【INTERVIEW】あなたにとってのノスタルジックとは? 三木幸平とペリ・ウブによるチェキ展示会開催

ヘアメイクアップアーティストの三木幸平と、元BiSのメンバーであるペリ・ウブによる写真展【Re:nostalgic】が、7月16〜18日にかけて、東京・DESIGN FESTA GALLERY HARAJUKU EAST 303にて開催される。

今回の展示は「ノスタルジック」をコンセプトに、スクエア型のチェキによる撮影に限定。ペリ・ウブをモデルにした、およそ100枚以上のフィルムと映像投影による展示が予定されている。

イベント開催に先駆けて、イベント主催者のペリ・ウブと三木幸平の両者へのインタヴューを敢行。イベントのテーマ【Re:nostalgic】に込められた想いや撮影秘話、展示会での見どころなどを存分に語ってもらった。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:宇佐美亮


見ることによって過去、現在、未来を行き来できる

──まずは、お2人の出会いから教えていただけますか?

三木幸平(以下、三木):僕は普段、ヘアメイクアップ・アーティストとして仕事をしているんですけど、2018年11月に開催されたLSNとWACKの企画のライヴ〈CHAOS PARTY〉で、BISのヘアメイクで担当させてもらったのがきっかけでお会いしたんです。

ペリ・ウブ(以下、ペリ):その時は、はじめましての挨拶をしたっきりだったんですけど、第2期BiSが解散したときにメールをいただいて。

三木:知り合いがチェキの機材を持っているのを観て、これでチェキを撮って展示したら絶対におもしろいなと思ったんです。誰をモデルにしようか考えていたときに、ペリさんがInstagramでFA宣言をしているのを見て。まだカメラも買ってないのにダメ元で頼んでみようと思ったんです(笑)。こういうことをやりたいと思っていますって書いてメールを送ったら返事をもらえて。1回お話することになって、ご飯を食べながらこういうことをしたいと思っているんですよって探り探り伝えていきました。

ペリ:話している中で、三木さんが「今後の活動に役立ててほしい」って言ってくれて。それがすごく嬉しかったんです。一緒に何かするのであれば、早くしないと忘れられちゃうと思って。解散してからお客さんにも会う機会がなくなってしまったじゃないですか。楽しみにしてくれている人はたくさんいるけど、やっぱり世の中はシビアだから、発表だけでも早めにして楽しみに待っていてもらいたいなと思って話が進んでいきました。

──【Re:nostalgic】というテーマはどうやって決めたんですか?

三木:ノスタルジックというテーマは僕が最初に持ってきたもので。チェキフィルムの風合いともペリさんの置かれている状況とも繋がると思ったんですよ。僕はノスタルジックって、懐かしむ行為だと思っていて。そこにメールの返信とかにつく「Re:」をつけたんです。あれってリプライの略だと思われがちなんですけど、リガーディングの略称で。

ペリ:リガーディング?

三木:「何々について」という意味なんです。BiSの2ndアルバム『Re:STUPiD』にもついているし、ノスタルジックについて感じてもらえたらいいなという想いを込めています。フィルムを通して観るペリ・ウブは新しいペリ・ウブなんですけど、見る人は第2期BiSのペリ・ウブを思い出すと思うんですよ。だけどそれは現在進行で、なんだったらそれはこれからのペリ・ウブの姿にも繋がっている。見ることによって過去、現在、未来を行き来できる。それが【Re:nostalgic】の定義です。

ペリ:めっちゃすごい! と思いました、今(笑)。

──そういう意図が込められていることは、訊いてなかったんですか(笑)?

ペリ:初めて聞きました(笑)。

元アイドルだからできること

──あははは。今回の展示会は、チェキを使った写真ということが大きい要素ですよね。

三木:今回使っているチェキは、撮ったものをデータで取り込んだ後で露出やコントラストの調節をしたりフィルターをかけて現像できるんですよ。限りなくデジカメに近い。

ペリ:そんなチェキカメラがあるんだとビックリしました。動画も撮れるんですよ!

