おいっす。
今日も制覇していくぜ、京王線沿いでのアレのお店。
人生で一番の体重を記録したので先日からジョギング始めました、火鍋栄光です。
というわけでやってきましたのは、京王線・八幡山駅。
調布〜新宿区間で陰の薄い駅に関しては三本の指に入る駅、今回が人生初下車でありんす。隣の上北沢駅、芦花公園駅とはどちらも700メートルしか離れておらず、上北沢駅に至ってはホームが見えるほど。なんで作られた?
駅の北側は大手チェーン店もありわちゃわちゃしているんだけど、捻くれ者であるが故、あえて人気のなさそうな南側を散策、ローカルな町中華を見つけることに成功。それが本日のお店、ジャジャーン。「京八(きょうはち)」。
見てくださいな、このオーーーーーーソドックスなド定番ラインナップ。それでいて、否、それだからこそ庶民の心をくすぐる。庶民にはフカヒレスープも北京ダックもいらない、ただ天津飯があればいいのだよ。
時刻は午後1時ごろ。嗚呼、食べたい。早く食べたいよ。
出会って5秒で注文! 急転直下の秒速エクスタシーを体感しに行くゾ!
5秒で注文したので、ここでようやく一息ついて店内を見渡す。お店の中はこんな感じ。こじんまりとした店内で、奥さんと常連のお客さんが仲良く会話してらい。聞き耳を立てると、こちらのお店は以前は他の場所で営業していて、お店にいたお兄さん方は当時から通っていたんだとか。あったけえ……。こういうあたたけえトークが、シンプルな料理へのいい味付けになるんだよなあ。仮に特段美味しいお店じゃないとしても、人の魅力でお店はやっていける。いいっすねえ。なんてしみじみしていると……。
\オマタセシマシター/
おやおや、度肝を抜かれましたゾ。ズームでもう一度ご覧いただこう。
あん……? あんじゃない、これはもはやタレですよ、タレ。天津飯は、白米・あん・卵の三権分立の原則が成立してこそ成り立つ民主主義の権化であるべきなのに、あんが卵と米に媚び諂うタレという役割になってしまったせいで、パワーバランスが変わってしまっている……。これは天津飯と呼んでいいのか……? この疑問を解くために早速一口いきましょう。
あんがねえ……!
パクッ!
細かく刻んだ椎茸や昆布が入っていて、そこから出汁の風味も出ていて卵がウメえ! あん(タレ?)は甘酢だれなんだけど、それが出汁とぶつからないように旨みを引き立てていて、白米への果てない渇望を駆り立てる! そして、あんと混ざった時にちょうど良い硬さになるよう、予めちょっと硬めに炊かれたお米もベリーグッド◎
質素な盛り付け、味付けなんだけど、気がついたらおかわりが欲しくなる、家庭の味という感じがお店の雰囲気とマッチしていていいね! 特段豪華な食材だとか、特徴ある味付けをする必要なんてない! 炒飯とか天津飯ってそういう簡単なところがいいんだよなあ、と痛感させられる一品! 天津飯であるかは微妙なところだけど美味しい! どちらかというとニラの無いニラたま丼、いやでもニラ無かったらニラ玉じゃないし…… でも美味い! 米は進んじゃうんだよォ! 美味しさは胸のしこりをもほぐす! 完食!
喉元を過ぎて改めて痛感する”美味けりゃいい”という暴論。肌の色も具材も関係ない、誰か一人が美味しいって満足してくれればそれだけで君はいていいんだ。
帰り際に周りのお店を見てみると、意外にも3軒ほど天津飯があるお店が乱立。もしかしたらこの辺りは、天津飯を巡って諸葛孔明による天下三分の計が敷かれたのかもしれない。しばらくはこの辺りはdigる男になるゾッ!
今週はここら辺で! 火鍋栄光は華麗に去るぜ!
今日の天津飯豆知識:
一歩間違えるとただの蟹玉丼になりかねない。
住所:東京都杉並区上高井戸1-1-14
営業時間:
平日
11:00~15:00
17:00~24:00(ラストオーダー23:30)
土日祝日
11:00〜21:30
定休日:火曜日
大学時代には中国に留学、何度も旅行で現地に赴いては中国各地の料理に舌鼓を打ってきた若武者。現在はネオン輝く大都会トーキョーで、本場の味が楽しめる中華料理屋を彷徨う神出鬼没のゾンビ。普通の中国人はチンプンカンプンの日本発祥中華料理の代表格「天津飯」に人生を狂わされかけている。記事中の写真は©︎Photo by Kopei。