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【連載】BiSインタビュー Vol.3 キカ・フロント・フロンタール「誰でも受け入れる存在にしたい」

StoryWriter

白塗りというインパクトなビジュアルながらBiSの担当はない、キカ・フロント・フロンタール。100kmマラソンを20時間以内に走りきってしまう身体能力を持つ彼女は、研究員(※ファンの総称)からの投票でBiSを2つのグループに分ける〈BiS.LEAGUE〉を通してBiSのことを考えられるようになったという。2回目の投票では3位まで順位を上げたキカは、2018年どんなことを考え行動し、どのように変わっていったのか。まずは2018年のことから話を訊いた。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:大橋祐希


1年で10年分くらいの経験をした

──2018年は、キカさんにとってどんな年でした?

キカ・フロント・フロンタール(以下、キカ):あっという間でしたね。信じられないことばかりが起きすぎて、1年だったけど10年分くらいの経験をしたような感じでした。

──中でも、投票をしてBiSを2つにわける〈BiS.LEAGUE〉は衝撃的でした。実際にやってみていかがでしたか?

キカ:今だからこそ、やってよかったなと私は思っていて。終わることが分かったくらいの時期に、ようやくそう思えたんですよ。最初の頃や、やっている最中はしんどかったんですけど、今はよかったなって思います。

──どういう部分でよかったと思うんでしょう?

キカ:これは個人的な話でもあるんですけど、〈BiS.LEAGUE〉のおかげでBiSのことを考えられるようになったんです。それまで、私は嫌だなって思う気持ちが自分の方向に向いちゃっていたんですよ。でも、これはBiSのためなんだと思ったら別に嫌だなって思わなくなって。それに気付けたことが、自分の中で〈BiS.LEAGUE〉の大きなよかったなと思えることです。

──そういう風に思えるきっかけがあったんですか。

キカ:〈BiS.LEAGUE〉の終わりかけの時期に、前のマネージャーさんと2人で喋る機会があったんですよ。メンバーとも毎日ほぼ寝ないで話し合いをしていて、頭がぽわぽわしてた時に「矢印の方向、自分に向いてないですか?」っていうのを言ってくれて。それで気がついて。

──それこそ第1回目の投票結果の発表ではかなり落ち込んでいましたよね。

キカ:ああなってしまったのも、自分に矢印が向いていたからなんですよ。

──12月29日のZepp Tokyoで行われた2回目の投票発表では3位と、一気に順位が上がりました。率直にどんな気持ちだったんでしょう。

キカ:嬉しかったですね。それが何位でもよかったんですけど、順位が上がったことが嬉しかった。自分が〈BiS.LEAGUE〉を通して変われたってことが伝わったのかなって。

BiSとしてチャンスでしかない

──その場で〈BiS.LEAGUE〉の廃止とメンバー5人に対しての戦力外通告がありました。それを聞いたときは、どんな気持ちでしたか?

キカ:戦力外通告に関しては最初はびっくりしたんですけど、意外と前向きでした。それは自分が言われてないからとかじゃなくて、BiSとしてチャンスでしかないなと思って。ピンチではあるけど、そこからどう変えるかは自分たち次第だし、注目されるので、そこで頑張っている姿をより観てもらえるなって。そんなマイナスに捉えてはいなかったです。

──年明けの1月1日にはネル・ネールさんの脱退発表がありました。あまりにいろいろな出来事が立て続けに起こりましたけど、どんな思いだったんでしょう。

キカ:脱退する直前まで、個人的にネルにLINEを送っていたんですよ。戦力外通告があって、すぐに気持ちを切り替えて考えられる子たちばかりじゃないと思ったので、一緒に頑張っていこうって内容を送っていて。そしたらネルからすぐに返事が返ってきて。今まで2ndでありがとう、これから10人でやってこうねって。だから、ネルも前向きだなって思っていたんですけど、気持ちがぷつっと切れちゃったのかなって。直接しゃべれていないのでなんとも言えないんですけど、もしかして私が頑張るって言わせちゃったのかなって考えることもあるし、頑張ろうって思わなきゃと思わせちゃったのかなって。

 

──1月3日には9人体制で初のライヴとなる〈WACKなりの甲子園〉がありました。実際手応えはいかがでしたか。

キカ:覚えていないんですよね。最近ライヴの記憶がなくて。Zeppも、やっている時の気持ちとか記憶がなくて。でも、必死だったのは覚えています。あと1月3日から生歌になったんですよ。もう必死でした。

