WACK所属アーティスト7組による全国ツアーが女川よりスタート、新メン加入や1日限りユニットなど

〈WACK TOUR 2020 “WACK FUCKiN’PARTY”〉女川公演のエンディング

BiSH、GANG PARADE、EMPiRE、BiS、CARRY LOOSE、豆柴の大群、WAgg――WACK所属アーティスト7組による全国7都市9公演を巡るツアー〈WACK TOUR 2020 “WACK FUCKiN’PARTY”〉が、2020年2月8日(土)の宮城公演を皮切りに幕を開けた。

WACK所属グループによる合同ツアーは、2019年1月の〈Going Going WACK TOUR〉に引き続き、今回が2回目の開催となる。前回は会場によって出演するグループの組み合わせが異なったが、今回は7組全組で地方を巡っていく。チケットは全会場SOLD OUTとなっており、本ツアーの期待の高さが伺われた。

ツアー初日公演となる宮城公演は、女川町とWACKとのコラボで〈ONAGAWACK FUCKiN’ PARTY 2020〉と題し、2日間開催。2月8日はライヴイベント〈ONAGAWACK FUCKiN’ PARTY 2020 LIVE DAY〉が女川町生涯学習センターホールで開催され、ニコ生中継とライヴビューイングも行われた。翌日2月9日は〈ONAGAWACK FUCKiN’ PARTY 2020 遊び DAY〉と題し、女川町中心部全域を使って、かくれんぼや、各グループとのリクリエーションイベントなどが行われる予定。

本ページでは、初日に行われたライヴイベント〈ONAGAWACK FUCKiN’ PARTY 2020 LIVE DAY〉の様子をレポートする。


LIVE REPORT:〈WACK TOUR 2020 “WACK FUCKiN’PARTY”〉

〈ONAGAWACK FUCKiN’PARTY 2020〉のキービジュアル

WACKと女川町との付き合いは長い。

2011年、WACK代表の渡辺淳之介が前事務所で初期BiSを手掛けていた時代まで遡る。東日本大震災による津波で友達をなくした女の子が、女川さいがいエフエムから流れてきたBiSの楽曲「太陽のじゅもん」の歌詞に友達の言葉を重ね、「誰の曲ですか……」と問い合わせたことが始まりだった。それがきっかけとなり、女川町にBiSを呼びライヴを行ったことで、毎年のようにBiSは女川を訪れライヴを行うようになった。初期BiSが解散し、渡辺が事務所WACKを立ち上げてからもその関係は変わらなかった。そうした繋がりの中、2020年もWACK所属の全グループが女川を訪れることになったのだ。

本番前のライヴのリハーサル中、会場裏を歩いていると、このイベントの立役者である女川町の高橋正典氏がステージ裏で涙を流しているところに遭遇した。この日限定で組まれたWACKメンバーによるオールスターグループ、ONAGAWACKSTARSのリハーサルを観て涙が出てきたのだという。

高政氏自らがこの日に向けて、女川町民からアンケートを募り、各グループから選抜で選んだメンバーで構成されたのが、ONAGAWACK STARSだ。この日のために生まれたグループを見て、「女川に何度も来てくれているWACKのメンバーたちが、いろいろな思いを様々な気持ちで歌ってくれているのを見て涙が出てきました。渡辺さんは、震災があってから定点観測で女川町見てくれている人で、グループだけじゃなくファンを連れてきてくれて一緒に喜んでくれている。感謝も大きければ喜びも大きくて、どうやって感謝を返すことができるのか」と話してくれた。

そして、「大きな花を咲かせるために大事なのは根っこを張ること。WACKは女川に根を張ってくれた。そして去年、花を咲かせた。そのとき実ができて種ができたから今年もできたんです」と、女川とWACKの強い絆を教えてくれた。まさに2者の強い想いと繋がりによって生まれた〈ONAGAWACK FUCKiN’ PARTY 2020〉が始まろうとしていた。

