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【連載 Vol.1】カミヤサキ編「反骨精神だけじゃない、自信に溢れたGANG PARADEを見せていきたい」

StoryWriter

BiSH、BiS、EMPiREと同じ事務所WACKに所属する9人組アイドル・グループ、GANG PARADE。BiSにレンタルトレードしていたカミヤサキがグループに戻り、2018年3月12~18日にかけて開催された「WACK合同オーディション2018」に合格した、月ノウサギ、ハルナ・バッ・チーンの2名が加入し、グループ史上最大人数の9人で活動中の彼女たちの連載がスタート!

記念すべき第1回は、GANG PARADEの前身グループであるプラニメ〜POPのオリジナルメンバーで、旧BiSでも活動していたカミヤサキ。7月1日から全国9箇所をめぐるワンマン・ツアー〈REBUILD TOUR〉を行い、9月20日にZEPP TOKYOでファイナルを迎えるGANG PARADEの現状をどのように感じ、グループをどうしていきたいのか。紆余曲折を経てここまでたどり着いたカミヤに話を訊いた。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:外林健太


純粋に「BiSが好きだ」っていう気持ちだけが残った

──2018年は、サキちゃんにとっていろんな変化があった年でした。3月3日まではBiSにレンタル移籍して活動、そして3月4日の国技館ワンマンでレンタルトレード終了の儀を行い、GANG PARADEとして「FOUL」を披露しました。どんな気持ちで国技館には臨んだんでしょう?

カミヤサキ(以下、サキ):前日の3月3日のフリー・ライヴ〈BiS FREE WiNTERLAND〉の時点で私はBiSの呪いから解かれていたので、軽やかで晴れ晴れとした気持ちで立てたというか不思議な気持ちでした。3月4日はプー・ルイが呪いから解かれた日だったから、そういう雰囲気も感じ取って晴れ晴れした気持ちで国技館には立てました。

──正直、国技館にBiSのカミヤサキで立ちたいという気持ちはなかった?

サキ:それは、格好つけても「ないです」って言えないくらいにはあります。でも今はあの編成で国技館に立てたことは、BiSにとっても、ギャンパレにとっても、よかったんじゃないかなと思えていて。

──トレード終了の儀で、GANG PARADEとして1曲披露できる中、「FOUL」を選んだ理由はなんだったんでしょう?

サキ:BiSにレンタル移籍する前のシングルが「FOUL」で終わったのと、〈あのときから止まってた 時計の針は〉という歌詞もあるので、ここから動き出すぞという気持ちでやれたらと思って選びました。

 

──BiSへのトレード前、旧BiSでやり残したことをやるためにこの機会を生かすってことを言っていましたけど、それはできましたか?

サキ:2014年の旧BiS解散後に引きずってしまっていた気持ちはなくなりました。純粋に「BiSが好きだ」っていう気持ちだけが残ったので、それはすごくよかったなって。それまで引きずっていたからこそ、現BiSが始まったときも「なんでプー・ルイは言ってくれなかったんだ」みたいな良くない気持ちが残っていたんですけど、今は純粋にBiSが好きだし、自分の財産になったなと思えていて。それが自分がトレード期間を過ごしてきた証として残ったものかなって思っています。

──カミヤサキ不在のGANG PARADEをどのような気持ちで見ていたんでしょう?

サキ:BiSのメンバーとしては、戦わなきゃいけない相手でライバルだと、かなり意識して見ていました。自分が戻ったとき、どういうことが出来るんだろうってことも思いながら見ていたんですけど、リキッドのワンマンを見てからはアヤのいる7人のギャンパレがいいなと思っていて。自分の作ったグループというところから一歩ひいて、1つのグループとして、ちゃんと見ることができたかなって。みんなで「みんなの遊び場」ってコンセプトを追求したのがライヴに現れていたし、これがギャンパレが表現したいものなんだなっていうのを感じながら見ていました。

前は、悪い意味で自分1人で全部やらなきゃと思ってやってしまっていた

──カミヤサキがいないギャンパレはギャンパレじゃないって気持ちはなかった?

サキ:あったほうがいいのかなとも思うんですけど、なくて……(笑)。

──それはもともと?

サキ:いや、トレードに行く前は思っていたかもしれないです。自分が作ったグループなので意地があったというか。でもトレードを経て、それはなくなりましたね。GANG PARADEは、1人1人が「私がいないギャンパレはギャンパレじゃない」っていう気持ちでやっていかないといけないグループなんじゃないかなと思っていて。自分もその気持ちは強く持たなくちゃと思いつつ、そこに変な固執はないです。

──それだけサキちゃんのレンタル期間中にみんなが成長したのかもしれないですね。

サキ:それもあると思うし、自分の中でやっぱり悪い執着がなくなったっていうのが大きいんじゃないかなと。よくもわるくも執着心がなくなりました。

──BiSで歌うときと、ギャンパレで歌うときで、気持ちの入れ方は違うものですか?

