫画が好きで、難しい本が並んでいるのを見て何だよと思っていたんですけど、読んだらおもしろくて。そこからずっと本ばかり読むようになって、学校でもずっと読むようになっちゃったんです。

──音楽は、お姉ちゃんの影響で聴いていたわけですよね。

ウタウウタ:お姉ちゃんは本当にちっちゃいライヴハウスでやっているようなインディーズバンドがずっと好きで。どこから見つけてくるのか分からないんですけど、めちゃめちゃいい感じの曲を聴かせてくれるので、素敵な才能だと思います。

「ちゃんとやるからやらせてください」ってお父さんに言えました

──WACK関係のグループに興味をもったきっかけは?

ウタウウタ:ある日、お父さんとママが観ていたテレビ番組に旧BiSが映っていて。たしか、スペースシャワーで旧BiSが解散した次の日に特集をやっていたんですよ。それを観た時に「なんだこれ!」と思って。お姉ちゃんもハマって、そこから曲も聴いたりして好きになっていきました。BiSHができてからはお姉ちゃんとママはライヴにも行っていたんですけど、私はたまについていくぐらいで。そのあたりからちょっとずつハマっていきました。

──さっき中学校に行かなくなってしまったと話してくれましたけど、それはどんなきっかけがあったんでしょう?

ウタウウタ:中学に入学して、次こそ友だち作るぞと思って話しかけられるのを待っていたんですけど、どんどん周りでグループができていって。私は相変わらず話しかけられなかったし、勉強は苦手だったからついていけなくて…… 数学が1番苦手なんですけど掛け算すら危うくて、1回テストで仮病を使って休んだんですよ。それで休んじゃったら、行くきっかけを掴めなくなっちゃって、ずっと休むようになってしまいました。

──学校に行かなきゃなっていう焦りみたいなものもあった?

ウタウウタ:最初の頃は、行かなきゃ、勉強しなきゃダメだ、って気持ちばかりだったんですけど、YouTubeをずっと観ていたら、勉強しなくても生きていける人がいるんだと思うようになって。勉強しなくてもいい仕事ってあるんじゃないかなと勝手に思って、いっぱい調べていくうちに、勉強はあまり必要じゃないなって変な答えが出てきて、もういいやってなってしまいました。そこからは学校を休んで家でゲームしたり、漫画を読んだり、アニメを観たり、本を読んでいたりしているうちに、学校のことは忘れちゃいました。

──そこからどうしてWACK合宿オーディション2018を受けようと思ったんでしょう?

ウタウウタ:普通の人が学校で勉強している時間、私はいろいろ調べたり、DVDを観たりしていたんですけど、その時に渡辺さんのTwitterで合宿オーディションの募集をしているのを見て、やってみようかなと思ってママに相談して受けることにしたんです。

──それは現状を変えたい気持ちがあった?

ウタウウタ:ママから「将来、何するの?」って言われたとき、なんて答えたらいいか分からなくて。このまま家で何もない生活するのかなと考えたらすごい嫌だなと思って、なんかしなきゃっていう気持ちでいっぱいでした。

──その気持ちはすごく大切だと思うんですけど、それまでずっと家にいた生活から、急に離島に行って知らない女の子ばかりの中、マラソンやダンス審査などの課題を課せられる体験というのは正直どんな気持ちだったんでしょう?

ウタウウタ:みんなが勉強をしている時、私は家で好きなことやったり、本当はやらなきゃいけない勉強ををサボっていた分のツケなのかなと思って。でも楽しかった。

──その時は残念ながら途中で脱落してしまい家に帰った訳ですけど、合宿が終わっても諦めなかったのはなぜなんでしょう。

ウタウウタ:落ちて帰る前、渡辺さんが「もう1回来な」って言ってくれたんです。最初は向いていないと思ったし、お家に帰ったらいつも通りの生活をしようと思っていたんですけど、そうやって言ってくださったので、もっと頑張ろうと思って。それでWAggの募集を見た時に、受けようと思いました。

──そして見事合格を勝ち取ったわけですけど、ご家族はどんな反応をしていましたか。

ウタウウタ:合格を伝えた時、お父さんがめっちゃ怒って。「ちゃんとできるのか?」って言われて喧嘩したんです。それまでお父さんは優しくて怒ることなんてなかったのにめっちゃ怒られて。私も最初辞めようかなと思ったんですけど、その時にビビらないで「ちゃんとやるからやらせてください」ってお父さんに言えました。

──そこでビビらずに言えたのはどうしてなんでしょうね。

ウタウウタ:自分でも分からないんですけど、家に引きこもり続けるのをやめて、WAggで活動したいと強く思っていたからなのかなと思います。

みんな全部同じだとつまらない

WAggのアンズピアと2ショット

──そしてWAggに入って、7人のメンバーとともに活動が始まったわけですけど、それまで苦戦していた「人と話す」という部分はうまくできていますか?

