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【新連載】新生NEO JAPONISM始動! プロデューサー加藤颯が語るネオジャポの理念と目標

StoryWriter

2019年5月に活動休止したNEO JAPONISMの活動再開が、10月25日に公式Twitterにより発表された。「NEO SOUND, NEO CULTURE」を掲げ、誰が聴いても観ても踊っても楽しめるパフォーマンスを目指し、キャッチーなサウンドと真似しやすい振り付けで人気を博したNEO JAPONISM。”闘う”をコンセプトにメンバーを一新し再始動する。再始動にあたって、NEO JAPONISMのプロデューサーである加藤颯にインタビューを決行、前体制の休止から新体制オーディションまでの経緯、そして新たなメンバーを迎えた新生NEO JAPONISMと二人三脚で歩み出す決意を語ってもらった。

取材・文:蝦名康平


高校の時、お金を貯めながら竹下通りでスカウトをし始めた

──NEO JAPONISMが活動休止してから5ヶ月近く経ちますが、今振り返ってみて前体制での活動はいかがでした?

加藤颯(以下、加藤第一印象は”楽しかった”ですね。活動自体はすごい楽しかったし、メンバーにも感謝しています。実はあるメンバーが辞めるっていうことは元々決まっていたことで。で、僕自身あの体制で進んでいっても、メンバーのモチベーション的にも結構しんどいかなって思っていたので、どちらにせよ夏明けに一旦活動を休止するつもりだったんですよ。でも、ちょっと早かったかもしれないですね。なんでああなったのか反省はもちろんしたんですけど、こうすればよかったっていう答えは特になくて。僕的にはどの形がベストなのかなと思ってずっとやってきました。

NEO JAPONISMプロデューサーの加藤颯

──そもそも加藤さんが19歳でこの業界に入った理由はなんですか?

加藤:元々AKB48が好きだったんですが、高校の同級生に地下アイドルをやっている子がいて、友達とその子のライヴに冷やかし半分で行ったらもうすごくて。当時はBiSとかPassCodeとかベルハー(BELLRING少女ハート)が全盛期で、もうこれはアイドルじゃない、バンドだって感じたんです。その後、学校の先生を目指して大学進学したんですけど、先生の仕事を知っていくうちに、サラリーマンと一緒じゃん、これあまりやりたくないなって思って。当時芸能が近くにアルバイトをしていたので、自分もこういうことができたら面白いかなと思って、アイドルを作ろうを思ったんです。それで、高校の時一緒に初めて地下アイドルを観に行った友達にやろうって声をかけて、お金を貯めながら竹下通りでスカウトをし始めました。

──前体制は「NEO JAPONISM活動休止」と発表(※「アイドル活動における重大な契約違反により解雇処分」という理由で事務所とのマネジメント契約が終了)したじゃないですか。その時から、もう次の体制でやることを見据えていたから“活動休止”っていう言葉を使ったんでしょうか? 「解散」って言い切ることもできたと思うのですが。

加藤:当時は何個か選択肢があって。そのタイミングでは解散ではなくて、オーディションで闘えるメンバーが集まるならやろうと考えていました。今でこそ新体制は出来上がったのでやるしかないなと思うんですけど。休止のまま時間が経ってから解散しますって発表を出す選択肢もあったし、1、2年経って自分がもっと実力を付けてから再始動もアリかなと思ったので。一旦ちゃんと考えるためにとりあえず活動休止にしました。

メンバーを選ぶにあたって一芸を重視しました

──新メンバーオーディションには、たくさんの応募が来たらしいですね?

加藤:そうですね、もうびっくり。そもそもオーディションは、前体制のメンバーが1人卒業するっていうタイミングで始めていて。その時のオーディションと、活動休止発表後の”闘える”メンバーを募集した時のオーディションで、それぞれ気になる子がいました。今回のオーディションは、僕らは次に進ませる決定権だけを持っていて、受ける受けないは基本的に参加者に委ねるっていう形にしていました。そうじゃないと、どこかでギャップが生じて、また良くない方向に行くじゃないですか。結果的に、オーディションで僕が気になった子らが新メンバーになりました。前回の事があって、僕ら運営に対しても良い印象はなかったと思うんですけど、新メンバーも頑張ってくれていますね。皆どこのオーディションでも結構いいところまでいけると思うので、様々なリスクを背負ったNEO JAPONISMに無理に入らなくてもいいと思うんです。でも、それでも集まってくれたメンバーには最初にありがとうって伝えました。

──新メンバーは、実際どんな子たちが集まっているんですか?