──そこで完全生歌に変わったんですね。

キカ:急に10人から9人に体制が変わったので、音源を作り直す時間もなかったんです。それで3日は完全生歌でやったんですけど、それを観た渡辺さんが「生歌、いいじゃん」って言ってくださったんです。そこからはずっと生歌です。

──きっかけはどうであれ、BiSの積み重ねてきた努力が認められたというか嬉しい出来事ですよね。

キカ:そうですね。嬉しかったです。私は生歌で歌ってるアイドルが好きで、その方が届くものが絶対にいっぱいあるなと思っていて。ハプニングによるあれだったかもしれないけど、これを継続していけるように頑張ろうと思いました。

次もくまモンを更新したいと思います(笑)

──継続というところでいうと、白塗りをはじめてどれくらい経つんでしたっけ?

キカ:2年ぐらいになりますね(笑)。

──未だに同じ白塗りにならないように、少しずつバージョンを変えて塗っているんですか?

キカ:基本はそうなんですよ。47都道府県も全部柄を変えていたんですけど、もはやこれは何の顔だって時もありました(笑)。ツアーが終わって、ファンの方が全部の顔をまとめてくださったりしていたんですよ。絞り出したネタみたいなものもいっぱいありました(笑)。

──各都道府県にちなんだ白塗りにしていましたけど、自分の中で一番よくできたというか、自信作はありますか?

キカ:なんだろうなあ。私、くまモンの白塗りを超えられてないんですよ。今年も2回目のくまモンをやったんですよ。1回目にやったくまモンとやり方を変えて。次もくまモンを更新したいと思います(笑)。

──あははは。もはや白塗りなのかもよく分からないですよね(笑)。

キカ:そうなんですよ。もはや黒なんで(笑)。

──最初に白塗りを見た時は驚いたんですけど、もはやキカさんのアイデンティティになっている訳ですよね。

キカ:ビジュアル的にも白塗りは分かりやすいですよね。初めて観た人は、あ、顔の白い人だってすぐ分かるから、それは本当にありがたい武器だなって。でかいですよね、あらためて考えると。

安定することなんてないんですよ、BiSに(笑)

──3月末にはWACK合宿オーディションがあります。戦力外通告のメンバーも参加するわけですけど、もしかしたら新メンバーが入る可能性もなくはないですよね。そういう現状をどういう風に思っていますか?

キカ:一緒に行く戦力外通告を受けている4人がどうなるのか怖いなって気持ちはあります。あと、今までの合宿でBiSに新メンバーが入らなかったことはないので、新メンバーは入るだろうなとは思うし入ってほしいなって。めっちゃヤバいやつ(笑)。すげーやつに入って欲しいなって思います。

──話を訊いていると、キカさんは変化を嫌わないっていうか、割とそこはポジティブに捉えるところがあるのかなって。

キカ:そう思えるようになりました。だってどうせ何かあるじゃないですか。安定することなんてないんですよ、BiSに(笑)。

──プー・ルイさんが抜けた後は「この6人でBiSなんだ」ってMCでよく言っていたので、ちょっと気持ちというか考え方が変わったのかなと感じました。

キカ:変わりましたね。自分1人のことだけ考えたら、フォーメーションもまた覚え直さないといけないとか嫌なんですけど、BiSにとっての事情を考えたら、絶対そっちの方がいいに決まっているんですよ。そう思ったら全然なんでも来いって感じになりました。とか言って、めっちゃヤバいことが起きたらどうしようって感じですけど(笑)。

全部詰め込んだようなグループでいたい

──そういう意味だと、新曲「Are you ready?」も予想の斜め上を行くようなクイーンをオマージュした曲で、11分24秒という長さですからね。最初聴いてどんなこと思いました?

