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台湾の学生から始まった社会運動を描いたドキュメンタリー『私たちの青春、台湾』公開

StoryWriter

(C)7th Day Film All rights reserved 2017

台湾の傅楡(フー・ユー)監督による映画『私たちの青春、台湾』が、10月31日から東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。

1962年以来続く、中華圏を代表する映画賞〈第56回金馬奨〉にて最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した同作は、2014年に起きた台湾の「ひまわり運動」のリーダーと、中国人留学生ブロガーの活動から、台湾の民主化の歩みとその後を追った作品。

メガホンを取ったフー・ユー監督と、学生運動の中心人物だった陳為廷(チェン・ウェイティン)、社会運動に参加する中国人留学生・蔡博艺(ツァイ・ボーイー)らとの出会いや、チェン・ウェイティンが林飛帆(リン・フェイファン)と共に「ひまわり運動」のリーダーになる姿や、彼らの運命が失速していく様が描かれている。

また、香港の元政治運動家の周庭(アグネス・チョウ)らとの交流、台湾、香港、中国の間で直面している問題や、民主主義の持つ残酷さなどが映し出される。

アジア初の同姓婚法制化、蔡英文総統の歴史的再選、女性議員がアジアトップ水準の4割を占め、世界も注目した新型コロナ対策などで関心を集める台湾。2014年に起こった「ひまわり運動」は、国民党によるサービス貿易協定の強行採決に反対した学生たちが立法院に突入し、23日間にわたって占拠したことに端を発した抗議活動。運動名は、議場に飾られ、シンボルとなったひまわりの花から由来している。占拠直後から多くの世論の支持を集め、与党側は審議のやり直しと中台交渉を外部から監督する条例を制定する要求を受け入れた。同年11月の統一地方選挙で国民党は大敗し、翌年には「ひまわり運動」を起こした若者らが中心となって政党「時代力量」を設立した。

また、10月23日には映画公開に先駆けて、フー・ユー監督の人生と台湾の民主化の歩みを書いた書籍『わたしの青春、台湾』の邦訳版が刊行。フー・ユー監督は「この本を読んでくれた人が、自国の政治、歴史などについて考えてくれる、一助となる事を心より願う。これこそが、わたしが本書に対して抱く最大の希望である」と述べている。(エビナコウヘイ)


■作品概要

『私たちの青春、台湾』
公開日:2020年10月31日(土)より
ポレポレ東中野ほか全国にて順次公開

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