【連載】なにが好きかわからない vol.54「世界一悲しいオーディション」

皆さんこんにちは。

先日僕がインターンとして籍を置かさせて頂いている株式会社WACKで所属アーティストEMPiREの24時間ライヴがありました。

もう1年半弱くらい続けてきたインターンで、これまでも他のグループの活動にも帯同してきましたが、今回の24時間ライヴも例に漏れず、過酷な状況の中でメンバーがもがいて必死に食らいついていく姿を見届けることができ、僕としては心を打たれるものがあり涙腺が刺激される場面も多々ありましたし、やっぱり人を感動させるものは人なんだなと改めて再確認しました。

そしてこのインターンをやって良かったことの1つは、お客さんの立場では見れない、スタッフしか見届けられない舞台裏の姿まで見届けられるということ。幼い頃からテレビに出ている芸能人や好きなバンド・歌手を見ては「実は舞台裏にこそ何かもっと、ショーではないもっとリアルなドラマがあるんじゃないか」と思っていた僕としては、やっぱり今回のようなイベントに与みできる事が本当に嬉しいし、ゾクゾクします。

これからもこの裏側のホンモノに関わっていき、その片鱗でも世の中に伝えられる仕事ができそうな事が物凄く嬉しいことだと思っています。そして、それができる自分の仕事に誇りを持てるようになりたいです。

さて、今回僕がお話したいのはインターン先のWACKの合宿オーディションを題材にしたドキュメンタリー「世界一悲しいオーディション」です。

 

ご存知の方も多いかとは思いますが、株式会社WACKの毎年恒例となっているオーディション内容の完全密着のドキュメンタリー映画です。

オーディション自体はニコニコ生放送で1週間密着しているのですが、今回の映画は舞台裏をより鮮明にシャープに伝えた作品で、ニコ生のカメラでも伝えられなかった場面を岩渕(弘樹/本作の監督)さんやエリザベス宮地さんら気鋭のカメラマンが捉えた姿で構成されています。

もちろん、既存のグループからもメンバーが出演していますが、メンバーもオーディション参加者のまだ無名の女の子達も皆が等しく追い詰めれ、もがいていく様子が描かれています。今の時代ではどこかから非難され得るようなことが平然と行われている空間の中で不条理に泣きながら、「後悔のないように」というWACK代表取締役渡辺淳之介氏の言葉を胸に受け止めて、自分との戦いを繰り広げています。

僕が1番印象に残っているのは2日目のオーディション脱落者の女の子が順番に渡辺さんを訪ねてコメントをもらうシーン。「自分のオーディションが社会的にも正しい基準ではないけど、それでも受かりたいなら変わらないといけないよ」と諭している時に「それは自分のキャラを作ってまで変えた方がいいと思いますか?」という質問を受けての一言が胸に刺さりました。

「なんかもうその感覚が間違ってるもん。お前分かんねえみたいだからハッキリ言ってやるよ。お前うじうじしてるだけだもん、可哀想な自分に酔ってるだけじゃん。何言っちゃってんのって感じだよ。(途中省略)残りてえんだったら残りてぇつって自分を変える努力しろよ。周りが気になるとかそんなの知らねえよ!」

僕がこの連載で何度か取り上げたことがある、弱虫(他人の目や気持ちばかり推し量って自分の道を歩めない)と強虫(他人を傷つけて迷惑をかけてまでも自分の道や目標を貫き通す)の2種類がいるという話。

これは僕の人生のテーマのようになっている話なのですが、これをこの映画でも突きつけられました。確かに世を敵に回しうるような事が繰り広げられている合宿かもしれませんが、その中で渡辺淳之介という人は強虫へと成長し得る弱虫を選別したいのかもしれないなと思いました。

生粋の弱虫からするとこんな合宿は恐ろしいものに過ぎないと思います、だって結局自分は生まれ変わる事ができない、合宿で脱落してただの弱虫でひっそりと顔色を伺いながら生きていくという選択肢を突きつけられてしまうことになるでしょう。

ところが強虫に成れ得る弱虫からすると、渡辺さんに見つけてもらう事によって強虫に成り上がれる願っても無い機会になります。残酷なようではあるけど、こうやって取捨選択、間引きされて残った人々がこうやって今のWACKを代表するアーティストになっていく。何にも成れないの人間なのか、何者かの卵なのか。

このオーディションに限らず、人生っていつもそういう間引きがどこかで行われていてその連続なのかな、なんて思ったり。

きっと僕が4月からやる職業に僕は向いていないのかもしれない、でもそんな言い訳してる暇もないしそんな時間があるなら自分を変える方がよっぽど良いんでしょうね……。頭で分かってるけど、実行するのは難しい。頭じゃないどこかで理解しないと。

と、また自分の話になるのでここら辺で。

また来週、よしなに。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。

エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。

あわせて読みたい