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【GANG PARADE 連載 Vol.5】月ノウサギ編「ギャンパレの未来を決めるライヴになる」

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GANG PARADEが、野音ワンマン・ツアー〈CHALLENGE the LIMIT TOUR〉を大阪と東京で2週連続開催する。5月19日には大阪城野外音楽堂にて9人体制最後のワンマンを、5月26日には日比谷野外音楽堂にて10人体制初のワンマンを行う。

4月17日にワーナーミュージック・ジャパン内の新レーベル”FUELED BY MENTAIKO”よりメジャー・デビューを果たし、勢いに乗るGANG PARADEのひとつの集大成と、未来に向けた一歩が踏み出される記念すべきワンマンを直前に、メンバーの月ノウサギへのソロ・インタビューを行った。

大阪城野外音楽堂は月ノウサギがWACK合宿オーディションを経て合格を告げられた場所でもある。そんなワンマン直前3日前、月ノは何を考え、野音に臨むのか。話を訊いた。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:Jumpei Yamada


今後おそらく一生観れないものになると思う

──大阪城野外音楽堂でのワンマン、いよいよですね。

月ノウサギ(以下、月ノ):今日は木曜日だから、あと3日ですね。わお。

──グループの雰囲気はどんな感じですか?

月ノ:わりと落ち着いていますね。9人体制と10人体制での練習を同時進行しているので、メンバー全員体も頭も大変だと思うんですけど、みんなでセトリの流れを考えたり、大阪のゲネも終わったので、あとはやるだけという感じです。

──日比谷野音のチケットはすぐ売切れましたが、大阪はもう少しだけチケットがある状態ですよね。大阪もチケットをソールドアウトさせて、多くの人に観てもらいたいという雰囲気になっているのかなとTwitterを見て感じました。

月ノ:やっぱり9人体制最後のライヴで、今後おそらく一生観れないものになると思うから、観てもらいたい気持ちが強いです。私がソールドアウトさせたい理由は、純粋に1人でも多くの人に今のギャンパレを観てほしいからで。それこそ大阪野音のギャンパレを観てから日比谷野音のワンマンを観たら、違うものを感じるかもしれない。もちろん、最近ギャンパレを知った人にも今のギャンパレを観ていてほしい。私はギャンパレというグループにそれだけの自信があるんです。

──大阪野音は、月ノさんがWACK合宿オーディションの合格者発表で立った場所でもあります。それも大阪野音が特別な理由の1つにもなりそうですね。

月ノ:そうですね。まだ候補生のヨコヤマヒナ(合宿オーディション時の名前)だったとき、舞台裏のモニターで7人のギャンパレを観ていて。最後の曲「Plastic 2 Mercy」で端から端まで飛び跳ねる7人を観て「すごい!」と感じたことをすごくよく覚えているんです。少しでも大きくなった自分がギャンパレとしてあの舞台に帰れるのは本当に嬉しいことだし、滅多にない奇跡だなと思います。

──ステージ上に上がったときの風景や景色は覚えています?

月ノ:覚えていますよ。合格発表の前にWACKメンバーの順位発表をして、最下位だったマイカさんの改名発表があったんですよ。私の斜め前ぐらいにいたマイカさんが「キャン・GP・マイカ」に改名になったとき、「よろしくお願いします!」とお辞儀した顔が見えて。そのときすごく泣いていたけど、パッと顔を上げたときに、キャン・GP・マイカの顔を作っていて。プロ意識を見せつけられたというか。合格発表で名前を呼ばれてメンバーが駆け寄ってくれたのも一生忘れられないです。そのあと舞台裏でハルナ(・バッ・チーン)がビービー泣き出したのもいい思い出だなって(笑)。あのとき会場にいたのはWACKのお客さんだったけど、今回は客席全部がギャンパレのお客さんになるというのが純粋に本当に楽しみですね。

失敗をする前に努力をしたい

──正直、合宿オーディション中の月ノさんを見て、もっとクールな感じの人なのかと思っていて。

月ノ:私がですか?