 

キカ:長い曲が来るっていうことも、コロコロと曲調が変わるっていうことも聞いていたんですけど、めっちゃくちゃ聴き馴染みのあるフレーズがあって、まじか! って思いました(笑)。

──逆に、率直すぎて気付かないぐらいでした(笑)。

キカ:(笑)。みんなが知っているような曲をリスペクトしてオマージュしているのでチャンスだなと思っていますね。いろんな人に知ってもらえるので。

──「アゲインストザペイン」は気持ちを入れやすい曲だったと思うんですけど、「Are you ready?」ってどういう感情で歌っているんでしょう。

キカ:11分24秒の間に曲調もガラガラ変わるので、心が追いつかないですよね(笑)。だから逆に感情を無にして、最後のラスサビでみんなで歌う部分で一気に感情を入れています。それ以外の部分は演劇みたいな感じで、BiS劇場みたいなお話を作っていて。ミュージカルみたいなイメージで歌っています。

──キカさんは、これからのBiSをどんな場所にどんな存在にしていきたいと思いますか。

キカ:誰でも受け入れるような存在にしたい。新メンバーもだし、お客さんも、WACK全体で見ても、BiSは誰でもどんなお客さんもどうぞって言えるようになりたい。例えば、ギャンパレだったら「みんなの遊び場」じゃないですか? それぞれグループのライヴの色があると思うんですけど、オールマイティじゃないですけど、全部詰め込んだようなグループでいたい。例えば、楽しいイメージの曲もあるし、エモい曲もあるし、いろんな側面を持っていて、泣きたいし笑いたいし、どんな気分の時でもライヴに行ったら楽しめるような場所でありたいなって思います。

──2019年もいろいろ変化があるかもしれませんけど、それに対してはどういう気持ちでいますか。

キカ:変化すらもワクワクしています。安定したいって気持ちもあるんですけど、どうせなにかあるだろうし、なんでも来いよ! って感じで楽しみです(笑)。


■【連載】BiSソロ・インタビュー

>>Vol.1──ゴ・ジーラ「BiSの曲を聴いて生きてくれたらいいなって」

>>Vol.2──ペリ・ウブ「みんながBiSに必要で唯一無二な存在になれたら」


BiS PROFILE

2010年に結成し、2014年に解散、2016年9月に再始動したWACK所属グループの原点的アイドル・グループ。全裸PVや水着ライヴなど過激なプロモーションが話題となり、インディ・ロックの要素を取り入れた楽曲や非常階段とのコラボなどが評価を得た。2018年3月、「Jリーグ方式」を取り入れBiS 1stと2ndに分裂したが、12月にZepp Tokyoで行われた47都道府県ツアーのファイナルにて1つに統合。現在のメンバーは、ゴ・ジーラ、アヤ・エイトプリンス、キカ・フロント・フロンタール、ペリ・ウブ、パン・ルナリーフィ、ミュークラブ、YUiNA EMPiRE、ムロパナコ、トリアエズ・ハナの9名。


■リリース情報

BiS 『Are you ready?』
2019年3月20日(水)発売
・完全生産限定盤(豪華BOX仕様)
CD+Blu-ray+PHOTOBOOK (100P)+T-Shirts
CRZP-39 / ¥10,000+税(税込¥10,800)
・初回生産限定盤(スリーブケース仕様)
CD+DVD
・CRCP-10423 / ¥3,000+税(税込¥3,240)
・CRCP-10424 / ¥1,000+税(税込¥1,080)

◼︎BiS Are you ready to go? TOUR
2019年4月6日(土)沖縄・output OPEN 16:00 / START 17:00
2019年4月14日(日)福岡・DRUM Be-1 OPEN 16:00 / START 17:00
2019年4月21日(日)埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 OPEN 16:00 / START 17:00
2019年4月27日(土)神奈川・F.A.D YOKOHAMA OPEN 13:00 / START 14:00
2019年4月28日(日)香川・高松MONSTER OPEN 16:00 / START 17:00
2019年4月29日(月・祝)広島・SECOND CRUTCH OPEN 16:00 / START 17:00
2019年5月1日(水・祝)愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO OPEN 14:00 / START 15:00
2019年5月2日(木・祝)宮城・SENDAI CLUB JUNKBOX OPEN 16:00 / START 17:00
2019年5月4日(土)大阪・UMEDA CLUB QUATTRO OPEN 14:00 / START 15:00
2019年5月6日(月・祝)北海道・BESSIE HALL OPEN 16:00 / START 17:00
2019年5月11日(土)東京・マイナビBLITZ赤坂 OPEN 17:00 / START 18:00

BiSオフィシャルHP:https://www.brandnewidolsociety.tokyo/

受付URL:http://w.pia.jp/t/bis/

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