定刻になり、WACK代表の渡辺淳之介がステージに登場。冗談で会場の笑いをとりつつ、ライヴでの注意事項を述べると、女川町長を呼び込んだ。「東京は人口が8ケタ、うちの人口は4ケタなのに、こんなふうに最初の会場に選んでもらえて本当に光栄に思います。研究員(※BiSファンの総称)さんが1番古くて、豆粒(※豆柴の大群ファンの総称)さんが1番新しい。これからも長くこの縁をつないでいきたいですし、渡辺さんの次に女川歴が長いサキちゃんの姿を私も目に焼き付けていきたいと思います。一瞬一瞬みんなで盛り上げて、楽しんで、また次に繋がるようなそういう1日にできたらと思います。明日もいろいろあるのでみなさん楽しんでください!」

WAgg

定刻になり、オープニングアクトとして新衣装を着たWAggが登場。メンバー5人が自己紹介をすると、ステージ脇から同じく新衣装を着た見たことのない2人が登場。彼女たちがWAggの新メンバーであることが明らかにされると、キラ・メイ(@MAY_WAgg)、アイナスター(@AiNAS_WAgg)の2人は自己紹介。そして7人で「はじめまして。私たち、WAggです!」と挨拶をすると、第2期BiSはじまりの楽曲「BiSBiS」を7人でパフォーマンスし、サプライズでの7人体制のライヴをやり遂げた。

豆柴の大群

続いて、豆柴の大群が登場。1人1人が挨拶をすると、ミユキエンジェルが「私たち水曜日のダウンタウンというテレビ番組で誕生し、現在WACKのアイドルの中では1番新米のグループです。そんな私たちが、女川のライヴに出ることができて本当に嬉しいです。それは女川へ愛を捧げ続けてくれた偉大な先輩方と、声をかけ続けてくれた女川のみなさまのおかげです。本当にありがとうございます。先輩方が長い間大切に積み上げてきた歴史に新しい1ページをみなさんと加えられるよう精一杯パフォーマンスをするので、ぜひよろしくおねがいします」と挨拶をし「りスタート」を精一杯パフォーマンスした。

BiSH

次に登場したのは、新衣装に身を包んだBiSH。まさかの順番に、会場からはどよめきの声が起こった。BiSHの6人が「MORE THAN LiKE」を披露すると、「BiSH-星が瞬く夜に-」のイントロが流れ、チッチが「女川のみなさん、BiSHです! 今日は声出して一緒に踊って、たくさん笑って帰ってください!よろしく!」と語り、「幾千の女川は」と歌詞を変えて盛り上げた。ハシヤスメが「最高の時間過ごそうぜ!」と煽り清掃員は肩を組んでヘッドバンキング、さらにリンリンも「女川いくぞ!」と、BiSHのテンションも高い。「VOMiT SONG」を披露すると、再びチッチが「女川とWACKの繋がりは、一人の女の子の手紙から始まりました。その女の子の勇気と、女川町のみなさんの想いを私たちBiSHは、WACKの子達が繋げていけるように精一杯届けていきたいと思います。今日はここにいる人たちや、女川の人たちが少しでも元気をもらってもらえるように、前向きな曲をたくさんもってきたので、最後までBiSHと一緒に大切な時間を過ごしてくれたら嬉しいです」。そういって、チッチが作詞した初期楽曲「Story Brighter」、「PAiNT it BLACK」、「オーケストラ」を立て続けに披露し、「beautifulさ」で観客と一体となると、最後はチッチが「女川の町と、ここにいる全ての人たちに、愛を込めて」とタイトルコールをし「ALL YOU NEED IS LOVE」を歌い「強く生きていきましょう! BiSHも想いを伝え続けていきます」と述べ会場の観客たちも合唱しBiSHのステージは幕を閉じた。

