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【GANG PARADE Vol.11】キャン・GP・マイカ編「前以上の熱量でギャンパレを愛していかないと」

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2019年9月より、グループ史上最大規模の全国10箇所12公演の〈PARADE GOES ON TOUR〉を開催中の10人組アイドルグループ、GANG PARADE(以下、ギャンパレ)。11月4日には中野サンプラザでのワンマン、そして11月13日にはメジャー1stアルバム『LOVE PARADE』のリリースも控えている彼女たちのソロ・インタビュー・シリーズ、第2周目がスタート。

第1回目は、キャン・GP・マイカにインタビューを敢行。2019年に入り、メジャーデビュー、中野サンプラザでのツアーファイナルのチケットが即完、メジャー1stアルバムのリリースと、一見好調に見えるグループだが、マイカは決して現状をポジティブだけで捉えているわけではないようだ。そんな彼女の赤裸々な話をお届けする。

取材&文:西澤裕郎
写真:宇佐美亮


メンバーの意識をどんどん上げていかないとダメ

──今のギャンパレは、メジャーデビューして、中野サンプラザのチケットも即完して、状況的にはすごくいいと思うんですけど、実際のところ現状をどのように捉えているか訊かせてもらえますか?

キャン・GP・マイカ(以下、マイカ):なんて言えばいいんだろう……。全員ギャンパレをどうにかしなきゃいけないって気持ちがあるんですけど、グループをよくするために、個人の得意なことを頑張ろうって話が出ていて。それによって個人をどうするかって焦りが出ちゃっていたり、グループについて考える時間のズレがちょっとずつ大きくなっているのかなと思うんです。こんなこと、ファンの人が聞いたら、ちょっとびっくりしちゃいますよね。

──夏のミュージカルの稽古あたりから、メンバー間でコミュニケーションを取る時間が少なくなってきたということは他のメンバーも言っていて。これまではツアーで全国を回る中で、個々人の考えをぶつけ合ってズレを修正してきたじゃないですか。まさに今、〈PARADE GOES ON TOUR〉を回っているので、ツアーでカバーしている最中なのかなと思っていました。

マイカ:ナルハ(ワールド)が入って10人体制になってから、なかなかちゃんと話す時間が取れなくて。ツアー中の楽屋や本番前に話はしているんですけど、本当に目先のことしか話せていないというか。ギャンパレは話し合いを重視してきたグループで、それこそアヤ(・エイトプリンス)がいたときは、多すぎですけど7〜8時間くらいスタジオにこもってお互いのパーソナルな部分も話したり聞いたりしていたんです。その上で、どうギャンパレを作っていくか話していた。当時はそのスタイルが合っていたけど、今は他にやり方はあるかもしれないと思っていて。とはいえ、ナルハが入って結構時間が経つけど、10人の上手いやり方を見つけきれていないというのが正直なところで。10人もメンバーがいるから、性格も入った経緯もバラバラだし、自分がどうなりたいかも違ったりするから模索している最中なんです。グループ第一とは言え、お互いのパーソナルの部分も知らないと一緒に作るのは難しいし、どうしたらいいんだろうって、そういう時期にいる感じですね。

──隠さず今の状況をリアルにちゃんと感じて、言葉にしてくれたと思うんですけど、お客さんはまさかそんな状況だとは思ってもいないんじゃないかと。

マイカ:そうですよね。ギャンパレって、表面上だけの関係が嫌なメンバーが多くて、仕事仲間だけど家族みたいな関係なんです。だから私は深い話をすることにすごい意味があると思うし、お互いのそういう部分を分かってステージに立つことで出せるものがあると思う。お客さんから言ってもらえる“多幸感”というのも、曲と衣装を用意してもらって女の子集まりましたというグループでは出せないと思うんです。お互いを知って、それぞれの長所を持ち合わさってこそのギャンパレというか。だからこそ、話し合いは大切にはしていきたい。と言いながら、話すことで安心しきっちゃうとダメだと思うし。難しい。