加藤:僕も何個かグループの立ち上げを見てきているんですが、最初は皆モチベーションが高いと思うんです。それを踏まえてもだいぶ真剣な感じがあって。前体制の事を知った上で来てくれたメンバーもいるので、結構ストイックにやってくれてるのかなと思います。レッスンの先生も前のめりな感じでいいねって仰ってくれていますし。あとはメンバーを選ぶにあたって一芸を重視しました。それは歌もそうだし、絵が描けるとか。例えば、バク宙をできる子がいたりするので、ライヴでできたらいいなと思いますし。普段は割とオドオドしてるのに、ライヴでマイクを持った瞬間に豹変する子もいて。こち亀の本田みたいな感じです(笑)。話している時はすごいアホで、Gmailのアカウント作ってって言ったらGmailってなんですか? みたいな(笑)。でも、パフォーマンスは本当に格好いい。

──アーティスト気質ですね(笑)。

加藤:クオリティは全体的に低くはないのかなと。元々、僕はさきどり発進局っていうグループを運営していたことがあるんですけど、そのグループが解散した後に活動を続けたいって相談に来てくれた子が1人だけいて。諸々落ち着いたタイミングで会ったんですけど、NEO JAPONISMにも少し興味があるっていう話をしてくれて。ちゃんと活動再開できるか分からないし、やるとしても僕は厳しくやるけど、それでもやりたいなら是非っていう話をしました。その子のことは実力も性格も知っているつもりなので、最初の面接は飛ばして最後のグループオーディションに呼んで、その子も含む5人集まったんです。

──5人体制ですか。

加藤:実は最初に1人辞めちゃった子がいて4人になったんですよ。レッスンを見ていてもやっぱり5人の方がいいなと思って、また探していたんです。そしたら、元さきどり発進局の別のメンバーが、解散した後もアイドルをやりたいってずっと考えていたみたいで。その子は歌が上手くて、NEO JAPONISM入ったら面白そうだなと僕も思っていました。この子はもう社会人として働いていたんですけど、それを辞めてでもアイドルをやりたいって強い気持ちを持っていたし、ちゃんとやってくれそうだなとは思ったんですけど、解散したさきどり発進局から2人も入れることには躊躇ったんです。でも、「仮に先にもう一人の子が辞めるとしても、君はNEO JAPONISM続けられるの?」って聞いたら、「この話をできたのもその子のおかげだと思うけど、でも仮にもしその子がいなくなることがあっても私は新しいNEO JAPONISMをやりたい」って言っていたので、そこまで肝が座っているならやろうよって話になりました。現場マネージャーには反対されたんですけど、押し切って入れましたね。

──オーディションのコンセプト通り“闘え”るメンバーが揃っている感じですね。

加藤:月に1回は時間をとって、メンバーの悩みとかやりたい事とか話を聞いてあげているんです。そこで話を聞いている中でも、これまでに会ったことがないくらい、皆の闘志が燃えているモチベーションを感じるんですよ。なので、僕らもテンション上がりますね。正直言うと、新メンバーの子たちは前メンバーよりも踊れたりしているのに、面談で話を聞くと、(踊れなくて)悔しいって泣いたりする子もいて。やっぱり“闘う”っていうのは浸透しているんじゃないかな。もちろんライヴはまだやっていないので、これから本番を意識して詰めなきゃなと思うんですけど。でも運営としてこれを世に出せることが純粋に嬉しい。

攻める姿勢は変えたくない

──そもそもオーディションのテーマに“闘える人”っていうのがあったじゃないですか。具体的に何と闘うことを想定しているんでしょう?

