BiSH、BiS、EMPiREと同じ事務所WACKに所属する9人組アイドル・グループ、GANG PARADE。2019年4月17日にはワーナーミュージック・ジャパン内の新レーベル「FUELED BY MENTAIKO」より、シングル『ブランニューパレード』にてメジャー・デビューを果たす。また、5月19日には大阪・大阪城音楽堂、5月26日には東京・日比谷野外大音楽堂で野音ワンマンツアー〈CHALLENGE the LIMIT TOUR〉を行う。
2019年3月24~30日にかけて長崎県壱岐島で開催された合宿型合同オーディション「WACK合同オーディション2019」では、WAggのナルハワールドのGANG PARADEへの昇格が決定。5月26日に行われる日比谷野外大音楽堂公演より10人体制として活動をしていく。大きな舞台へと飛び立とうとしているGANG PARADEへの個別インタビューを毎月更新する。
連載4回目となる今回は、GANG PARADEの前身グループPOP時代から活動を続けるユメノユア。これまでメンバーチェンジや新メンバーの加入など、幾多の困難を乗り越えながら辿りついたメジャーデビューについて、新メンバーの加入について、野音ツアーのことまで、ざっくばらんに話を訊いた。
インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:Jumpei Yamada
大切な人たちだと思う気持ちが増えました
──GANG PARADE(以下、ギャンパレ)は、BiSH、BiS、EMPiREとともに開催した全国17都市23公演を回る全国ツアー〈Going Going WACK TOUR〉で、20公演でライヴを行いました。振り返ってみて、どんなツアーになりましたか。
ユメノユア(以下、ユア) : WACKの力を借りて、ギャンパレにとって初めての土地に行かせてもらえたツアーだったんですけど、遊び人(※GANG PARADEファンの総称)はいつもこんな遠いところから東京まで来てくれているんだなと実感して。改めてファンの人のありがたみを感じました。あと、WACKグループに対するバチバチしたライバル的な気持ちは今もあるんですけど、それ以上に愛おしいというか、大切な人たちだと思う気持ちが増えました。
──メジャーデビューを控えていたり、サーキットイベントでトリを務めたり、ギャンパレの盛り上がりを肌で感じることが多いと思うんですけど、ユアさん自身、ギャンパレの現状をどのように捉えていますか。
ユア:2、3年前と比べたら状況はいいんですけど、音楽業界の中で比べたら全然まだまだだなと思っていて。でも、スタッフさんや関わってくれる人たちが増えているということは常々思って活動させていただいていますね。
──2年前のWACK合宿オーディションに、ユアさんは(テラシマ)ユウカさんと参加しました。当時はギャンパレの知名度が低く、厳しい現実にぶち当たりながらもギャンパレ精神を見せつけましたが、昨年のマイカさんの奮闘を経て、ミキさんが1人で参加した今年の合宿、どんな気持ちで送り出したんでしょう?
ユア:心配はしていたけど、自分たちが行ったときと状況が違っていて。WACKを知ってくれている人も増えているし、ギャンパレ自身が地に足をついて立てるような状況になっていたから、私の経験を元にこれを頑張ったらいいってアドバイスできることはなくて。苦手な野菜も絶対に食べるだろうし、早朝マラソンも頑張ってくれるという信頼はありつつ、抱え込みすぎちゃわないかなとは思っていました。なので、ずっとニコ生を観て見守ることに徹していましたね。
──合宿期間中、ユアさんはどんな1日の過ごし方をしていたんですか?
ユア:朝6時前後に起きて敗者復活やマラソンを見届けることから1日が始まりました。今年はデスソースがなかったから、ご飯の時間は寝る時間と決めていて(笑)。その後ダンス審査を観つつ、仕事の合間にニコ生を観ていました。
──ギャンパレのグループLINEでメッセージが飛び交っていたのが心強かったと、ミキさんが言っていました。どんな内容がグループで流れていたんですか?
ユア:マラソンが終わったら「おつかれさま」とか、ダンス審査で1位を獲ったときは「頑張ったね」とか、2位の時でもメッセージを送って私たちはちゃんと頑張っているのを観ているよってことを伝えようとしていました。とはいえ、ミキはニコ生の回っている部屋に常にいたり、夜中までダンスを教えたり、ノートに書いたり、踊ったりしていて。裏では泣いていたり悩んでいたとは思うんですけど、パニックでどうしようもないみたいな感じではなかったから、私たちも全体で何か動画を獲ったり送ったりすることはなくて。そこは去年とはちょっと違うグループでの戦い方でしたね。
──合宿最終日に壱岐で行われた〈WACK EXHiBiTiON〉で、1週間分ぶりにミキさんと会ったとき、どんな印象を持ちました?