──マイカさんが加入した当時は、がむしゃらに練習してライヴに臨まないといけない状況だったわけじゃないですか。言い方は悪いですけど、いまはメジャー・デビューをして、無理にぶつかり合わなくてもライヴの場所や環境がある。そういう状況だからこその悩みにぶち当たっているのかなって。

マイカ:そうですね。でも、果たして前やっていたことを今の状況でやって正解なのかという気持ちもあるんです。今のギャンパレの立ち位置や環境だったら、メンバーの意識をどんどん上げていかないとダメで。そういう意識に全員がなっていたら、何も話さなくてもいいものが出せるのかもしれないし、それが1番理想なんですけど、まだそれができるまではいっていないというか。

負けていた時代のあのガツガツ感を今出さないと

──11月1日から公開される映画『IDOL-あゝ無情-』って観ました?

マイカ:観ました。

 

──この映画では今年のWACK合宿オーディションを舞台に、第2期BiSの解散が描かれています。傍から見れば、第2期BiSってお客さんは集まっていたし、ライヴに熱もあったけど、少しずつメンバー間に綻びが出て崩壊しちゃったわけで。合宿中、BiSが話し合いをしている部屋の襖一枚隔てて、ギャンパレは円陣を組んで団結をしていましたけど、かなり思うところのある映画だったんじゃないかと思います。

マイカ:さっき言ったみたいに、私も今、自分が1番に出ちゃっているんじゃないかと思ってしまうことがあって。グループで考えたら本当にそれ正解なの? という行動だったり発言をしていないか、考えさせられました。今のうちらがあの状況になったら、もしかしたら同じような結果になっていたかもしれない。関わってくれている人の数が尋常じゃなく多くなってきたので、もうちょっと視野を広く持たないといけないなって改めて思わされたというか。

──〈PARADE GOES ON TOUR〉初日公演もすごくたくさんの遊び人(※GANG PARADEファンの総称)が来て盛り上がっていたし、外から観る限りは、何も問題ないように見えるんですけどね。

マイカ:ライヴが終わった後、自分たち的には悪いライヴではなかったなと思ったんですけど、冷静にちゃんと考えてみるとチケットはソールドアウトしたし、初日だったし、お客さんが盛り上がってくれていたことで満足してしまっていたなって。でもそれは勘違いで。1個前のツアーだったらよかったかもしれないけど、メジャー1stのフル・アルバムが出るタイミングでの初日ではなかったし、今するライヴではなかったんじゃないかなって。

──メジャーデビューは果たしたけど、この先、ギャンパレは何を目指しているのかというところが、あまり見えていないのかもしれないですね。

マイカ:そうですね。ツアーもそうなんですけど、このままだと、ただ中野サンプラザでライヴをしたという感じになりかねない。観ているお客さんにも、ここからギャンパレがどこまでいくのかワクワクしてもらえるライヴを作りたい。メジャー・デビューして、シングルとアルバムを出させてもらって安心というわけではないし、そこは全員すごく焦っていると思います。戦っている場所のレベルはどんどん上がってきているのに、自分たちの熱量を前ほどガツガツ出せているかと言われたら、自信を持って出せているとは言えない。毎日忙しくさせてもらって、それに安心してしまっているというか。本来やるべきことをちゃんと、もうちょっと出していかないとなって。ずっと負けていた時代のあのガツガツ感を今出さないといけないんです。

甘えが出ている自分にムカつく

──もともとマイカさんは芸能をやりたくてこの世界に入ってきたわけじゃないですか? ギャンパレへの加入が決まった後させてもらった初インタビューでは、ハングリーさがある感じの子ではないのかなと思っていたんですけど、活動を見ていると、熱い気持ちを強く持っているんだなとよく思うようになって。そこまで危機感を持てるのがどうしてなのか純粋に気になります。