ウタウウタ:悪い意味じゃなくて、みんな「陰キャ」な面を持った人たちなんですよ。だから怖くない。といいつつ、最初はアンちゃんが怖かったんですよ(笑)。見た目的に、キッズモデルとかやっていそうだなって。でも、しゃべったら普通におもしろくて。バカなんですよ(笑)。あと、マリンちゃんもハキハキしていて怖かったんですけど、普通にいい子だし優しくて。サアヤイトさんも最初変なことを言っていて怖かったんですけど、アドバイスをくれるし、おもしろい。すごくいい人たちで楽しいです。

──友達というわけではないですけど、そういう仲間が見つかってよかったですね。年頃の女の子たちが集まっているわけで、喧嘩とかはないんですか?

ウタウウタ:不安があったら、めっちゃ言うんですよ。特にアンちゃんとかは、陰でコソコソ言うんじゃなくて、その人の前でちゃんと言う。言いづらいこと言ってくれるんです。マリンちゃんも、ダメだと思ったら注意をしてくれる。ウルウ・ルさんも、みんなで話している時に黙っていることが多かったんですけど、最近は「ここはこうした方がいいと思う」って話してくれるようになって、すごくいいなって思います。

──これから、ウタさんはWAggをどんなグループにしていきたいと思いますか?

ウタウウタ:みんなで同じ気持ちでやってくって言っていたんですけど、みんな全部同じだとつまらないし、多少は違う気持ちも持っていると思うんですよ。それを無理に同じにするんじゃなくて、一体感を作りながら個性を乗せていけるグループにしていきたいなと思います。

──活動がはじまったばかりで、先のことは見えない部分も多いと思いますが、今の時点でのウタさんの目標を教えてください。

ウタウウタ:サアヤイトさんは歌がすごく上手いとか、ウルウ・ルさんだったらスタイルいいとか、みんなそれぞれ個性があるんですよ。自分にもいいところがあると思うので、それが活かせるようなことを考えていきたいです!


WAggソロ・インタビューをあわせてチェック!
Vol.1──ナルハワールド「素直さや元気さを出していきたい」
Vol.2──マリン・バ「WAggで1番になりたい」
Vol.3──ウルウ・ル「WAgg8人で、いいねって思われたい」
Vol.4──アンズピア「今の目標は、楽しむこと」


WAgg PROFILE

マリン・バ / ウルウ・ル / ウタウウタ / アンズピア /ナルハワールド / 愛 / サアヤイト / ハナエモンスター

■WAgg Official HP
http://www.wagg.tokyo/

・WAgg Official Twitter
WAggidol

・WAggメンバー Twitter
マリン・バ : @MARiN_WAgg
愛 : @L0VE_WAgg
アンズピア : @ANZU_WAgg
ウタウウタ : @UTA_WAgg
ハナエモンスター : @HANAEMON_WAgg
サアヤイト : @SAYA_WAgg
ナルハワールド : @NARUHA_WAgg
ウルウ・ル : @URUURU_WAgg

◼︎EMPiREとの2マンツアー「WAgg THE NEW RiCE with EMPiRE」
2018年11月23日(金・祝)仙台 SENDAI CLUB JUNK BOX
時間:Open/Start 13:30/14:30
[問]SENDAI CLUB JUNK BOX 022-716-5155
2018年12月2日(日)愛知県 X-HALL -ZEN-
2018年12月9日(日)新潟県 柳都SHOW!CASE!!
2018年12月24日(月・振休)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
2018年12月28日(金)東京都 WWW X
[1回目]OPEN 13:00 / START 13:30
[2回目]OPEN 18:30 / START 19:00

チケット :
料金 : 4,000円(tax in.)(オールスタンディング / 入場整理番号付 / 入場時にドリンク代別途必要)
※未就学児童入場不可
※ダイブ / サーフ / モッシュ / リフト禁止
チケット : w.pia.jp/t/wagg/

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