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【イベントレポ】クリトリック・リス、後藤まりこを迎えた49歳誕生祭で日比谷野音への気合い注入

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2018年10月29日。クリトリック・リスこと、スギム49歳の誕生日にトーク&ライヴイベントがLOFT9で開催された。

題して『決起集会Vol.2』。

前回、8月15日には『公開記者会見&決起集会』を行い、マキタスポーツをゲストに、野音を行うことにした経緯や決意を語り、熱いライヴを繰り広げた。

2回目はゲストに後藤まりこを迎え、1回目以上に暑苦しく、狂乱的で、最後は観客が壇上に上がり熱唱するという、感動すら覚えるイベントとなった。

まずは第1部のトークコーナーの様子から紹介しよう。

1部トークコーナー

西澤裕郎(以下、西澤):今日が49歳ということですけど、抱負はありますか?

クリトリック・リス(以下、クリ):来年は野音が控えているので、49歳は助走のつもりで考えてますよ。

西澤:チケットの売れ行きはどうですか。

クリ:一応、僕もアーティストなので。チケットが何枚売れているか聞かないようにしてます。

西澤:じゃあ、スギムさんは把握してないと。

クリ:してないっす。バンドマンから「野音に行きたいと思ってんねんけど……」と言われても、「いや、俺に言われてもゲストは出せません」というノリですわ。もしも、当日ガラガラやったら「ライヴはやりません」という沢田研二スタイル(笑)。そのぐらいの気持ちでいます。

西澤:アルバム制作についてはどうなんですか。

クリ:あのね…… 頭の中では出来ているんです(笑)。収録をしたいと思っているのが20曲くらいある。早くアルバムを作りたいんですけど、ご覧の通りレコード会社の担当者が来てませんよね。

西澤:確かにレコード会社的な人は誰もいない……。

クリ:まぁ、理由もわかりますよ。なぜなら1枚目はユニバーサルミュージック、2枚目はソニーミュージックエンタテインメントというメジャーを渡り歩いてきたんですけど。メジャーではありえないほど売れてないんですよ(笑)。ただ、2枚作ってやり方がわかってきたんですよね。みんな言うのが「音源はライヴ感が出てなくて、テンションが低い」と。

西澤:あぁ、僕も思いました。

クリ:そういうことも踏まえて、音源に勢い・感情・熱い思いを詰め込むために今回は自分で録音しようと思ったんです。プロの人に録ってもらうと、そんなにやり直しできないじゃないですか。それはスケジュールとか、協力してくださる方の都合もあるから、自分だけのわがままで進行することができない。だからこそ、今は夜中にマンションの集会場を借りて、1人でパンイチになって録音してます。その素材も溜まってきたので、次はお金をかけてミックスをしてマスタリングをしたいと思ってて。家を担保にして600万円を捻出しようとしてるんだけど…… 野音もあるし、まだお金が足りないんですよ。だからクラウンドファンディングで皆さんのお力を借りようと思ってます。

(客席から拍手が起こる)

クリ:僕ね、音楽が好きなんですよ。次のアルバムは最高傑作になる。クリトリック・リス史上じゃなくて、音楽史に名を残すような作品に仕上げますので。もしも、その作品がダメやったら返金しますから。

観客:おお!

西澤:そんなこと言っちゃって大丈夫なんですか!? それぐらい自信があると。

クリ:あります。信じてください! そのクラウンドファンディングは今日から「wefan(ウィーファン)」で行います。宜しくお願いします!

* * * * * * * * *

西澤:じゃあ、そろそろゲストの後藤まりこさんをお呼びしたいと思います。

後藤まりこ(以下、後藤):スギムさん、今日は誕生日やん。ツイッターで「スギムさんのお祝いメッセージをDMでください」と募集したらいっぱいきてんねん。

クリ:おぉ、嬉しい!

後藤:(Twitterに届いたDMを読みあげる)「お誕生日おめでとうございます!野音も頑張ってください!お休みが取れたら絶対に行きます」とか「この世で一番ダサくてカッコ良いスギムさんに“おめでとう”とお伝えください」とか、たくさんDMがきてるよ。

クリ:ありがとうございます!

後藤:質問も届いてて「2年半くらい前、新宿で行われたサーキットイベント。友達とたむろしてたら、ベロベロに酔っ払ったスギムさんが現れました。一緒にいた友達が“握手してください”と手を出したら、その子のおっぱいを鷲掴みしました。その後、その子はクリトリック・リスのライヴに行かなくなりました。このことについてどうお考えですか?」……って、これ本当!?

クリ:いやいや、絶対にないよ。

観客:その現場、俺も見た!

西澤:証人がいましたよ!

クリ:俺、そんなことすんの!?

会場:(笑)。

後藤:次はお祝いのメッセージが動画で届いてます。(スギムのセクハラ動画を見せる)。

クリ:いやいや、これは…… きっと変なものを盛られたんです。

後藤:他にもあるやん。前に大阪のライヴハウスでオバハンとチューして、その後に1時間くらい2人でいなくなった。

西澤:後藤さん、情報通すぎますよ。

後藤:ちゃうねん! 最近のスギムさんはひよってる。野音やからってどうなん!? ビビってるやろ? なんでビビるの? このタレコミを聞くまで、スギムさんがおイタしてること知らんかったから。スギムさんね、マジでビビりすぎ!