マイカ:私の理想がすごく高いんだと思います。幼い頃から、身近に芸能の第一線で活躍している人がいたし、今もいて、そういう人たちが高いレベルで活動している世界が芸能界だと思っているから。……(涙を流す)涙が出てきた。いま私も芸能界で活動させてもらっていて、この仕事に誇りを持ってやっているんですけど、もっと上に行きたい。すごくありがたい環境でやらせてもらっているけど、まだまだ売れたいというか。その気持ちがなくなったら終わりだなと思う。もっと観たい景色があるから諦めたくはない。全然一生満足しないとは思うんですけど。

──もっと自分を磨いていかないといけないと思っているんですね。

マイカ:磨いていかなきゃいけないのに、甘えが出ている自分にムカつくんです。結局、自分に甘いところが出ちゃうから、よくないんですよね。ギャンパレはサキちゃんが守って作り上げてきたものだから、サキちゃんについていく気持ちは強いんですけど、ついていくことしかできない自分にもどかしさを感じるときもあって。私もどうにかしなきゃいけないのに。自分の力不足に最近は悩まされているというか。ただ芸歴の長い人だと思ってしまうことがあって、すごく惨めになるというか。何もできないほど無念な気持ちになっていく。だから、グループをどうにかしたい気持ちもあるけど、自分自身の焦りも出ちゃっているんだと思う。それはグループに関係ないし、どう考えればいいかを考えている状態というか。

──それはマイカさんだけでなく、グループ全体に関して感じることなのかなって。グループとしての熱量が、見えづらくなってしまったなって。

マイカ:前はグループでという気持ちがすごく強かったけど、いまは個人個人、いろいろな方面で10人が活躍をして、グループに持ち帰ることができたら、いろいろなファン層がギャンパレを好きになってくれるし、バラエティ豊かなグループになると思っていて。そうなるのが理想なんです。それのやり方が、まだ正直分からないというか。一歩間違えたら、自分のことしか考えていないし、それが出ちゃっているのかもしれないです。

周りの人をどんどん巻き込んでいかないと

──中野サンプラザは、ハロプロ好きのマイカさんが立ちたかった場所でもありますよね。さっき話してくれたみたいに、ただやりましたってライヴには絶対したくないですよね。

マイカ:まさかサンプラザに立てると思っていなかったし、ライヴ制作の佐藤さんにも無くなる前にできてよかったなって言ってもらって。だからこそ、よりちゃんと考えないとなって思っています。

──ちゃんと準備はできていますか。

マイカ:パフォーマンス面で新曲の練習はしているんですけど、足りていないのは気持ち的な問題というか。この間、みんなでちょっと話して、また話そうってことになっていて。どこまで話せるかは分からないんですけど、話して満足ってならないようにしながら、まずは足並みを揃えないとというか。みんなの意識が違うわけではないけど、ちゃんと話さないとと思っています。

──メジャー1stアルバムのリリースと、中野サンプラザでのワンマンを経て、次に繋がるきっかけにしないといけないですもんね。

マイカ:そう。周りの人をどんどん巻き込んでいかないといけない。WACK内で新しいグループも増えたし、外も内側もどんどん巻き込んでいかないといけない。そのためには自分たちのことしか考えていたらダメで、いろいろなところに視野を向けていかないといけないなって。

──先のことはわからないですけど、ここに新メンバーを入れるというのも違いますしね。

マイカ:このままだと、どうなるか分からないから。1番はファンの人にも、スタッフさんにも、ギャンパレの現場って楽しい、やりがいがあるな、もっと売りたいって思ってもらえる行動をしていきたい。媚びを売るとかではなくて、口先だけではなくて行動したい。まずは自分たちが前以上の熱量でギャンパレを愛していかないとなという気持ちでいます。

──今の言葉は、1番本質的なものかもしれないですね。ギャンパレを愛していくって。

マイカ:さっき話したみたいにメンバーが多くなってから、じっくり話せていなくて。日々、当たり前のように毎日が過ぎてしまっている。そこを忘れていたというか…… めっちゃ暗いインタビューになっちゃった。久しぶりにこんな話をしました。

