【連載】なにが好きかわからない Vol.17「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」

皆さんこんにちは。

就活ですが、まあ鳴かず飛ばずです。ガハハ。

それなりに選考を進んでも結局内定に繋がらなければ意味はないので、面接がいくら進んでも何の感情もなくなりました。出版業界では手持ちはいよいよ残り1つ。しかもよく知らない会社。まあよく知る為に研究しないと! とは思っているんですが如何せん激戦区な業界なのでそんな付け焼刃で勝てるのか?果たして…。

最近は20代なんて下積みなんだから、別に今から新卒でいい会社に入らなくてもとりあえず業界のどこかに無理矢理でも入って這いつくばるしかないと意気込んでいます。

世の中たくさん仕事があるし、そりゃ選ばなければ自分のステータスで入れる会社はたくさんあるかもしれないけど、こんなにピンチな状況でも、やっぱりやりたい事やりながら生きたいってのは変わらないです。せっかく手間とお金かけてもらっているのに、まだ迷惑かけようとして… 親には本当に申し訳ないなあと。

そんなこんなですが、結局自分の好きなことにしか興味を持てない僕が今回お話したいのは「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」という日本のガレージバンド界隈の伝説です。

いわゆるTHE・漢みたいな無骨なバンドマンのメンバーと、エフェクターもほとんど使わず単純なコード進行で分かりやすいロックを表現していた最高にクールなバンドです。

初めてこのバンドに出会ったのは、ギターを始めた中学生の頃でした。同じクラスにいた学内唯一のギター友達が「チャットモンチーやら9mmもいいけどもっとカッコいいバンドがあるよ」と言って教えてくれたのが最初で、とりあえず「リリィ」と「世界の終わり」を聴いてみたんです。ギターがカッコイイと言われて聴いたのに、最初に僕の耳に魅力的に聞こえてきたのはGt&Voのチバユウスケの歌声でした。歌い続けて枯れてしまっているような声が渋くて、彼らの歌詞とバンドサウンドに物凄くピッタリだなと思いました。でも、聴き続けるうちにチバユウスケの歌詞が1番沁みてきたんですよね。

チャットモンチーみたいなよくも悪くも等身大で素朴な気持ちを表す、良い意味でエッセイストが書くような表現が多い歌詞もステキだと思うんですが、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、特にチバユウスケの歌詞は不器用な男が何か吐き出したくて、それ故なのか少し退廃的な雰囲気もある歌詞で、それをファズが掛かったようなカッコイイ歌声で歌っているんですよ、中学生の僕は完全に虜にされました。

 

悪いのは全部君だと思っていた くるっているのはあんたなんだって
つぶやかれても ぼんやりと空を眺めまわしては 聞こえてないふり
世界の終わりは そこで待ってると 思い出したように君は笑い出す
赤みのかかった月が昇るとき それで最後さと 僕は聞かされる
(「世界の終わり」)

 

俺達に明日がないってこと そんなのわかってたよ
この鳥達がどこから来て どこへ行くのかと同じさ
エレクトリック・サーカス 燃え上がる空
澄みきった色の その先に散る
(「エレクトリック・サーカス」)

デビュー・シングルとラスト・シングルの歌詞を引用しましたが、愛だの夢だのなんて戯れ言を歌わずに一貫してやさぐれた男のような歌詞を書き続けてきたチバユウスケ、ちょっとした切なさも感じられて本当にカッコイイ。無骨な男って雰囲気の歌詞を書くバンドは他にもたくさんあると思います。例えばエレファントカシマシの宮本浩次さんとか。

でもチバユウスケの歌詞は誰かを励ましてやろうとか、カッコイイ男らしい像を表現してやろうとかそんな雰囲気が正直感じられない。歌詞の中に何か1つのシーンがあって、その切り取られた中でのストーリーを、妙な寂寞感だったり、端から見たら理解できないようなチバユウスケ語で書いているんだなって思うんです。さっき挙げた世界の終わりの2番の歌詞では、世界の終わりがにじり寄ってくる様子を、パンを静かに焼きながら待ち焦がれているというシーンが歌われています。世界の終末が近いなんて極限的な状況で、紅茶飲みながらパンまで焼いて、まったりのんびり待っている状況なんて意味が分からないですよね。でも、そんな絶望的状況を動じる様子もなく待ち焦がれている、彼の厭世観が示された歌詞だと思います。彼のことを知っている人ほど「世界の終わり来るんでしょ(笑)? だったらどうしようもないじゃん(笑)」とか言い出しそうなチバ氏が想像できて面白いんですよね。

歌詞を読むほど彼の変な人となりが分かる、彼の人となりが分かるほど歌詞が分かる。何かを表現するという上でこれは当たり前かもしれませんが、チバユウスケはそれを気づかせてくれたという意味で僕にとって偉大な人なんです。

彼は数多くの名言(?)や伝説もあるんですけど、そういうエピソードも知っていると、意味があるんだかないんだか分からないような彼の書く歌詞が一層素敵に感じられます。そしてそこには、それまで僕が触れてきたJ-POPやロキノン系とは全然違った世界観がそこにあって、ミッシェルやブランキ―世代ではない年代の、当時中学生の僕にはちょっと背伸びしたカッコよさだったんだなあと今思います。

アベフトシのギタープレイの話もしたいんですけどちょっと専門的になる部分もあるので今回は割愛。

なんにせよTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTは歴代見渡してもホントにカッコイイバンドです。とりあえず先に歌詞をあげた2曲と「ダニー・ゴー」とか聴いてみたらTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの良さが分かるんじゃないかなあ、と思います。

是非聴いてみてください、できればライヴ映像で。

ラストライブの最後の曲の世界の終わりは鳥肌モノだと思いますよ。

今週はここら辺で。よしなに。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。
エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。
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