──BiS時代は特典会で使っていたチェキという存在を使って、まったく別の作品が生まれるというのはおもしろいですよね。

ペリ:アイドル時代は特典会でチェキを撮っていたんですけど、それが新しい写り方で作品になるというのは、当時と繋がっているようで繋がっていなくて。それがおもしろいなと思って惹かれたんですよね。元アイドルだからできることというか。

──撮影は何回に分けて行われたんですか?

三木:3日間に分けて撮影しました。全部で5シーンあるんですけど、ヘアメイクアップ・アーティストとしてのアウトプットも出したいなと思って、1シーンだけヘアメイクをゴリゴリにやらせてもらったやつがありますね。

ペリ:さっきも話したみたいに、最初はメイクさんとして会ったんですけど、久しぶりにやってもらってプロだなって思いました! すごかったです。花をめっちゃ挿してしているんですけど、配置とか気にしていたり、顔もいろいろカラフルになっていって。

──どれくらいの枚数を撮られたんですか?

三木:現像したものを数えたら149枚でした。けど、まだ現像していないデータはあるので、もうちょっと増やしてもいいかなと。

──5シーンのシチュエーションを言える範囲で教えてもらうことってできますか?

三木:最初は、高円寺の高架下とかちょっとボロっちいところで撮って。次に下北沢のすごくかわいい内装のお店をお借りしたんですよ。直で貸してほしいですって話をしたら、快く貸していただいて。その室内の写真と、ヘアメイクを凝った写真、あと等々力渓谷に行きました。緑と川と神社があるような自然の中で撮りたくて。そして最後にもう1回、渋谷、原宿を歩きながら都市部で撮りました。

有限だったものが永遠になっていく

──ちなみに、お2人にとってのノスタルジーってどんなものなんでしょう。

ペリ:なんだろうなあ。BiSって答えるのが正解かもしれないんですけど、そうではないかもしれなくて。私にとってBiSだったときの活動は濃すぎて、まだ懐かしむとかじゃないんです。月日が経ったら変わってくるのかもしれないですけど。今の私のノスタルジックはいつなんですかね……。

──風景でもなんでもいいんですけど、思い浮かぶものがあれば。

ペリ:すごく昔の記憶が断片的に残っていることってあるじゃないですか? そういうものが浮かびますね。幼稚園のときの記憶とか、未だにちょっとあるんですけど。あまり思い出せないくらいのものかな。

──三木さんにとってのノスタルジーとはどんなものでしょう?

三木:絶対に人がいますね。誰にでも原風景的なものはあると思うんですけど、物事には絶対に終わりが来るわけですよね。それは景色であったり、人であったり、人が喋っている場面だったり、何かをやっている思い出とか。そういうことを1つ1つ思い出していくことで、有限だったものが永遠になっていくと思っていて。僕のノスタルジックな場面には基本的に女の子がいます。女の子がふと立っていて、それをなぜか思い出すみたいなものが自分にとってのノスタルジーですね。

──具体的なシーンではなく。

三木:もやっとしているんです。いろいろな記憶がミックスされて、自分の中での原風景になっているんじゃないかなあ。

──今回の作品でも、それに通じるものが描かれていると。

三木:自分の頭の中にあるノスタルジーな構図とかは無意識に撮っていますね。

──三木さんはこのシリーズで今後も続けたいと思ってらっしゃいますか?

三木:チェキで色々できたらおもしろいなと思っていますね。自分の本業であるヘアメイクとは違う表現方法ですけど、ペリさんともまた何かできたらいいなって。今回もモデルでお願いしているんですけど、一方通行なものにはしたくなかったので意見をたくさん求めたんです。それを訊いていくうちに、この人めっちゃおもしろいなと思って。

──突然違う角度からアイディアが出てきたり?