ユア:なんか縮んでいました(笑)。
(取材部屋の隅で撮影していたミキが瞬発的に叫んで)縮んでないよっ!
一同:(笑)
ユア:一生懸命、野菜を食べたのに縮んでいたんですよ(笑)。野菜を食べたことで、いらないものがデトックスして出ていったのかなって(笑)。
静かに熱く燃えるタイプなのかなと
──久しぶりに9人で立った〈WACK EXHiBiTiON〉のライヴはどうでしたか。
ユア:よかったんですけど、私は力みすぎたなと思っていて。気合いは大事だけど、それをコントロールできなきゃいけないとライヴ後、冷静になったときに思って。曲の見せ方や曲間をコントロールしなきゃいけないなって。力んで歌うとピッチを外しちゃったりもするから、上手くバランスをとってやらなきゃいけない。全力さはギャンパレに必要なものなんですけど、それを持ちつつちゃんと楽曲を魅せられるようにならなきゃいけないなって思いました。
──〈WACK EXHiBiTiON〉では、どういうところで気合いが1番入っていたんでしょう?
ユア:今の私たちをちゃんと観てもらわなきゃ、というところで1番気合が入っていました。合宿を経て行われる〈WACK EXHiBiTiON〉って特別なんですよね。ただライヴに対しての気持ちはいつもと違っても、パフォーマンスのスタンスは同じでいなきゃいけないなと思うから、そこは意識したいなって。
──ライヴ後の合格発表で、WAggのメンバーだったナルハワールドさんがギャンパレに昇格するという発表がされました。その瞬間、どういう心境だったのかを訊かせてもらえますか?
ユア:一瞬、9人のGANG PARADEじゃ足りなかったのか…… みたいにネガティヴに考えてしまって。でも、それって完全に自分本位な考えだなとステージ上で気づいたんですよ。その場で気づいたからこそ、余計自分自身で悲しくなってしまって。発表の瞬間、空気感がよくなかったのが本当に申し訳ないです。
──もともと、ナルハさんとの付き合いは、どれくらいあったんですか?
ユア: WAggのツアーの仙台公演に出演させてもらったことがあるくらいで。ナルハに限った訳じゃなくWAggのメンバーとは全然接点なかったんです。だから、ニコ生で合宿を観ていてお客さんと同じ感覚で、この子はこんな感じなんだなとか、こんな一面あったんだなというのを知っていきました。
──ニコ生通して、どんなイメージを抱きました?
ユア:ナルハはスマートに一生懸命だなという印象でしたね。手を抜く訳でもなく、静かに熱く燃えるタイプなのかなと。すごくいい人だなって雰囲気も感じました(笑)。きっとまだまだ私の知らない一面が、これからしゃべったり活動していったら出てくると思うから、どんな子なのかもっと知りたいです。
──5月19日の大阪城野外音楽堂でのワンマンが9人体制最後のライヴ、5月26日の日比谷野音でのワンマンがナルハさんを加えた10人体制お披露目のライヴとなります。どんな気持ちで、それぞれのライヴに向かっていきたいですか?
ユア:よく9人最後のライヴを観てほしいって言うんですけど、別にこれで終わりじゃないし、ナルハが入って10人体制になっても自分のギャンパレに対するスタンスは変わらないので、たくさんの人に観てほしい。もっとギャンパレを好きな人を増やしていきたい気持ちが常々あるし、野音までの期間にリリース・イベントもいっぱいあるので、初めて私たちを知る人も増えると思うんです。しっかりその人たちの心を掴みにいきたいと思います。野音ツアーが終わってからも、ギャンパレのライヴにもっと行きたいとか、会いに行きたいとか思ってもらえるような日にしたいです。おもしろそうだなと思ってもらいたい。
人生、ですかね
──ちょっと大きな質問になるんですけど、ユアさんにとってGANG PARADEってどんな存在になっているのかなと思って。
ユア:どんなものか……。人生をかけているから、人生、ですかね。
──合宿の中で、渡辺(淳之介/WACK代表)さんがWACKの歴史講座をしたとき、「俺もプー・ルイも自分のことよりもBiSが大事で、BiSのためになんでもやってきた」って話をしていたのが印象的で。同じようにユアさんもPOP時代からずっと活動しているから、そこはどう考えているのかなと思ったんです。
ユア:その話は、私もニコ生でリアルタイムで観ていました。たしかに渡辺さんもプー・ルイさんもそうだなと思って。私もギャンパレのことは常に考えているけど、〈WACK EXHiBiTiON〉の発表の時、完全に自分本位になっちゃっていたから、そうはなれていないのかなと思って。あと、自分の気持ちを抑えることはできると思うんですけど、それはアーティストとして自分が目指したいものではないかもしれないと考えてしまったり……。何が言いたいのか分からなくなってきたぞ(笑)。自分ではなくグループのことにすべてを捧げたとき、自分の感情とか気持ちをプー・ルイさんはどう処理していたんだろうなって。
──たしかにプー・ルイさんは、意識が飛ぶというか、涙が止まらなくなって1週間何も覚えていない期間があったりしましたもんね。
ユア:そういう状態を経て、プー・ルイさんがBiSをやってきたからこそ、そこに信頼があると思うんです。どうやって自分という存在とBiSという存在でバランスをとって付き合っているんだろうなって。
──旧BiS時代は、BiS=プー・ルイさんだったというのも大きいですしね。BiSのためにやることが、すべて自分につながっていたから。
ユア:私たちも、ギャンパレのことをやることで全部自分たちに返ってくるじゃないですか。だからギャンパレのことをもっと考えなきゃいけないんですよね。かつ、そこには9人の個性というものが存在していて、それがもうすぐ10人になって…… 考えがぐるぐる回る(笑)。でも、グループのことを全力でやることが自分のためにも繋がるんだと思います。
WACKの曲なんじゃないかとも思った
──メジャーデビューシングルの『ブランニュー・パレード』はユアさんにとって、どういう思いがこもった曲でしょう?