EMPiRE

続いて、EMPiREが登場。グループ挨拶をすると、「女川全員行くよー!」というYU-Kiの掛け声から「MAD LOVE」でライヴがスタート。続けてEMPiREの最初期楽曲「EMPiRE is COMiNG」、激しいエレクトロダンスチューン「RiGHT NOW」をパフォーマンスすると、「手あげてお尻ぺんぺんするよ!」という掛け声とともに「Buttocks beat! beat!」、「女川のみなさん、全員で楽しんできましょう!」とMAHOが叫び、ソロダンスパートが見所の「S.O.S」を駆け抜けた。さらに最新アルバムのリード曲で現EMPiREの代表曲であるEDM調の「Have it my way」を披露した。MCでMAYUが「〈おながわ秋刀魚収獲祭2019〉で来たんですけど、駅から見える景色がめちゃめちゃ綺麗だなと思って。そのときに、女川に帰ってきたときに「ほっとしてもらえるように、女川の町と海と朝日が一緒に見える一本道になっているんだよ」という話を聞きました。そのときに、すごくいいなと思ったのをとても覚えています。EMPiREも何回か女川に呼んでいただいているんですけど、今回で3回目になります。こうやってちょっとずつみなさんとも女川とも思い出が増えていっているのが嬉しいです。最後に、企画してくださった高政さんが1番好きといってくれた曲を披露したいと思います」と述べ、「アカルイミライ」をパフォーマンスしてステージを後にした。

GANG PARADE

3組目としてステージに上がったのはGANG PARADEの10人。初期BiSのメンバーだったカミヤサキが所属しているグループだ。おなじみのSEに乗せて10人がステージに登場すると、プラニメ、POP、GANG PARADEと名前を変えながら活動してきた彼女たちがずっと歌い継いできた「Plastic 2 mercy」でスタート。続いてPOP時代に生まれた名曲「pretty pretty good」サビでメンバーと観客が海老反りを見せた。さらに「とろいくらうに食べたい」を披露すると、ハルナ・バッ・チーンが「女川の美味しいお魚を食べた後は歯を磨けー」と叫び、前山田健一とのコラボ楽曲「FiX YOUR TEETH」を披露。そしてヤママチミキがMCで「私が女川に初めてきたのは2015年の女川町復興祭のときで、そのときは1人のお客さんとして来ました。おばあちゃん家がここから30分くらいのところにあって、震災のときに何度もどういう状況なのかをこの目で見たことがあります。そういうのもあって女川に初めて行ったときは心構えをしていきました。実際に行ってみたら、そういう情報全部吹っ飛ばしたような気持ちになるくらい女川町はめっちゃ元気で笑顔でいっぱいだったんです。そのときにこの町はなんて強いんだ、めちゃめちゃ格好いいじゃんと思って。それから2年後にGANG PARADEのヤママチミキとして女川に来れたとき、勇気ややさしさ、愛情をすごく感じて、この町のことが本当に好きだなって思いました。こうして毎年私たちを呼んでくれて、おかえりってやさしく迎えてくれて、それにただいまって返せる関係が本当に嬉しくて、本当に幸せなことだなと思うので、この関係をこの先もずっと大切にしていきたいです。残り2曲、心を込めてパフォーマンスします」と、プラニメ時代からの代表曲「UNIT」、10人体制で愛を歌う楽曲「らびゅ」を歌いステージを後にした。

CARRY LOOSE

続いて登場したのは、CARRY LOOSE。メンバー4人が自己紹介し、ユメカ・ナウカナ?が「CARRY LOOSEとして初めての女川、今日ここに来られたこと、そしてここで歌えること、本当に嬉しく思います。少しでもCARRY LOOSEのことを知ってもらえるように一生懸命がんばります。よろしくおねがいします!」と挨拶をすると、ピアノのイントロからスタートする「When we wish upon a star」でライヴをスタート。「ERASE and REWRITE」をパフォーマンスすると、初披露となる1stシングルの表題曲「にんげん」を力一杯歌い踊った。最後はグループの代表曲でサビでエールを送る振り付けが印象的な「CARRY LOOSE」をパフォーマンスしてステージをあとにした。