──はい。でも、ギャンパレになってしっかり話すと、熱くて、真面目で、全然印象が違くて。月ノさん的には、活動を始めて変わってきたのか、もともとそういう性格なのかというところでいうと、どうなんでしょう。

月ノ:根本はあまり変わっていないつもりです。でも、結構言われます。それこそ「ギャンパレに合うのかな」って声もときどき聞くけど「全然思っていた人と違った」みたいに言われることが多くて。合宿では常に緊張していたし、気を張っていたというのもあって、素をさらけ出せなかったのかもしれないです。

──月ノさんは、物事の本質を明確に理解して的を得たことを言う印象もあります。慎重に何が正しい正しくないを考えて活動しているようなところがある。

月ノ:失敗から得る学びってすごくいっぱいあるじゃないですか? でも、失敗をしないに越したことはないと思っていて。だから失敗をする前に努力をしたいというのが自分のモットーにあるんです。正解って人それぞれだけど、1番正解に近しいルートってあるじゃないですか? そこに近づけるためにはどうすればいいかは、すごく考えて行動していますね。合宿中、渡辺(淳之介/WACK代表)さんが「後悔はしないように」と言ってくれていたんですけど、それは私の中でのモットーでもある。そういう考えが西澤さんが今言ってくださったことに繋がっているかなとは思いますね。

──選択肢をいっぱい出して、その中で1番正解に近いルートを導き出すみたいな考えは、ギャンパレに入る前からしていたんですか?

月ノ:学生の頃は空っぽに生きていたし劣等感を抱えて生きていて。空っぽな自分へのコンプレックスを解消するために考える癖を無理やりつけたのかもしれないですね。

──意図しているかしていないかは分からないですけど、その考え方は渡辺淳之介イズムに繋がっているなと思って。以前、BiSHが成功した理由を訊いたとき、失敗しない選択肢を選んできたからじゃないかということを話していて。月ノさんの考えがWACKに入って活動してから身につけたものなのか、それ以前からそういう素質があったのかはわかないですけど、通じるものがあるなって。

月ノ:その気持ちを明確に覚えたのは合宿ですね。例えば、夜ご飯が終わったあとに部屋に戻るんじゃなくて練習した方がきっと合格に近いんだとか、今はデスソースを血眼で探さないとやばいなとか。正解へのルートを1秒も惜しまず考えていたので、その考えの礎は合宿だったかもしれないですね。

当たり前にパフォーマンスの質は上げないと

──いまギャンパレはメジャーデビューし、ライヴにお客さんもたくさん詰めかけるなど上り調子ですけど、頑張った分返ってくる手応えはありますか。

月ノ:それはめっちゃ感じますね。分かりやすく思ったのは〈REBUILD TOUR〉のZepp Tokyo公演が終わったときで。そのツアーは、ギャンパレのメンバーになるために頑張ろうと思って臨んでいたんです。Zepp Tokyoのライヴを経てそれは達成できたなと思って、次は絶対にいなくてはならないメンバーになりたいとパフォーマンスとかもいろいろ考えてやったら、「最近表情良くなったね」って言ってくれる人が増えて。自分で目標を提示して行動をすれば伝わるんだなということを、この活動をしてすごく思ったし、それはすごく大事だなと思いました。

──もう1つ大きな出来事として、メジャー・デビューがありました。月ノさんにとってメジャー・デビューはどういうものになったんでしょう。

月ノ:他のメンバーが長い時間をかけて掴み取ったメジャー・デビューだったから、もちろん私も嬉しかったんですけど、前からギャンパレでいてくれたメンバーだったり、私たちが加入する前から応援してくれるファンのみなさん、私たちが入ってきてから応援してくれるみなさんに対して「おめでとう」という気持ちの方が強くて。だからメジャー・デビュー発表の川崎の日は絶対に泣かないようにと決めていて。涙を見せるのは私じゃないなと思って臨んだんですけど、あれだけメジャー・デビューを喜んでくれる人がいるというのはすごくありがたいことだなと痛感しましたね。