──活動初期からずっと見てきましたけど、正直、いまのギャンパレってどうなんだろうって、すごく分かりづらくて、ちょっと心配というか。

マイカ:西澤さんとかいつも近くで見てくれている人は、そう感じるじゃないですか。でも、初めましての方とかから、今すごい勢いがあって、ノリに乗っているって言われると心が苦しいというか。もっと自信を持たないとなって思っていて。それが変な自信になったりしちゃうとダメなんですけど。

──ギャンパレの根底にある、負け犬の根性で頂点を目指すみたいな物語がなくてもお客さんを楽しませるパフォーマンスができるようになってきていることは素晴らしいことですけど、一度グループの原点に立ち返ってみたら、また見えてくるものがあるかもしれないですね。

マイカ:本当にそう思います。ギャンパレがなくなったら私は死んでしまうので、本当にどうにかしないといけない。叶えたいことはまだまだたくさんあるので。


GANG PARADE PROFILE

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、カミヤサキ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、ハルナ・バッ・チーン、月ノウサギ、ナルハワールドの10人からなるアイドルグループ。2014年に結成されたプラニメが前身ユニットで、2度の改名とメンバーの増減を経て、2019年4月17日にワーナーミュージック・ジャパン内新レーベル「FUELED BY MENTAIKO」よりシングル『ブランニューパレード』でメジャーデビュー。 同年5月に東阪野音ツアーを成功させ、5月26日より同事務所所属グループWAggよりナルハワールドが加入し、現体制での活動をスタートさせる。PCゲーム「マジカミ」の主題歌および挿入歌を担当し、その楽曲を収めた配信限定EP『THE MUSIC AND THE GAME CREATES MAGIC』を6月19日にリリース。9月より自身最大規模の全国10箇所12公演を巡るツアー〈PARADE GOES ON TOUR〉を開催中。

■ライヴ情報

PARADE GOES ON TOUR
2019年9月7日(土)神奈川 横浜Bay Hall
2019年9月8日(日)神奈川 横浜Bay Hall
2019年9月14日(土)愛知 DIAMOND HALL
2019年9月15日(日)静岡 浜松窓枠
2019年9月21日(土)福岡 DRUM LOGOS
2019年9月22日(日)広島 CLUB QUATTRO
2019年9月29日(日)大阪 なんばHatch
2019年10月5日(土)北海道 PENNY LANE24
2019年10月6日(日)北海道 PENNY LANE24
2019年10月12日(土)宮城 仙台Rensa
2019年10月20日(日)新潟 NEXS NIIGATA
2019年11月4日(月祝)東京 中野サンプラザ

チケット料金(税込)
【通常チケット※ライブハウス】
スタンディング 4,000円(税込)※入場時にドリンク代別途必要
2階指定席 5,000円(税込)※なんばHatchのみ
【通常チケット※中野サンプラザ】
全席指定 5,000円(税込)
年齢制限/スタンディングチケットの未就学児童入場不可

チケット一般発売日
2019年7月13日(土)AM10:00〜

■リリース情報
Live Blu-ray
『CHALLENGE the LIMIT TOUR at 日比谷野外大音楽堂』
2019年9月4日(水)発売
【初回生産限定盤】WPXL-90204~90205 15,800円+税 Blu-ray2枚組
100P写真集ブックレット+スリーブケース付トールサイズ・デジパック仕様
【通常盤】WPXL-90206 7,000円+税 Blu-ray1枚組
予約購入リンク
https://GANGPARADE.lnk.to/CtLTAW

Major 1st Full Album
『LOVE PARADE』
11月13日(水)発売
【初回生産限定盤】WPZL-31666~31668 12,000円+税 CD2枚組+Blu-ray1枚組
(100P写真集ブックレット+スペシャルBOX仕様)
【通常盤】WPCL-13110 3,000円+税 CD1枚組
予約購入リンク
https://GANGPARADE.lnk.to/LOVEPARADEAW

WARNER MUSIC JAPAN/FUELED BY MENTAIKO

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