クリ:ビビりすぎって何? こういうキャラを全面的に出せってこと?

後藤:環ROYさんのライヴでテキーラを飲みすぎて、酔っ払っておしっこをぶちまけた。そういう尖ってるスギムさんが足りない! おしっこ! おしっこして!!

クリ:さすがに(今日は)それを求めてないですよ! あの時は、環ROYさんと面識もないのにベロベロの状態で勝手にステージに上がって、フリースタイルを仕掛けて。相手にされなかった事に腹を立てておしっこをぶちまけて、ライヴハウスを出た後に近くの公園で客も居ないのにフリーライヴをやってた。

後藤:そういうのが良いところやん!

西澤:でも、やりすぎたら野音に出れなくなっちゃう。

後藤:ええやん。野音出禁になろうよ!

クリ:俺は良いんやけど、西澤くんに迷惑がかかるのよ。野音のステージを取ってくれたのは西澤くんやねん。この人はずっと前から支えてくれたから、最後の最後に迷惑をかけたら……。

後藤:それがひよってんねん! あなたさ、音楽史に残るアルバムを作るんでしょ!? アーティストなわけでしょ? アーティストは尖ってなんぼやろ! 自分のエゴをむき出しにしいや!

クリ:そうかぁ…… 今はそういう時代なんかな。なんか違う気がするねんなぁ。

後藤:(床に寝転がって、手足をバタバタさせながら)しょーもない! あぁ、しょーもない! そんなのダメよ。スギムさん、頑張れよ!

クリ:まりこちゃんは、いつも俺をいじめてくるんですよ。野音に初めて出た時も、全く無名のクリトリック・リスに「クロージングアクトで出てもらうから」と連絡してきて。当時、お客さんはミドリのアンコールを求めている中、わけのわからんパンイチが出て行って。案の定、すべって帰るという。

後藤:ウケてたよ! 今さらその話はええやん。

会場:(笑)。

後藤:確かに、スギムさんには節目で会うよね。タワーレコード梅田NU茶屋町店で僕たちがインストアライヴをした時も、スギムさんが○○を出してエスカレーターを走りまわったから「本当に止めてください」って超怒られた。

クリ:そうやね、あの時は尖ってました。

後藤:そうそう、あの時を思い出して!

クリ:違うんですよ!あの頃は俺に音楽がなかったんです。タワレコの時は曲と呼べるようなものがなくって、リズムマシーンもドラムパターンだけ。音楽をやりたいのにできなくて、やるせない思いをフル○○で表現するしかなかった。

後藤:ええやん。クリトリック・リスというのは中学生男子感があるやん。

クリ:あれを今やると、めちゃめちゃ炎上するんですよ。当時はSNSが発達してなかったから、大阪のファッションビルを○○で走っても騒がれなかった。今やったらSNSでツイートされて、住所まで特定されるよ。

後藤:みんなに言っとくけど、スギムさんの家めっちゃええねんで。天井にクルクル回るやつ(シーリングファン)があって、広いし、持ち家やねん。

クリ:それを担保に野音やりますわ。

後藤:それってホンマなん?

クリ:ホンマですよ!

後藤:だってチケットの売上枚数を聞いたけど、結構売れてるやん。もう赤字にはならへんで。…… だからスギムさん、その黒字で何かしようや(笑)。尖っていこう!

クリ:俺はサラリーマンをやってたやん。だから、まりこちゃんと違って天然の尖りじゃないねん。

後藤:そういえば、前に梅田駅でスーツ姿のスギムさんに会った時「スギムさぁーん!」と声かけたら、めっちゃ無視したよな。後々聞いたら「会社の人とおったから」って。

観客:サイテーじゃねえか!

クリ:上司とおったのよ。それなのに、この感じで「あ、スギムさーん!」って来たから。

後藤:ヒドイ! 友達やと思ってたのに!

西澤:スギムさんには、そういうサラリーマン気質な部分があるじゃないですか。それなのに後藤さんがスギムさんに期待してるのは、どうしてなのかなって。

後藤:それは、インストアの時に○○になったから。あとは大阪のganjaというライヴバーでクリトリック・リスが初めてのライヴをやるというのに、当日メンバーが来なかったんよね。それで、スギムさんが嫁のパンツを家から盗んできて、パンツを被ってライヴをやったという。そのエピソードが超好き!

西澤:野音に出るなら、そういう尖ったスギムさんが観たいと。

後藤:そう! お願いします!

クリ:10年前、まりこちゃんの力で野音に出させてもらったので、今度は俺のオープニングアクトにまりこちゃんと思っていたんですけど……。

後藤:え! 出ていいの?

クリ:いや、止めとく!

(客席から盛大なブーイングが起こる)

クリ:いやダメダメ! 絶対に大変なことになるもん!