BiS

大トリとして登場したのは、女川と最も歴史の深いグループであるBiS。メンバーは変わり、現在第3期BiSとして活動しているが、4人のメンバーがステージに現れると大きな歓声が起こった。トギーが「はじめまして、私たち、新生アイドル研究会BiSです」と挨拶し、自己紹介をすると、チャントモンキーが「今日は来てくださり、ありがとうございます。大好きな女川に戻ってこれて嬉しいです。今日は最後まで楽しんでいってもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします!」と挨拶をし、「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」、「STUPiD」と第3期BiSの代表曲を立て続けに披露。観客も一緒になって振り付けを真似して一体感が生まれていた。そこから「this is not a love song」、2ndアルバムのリード楽曲「BASKET BOX」、ミドルテンポの「LAUGH AT ME」、そして可愛らしい「LOVELY LOVELY」を一気に披露した。最後にイトー・ムセンシティ部が「またこの大切な女川に帰ってこれるよう一生懸命がんばります。これからもよろしくおねがいします!」と感謝を述べ、ネオとともに「以上、BiSでした! ありがとうございました!」と挨拶をしステージを後にした。

ONAGAWACKSTARS

そして、最後に登場したのが、ONAGAWACKSTARSだ。

女川町民の投票で選ばれた、アイナ・ジ・エンド、カミヤサキ、MAYU EMPiRE、パン・ルナリーフィ、ネオ・トゥリーズ、ナアユ、カエデフェニックスによるグループに会場から歓声がわき起こる。

カミヤサキが「ONAGAWACKのテーマソングを歌わせていただくことになりました。最後まで楽しんでください。楽しいと嬉しいがすべて詰まった女川に愛を込めて」と述べ、この日のために制作された「ON A GOT WORK」を7人が歌い踊り、最後はカエデフェニックスが蒲鉾を食べるという演出で会場を沸かせた。

すべてのライヴが終わると、再び渡辺淳之介がステージに登場。このイベントの立役者である高政氏を呼び込むと、2人は握手とハグを交わした。涙を流す高政は「震災で、これだけひどいことがあったから、これから起こるできごと、楽しいこと嬉しいことがほしい。どれだけのハッピーがあるのかということをしたかった。「ON A GOT WORK」の歌詞を渡辺さんからいただいたとき号泣してしまった。最高のプレゼントです。ありがとうございます」と感謝を述べた。

そこから2人は9年間の過去を振り返りながら、WACKもどんどん大きくなり今回のチケットの応募が会場店員の倍以上あったことを明かした。また、WAgg新メンバーのお披露目があったり、ONAGAWACKSTARSのライヴができたこと、女川でツアー初日をできたことを喜んだ。そして渡辺が「ONAGAWACKSTAR、これからまた活動していくかもしれないです。来年もやらせてもらえますか?」と高政に投げかけると、女川町長がOKを出し、来年も開催もステージ上で約束された。

最後、この日出演したメンバー全員がステージに登壇し、この日の感想を言い合うと、最後は全員で手を繋ぎ「ONAGAWACK」の掛け声とともに大団円を迎えた。

取材&文:西澤裕郎
写真:小岩井 ハナ


〈WACK TOUR 2020 “WACK FUCKiN’PARTY”〉
2020年2月8日(土)@宮城 女川町生涯学習センター ホール

セットリスト

WAgg
1. BiSBiS

豆柴の大群
1. りスタート

BiSH
1. MORE THAN LiKE
2. BiSH-星が瞬く夜に-
3. VOMiT SONG
4. Story Brighter
5. PAiNT it BLACK
6. オーケストラ
7. beautifulさ
8. ALL YOU NEED IS LOVE

EMPiRE
1. MAD LOVE
2. EMPiRE is COMiNG
3. RiGHT NOW
4. Buttocks beat! beat!
5. S.O.S
6. Have it my way
7. アカルイミライ

GANG PARADE
1. Plastic 2 mercy
2. pretty pretty good
3. とろいくらうに食べたい
4. FiX YOUR TEETH
5. UNIT
6. らびゅ

CARRY LOOSE
1. When we wish upon a star
2. ERASE and REWRITE
3. にんげん
4. CARRY LOOSE

BiS
1. BiS-どうやらゾンビのおでまし-
2. STUPiD
3. this is not a love song
4. BASKET BOX
5. LAUGH AT ME
6. LOVELY LOVELY

ONAGAWACKSTARS
1. ON A GOT WORK

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