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【連載】WAgg ソロ・インタビュー Vol.2──マリン・バ「WAggで1番になりたい」

StoryWriter

BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiREのマネジメントを行うWACKが手がけるアイドル育成プロジェクト『WAgg』。「その後の進路はBiSに行ったり、BiSHに行ったりとか色々考えます」とアナウンスされており、WACKの将来を担う存在になる可能性に満ちている。

9月9日にはTSUTAYA O-WESTにて、BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiRE各グループの楽曲をパフォーマンスし、デビューを果たした。その後、東名阪仙公演を開催し、現在はEMPiREとの2マンライヴツアーを開催中だ。そんな8人のソロ・インタビューを掲載する連載がスタート。

第2回は、マリン・バのインタビューをお届けする。プロデューサーになりたいと語る彼女が、なぜWAggに加入することを決めたのか、ゴールを見定めてそこに向かって一直線で努力する彼女の人生について、そしてリーダー的な役割もかってでるマリン・バについて、じっくりと話を訊いた。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:外林健太


8人で行動ができるようになった

──少し前のことになりますが、お披露目ライヴいかがでしたか?

マリン・バ:私、ステージからお客さんの顔は絶対に見えないと思っていたんですけど、自分がいざ上がったら本当に1人1人の顔が見えて。マリン・バって呼んでくれる声も聞こえて、楽しかったし嬉しかったです!

──お披露目ライヴ前、渡辺(淳之介/WACK代表)さんから喝を入れられたそうですけど、メンバー同士の関係性に変化もあったんじゃないですか?

マリン・バ:それまでは同じスタジオにいるのに個々で練習しているというか、1人で歌って踊るみたいな感じだったんですけど、あの後から8人全員で練習をやろうってなって。できていない人には既にできている子が教えてあげたり、できていない側はちゃんと質問するようになって。全員で練習して、全員で1回休憩して、また全員で練習みたいな感じで、8人で行動ができるようになったと思います。

 

──前回の全員インタヴューでは、8人の中で1番辺鄙なところから上京してきたって言っていましたよね。どういうところで生まれ育ったんでしょう?

マリン・バ:みなさんが思い浮かべる「田舎」ってあるじゃないですか?

──ジブリに出てくる森の中の家みたいな。

マリン・バ:あー、そうですね(笑)。本当に田んぼばかりって感じでした。

──どんな子どもでしたか?

マリン・バ:小学校に入る前からピアノを習っていたので音楽が好きだったんじゃないかなと思います。習い事は自分からやりたいって言ってやっていました。

──他にどんな習い事をしていたんですか?

マリン・バ:バスケと、英語と、塾と、合唱と、学校で和太鼓と打楽器全般…… それこそマリンバもしていました。後は絵も描いていましたね。

──そんなにいろいろ習っていたんですね。

マリン・バ:結果的に合唱が1番続きました。7年間ぐらい合唱をしていたんです。

──なんで合唱が1番続いたんでしょう。

マリン・バ:合唱団が小中高の混成だったんですけど、私は声が大きくて背が高いから、小さい時から大人と一緒に練習させてもらう機会があって。他の子より上手なんだって認めてもらえる場というか、誇らしい気持ちになれたから続いたんだと思います。

終わりが見えないことが怖くてできないんです

──どんな性格の子どもだったんでしょう?

マリン・バ:自分から学級委員に手を挙げるタイプでした。別に仕切りたい欲みたいなものはないんですよ。ただ、勉強以外にも武器があったらいいなと思って、リーダー的なことにも自分から手を挙げてやっていました。

──誰かに認められたいって気持ちがあった?

マリン・バ:小学校から塾に行っていたからだと思うんですけど、推薦で学校に入った子の方がすごいっていう先入観があって。そういう子たちって勉強以外にも特技みたいなものがあるじゃないですか。だから、自分も勉強だけじゃなく、なにか特別なものを持っている人になりたかったんだと思います。

──学級委員とか向いてそうなイメージがありますけど、やってみたら自分に合っていると思った?

マリン・バ:いや、向いていないなと思いました。学級委員とかリーダーをする人って、誰かから憎まれるじゃないですか?

──言いたくないことも言わないといけないですしね。

マリン・バ:部活の部長をしていた時、部員の子が辞めたいっていうのを1人も止めることができなくて。そういうときに説得したり環境を変えたりして止めてあげられる人がリーダーをするべきだろうなと思って、自分はリーダーに向いていないなと思いながらやっていましたね。

──そういう自分の気持ちを話せる友だちはいた?

