【連載】なにが好きかわからない vol.60「改めまして自己紹介part2」

皆さんこんにちは。

2週間目のペーペー社会人です。読者の皆さんの中には僕よりずっと社会人経験が長い方々もいらっしゃるかと思いますが、恐らく社会人1年目の最初の1週間ほど疲れる1週間はないのではないでしょうか? まだ大した仕事はできていないのですが、新しい環境という事で精神的な疲れがドッと出てきた先週末でした。何事も慣れが肝心、せっかくやりたい事が出来る環境にあるんだからと思いつつも、リフレッシュしながらやらないと上手く詰めきれないなあと思ってます。

さて。前回は留学から帰ってきて就活をだらだら就活を始め、その途中で出会った某出版社の方に「君は出版社に向いているかもねえ」と言われたところまでお話しました。きっとあの方からしたら他愛もなく言った一言で、きっと今お会いして、あの時の事を伺ってもあまり覚えていないかと思います。でも、そんな一言で僕は自分の将来を決めて、そのままこの業界に進もうと決めてしまったんですね。

その日以来、出版業界を調べ始めました。今時、紙媒体というのは時代の流れ的に斜陽産業になっていることは知っていましたが、それでも何か好きなものばかり深く掘り下げて一冊の何百ページの本にまとめるというのは、同じくそれを好きな人にはたまらない物を作れると思っていましたし、本当に好きな人は形ある物として手元に置きたくなるはずだと思いました。きっと読者の皆さんだって、なんとなく好きなものには手を伸ば差ないかもしれませんが、好きなバンドのCDや自叙伝・特集本なんか発売されたら、どうにかして自分でお金を出して買おうとするんじゃないでしょうか。こういった人はオタク気質だったりするのかもしれませんが、周りの若い人を見ていて最近はこういうオタク気質な人(好きなものへお金を落とす事を惜しまない、関連グッズを集めたくなるという意味で)がどんどん増えているのかなあという感覚があったので、そういう人へ向けた物を作れると思ったんです。

僕自身、年に何百冊も本を読みます! というタイプの人間ではありません。人並の読書量だと思います。よっぽど興味がないとお金を出して本を読まないと思います。だから、先ずはミーハーになろうと思いました。自分は本が好きなんだ! と自己暗示をかけて、話題になったり名作と言われる本や雑誌を片っ端から買ってみてひたすら読みました。面白い作品もあったり、なんでこんな本が売れてんだろうな? って思う作品もあったり様々です。とはいえ、もう就活で動き出している時期ですし、本を読むのに時間を割くのも限界があるわけです。なんでもっと昔から本を読んでこなかったんだろうとか思いましたし、そんな心に余裕のない状況で本を読んでいては、面白いものも面白く感じられないですよね。どんな準備をしても全部付け焼き刃にしかならなくて、かなり焦っていました。

そんな状態で就活はESや面接が始まります。筆記試験はどうにかなるとしても、面接で聞かれる「あなたの好きな作家は? どんなところが好きなんですか?」という質問。夏目漱石や遠藤周作など好きな作家はいたので勿論そう答えますが、「君の好きな作家は全部もう亡くなっているけど他に好きな人はいないの? 最近の作家はダメなの?」と問い詰められたり、かといって適当に読んだ流行りの作品の話をしても薄〜〜い回答しか出てこず自己嫌悪。今振り返るとどうして上手くいかなかったのか色々なポイントが分かるんですが、実際に渦中にいると客観的に考えられないものですよね。本当にダメダメでした。

そのまま夏くらいまで就活をやって全く結果が出ませんでした。

いわゆる大手や中堅の出版社は軒並み選考が終了していて、もう普通のメーカーとか中国語を活かせるところ探したほうが楽かなあと思いましたが、他の業界で働いて満足している自分がイメージできなかったので受けず。ずっと宙ぶらりんの状態でしたが、今年はもうダメだ! と思ってその年の秋から1年間大学を休学しました。1年もあれば何か準備できるだろうし、もう1回やればどうにかなるだろ! という謎の根拠がありましたが、実際何をやったら良いかも分からず、業界研究と言いつつ本を読んだり映画を観たりしながらバイト漬け……。一人暮らしはアルバイトをしないと生活できません。

でもこんな生活って、要するに普通の遊んでる大学生となんら変わらない。色々な作品に触れながらも、こんな生活続けて来年何か変わってるのかな? という不安、自分がどんどんダメになっていってるような感覚だけが残っていました。

何か自分が変われるような、それでいて自分の行きたい業界に近づけるような事を真面目に探し始めて……。そんな折に、株式会社WACKという会社のインターン募集を見かけました。

「ここでインターンしたら何か変われるかなあ」

よく考えているのか考えていないのか自分でも分からない状態で申し込みのメールをしました、一昨年の11月頭ほどの事です。ここから僕の休学の1年間が始まりました。

また長くなってしまいました。

また来週、一つよしなに。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。

エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。

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