後藤:わかった! DJをやらせてよ

クリ:絶対にDJブースから飛び出すじゃないですか。

後藤:わかったよ…… じゃあ全力で応援しに行く! 物販も僕がやる!

トークコーナーの最後は、興奮しすぎた後藤がステージ上で少量のゲロを吐き、その直後にスギムの誕生日ケーキが運び込まれるという…… なんとも異様な光景で第1部は幕を閉じた。

後藤まりこ、クリトリック・リス出演のイベント開催!!

『さぶかるでぃすとらくしょん』
2018年11月28日(水)渋谷TSUTAYA O-nest
時間:OPEN 18:30 / START 19:00
料金 :  前売 3,000円 / 当日 3,500円(DRINK別)
チケット発売中 : e+
専用予約フォームにて 前売予約受付中
https://goo.gl/forms/dm5IfMIvfvbkOI633
出演 :
DJ後藤まりこ
クリトリック・リス
ハハノシキュウ
黄倉未来

2部ライヴコーナー

第2部に突入して、ライヴコーナーへ。

SEとともにパンツ一丁で現れたクリトリック・リス。1曲目は「RAIN」からスタートした。

小さい頃から一緒に遊んでいた幼なじみのちーこが、彼氏と一緒にいる姿を見て気づく。「なんやろう、この言葉にできない感情は……」知らぬ間に恋心が芽生えてしまった少年のセンチメンタリズムが滲み出た歌である。

<教えて いつしか大人になる日がくるってことを>

こんな儚い歌詞を裸の男と、それを囲む大人たちが拳を振り上げて歌う。一発目からなんたる光景だろうか……。

そして、「MIDNIGHT SCUMMER」「ちゃう」を歌いあげて、どんどんアルコールが進んでいくクリトリック・リスと観客。畳み掛けるように<俺とお前とどっちが強いか 酒相撲しようぜ>のコールとともに、持っているお酒を一気飲みする一同。もはや、ここにシラフの人間などいない。司会を務めた西澤さんも酔っ払って、モッシュの輪の中へ飛び込んでいく。

「あぁ、まりこちゃん本当に呼ばなきゃよかった…… どうせ野音でやっても“クリトリック・リスのライヴは怖い”って言われるんだよ」

そう言うと、クリトリック・リスはマイクを片手に会場後方へ進んでいく。

そして、席に座って大人しくライヴを観ていた、美容師風の男性の肩に手を置いて「お前みたいなシュッとした奴に、ライヴを観に来てほしいんだよ」とカラむ。動揺する美容師風の男性の手を取り、ステージの前へ連れていくと、先ほどまで踊り狂っている観客たちが彼を囲んで胴上げした。

さらに「味噌汁」の<僕は味噌汁 僕は味噌汁>と熱唱すると、クリトリック・リスの後をついていく観客たち。その列はどんどんと長くなっていき、エレクトリカルパレードならぬクリトリカルパレードが完成した。

…… 僕は関係者席で「どうやってライヴレポート書けばいいんだよ」とステージを観ていると、西澤さんが近づいてきて「前に行きましょう」と僕の手を引いた。汗とアルコールの臭いが蔓延する場内。「もう、どうにでもなれ!」と僕も両手を挙げて思いっきりモッシュした。

「ソーラン節」では対バンイベントで他の出演者がもらって楽屋に置いてたシュークリームを勝手に全部食べてしまったという体の大きなマネージャーをステージに呼んで「お前ら! 神輿のように持ち上げろ」と150kgの巨漢をみんなで持ち上げた。

何がしたいのか分からないし、この状況をどう伝えるのが正解かも不明である。

終盤に突入し、聴き覚えのあるBGMが流れてきたと思ったらチャゲ&飛鳥の「YAH YAH YAH」だった。観客を次々とステージにあげて、みんなで<今から一緒にこれから一緒に殴りに行こうか>と熱唱。曲が終わると固い握手を交わし、抱きしめ合うクリトリック・リスと観客達。彼らが何を成し遂げたのかわからないけど、なんか胸にジーンとくるものがあった。

“馬鹿馬鹿しいけど、胸を打つ”これが後藤まりこの話していた「中学生男子感」なのかもしれない。

最後に歌ったのはOasisの「Don’t Look Back In Anger」。みんながうろ覚えの中、一生懸命に歌っている。

<So I start a revolution from my bed/だから、俺はベッドから革命を起こすんだ>——これからパンツ一丁の男は、50 歳を迎える年に野音でワンマンライヴをする。その革命前夜の狼煙が、LOFT9で上がったのだ。

取材・文:真貝聡
写真:塚本弦汰


クリトリック・リス、50歳の節目に挑む日比谷野音ワンマン


クリトリック・リス生誕50thイベント
2019年4月20日(土)@日比谷野外音楽堂
時間:開場 17時00分 / 開演 18時00分
チケット料金:前売り 3,000円 / 当日 3,500円
※雨天決行
※3歳以上要チケット
http://w.pia.jp/t/clitoricris-yaon/

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