ユア:初めて聴いたときに「これはギャンパレのための曲だ!」と思ったんですよ。これまでの歴史も歌詞に入っているので、初めて聴いた人にとってはギャンパレを知ってもらえる曲だし、ギャンパレを知っていてくれた人にとっては当時を思い出してもらえることがいっぱい詰まっていると思っていて。そう思いつつ、合宿を観ていたら、WACKの曲なんじゃないかとも思ったんです。たくさんの人たちに共感してもらえる応援歌なので、この曲とともに自分たちもWACKも大きくなっていきたい。この曲がきっかけになって、いろいろな人に出会えるかもしれないし、大切にしていきたい曲です。
──ナルハさんが入って10人体制で初となる日比谷野音でのワンマン。どんなライヴにしたいですか?
ユア:語り継がれるライヴにしたいです。その日が楽しいのは大前提なんですけど、後々、「あの時、ギャンパレの名前は知っていたけど、なんで行かなかったんだ」みたいに思われる日にしたくて。来てくれる人にとって大切な日にするのはもちろん約束したいし、それ以外の人たちにも届けたいですね。
──BiSHも野音ワンマンが1つのターニングポイントになりましたもんね。
ユア:そうですね。ギャンパレにとってもいいターニングポイントにしたいです。
──ギャンパレは変わり続けていくグループで、先のことは分からないと思うんですけど、現時点でユアさんとしてはどんなグループにしていきたいですか。
ユア:最近、ライヴ制作の佐藤さんから「団体芸を唯一できるのはギャンパレだ」って言われていて。ナルハも増えて10人になって、できることがもっともっと増えると思うんですよ。団体での見せ方もそうだし、何か飛び道具をするにしても1人増えることで変わってくると思うから、ステージ上での遊び心をもっと増やしたいですね。そういう意味での「みんなの遊び場」をもっともっと体現していきたいです。
GANG PARADE PROFILE
「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、カミヤサキ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、ハルナ・バッ・チーン、月ノウサギの9人からなるアイドルグループ。2014年に結成されたプラニメが前身ユニットで、2度の改名とメンバーの増減を経て2018年4月17日、現体制での活動をスタートさせる。同年9月20日に自身最大規模のワンマンライブをZepp Tokyoにて成功させ、2019年1月8日に現体制での初AL『LAST GANG PARADE』をリリース。4月17日にワーナーミュージック・ジャパン内新レーベル「FUELED BY MENTAIKO」よりシングル『ブランニューパレード』でメジャーデビュー。
■ライヴ情報
CHALLENGE the LIMIT TOUR
2019年5月19日(日)大阪 大阪城野外音楽堂
Open/Start 16:30/17:30
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
2019年5月26日(日)東京 日比谷野外音楽堂
Open/Start 17:00/18:00
[問]KM MUSIC 045-201-9999
チケットURL : w.pia.jp/t/gangparade/
指定席 6,000円(税込)
芝生席 5,000円(税込) ※大阪公演のみ
立見席 5,000円(税込) ※東京公演のみ
■リリース情報
GANG PARADE MAJOR DEBUT SINGLE『ブランニューパレード』
収録曲:
1. ブランニューパレード (作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
2. Dreamer (作詞:テラシマユウカ 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)(+Instrumental))
2019年4月17日(水)発売
品番:WPCL-13035
価格:1,000円+tax
WARNER MUSIC JAPAN/FUELED BY MENTAIKO
予約購入リンク:https://GANGPARADE.lnk.to/NEWSG0413AW