加藤:やっぱり女の子だし、段々最初の頃にある闘争心みたいなものは薄れていちゃって、馴れ合いとか惰性みたいになっていく気がしていて。僕は、それなら別にやらなくてもいいなって思うんです。僕もアイドルプロデュースも長いことやっていこうとはそんなに考えていないので。だったら本気でやれるメンバーと一緒にやってみたいなって思って。どんどん背伸びして会場のキャパを増やしていくグループじゃなくて、自分らの身の程に合いつつも、馴れ合いじゃない。仕事として闘う! みたいな感じで結構強めに外に出すために。グループのコンセプトもズバッと“闘う”にしました。

──前は毎月新曲と新グッズを出していく、攻めた姿勢だったと思うんですけど、今後もそれは変わらず?

加藤:攻める姿勢は変えたくないし、それが強みだと思うんですけど、毎月新しいものってなると、納得できなくても出さなきゃいけないっていう縛りがあって。なので、今回はそういう縛りを付けず、例えば新曲が出来上がる寸前まで来ていても、ちょっとでも違うなと思ったら作り直してもらっています。完成したら出す、できなかったら出さないっていうスタンスですね。僕らがいいと思ってないとメンバーにも上手く伝わらないし、お客さんが良いと思ってくれても、作っている側としてはちょっと…… っていう風になっちゃうので。新体制でも、最初はやりたいものが明確にあるので、それに沿って出していくと思います。なので、2曲出す月があっても、全く新しい曲がない月があっても良いのかなって思ってます。

──運営もメンバーも“闘う”っていうコンセプトにどんどんストイックになっている感じがします。

加藤:メンバーにも外にも“闘う”を宣言している以上、僕ら運営はこういう面でストイックにいくから、メンバーも活動の中でストイックにやって欲しいですね。僕はメンバーとある程度年齢が近いので、「やれ!」って上から言うんじゃなくて、一緒に成長できたらなと思っています。僕らがやれって言ったものを作るっていうより、作りたいものに沿う良いメンバーが集まったと思っているので、その子たちの個性を活かしつつやっていきたいと思っていますね。

──そういうコンセプトと加藤さんの思いがあって、メンバーが集まってきて新体制になるということで、今後なにか大きな目標もあるんでしょうか?

加藤:僕は、武道館や横浜アリーナに立ちます! みたいなことはあまり言わなくて。もちろん行けるに越したことはないですけど。でもグループとして外向けに言うなら「2年でZEPP」はなんとなく念頭に置いています。僕らは有名な会社でも、有名なプロデューサーでもないので、ミュージックステーション出演や武道館に立たせる約束はできないけど、この活動を通して何か次に繋がればいいなとは思っていて。キャラが立つ子や歌が上手い子もいるので、個人での活動もやらせてあげられたらなって思います。前回をなぞることはしたくないので、前回の意志を受け継ぎつつも、違うNEO JAPONISMを届けたいですね。

セカンドキャリアを保証できる仕事をしたい

──新生NEO JAPONISMには、どんなグループにしていきたいですか?

加藤:前のコンセプトが、誰が見ても聴いても踊っても楽しめるライヴだったので、それは崩さずにいきます。アイドルオタクでも一般の人でも、ライヴを見た時に何かかっこいい、可愛い、楽しいポジティヴな印象を持ってもらえるキャッチーさがあればいいなと思っていて。なので、誰が見ても楽しいっていうのがグループのコンセプトなのかなと。それがあれば、外に売り出して行ってもファンが掴めるチャンスがあると思うので、目指すところはそこかなと。前回と同じことばかりやってもダメだと思うので、どんな新しい事を加えていけば、グループとしてさらに高みに行けるのかっていうことも考えて運営していきます。

──前までのコンセプトも残しつつ、さらに高みを目指すと。

加藤:僕が知っているアイドルって、小さいところからファンと一緒に大きくなっていくイメージがあって。でも最近はそうじゃなくて、グループの実力があるわけでもないのに1000人キャパのライヴを発表して、ハコがパンパンになるわけでもないのに成功しました! みたいなこともあると思うんですよ。前体制のNEO JAPONISMの時も、1年でO-EASTをやらなきゃ、早くZEPP公演しなきゃっていう思いで僕もやっていたんです。でもそうじゃなくて、各段階に見合った実力を付けて、結果として大きな会場も埋まるみたいなのがストーリーになるのかなと考えていて。今まではそういうストーリーがあまりなくて、グループを好きな人は増えていくけど入れ替わり立ち替わりが激しかった。「用事やイベントと被っててもNEO JAPONISMののライヴに行きたい!」と思ってくれるファンが付くようにしたいんです。AKB48ですら小さい劇場からスタートして、そこからのストーリーを大事にしてますし。作りたいものは作るし、ファンに寄せるっていうこともしないんですけど、NEO JAPONISMを応援して一緒に成長しているようなグループを一から作りたいと思っています。