三木:はい。褒め称えるわけではないんですけど、カリスマだと思う。

ペリ:えーやばいぞー! うれしい。

三木:僕自身、そういうカリスマ的なものを持っていないので、持っている人に惹かれますね。

BiSツアーのとき写真で撮った夕焼けを使っています

──当日はどういう展示を想定されているんでしょう。

三木:壁にバーってチェキは貼り付けようと思っています。チェキは小さいので、近くに行って1個ずつゆっくり見てもらいたいので敷き詰めて帯状に貼ろうって。あと、プロジェクターで映像も投影しようと考えているのと、撮影に使った小物とかも置いておこうかなと思います。あと、当日はZINEとかグッズも販売する予定でいます。

──どんなグッズを作られる予定なんですか?

三木:1個は今回展示した中からピックアップしたチェキを収録したZINEを作ろうと思っています。もう1個はペリさんにデザインしてもらったTシャツですね。デザインも完成しているんですよ。

──完成しているんですね! それは絵とかですか?

ペリ:絵というか、加工というか。私がTシャツのデザインをしたいって頼んだんです。BiSのときからグッズのデザインをやりたかったので今回やらせてもらいました。

──それはテーマみたいなものがある?

ペリ:やっぱりノスタルジックを入れたいなと思っていて。空ってノスタルジックかなと思って空を使いました。BiSツアーのとき写真で撮った夕焼けを使っています。

──最後に、今回の展示会で注目してほしい点をお聞かせいただけたらと。

ペリ:作品の配置とか、飾り方、内装とかにもこだわる予定です。部屋からきっとかわいくなるので、インスタ映えスポットになると思います。

三木:なので、チェキを含め全部写真を撮っていいことにしようかなと思っていて。何もかも撮ってもらって大丈夫です。

ペリ:私のチェキと2ショットを撮れますよ(笑)。ぜひふらっと来て、たくさん写真を撮ってもらえたら嬉しいです。いろいろな方に来てもらえたらなと思います。

──三木さんはいかがですか?

三木:さっきもちょっと言ったんですけど、写真1枚1枚をじっくり見れる機会だと思うので、ぜひ足を運んでみていただきたいです。ペリさんの表情であったり、ファッションも変わっている。たまたまなのかわからないですけど、毎回髪色も変えてくるんですよ。

ペリ:わざと全部変えました!

三木:あ、そうなんだ。すごい髪色変える子なんだなって思ってました(笑)。

ペリ:変えた方がいいなと思って(笑)。

三木:メイクもすべて違うのでそこも注目してもらいたいですね。場所はさっきお伝えしたんですけど、実際に行けるところが多いので、聖地巡礼もしてくれたら嬉しいですね。


■展示情報

【Re:nostalgic】
会場:DESIGN FESTA GALLERY HARAJUKU EAST 303
開催日時:
2019年7月16日(火)12:00~20:00
2019年7月17日(水)11:00~20:00
2019年7月18日(木)11:00~19:00
料金:入場無料

Instagramアカウント:https://instagram.com/re_nostalgic
Twitterアカウント:https://twitter.com/re_nostalgic

【Re:Nostalgic】LIMITED GOODS

ZINE フルカラー20P 1,000円
ペリ・ウブ デザイン Tシャツ 4,000円

三木幸平(みき・こうへい)
ヘアメイクアップアーティスト
1988年東京都生まれ。
2008年よりヘアメイクとして活動。
ビジュアル系バンドを中心に、アーティスト写真・MV・雑誌・TVなどのヘアメイクを手がける。
並行して自身のアパレルブランド[NOISIUM]のデザインやルック撮影、イラストやヘッドピース、オブジェの制作・展示を行う。
2018年11月に開催された「CHAOS PARTY」ではWACKメンバー全員のヘアを担当した。
2019年 個展 “焦燥展” at 阿佐ヶ谷3349

ペリ・ウブ
福岡県生まれ名古屋育ち。
2016年9月、BiS合宿オーディションに合格。
“人生楽勝担当”として活動。
2019年5月11日、マイナビBLITZ赤坂にて解散。
FA宣言を経て、現在所属事務所を探しながら活動中。

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