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中国・西安出身の現代美術家、馬嘉豪が祖国と文化浄化を嘆く個展〈燎〉開催

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西安出身の現代美術家・馬嘉豪(読み:マ・ジャホウ)が、個展〈燎(リャオ)〉を東京・TAV GALLERYにて3月20日から4月5日まで開催する。

兵馬俑からパンデミックまでを背負い、大量の人口の下に存在する問題や矛盾を問う現代美術家の馬嘉豪は、18歳に至るまで反日教育を受け続け、祖国の違和感や国家間の在り方に疑問を抱き、日本への在留を果たしたアーティスト。これまでにも第4回CAF賞入選、第22回岡本太郎現代芸術賞入選、多摩美術大学福沢一郎賞受賞など功績を残してきている。2018年開催の初個展〈霾(PM2.5)〉では、鑑賞者にマスクが手渡され大気汚染のPM2.5の香りや煙を空間内で再現するという、中国本土では展示することができない先鋭的な展覧会を開催した。

本展覧会タイトルの「燎(リャオ)」は相次ぐ文化浄化に追悼の意を重ねながらも、野原に広がった火は、一瞬で広がっていくことを意味した四字熟語「燎原之火(りょうげんのひ)」から引用されたもの。ポピュリズム到来以降の表現の自由と、政治性が喚起されうる作品や国家間の在り方を問いかける。

また、本展覧会開催について馬嘉豪は次のように語っている。

「テレビのニュースで災害を報告する時、死亡人数は常に偶然で出来上がった数字で、流暢感がない。それがこの作品を作るにいたったアイディアであり、私達はニュースを見る時、数しか知らない、その数だけ見れる表す命、名前、経歴一切情報が知らず。まさか死亡の暴力だと思う。この意味で私は「地獄の門」の形を取り上げ、数の暴力装置を表現した。何故か地獄の門選ぶと言うと、彫刻史の中に元々、出る人口多い作品は地獄の門であり、テーマも死亡と言う意味が含まれている。ロダンは地獄の門作り時、最初から作品のイメージを辿りつくではなく、作りながら一つ一つ小さな作品を考えながら、組み立てた、この作法で地獄の門で色んなテーマの小さい作品を表した。このような作り方は彫刻史で極めて珍しく、私は勝手ながら、この作り方がまさに、日本人よく食べる弁当箱とよく似ている。弁当箱に自分好きな物だけいれば成立する。世界で日本国しかない文化である」

本展覧会では人を象った数千個に及ぶ既製のフィギアを固めたインドボタイジュやノートルダム大聖堂をモチーフにしたミクストメディア作品が出品と、ステートメント上にある制作に1年を要した2mを超える「地獄の門」作品が出展される。(エビナコウヘイ)


■イベント情報

馬嘉豪 個展〈燎(リャオ)〉
会期:2020年3月20日(金)〜4月5日(日)@TAV GALLERY
時間 :13:00〜20:00
休廊 ::水、木曜日

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