サキ:違いますね。最終的に、そのときの自分の気持ちを歌うとか、パフォーマンスを通して気持ちをリアルにお客さんに伝えたいっていうのはBiSでもギャンパレでも変わらないんですけど、ギャンパレの方が引き出しを増やす作業が必要だなと最近思っていて、それが結構難しいです。BiSって、苦しい気持ちとかも受け止めてくれる性質があるというか。例えば「primal.」とか、そういう気持ちが曲に活きてくる性質があると思うんですけど、ギャンパレはそれだけじゃない。「GANG 2」とかはそれに近いんですけど、やっぱり前を向いていきたいよねというか繊細な部分がすごく音楽的にあると思っていて。

 

だからこそ、BiSの感覚のままやると、みんなが作ってきたギャンパレらしさとは違うところに行ってしまうのかなって。そうならないように自分の気持ちの持っていき方を考えていました。トレード前は、そこまで深くギャンパレの楽曲に対して考えられていなかった気がします。いつも安定感のある同じようなパフォーマンスをしてしまっていたんですけど、BiSに行ってからそうじゃないなってことに気づかせてくれたから、ギャンパレに行っても見失わずにギャンパレらしさを考えた上で、自分がどんな気持ちをのせるかをちゃんと習得したい。

──BiSにいったことで、自分自身を客観視できたんできたんでしょうね。

サキ:そうですね。これまでの自分のパフォーマンスも客観視できました。最初はうまく自分の気持ちを引き出せないことが苦しかったんですけど、ちょっとずつ感覚が掴めてきたので、いまはそこに楽しみを見出しています。

──トレードから戻ってきて、メンバーとの関係や役割で変わったことはありますか?

サキ:前は、悪い意味で自分1人で全部やらなきゃと思ってやってしまっていたんですけど、そういう感じはなくなりました。それこそ振り付けに関しては、マイカと相談しながらどっちがいいか話しながら作っているし、みんなで話し合うときもヤママチがビシッと言ってくれたりとか、ユアがまとめてくれたりとか、ココとドクソンが場を明るく盛り上げてくれたりとか。ユユがたまにさらっといろいろ言ってくれたり。新しいメンバーも2人入って、それぞれの得意分野が前よりも出ているのかなと思いつつ、自分もそれに少し甘えたりもしながらやっていますね。

──メンバー自身、たくましくなったんですね。

サキ:寄り添って考えてくれるメンバーがいて、自分も支えられたことが大きかったですね。それが1番変化を感じました。

このツアーで作ってきたものをみんなで更新しようって気持ちがメラついた

──9人体制でのZepp DiverCityのお披露目ライヴまでは、時間がありませんでしたよね。

サキ:必死でした。こんなに時間が足りないと思ったのは初めてくらい。9人のギャンパレになったばかりだったから、物理的なフリも気持ちの面でも、どう9人でのギャンパレを作っていこうっていう戦いもあって。これまで、BiSのときも超短期間で6人のフォーメーションを作ってきたんですけど、だんだん脳みそがカラカラになってきていて(笑)。一瞬「1人で戦っているのかも」って感じてしまったこともあったんですけど、みんなも悩んでいるんだってことを知ってからは、違いはあれど同じ気持ちなんだなと思って、ちょっと気が楽になったというか、みんなで戦っているんだなと思いました。

──そこから9人のギャンパレとして約4ヶ月活動してきて、グループの形が見えてきたんじゃないですか?

サキ:そうですね。〈REBUILD TOUR〉はすごく大きくて、公演ごとにみんなで反省点や次にどうしていこうってことを話していく中で、少しずつ9人で作るものができてきたかなと思っています。人数がいるからこそ1つにまとまるはなかなか大変だけど、だからこそライヴで1つに固まったときは強いのかなって思いますし。

──ツアー中、「1つに固まった」と思えたライヴはありました?

サキ:沖縄の追加公演を抜かしたら名古屋がファイナル前最後のワンマンだったんですけど、このツアーで作ってきたものをみんなで更新しようって気持ちがメラついた感じがしました。そういうのを感じた方がよいライヴになっているんだろうなって、ツアー中に実感することが多かったので。

──プー・ルイがYouTuberをはじめて、旧BiSメンバーが集まることが増えたというか、サキちゃんも動画に登場したりしていましたよね。そういう動きが、サキちゃんに影響することもあるんじゃないかと思うんですけど。

サキ:私、抜けたんですよ。

──えっ。BYSを?