マリン・バ:友だちにはよくしゃべっていました。そしたら「考え過ぎ」みたいに言われて。たぶん相手はそこまで思っていないよって。

──学校生活は楽しめてはいたんですか?

マリン・バ:楽しかったです。ただコツコツ努力することが苦手みたいで。一発なんかやってやろう! ってときはコツコツやるんですけど、終わりが見えないことに対してはコツコツできないんです。

──ちゃんとゴールが見えていて、そこに向かっていきたいと。

マリン・バ:そうですね。オーディションは合格という目標があるじゃないですか。だからそこに向けてコツコツできるんですけど、難しい算数の問題とか、これをやって何になるんだろうって思いつつ、これができない自分は何になるんだろうと思ったりして(笑)。

──なかなか生きづらい性格ですね(笑)。

マリン・バ:終わりが見えないことが怖くてできないんですよね。

仕組みを作った人になりたいなと思った

──普段、どんなことをして遊んでいたんでしょう?

マリン・バ:あまり遊んでいなかったかもしれないです。小学校の時は、平日に塾と習い事をして、土曜日は合唱行って、日曜日は家で寝るみたいな。

──忙しそうですね。

マリン・バ:暇だと不安になるじゃないですか? 日曜日の朝10時に起きて1日ダラダラ過ごしてサザエさんが始まったとき、自分の24時間は何だったんだろうみたいに思いたくないから、絶対に何かはしようみたいに決めていて。

──早熟というかなんというか(笑)。その後は、変化はありましたか?

マリン・バ:絶対にリーダーも部長もしないぞって決めていたんですよ。向いてないっていうのが分かっていたから。でも、やっちゃいましたね(笑)。

──自分から?

マリン・バ:いや、周りから「前にやってたじゃん」って言われて。自分がやらなかったら他の子がやらないといけなくなるなと思ったし、自分がなにもしていないのに文句ばっかり言う人間には絶対になりたくないなと思って、引き受けました。自分が嫌なことでも、自分が責任を持ってやっていた方がまだ気分がいいなって。しんどいですけど(笑)。

──「がんばっている人が報われるようになってほしい」っていう前回のインタビュー発言の裏にはそういう経緯があるんですね。それ以外の生活はどうでした?

マリン・バ:勉強と部活しかしていなかったです。平日に授業を受けて、土日で模試をしての繰り返し。文化祭も4時間しかせず勉強でした(笑)。

──すごい進学校ですね。毎日、どんな気持ちで過ごしていたんでしょう?

マリン・バ:東京に出たい気持ちでやっていました。ずっとプロデューサーになりたくて。だから都会への憧れというよりも、自分のしたいことを叶えるために何をしたらいいか考えて東京に行きたいなと思って勉強していました。

──プロデューサーになりたい想いはどういうふうにして生まれたんですか?

マリン・バ:渡辺さんも秋元康さんもそうですけど、仕組みを作った人もすごいじゃないですか。私はどっちになりたいか考えた時に、仕組みを作った人になりたいなと思ったんです。そのきっかけがでんぱ組.incの福嶋麻衣子さんで、女性なのに男性受けするアイドルを作っているのがすごいなと思って。それででんぱ組。の「WWDⅡ」のMVを観ていたら、旧BiSのメンバーが出演していて、BiSってなんだろうと思って調べたら衝撃的で(笑)。

 

──全裸PVだったり、スクール水着とかいろいろ出てきますからね(笑)。それで、プロデューサーになるために、まず自分がアイドルになろうと。

マリン・バ:AKBの指原(莉乃)さんが、アイドルをやりながらアイドルグループ、=LOVEのプロデュースを始めたじゃないですか。それって1番効率がいいというか。指原さんのことが気になったり好きな人たちは=LOVEもチェックするじゃないですか。自分が有名になって「私がこれ作りました」って伝えたら、すぐその子たちが観てもらえる流れができる。そっちの方が私にとっても絶対にいいなと思って。自分は女の子に生まれたんでチャレンジしたいなと思いました。

──WACK以外にもオーディションは受けたことがあるんですよね。

マリン・バ:WAggを受ける半年くらい前に2つ受けました。どっちも最終審査まで行ったんですけど、1つは最終で落ちちゃって、もう1つは会場が地元から遠すぎて断念して。それに落ちたあと、もっと違う方法があるんじゃないかなと思って、一旦アイドルになることは諦めて髪の毛を切ったんですよ。オーディションを受けたいと思わないように。

ドン引きさせましたね(笑)

──髪の毛を短くしたのにも理由があったんですね。

マリン・バ:でも、WACKの合宿オーディションを観てやってみたいなと思ったので、WAggの募集が始まったときに応募しました。髪の毛短いけど大丈夫かなと思いつつ(笑)。

──合宿オーディションを観て、どうして受けてみたいと思ったんでしょう?

