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StoryWriter

こんにちは。僕です。

先日も2次面接がいくつかありましたが、ことごとく落ちました。

某出版社の人事の方に選考前、「皆さんはESと筆記試験を突破してやっと面接までたどり着いた人達です。つまり、出版社に入る素養はある方達だということです。なので、リラックスして~~」みたいな話をされました。

落ち続けている僕から言わせてもらえば、素養だけあっても意味はなくて、それ以外の良さ、外面の良さとか話し方の方が大事なんだ、そこが足りない自分は結局どこに行くにも苦労してるんじゃないかなと思うんです。

他人へのアピールとか下手なんですけど、そこら辺も柔軟に対応していかないといけないなあ… と今更気づいて後悔しがちなゴリラこと僕です。

さて、今回お話したいのは「やれたかも委員会」という作品です。

 

4月からの1クール深夜ドラマで放送されていますけど、僕はwebで公開されていた原作から大好きな漫画です。特段ストーリーはなくて、タイトル通り「ヤれたかも」って思われるエピソードをオムニバス形式で紹介して最後に委員会の人たちがヤれた・ヤれないというジャッジとコメントを下すという作品です。

大学の同期5人(童貞3人含む)と千葉を1泊2日でドライブしている時に携帯をいじっていたとき、たまたま見つけた漫画なんですけど、深夜の旅館で作品を読みながら「あーでもないこーでもない」って語り合ってすごく思い出深い作品でもあるんですけど、なんだろう… すごく童貞心をくすぐる切なさというか、女の子絡みの夢がある話なんだけど、でも勿体ないなあ~んあ~もう!!!!! 足バタバタってなるような作品です。

でも主人公の純粋に女の子にがっつく姿には共感と切なさでいっぱいになってしまい…。読み終わった後にはこう、「夕方、部屋には自分1人。夕日がぼんやり、でも鋭く差し込んでくる時間帯の部屋の風景。あの時の切なくて泣きたくなるような情緒」って言ったら分かりやすいですかね? ああいう気持ちになれる作品です。夏の夕暮れ時が似合う作品。

読んでいる最中はやっぱり「ヤれんのか…? いやヤれへんやろ!」っていう点にフォーカスがいっちゃうんですが、読み終わった後には男と女って… イイっすね(いやらしい意味ではない)というところばかり印象に残るっていうのがこの作品の良いところだなって思っていて。たぶん男性にしか分からない良さかもしれないんですけど(笑)。

読む度に今まで接してきた女の子達(決して多くはない)の走馬灯がメリーゴーラウンドさながらに脳内を駆け巡ります。あの時のあの子元気かなあ… とか、あの子はまだ僕のことを恨んでいるんだろうか… 彼女はちゃんと幸せになれているかな? とか。今更特別な思い入れなんて感じないし、冷静に考えたらそんなに良くない思い出も多かった相手に対してでさえ、身体に気を付けて自分より遥かに良い人と幸せになっていてほしいな、ってぼんやり思えてしまう作品です。

僕ももういい年齢で割と色々経験をしてきているので、高校生の頃みたいに彼女一辺倒な感覚にはなれないとは思うんですよね。あの頃みたいにはもう純粋ではいられないし、やらなきゃいけないこともあるし彼女いてもいなくても人生そんな影響ないなあっていつも思うんですけど、こういう作品を読んだ後だけはどうしても…

「彼女が欲しいです」

仕事もねえ、女もねえ。なんならそんなに金もねえ。

仕事と金はある程度結びつきますけど、女の子だけは財力とか社会的地位とか関係なしの、純粋なところで巡り合いたいなあっていうのはやっぱり揺るがないですね。

今みたいにどうしようもなくもがいている人生下積みの時期にこそ、支えてくれる彼女が欲しいなと思っているこの頃です。

気が付いたら黄ばむYシャツの襟首部分のような薄汚くなりつつある年頃の皆さん、「やれたかも委員会」を読んでちょっとピュアな気持ちになるのも悪くはないですよ、たまにはね。

今週はここら辺で。また来週。

ひとつよしなに。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。
エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。
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