サキ:はい。私は0か100しかない人間だなと思って。プー・ルイは「遊び感覚で来ていいよ」って言ってくれていたんですけど、自分の性格上、「遊び感覚で行っていいんだ」と思っていても、現場に行くと「やんなきゃ!」みたいな気持ちになっちゃって、そのうち楽しんでできなくなっちゃった。変に100か0かの自分が出て来ちゃったんです。あとは、ギャンパレの活動自体もどんどん忙しくなってきたので、どっちかに集中しないとどっちもダメにしちゃうかもなと思って、そうしました。

ツアーを経て9人でやっていく意味を掴み始めた

──最近では、WAggが始動するなど、新しい子がWACKに加入するってことも増えました。それをサキちゃんはどう感じているんでしょう。

サキ:WACKとしての後輩がすごく増えましたよね。今年のオーディションくらいから、WACKが大きくなっていることを実感することが多くなって。プー・ルイが抜けたことで、自分もWACKとしてもオリジナルメンバーであることの意味だったり、1つのグループにいる自分以上にキャリアに相応しい自分になれているのかなだったり、どういう考え方をして、どういう行動をとるべきなんだろうっていうところは、すごく考えるようになったし、悩むようになったかなと思います。

──グループを越えて、カミヤサキの在り方を考えることが増えたと。

サキ:そこに追い付けていない自分を感じるとすごく嫌になるし、まだまだ人として成長していかないと誰もついていきたいと思わないだろうし、自分もカッコ悪くなると思っていて。去年はトレード中で、どれだけカミヤサキとしてやっていくかみたいな、赤か青でいえば赤のエネルギーだったんですけど、今年は青のエネルギーというか。

──〈TIF〉では、WACK所属グループ同士で曲のカバーをしました。ギャンパレは、BiSの「BiSBiS」をカバーしましたけど、どういう気持ちで歌ったんでしょう。

サキ:素直に楽しかったですね。やっぱりGANG PARADEとBiSって切っても切れない関係性にあるんです。元SiSの3人がいることもそうですし、グループは違えど同期の子たちがGANG PARADEとBiSには多いから。だから、ギャンパレとBiSが楽曲をカバーし合ったのは必然的なことだったと思う。自分にとってBiSという存在はすごく大きな存在で思い入れが強すぎて。自分の中のBiSに苦しむこともあったからこそ、ギャンパレのメンバーと一緒に「BiSBiS」をできたことで、過去より今の自分でBiSをちゃんと歌えたかなって。ライヴが終わった後、メンバーに「ギャンパレで「BiSBiS」が歌えて良かった」って伝えました。話を聞いたときは、BiSのカミヤサキに引っ張られて「BiSBiS」を歌っちゃうんじゃないかと思っていたんですけど、そんなことなかった。ちゃんとGANG PARADEとして、9人であの曲を歌えたのは良かったなって思います。

──ギャンパレとしてオリジナルの振りも入れたりしたんですか?

サキ:どういう構成にするか悩んだんですけど、ココとかドクソンとかユユみたいに、「BiSBiS」のオリジナルの振りを踊ることに意味を持つメンバーもいたので、変に崩さないで、BiSのもってる良い振りの感じを残したまま、大きく踊ろうとかギャンパレらしさの出し方を考えました。何もしなくてもギャンパレは息が揃うんですよ(笑)。そこだけでもギャンパレの「BiSBiS」になると思ったんです。あと最後の〈取り返そう〉のところで、BiSのときは1人1人前に出たまま歌うんですけど、みんなで集まって終わった方がギャンパレっぽいんじゃないかってみんなで話し合って。最後のところは真ん中にギュッと9人が集まってきて、みんなで真ん中に手を伸ばしたり、いい感じにBiSを残しつつ、ギャンパレらしさを入れてやりました。

──9人での全国ツアーを経て、Zepp Tokyoでのワンマンが開催されます。どんなライヴにしたいと考えていますか。

 

サキ:ツアーを経て9人でやっていく意味を掴み始めたので、自分を含めて1人1人が「まだまだもっと上に行くぞ」っていう明確な気持ちを持って、Zeppの先をいかに思うかが大切だと思っていて。これまでソールドアウトすることに集中しすぎて、どういう光景をお客さんが観たいのかを考えられていなかったなと思って。Zeppに来れない人たちや、まだギャンパレを観たことのない人も絶対にいるから、目の前のことを大事にするのもそうだけど、「どういう自分たちになって行きたいか」を1人1人が思って、それが9つ集まった意思の強いグループになったら素敵だなって思っています。

──これからのギャンパレをどんなグループにしたいと思いますか。

サキ:今までの歴史の中で、ギャンパレは劣等感による反骨精神みたいなもので上って来たグループだと思うんですよ。それがあったからこそ今の場所に来れたと思うんですけど、これからは、いかに自分たちをいい部分で認めて、それをお客さんにもイイねって言ってくれるかなのかなだと思っていて。これからは反骨精神だけじゃない、本当に自信に溢れた格好いいGANG PARADEを見せていくことができたらなと思います。


GANG PARADE PROFILE

REBUILD TOUR
2018年9月20日(木)東京 ZEPP TOKYO
時間 : Open 17:00 Start 18:00
[問]KM MUSIC 045-201-9999

チケット料金 :
通常チケット 4,000円(税込)
※入場時にドリンク代別途必要

プレイガイド
チケットぴあ http://w.pia.jp/t/gang/

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