マリン・バ:合宿オーディションって精神的なところもすごく見られるじゃないですか? 1、2回、対面でオーディションするよりも、6泊7日とかあった方が自分が考えていることを伝えられるなと思って、いつか参加したかったんです。

──合宿オーディションに応募しようと思っていたときに、WAggの募集があったわけですね。渡辺さんとの面接はいかがでしたか?

マリン・バ:前に受けたオーディションではキャラの強い人が多くて、プロレスの技をしている子とかもいたんですよ。それで私、ドン引きしちゃって(笑)。あ、食われたなって思ったんで、WAggのオーディションでは私が他の子をドン引きさせようと思って、いろいろ準備して臨むことにしたんです。

──面接では何をやったんですか?

マリン・バ:今までの合宿を全部見返して、渡辺さんが言っていたことを全部ノートに書きました。学力テストも全部書いていたし、松隈さんがインタビューで言っていたこととか、面接の対策も全部1冊にまとめて。あと、渡辺さんにお手紙も書いて、「もし入れたらこういうことをしたいです。こういう芸名がいいです。理由はこうです」っていうことを伝えました。渡辺さんはよく「考えてほしい」っていうことをメンバーに言っているじゃないですか? だから、ちゃんと考えてここに来てるぞってことを伝えたかったんです。当日は、私その紙を服の中に入れていて服からノートとか手紙とかがうじゃうじゃ出てくるみたいな(笑)。

──怖すぎじゃないですか(笑)。

マリン・バ:ドン引きさせましたね(笑)。渡辺さんが他の子に「ごめんね、こいつの後やりづらいよね」ってめっちゃ言ってて。逆に落ちたなと思って……。

──エピソードとしてはおもしろすぎですけど(笑)。

マリン・バ:やりすぎたなって思いました。

──お披露目ライヴのMCで渡辺さんと3つ約束したって言っていたのは、その手紙のことですか?

マリン・バ:面接が終わったあと、落ちたなっと思ったので1回メールを送ったんですよ。「何月何日に受けに行った私です」って書いて、いろいろ考えていることを書いたメールを送りました。気持ち悪いですね(笑)。

──返信はあったんですか?

マリン・バ:ないです(笑)。

──(笑)。でも見事合格を果たし、東京に出て来たわけですけど、いろんな人がいたり遊ぶ場所もたくさんあるわけですけど、他のことに目がくらんだりしないんですか?

マリン・バ:それはないですね。元々、東京に勉強するために出てこようと思っていて、それが早まっただけだと自分では思っているので。それこそ節目の年から上京する人たちよりリードしているから、その分勉強もWAggも頑張らないとなと思っていますね。

8人が年齢の差を感じないくらい均一にしていかなきゃいけない

──はじめてメンバーと顔合わせをした時の印象はいかがでしたか?

マリン・バ:みんなもっと焦っていると思ったんですけど、意外と和気あいあいとしていて。他の7人が焦ってなかった分、逆に私が焦っちゃって。そういう雰囲気をスタッフさんに注意されたので、私からメンバーに注意したら「マリンちゃん怒ってる」って言われて、また焦ってしまって。そういう時期に、渡辺さんから全員が怒られたので、嫌われても言うしかないなと覚悟を決めたんです。

──WAggの中で、マリン・バはリーダー的存在?

マリン・バ:意見は伝えますけど、私がリーダーって感じではないと思います。挨拶とかはハナエモンスターが自分から声掛けして並ばせてくれるようになったし、ダンスもアンズピアと愛が見てくれるようになった。歌はサアヤイトが上手い分引っ張ってくれたり、みんな自覚を持ってできるようになってきたから、最初の頃みたいに「練習しよう」みたいなことは言っていないと思います。

──渡辺さんから喝を入れられたことが考えるきっかけになったんですね。お披露目ライヴはどういう気持ちで迎えたんですか?

