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【LIVE REPORT】内田珠鈴、新曲「死は存在するのか」を原宿・竹下通りでゲリラ解禁

StoryWriter

2019年5月に初のEP『光の中を泳ぐ』をリリースした現役高校生のアーティスト、内田珠鈴。2017年4月より活動拠点を福岡から東京へ移しアーティスト活動をスタートさせた内田が、2019年になり自ら路上ライヴを開始させた。しかも毎日休みなく行なっているという。なぜ彼女は自ら路上という舞台に立つことを決めたのか。そんな疑問から、StoryWriter編集部の西澤とインターンのヨコザワの2名は、新大久保駅前の路上ライヴを観に行くことに。そこで、インターン・ヨコザワは、ひたむきに歌う内田の姿に心を惹かれることとなる。

下記に掲載するレポートは、内田珠鈴の路上ライヴ、そしてその後行われることとなったゲリラライヴをヨコザワが記録したものである。ヨコザワの観察眼や文章もまだ発展途中だ。それでも、彼のレポートを掲載するのは、内田が自発的に路上ライヴやゲリラライヴを行いたいと宣言したように、ヨコザワが内田の活動を追って記録したいと志願したからである。輝かしい経歴にも増して、先が見えなくても熱い気持ちから何かがはじまることもある。そんなことを信じて、下記レポートをお読みいただけたら幸いだ。(StoryWriter 西澤裕郎)


記憶に残るような、面白いライヴをしたい

2019年6月5日、新大久保の駅前、韓国料理屋の大きな広告の前で、現役高校生アーティスト”内田珠鈴”が路上ライヴをしている姿を見た。ライヴのチラシを配っても中々人は立ち止まらず、素通りする人がほとんどだ。それでもなんとか自分のことを知ってもらおうと、何曲も何曲も繰り返し歌っていた姿がとても印象的だった。少しでもたくさんの人に自分が書いた記事を見てもらえるように、可能な限り多くの記事を書こうとしている自分の姿をどこか重ねて見ていた。

「ただの路上ライヴだけじゃなくて、何かたくさんの人に知ってもらって記憶に残るような、面白いライヴをしたい」

そんな事を新大久保のライヴ後に内田が話し始めた。その話し合いの中で、竹下通りでのゲリラライヴはどうかというアイデアが出た。その後中々実現できなかったライヴが、2019年6月27日にようやく実現した。そんな原宿・竹下通りで行われた内田珠鈴のゲリラライヴをレポートする。

原宿・竹下通りにて

午後4時、天気予報は雨とのことだったが、小雨程度の天気だった。そんな天気でも、竹下通りはいつも通りの人混み。建物の横風も強く、明るい色の道にどんよりとした空気が漂っていた。そんな天気の中、期待に心躍らせた様子の内田珠鈴が登場。内田はライヴ前、「歩きながらのライヴは初めてだけど、楽しみです!」とコメントしニコッと笑った。初めての経験にワクワクしている一方、緊張しているような笑顔にも見えた。

スタッフ含め全員で一度ルートを確認した後、午後4時半、駅口方面からライヴがスタート。カメラマンと最小限のスタッフだけが付き添い、事前告知なしの完全ゲリラライヴだ。多くの観光客の中を内田が歌いながら進んでいく。いきなりドープなトラックに内省的な歌詞が印象的な新曲「死は存在するのか」を初披露。初披露、しかも初めての歩きながらのライヴの中でも、しっかりと歌いきっていた。

 

そして自身初のEP『光の中を泳ぐ』から「君はもういない」を披露。

ぽつりぽつりと落ちてく 雨音が遠くなるのは 私の心の中に 君の姿がないから

(「君はもういない」歌詞より)

そんなライヴの情景に重なり合う歌詞も、人の壁に阻まれ多くの人には中々届かない。

内田は、最初は慣れない人混みに少し緊張の色を見せていた。しかし、竹下通りを歩き進めるうちに緊張が解けてきたのか、竹下通りの半分を過ぎたあたりから少しずつのびのびと歌うようになっていった。周りの観光客は、突然のライヴに驚いていた様子。内田が通る横で思わず足を止め、写真や動画を撮っている人も多く見られた。また、内田と同世代の女子学生が、「かわいい!」と指を指して話していたりもした。周りの人だけが内田の存在に気がつくような状況から、少しずつ少しずつ遠くの人にまで内田の声が届くようになっていく。

15分程で竹下通りを歩き切り、ライヴは一度終了。しかし、内田は行きのライヴに納得いかなかったと、今度は今来た道を戻りながら再びライヴを決行した。今度は、内田自身もチラシを配りながらのリベンジライヴだ。ただの記念としてのライヴではなく、少しでも多くの人に知ってもらいたいという内田の気持ちの表れだろうか。

この日、2回目のゲリラライヴ

2度目のライヴは、立ち止まって見てくれた人に自分から話しかけに行ってチラシを渡すなど少し余裕を見せながら、竹下通りを歩ききった。内田はライヴ後、ひとまずライヴが終わったという安堵感と、それでもまだ満足していないというような表情を見せていた。天気は最後まで、小雨模様だった。天気予報は外れたようだった。

いまのところ、内田には全く緊張せずに堂々とライヴをして周りの人全員を巻き込むようなパワーはまだないのかもしれない。しかし、歌や音楽に対するまっすぐな愛や、何かやってやろうという純粋な気持ちが彼女の魅力になっていることは間違いない。8月4日には初の主催ライヴイベントが開催される。今回のゲリラライヴのように、内田がどのようなライヴを構想しているのか注目したいところだ。

ゲリラライヴを終えた内田珠鈴のコメント

「今までは立ち止まって普通に路上ライヴをすることが多くて。今日みたいに、人がめっちゃ多いところで歩きながらライヴができて、すごい楽しかったです! でも、もっと面白いことしたいなって。意外と自分が面白いって思っていることも、やってみると普通だったりするのかなと思ったので。もっと新しいことを見つけてやっていきたいです。とんでも無いことをやりたい! またどこかで歩きながらとかもやりたいし、急に飛び込んでいってやったり(笑)。普段の路上ライヴも、どこに現れるのかは告知せずにゲリラでやっているので、新しい人とそれで会えたらなって思っています。それでも、もし絶対に私のライヴを見に来たいっていう人がいてくれたら、8月4日のライヴに是非来てくださいね!」

取材&文:ヨコザワカイト
写真:宇佐美亮


<ライヴ情報>

内田珠鈴
「Wanna swim into the light? – みんなで光の中を泳いでみませんか?」
2019年8月4日(日) 東京・WALL&WALL
OPEN 12:00/START 12:30
チケット:前売り 2500円/当日 3000円 (ドリンク代別)
https://l-tike.com/uchidashuri/

※学生は無料(ドリンク代のみ必要)
GUEST:City Your City

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