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【LIVE REPORT】眉村ちあき、新木場STUDIO COASTで魅せたフルエンターテインメントな3rdワンマン

StoryWriter

眉村ちあきが、2019年6月4日(火)、3rdワンマンライブ〈東京湾へダイビング!〉を新木場STUDIO COASTにて開催した。

超満員の観客の中で、アンコールを含め23曲を披露した本ライヴ。「フルエンターテインメント」の言葉通り、1曲1曲に、そして1本のライヴという1単位に、眉村の楽しむこと/楽しませることへの追求がおもちゃ箱のように詰まっていた。そんな新たな可能性を存分に満喫させられた本ライヴをレポートする。


ライヴ前には、グッズを紹介する眉村の動画が流れており、ほっこりとした空気に会場は満たされていた。動画が終わると、眉村がイラストを担当した本ライヴのフライヤーが映し出される。そこに描かれた恐竜が伏線となっているとは、その時誰も知る由はなかった。

照明が落ちると、ヒーローに扮した眉村が恐竜に立ち向かう動画でライヴはスタート。動画が流れ終わると、舞台上の幕に光があたり恐竜に乗った眉村のシルエットが浮かび上がると、会場はどよめきと興奮に揺れた。

恐竜の上で「東京留守番電話ップ」を歌い、そのままパフォーマンスをするかと思うと、2曲目の「ブラボー」では舞台袖にはけた恐竜がチラッと観客に顔をのぞかせるという、眉村のキュートな演出も炸裂する。

MCで「私は今からこの恐竜と戦わなくちゃいけないの。みんな、力を貸してくれますか? そう、人間は音楽で一つになったら、最強なのです」と語ると、6人のキッズダンサーと共に「Queeeeeeeeeen」を披露。パンチの振り付けで会場を一つにして、恐竜を退治した。

「ほめられてる!」では、楽曲に乗せてキッズダンサー1人1人の見せ場を作り褒めるかと思うと、2番では禿げた観客をたくさん見つけてコミュニケーションを取るなど、眉村のざっくばらんな可愛さに会場が巻き込まれていく。次の曲「ナックルセンス」では、なんと眉村がワイヤーで宙に浮くという驚きのパフォーマンスを見せる。空中で全身を使って感情を表現する眉村に、会場は最高の盛り上がりで応えた。

未発売曲「スクワットブンブン」では、眉村が浮き輪の船に乗ると、観客の上を運ばれ中央のステージへ。「今日は新規が多い」と語るも、観客の2000人全員をスクワットに巻き込む眉村の力は圧巻だった。「これから起こる事、誰も予想できないから覚悟しててねー!」と叫ぶと、会場は期待に沸き歓声が響いた。

そこまで眉村の明るくキュートな一面を存分に見せた後に披露した「おじさん」では、その表現の振り幅の大きさに会場の感情が揺すぶられる。豊かな表現力を魅せた眉村のシンガロングには、鳴り止まない拍手が送られた。

その後の「ピッコロ虫」では即興の歌詞で盛り上げつつ、「夢みたいな心地だが、もっと、もっと、、」と眉村の気持ちを弾き語ると、会場は幸せな一体感に包まれる。そんなほっこりした時間もつかの間、次の曲「荻窪選手権」では、眉村が尊敬すると語るクリトリック・リスことスギムがワイヤーで吊るされて登場。さらに倒したはずの恐竜も出てきてステージはカオスな状態へ。しかしそんなステージも、持ち前のチャーミングさでエンターテイメントとしてまとめ上げるのが眉村のすごい所なのだろう。

そしてそこから5曲を駆け抜け、本編は幕を閉じた。

鳴り止まないアンコールの中、眉村が踊っている動画が流れ、その中で告知事項が発表された。

2019年6月22日(土)代々木公園で遊ぶ
2019年6月23日(日)バスジャックin渋谷
2019年6月25日(火)仮免許取得(予定)
2019年7月21日(月)22:30~ CS 日テレプラスにて特番放送
2019年9月20日(金)BIGCATワンマン「BIG LOVE」
2019年10月21日(月)LIQUIDROOMワンマン「過剰なダブルピース」

大きな歓声の中、ジャージ姿に着替えた眉村が歌いながら登場。「そろそろ新曲をやろうかな。いつもは新曲一文字も覚えないで歌うけど、今日は80文字くらい覚えてきました!」と語り、新曲「緑のハイヒール」を披露。観客からは「めちゃくちゃ良かったよー! 大丈夫!」と歓声が飛ぶと、「想い想いの飾り方をしやがれください」と笑いながらコメント。その流れで、テレビ番組で披露した即興ソングから生まれた名曲「大丈夫」へ。「わからなくても大丈夫 今ここにいる私は少なくともすごく楽しかったよ」と眉村のライヴを象徴するような歌詞が会場を一つにする。

それから、眉村が「これなら胸触られないね」と笑いながら、浮き輪の船でうつぶせになって観客の上をスーパーマンのように移動しながら歌ったり、観客の中をまるで友達を確認していくかのように歩きながら歌ったりと、誰よりも楽しむ眉村の自由さが爆発。最後の曲の締めでは、浮き輪の船から落ちかけるも、そのまま仰向けダイヴで移動しながらステージに向かい、「ありがとうございました! 眉村ちあきでした!」と叫ぶと、会場は拍手で包まれた。

そのままエンディングのSE、QUEENの「WE ARE THE CHAMPIONS」が流れ合唱が始まるかと思いきやSEが急に止まり、舞台裏の眉村が突然スクリーンに映し出された。ライヴ会場を走り抜け、そのまま「東京湾」と書いたプールに飛び込む眉村。「東京湾へダイビング!」というライヴ名の伏線を回収し瞬間だった。最後の最後まで楽しませてくれたライヴは、キッズダンサーとの練習風景の動画とスタッフの名前が綴られたエンドロールが流れ終了。

こんなにも観客を楽しませ、自身も心の底から楽しんだ今日のライヴを作り切っても、眉村はまだ満足の「ま」もしていないというのだから驚きだ。眉村ちあきというヒーローは今日何を倒し、そしてこれからを作っていくのだろうか。そんなことを感じるワンマンだった。

取材&文:横澤魁人
写真:I.ITO・KOHARU


「眉村ちあき 3rd ワンマンライブ~東京湾へダイビング!~」
2019年6月4日(火)東京・新木場STUDIO COAST

セットリスト

  1. 東京留守番電話ップ
  2. ブラボー
  3. メソ・ポタ・ミア
  4. Queeeeeeeeeen
  5. ほめられてる!
  6. ナックルセンス
  7. スクワットブンブン(新曲)
  8. MC マユムラ
  9. コカコ○ラのスリッパ壊れた
  10. おじさん
  11. ピッコロ虫
  12. 荻窪選手権
  13. I was born in Australia.
  14. おばあちゃんがサイドスロー(新曲)
  15. スーパーウーマンになったんだからな!
  16. 開国だ
  17. ツクツクボウシ
  18. 奇跡・神の子・天才犬!
  19. 代々木公園

<EN>

  1. 書き下ろし主題歌
  2. 緑のハイヒール(新曲)
  3. 大丈夫
  4. 本気のラブソング
  5. ビバ☆青春☆カメ☆トマト

・眉村ちあき OFFICIAL TWITTER
https://twitter.com/rexno_chi
@rexno_chi

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