マリン・バ:早くお披露目したかったんですよ。発表から1ヶ月あったじゃないですか。その期間がほんとにむず痒くて。ファンの人たちも私たちも、WAggって研究生制度なのか新グループなのかよく分かっていなくて。それをマネージャーさんに質問した時に「これからどうなるかはライヴをしてからじゃないと分からない」って答えを頂いたんで、早くライヴをしたいなと待ち遠しかったです。

──今までの話で出たゴールがあるものではなくて、単純に趣味とかはありますか?

マリン・バ:本を読むのが好きです。漫画も、小説も、電子書籍も、全部読んでいて、好きな作家とかは決めずに気になった本を全部読んでいます。

──印象に残っている本だったり、言葉はありますか?

マリン・バ:『囚人と紙飛行機』って本に「見て見ないフリをしたら背中の傷が増えるだけ」って言葉があって、すごく印象に残っています。自分がリーダーをしていた時の話にも通じるんですけど、背中を向けていたら傷だらけになるけど、相手と向かいあっていたらちゃんとぶつかり合えるので、自分も向き合ってやりたいなと思って。それは今まで読んだ本の中で1番印象に残っていますね。

──WAggは個性も年齢もバラバラなグループです。8人で一緒に活動してみて、どんなことを思ったりしますか。

マリン・バ:応募の枠が12~17歳だったこともあって、8人の中で年齢の差があるじゃないですか? だからといって絶対にお姉さん組が下のメンバーに精神年齢を合わせに行っていたらダメだなと思っていて。WAggのドキュメント映像のコメントで「部活感」って書かれているのを観たんですけど、部活じゃお金はもらえないじゃないですか? だから8人が年齢の差を感じないくらい均一にしていかなきゃいけないと思うし、自分もそこからはみ出さないようにしたいですね。

──プロデューサーになりたいという目標を持ちつつ、WAggというグループとしてもよくしていきたいと。

マリン・バ:私は今WAggにいるわけですし、マリン・バとしての目標を達成するためにはWAggがパワー・アップしないといけない。お披露目ライヴが終わったあと「マリンのことが好き」って言ってくれるお客さんもいたんです。それは、8人の中でマリンが1番になってほしいと思っているから応援してくれているわけで、そういう方がいてくれるのであれば自分も1番を目指さないとなと思うようになったんです。今はプロデューサーになったことを考えるよりも、WAggで1番になりたいなと思っています。それが最終的に自分の夢を叶えことにも繋がると思うので、まずはWACKの中でも1番を目指していきたいです。


WAgg PROFILE

マリン・バ / ウルウ・ル / ウタウウタ / アンズピア /ナルハワールド / 愛 / サアヤイト / ハナエモンスター

■WAgg Official HP
http://www.wagg.tokyo/

・WAgg Official Twitter
WAggidol

・WAggメンバー Twitter
マリン・バ : @MARiN_WAgg
愛 : @L0VE_WAgg
アンズピア : @ANZU_WAgg
ウタウウタ : @UTA_WAgg
ハナエモンスター : @HANAEMON_WAgg
サアヤイト : @SAYA_WAgg
ナルハワールド : @NARUHA_WAgg
ウルウ・ル : @URUURU_WAgg

◼︎EMPiREとの2マンツアー「WAgg THE NEW RiCE with EMPiRE」
2018年11月3日(土)大阪 阿倍野ROCKTOWN
時間:Open/Start 12:30/13:30
[問]阿倍野ROCKTOWN 06-6632-6900
2018年11月11日(日)名古屋 X-HALL ZEN
時間:Open/Start 13:30/14:30
[問]X-HALL ZEN 052-243-6155
2018年11月18日(日)札幌 COLONY
時間:Open/Start 12:00/12:30
[問]COLONY 011-532-3329
2018年11月23日(金・祝)仙台 SENDAI CLUB JUNK BOX
時間:Open/Start 13:30/14:30
[問]SENDAI CLUB JUNK BOX 022-716-5155

チケット :
料金 : 4,000円(tax in.)(オールスタンディング / 入場整理番号付 / 入場時にドリンク代別途必要)
※未就学児童入場不可
※ダイブ / サーフ / モッシュ / リフト禁止
チケット : w.pia.jp/t/wagg/

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