──メジャーで活動し始めたことで、周りのスタッフさんだったり環境も変わったかと思います。それによって、ギャンパレに与えた影響はありますか。

月ノ:先日、9人がバラバラで各店舗を回る〈ギャンパレ999〉というイベントをしたんですけど、私たちは9人いるのでスタッフさんが1人つくだけでも膨大な数なんですけど、1人につき2人スタッフさんがついてくださって。すごく話題になるイベントだったり、大きなイベントができるようになって、ワーナーさんの力をすごく感じました。だからこそ、盛り上げないといけないという気持ちも強い。関わってくださる方の規模が大きくなればなるほど、責任感が伴うというか、やらないとなって気が引き締まるというのはすごく感じますね。

──そうした環境の変化もありつつ、ギャンパレの肝はライヴだと思うんですね。周りの期待値が上がっていく中、パフォーマンス面はどのような課題を持って強化しているんでしょう。

月ノ:(カミヤ)サキさんとマイカさんはダンス経験者なんですけど、それ以外のメンバーはもともと初心者で見よう見まねでやっていたので、ダンスレッスンをつけてやってみようとか、そういう分かりやすいパフォーマンスの強化は始めました。前はギャンパレのことをよく知ってくれている人がライヴに多かったけど、広い世界に出るにあたって、ギャンパレが野音でやるんだ見に行こうぐらいのライトな層の方も増えていて。ライトだからこそシビアな目で観るというか。そういう人が増えているからこそ当たり前にパフォーマンスの質は上げないとと思っています。メジャーというタイミングで嬉しさだけでなく、そういう危機感もみんな持っているので、そこの質は上げていかないとなと思います。

今は野音1点に気持ちが向いている

──今年の合宿オーディションでは、WAggのナルハワールドのギャンパレへの昇格が発表されました。月ノさんはどんな気持ちで聞いていたんでしょう?

月ノ:私が入って初めて迎える〈WACK EXHiBiTiON〉だったので、舞台上での衝撃が強くて。ナルハのことを舞台上でしばらく気遣うことができなかったのは心残りというか、もっとできることはあったなと思っています。でも、舞台上でナルハに声をかけたとき、泣いて嬉しそうにしていたのを見て、1年前の自分を思い出して。こんな感じだったなとか、あのときにメンバー迎えてくれたなとか、1年前の初心を思い出したというか。びっくりしたけど綺麗な気持ちになりましたね。発表の瞬間は本当にびっくりして、覚悟はしていたつもりだったんですけど、つもりだったんだなということを痛感しましたね。あらゆる可能性を考えて舞台に立たねばいけなかったなという、そこは自分の中ですごく後悔しました。

──いろいろな可能性を考えている月ノさんでも、新メンバーが入るということはあまり想像していなかったということ?

月ノ:考えてはいたはずなのに、いざその状況になったら驚いてしまったというか。そして驚いたことを外に出てしまった。舞台上に立つ人間としての覚悟は足りていなかったかなとは思いましたね。終わった後に。

──それは9人で作り上げてた自信があったからこその驚きだったんでしょうね。

月ノ:そうですね。

──実際ナルハさんと練習をし始めてみて、活動に対する意識など変わった部分はありますか。

月ノ:新メンバーに1番寄り添えるのは、1年前新メンバーとして入った私とハルナだと思うので、7人が自分たちにどう接してくれていたかを思い出しながら接しています。新メンバーが活きるために1番必要なのは新メンバーの子の努力や気持ちの強さはもちろんなんですけど、同じぐらい既存メンバーの力や支えが大事で。私とハルナのことを活かそうと尊重してくれた7人がいたから9人の形を作れたなとすごく思うので、それを私もナルハにしてあげたいと思いますね。純粋に愛を持ってナルハに接していきたいと思います。

──大阪野音で9人最後のワンマンがあります。1週間後には10人体制になるので気持ちの持っていきかたをどうしているのかは気になるところです。

月ノ:9人で1年間やってきた積み重ねがあるので、いい意味で心配がないというか。逆に、日比谷の方が現実的な面でフォーメーションだったり不安要素はあります。ちょうど大阪野音の日に、ナルハもWAggでの最後の公演を終えるので、そこから10人にバッと切り替えられたらいいなって。大阪では9人の集大成を見せるつもりではいるんですけど、9人の終わりということを重要視しているわけではなくて。あくまでも10人へ繋がる9人の終わりだと思っています。この前メンバーと話したとき、みんなそういう気持ちでいたのでポジティブな終わりというか、いい意味で楽しみでいます。

──大阪野音はどんなライヴにしたいですか?

