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StoryWriter

皆さんこんにちは。

GW10連休が終わりましたね。僕はGWの期間はずっと部屋の掃除をしたり、中国に行ったりしていたのですが、あまりロスらしいロスはございません。ちなみに僕は令和を迎える瞬間には日本に居らず、中国に行っておりました。国の祝い事なのに海外に行っているなんて、全く非国民極まりなしです。

当初は色々目的があった(ライヴハウスとか行きたかった)のですが、スケジュールが合わなかったり、トラブルがあったりであまり行きたい場所には行けず、寧波をベースに留学していた街を回ったり、寧波の郊外の寺を回って仏像パワーを感じたり……。普通の観光になってしまって不完全燃焼な旅行でした。現地のローカルなお店でおばちゃんとちょっと話したりみたいな楽しみしかできなかったなあ、残念。

唯一の収穫といえば、杭州で中国のスポーツブランド「特歩(XTEP)」の店舗に行ってシューズを購入できた事ですかね。この連載でも何回か話してるんですが、最近は中国産ブランドでもしっかりした品質でいて、カッコいいデザインの物が多くあったりするんです。例えば今回僕が買ったものは、こんな感じです。

履いて1週間くらい歩き回ったんで多少汚れてはいますが、結構カッコよくないですか?これで実店舗で1足280元(日本円で4600円ちょっと)だったかな。2足買うと、1足辺りの値段がもっと安くなったりします。よっぽどハイブランド志向の人や、拘りがあるがある人でもなければ、必ず購入を考えていいレベルのクオリティだと思います。デザインも豊富ですし。それでも「中国ブランドだから品質が心配……」と、不安な人は実店舗で試着してみてからでも宜しいかと思います。

さて、前置きのつもりが長くなってしまったのでそろそろ本題に入ろうと思います。

今回お話したい、というか個人的にずっと好きな本、それが「新・四字熟語」(又吉直樹著)です。

内容はというと、タイトルから想像がつくように又吉直樹さんオリジナルの四字熟語をかき集めた一冊で、見開きの右側に四字熟語と左側に書道家の田中象雨が言葉のニュアンスに合う独特の字体で書いた四字熟語そのものが掲載されているという構成になっております。

やはりお笑い芸人と小説家の2足のわらじを履いているだけあって、言葉選びのセンスがめちゃくちゃ面白いです。例えば1つ作品を取り上げてみると、

「馬面猫舌」
意味:馬面である上に、猫舌でもあること。解りやすい欠点が二つあり、短所の渋滞を起こすこと。
【類語】足臭脇臭

「祖母咆哮」
意味:一般的に穏やかな印象であると言われる祖母が咆哮するくらいだから、よっぽどの事だ。
哀しみ、怒り、歓び、あらゆる感情が爆発している様子。

みたいな言葉が毎見開きに掲載されていて、全く頭を使わずに楽しめる、手に取りやすい1冊になっています。通勤電車とかで読むのにとてもピッタリやも。

今回なんでこの本をピックアップしたんや! っていう話になると思うんですが、最近中国関連の物を改めて調べてみたり、旅行に行ってみて中国語を使っているうちに「あ、やっぱ漢字って面白えな」って思うわけです。漢字には日本の常用漢字(古代中国由来)と簡体字、繁体字と3種類あります。もちろん全部ではありませんが、どこの国や地域の漢字文化でも意味字体は大体一緒なわけでして、日本の漢字辞典でひくと5番目くらいに出てくるマイナーな用法・意味が、中国語ではメインの意味になってたりとかしていて面白いんですよ。僕自身も中国語を勉強していて漢字って色々面白い要素あるなあ、とは思いつつもやはり外国語としての漢字を扱っていたわけですよね。

しかし、今回取り上げた「新・四字熟語」で紹介された熟語、中国語読みをすると全く意味が分かんなかったりするものもあるのですが、それでも日本語的に読むともちろん意味が分かるわけです。他にも、例えば「勉強」という熟語、中国語では「強制する、強いる」という意味で、学習するという意味は一切ない、みたいな事もあったりします。僕にとってはそういうところから、「同じ漢字を共有しているのに、それを介して全く異なる文化があり得る」という現象を直接理解できるので、一層面白く感じたのかもしれません。漢字ってとてもユニークな存在だ。

それでいて、新たな語感や雰囲気をユーモアたっぷりに表したこの作品集とも言える書籍、笑えるという意味でも本当に面白いと思うので、是非読んでくださいまし。

今週はこの辺で。

また来週、1つよしなに。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。

エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。

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