──漫画雑誌に載ってる読切漫画じゃなくて、もっと長期連載的なストーリーがあるものを目指しているんですね。

加藤:そうですね。今はどうやったら一番早く売れるのか、どうしたらストーリーっぽく作れるのかなっていう事を念頭に考えてます。例えばWACKとか、売れてるところはやっぱりストーリーがある。でもWACKをなぞっても結局一緒になってしまいますし、僕は0から1を作るよりも、既に世に出てる物を自分流にアレンジする方が得意かなと思っているので、今のメンバーに合って、且つ自分の強みを活かせるものを自分流にやれればいいなと思います。あとはスターダストのアイドルを担当してる方とお話する機会があって、そこから結構スタダのやり方も勉強させてもらってます。あとは、CY8ERのプロモーションもすごい好きで。曲も好きなんですけど、奇抜なプロモーションも多くて面白いなと思います。

──勉強熱心なんですね。アイドル冬の時代とも言われているこの時代に、加藤さんがアイドル運営を続けていく理由が気になります。

加藤:今回またNEO JAPONISMを再始動させようと思ったのは、まだ何も達成してないなって思ったから。これまでは、全部僕の意志で辞める前、いいところに行く前に終わってる感じがあったんです。前体制のNEO JAPONISMもそうで、責任は僕らにもあるけど、あの結末は僕らが望んだ形じゃない。最後までやり切りたいから、名前も変えず、どこまで行けるのかもまだ見えていなかったし、正直まだいけるなとは思っていました。あとは、学校の先生になりたかったっていうのと繋がってくる話なんですけど、アイドルの中には学校行けてない子や、グループ辞めたら行くところがないっていう子もいて。そういう子たちのセカンドキャリアを保証できる仕事をしたいんです。前回のNEO JAPONISMメンバーは終わってからも僕を頼ってくることはなかったんですけど、最後まで走り切ったら将来の話とかも出てくると思いますし。もっとちゃんと芸能の道に進みたいっていう子はそれでいいと思うし、学校に行くのもいいと思う。何にせよ、まず自分のところのメンバーから、この活動を通じて次につながればいいなと考えています。

──シーンやアイドルの話だけではなくて加藤さん自身の物語でもあるわけですね。

加藤:自分の中で煮えきらず、またやりたいなって思いながら別の仕事するのも嫌ですし。今回がもうラストだと思ってやっているので、NEO JAPONISMも、もう1つ僕が担当しているSOLも、いつか終わる時に皆が楽しかった、次につながるって思えるようにできれば、僕が最初に始めた時から思っていることは達成できると思います。スタッフや協力してくださる方々と一緒にエンディングまで行ってみたい。お客さんたちに「ありがとうございました」って言えるところまでやってみたいです。

再始動し新曲「again」を公開したばかりNEO JAPONISM

次回はメンバー初インタビューを掲載予定!


■イベント情報

〈新生NEO JAPONISMお披露目東阪ツアー”NEO RESTART”〉

2019年12月14日(土)@大阪府 OSAKA MUSE
時間:OPEN 13:00 / START 13:30
出演者:NEO JAPONISM

2019年12月16日(月)@東京都 TSUTAYA O-EAST
時間:OPEN 17:30 / START 18:00
出演者:NEO JAPONISM / WILL-O’ / SOL / Devil ANTHEM. / ナナランド / 真っ白なキャンバス

=Twitterアカウント=
NEO JAPONISM(@NEOJAPONISMinfo
滝沢ひなの(@NEOJAPO_hinano
辰巳さやか(@NEOJAPO_sayaka
瀬戸みるか(@NEOJAPO_miruka
朝倉あい(@NEOJAPO_ai
福田みゆ(@NEOJAPO_miyu

NEO JAPONISM 公式サイト

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