月ノ:1人残らず楽しかったと思ってもらえるライヴにしたいです。来てくれたからには、端から端まで1人残らず楽しんで幸せになってもらいたい。何より自分も楽しもうという気持ちでいっぱいです。純粋に楽しみなので早く大阪のステージに立ちたいです。

──この先、大阪野音がより月ノさんと結びつきの強い場所になりますね。

月ノ:本当に特別な場所になると思います。WACKオーデの同期でEMPiREやBiSに行ったメンバーもいるけど、こうやって大阪野音にワンマンをしに帰ってきたのは私とハルナだけなので。この先立つ子はいるかもしれないけど、1年後にこうやって立つことができるというのはすごく大きなことだと思います。

──その1週間後には、月ノさんも先輩になるわけですしね。この野音ツアーを経て、その先にどんな未来を思い描いていますか。

月ノ:今は野音のことで頭がいっぱいですね。それは、先が見えていないとかではなくて、今は野音1点に気持ちが向いているということで。野音の景色を見た後に、その先の景色も見えてくると思うんです。野音という会場の特別さもあると思うので、ギャンパレの未来を決めるライヴになると思います。これまで、大きいライヴをやるときはツアー・ファイナルが多くて、ツアーの集大成を見せることが多かったんですけど、今回は本当にギャンパレの始まりを見せるライヴになるので、そういう意味では今までとはまた違った新しい気持ちで挑みます。

──この先のギャンパレを占うような重要なライヴになりそうですね。

月ノ:ハルナがすごくいいことを言っていたんですけど、野音を飛び抜けたライヴにしたい、って。それは本当にそうだなと思って。すごく広いライヴにしたいし、来てくれた人を幸せにしたいですね。


GANG PARADE PROFILE

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、カミヤサキ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、ハルナ・バッ・チーン、月ノウサギの9人からなるアイドルグループ。2014年に結成されたプラニメが前身ユニットで、2度の改名とメンバーの増減を経て2018年4月17日、現体制での活動をスタートさせる。同年9月20日に自身最大規模のワンマンライブをZepp Tokyoにて成功させ、2019年1月8日に現体制での初AL『LAST GANG PARADE』をリリース。4月17日にワーナーミュージック・ジャパン内新レーベル「FUELED BY MENTAIKO」よりシングル『ブランニューパレード』でメジャーデビューした。5月19日に大阪城野外音楽堂、5月26日に東京・日比谷野外音楽堂でのワンマンライブを控えており、5月26日に同事務所所属グループWAggよりナルハワールドの加入が決まっている。

■ライヴ情報
CHALLENGE the LIMIT TOUR
2019年5月19日(日)大阪 大阪城野外音楽堂
Open/Start 16:30/17:30
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400

2019年5月26日(日)東京 日比谷野外音楽堂
Open/Start 17:00/18:00
[問]KM MUSIC 045-201-9999

チケットURL : w.pia.jp/t/gangparade/
指定席 6,000円(税込)
芝生席 5,000円(税込) ※大阪公演のみ
立見席 5,000円(税込) ※東京公演のみ

■リリース情報
GANG PARADE  MAJOR DEBUT SINGLE『ブランニューパレード』
収録曲:
1. ブランニューパレード (作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)
2. Dreamer (作詞:テラシマユウカ 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES)(+Instrumental))
2019年4月17日(水)発売
品番:WPCL-13035
価格:1,000円+tax
WARNER MUSIC JAPAN/FUELED BY MENTAIKO
予約購入リンク:https://GANGPARADE.lnk.to/NEWSG0413AW

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