watch more

メジャーデビューするまで24時間生中継されるアイドル──CARRY LOOSEの共同生活に潜入インタビュー

StoryWriter

BiSHや豆柴の大群などを手がけるWACKに所属する4人組アイドルグループ、CARRY LOOSEが前代未聞の企画『CARRY OF MAJOR』を、2020年7月20日より行っている。

メンバー4人が共同生活をし、その様子を24時間ニコニコ生放送にて中継。この生活を脱出するための方法はCARRY LOOSEがメジャーデビューをすることただ一つのみ。すでに企画がはじまってから1ヶ月以上生中継され続けている彼女たちだが、果たしてメジャーデビューを勝ち取り脱出することができるのか?

企画開始1週間後、彼女たちの生活する一室に潜入し行なった生インタビューの様子をお届けする。

取材&文:西澤裕郎


断末魔みたいな叫びをあげてしまった

──『CARRY OF MAJOR』がスタートして約1週間経ちましたが、メンバー4人で共同生活してみていかがですか?

パン・ルナリーフィ(以下、パン) : 楽しいです……(笑)。

ユメカ・ナウカナ?(以下、ユメカ) : 3人のことをめちゃめちゃ好きになっちゃいました! 今まで全然見れていなかった部分があったということと、1人1人がこんなにも自分のことを思ってくれていたんだと身にしみて分かって、感動する1週間でした。これから何が起こるか分からないんですけどいいスタートを切れたと思います。

──YUiNAさんはいかがですか?

YUiNA EMPiRE(以下、YUiNA) : 結成してから一緒に乗り越えるような活動が少なかったので、今回一緒に共同生活というのはすごくうれしくて。この1週間は毎日みんなの良いところを発見できて好きになっています。みんなを尊敬して、自分も成長していかなきゃなと思うことがすごく多いです。

ウルウ・ル : 課題の1つで、夜に1人のメンバーへ向けて手紙を読むんですけど、その時に勘違いしていたこととかもわかって。例えば、帰り道でパンちゃんと同じ電車なのに、お互い嫌われてるんじゃないかと思って、わざと同じ車両に乗らなかったことがあったんです。そういうことも笑い話にできたり、知らなかったことが知れたり、前より言い合えるようになってうれしいです。あとは、みんなが料理がうますぎるので、自分がうまくできるか心配で……。

YUiNA : 4人とも今まで実家暮らしだったんですよ。なので、料理とか生活にあたってうまくできることがあるかなって心配なところもちょっとあって。

ユメカ : あとは金銭面ですね。

ウルウ・ル : 1ヶ月の予算が4人で3万円と決まっていて、その中で収めるのに苦戦していて。1週間の献立を全部決めて作るというルールもあるんです。

──初日カレーだったのはCARRY LOOSEにかけてのこと?

パン : CARRY LOOSEだから週2でカレーを食べようってテンションで決めたんですけど、次の日にロールキャベツにしようとしていたんですよ。カレーにキャベツも使ってないし、カレーも余っているのに、ロールキャベツも作らなきゃみたいな感じで1週間の献立を作ってしまって。そこで自分たちの第1の壁にぶつかって、カレーは廃止になりました(笑)。

 

──あははは。パンさんは最初楽しいって言っていましたけど、共同生活をしてみていかがですか。

パン : 1日目に死にそうになったんです……。断末魔みたいな叫びをあげてしまって。

ユメカ : それはパンちゃんじゃないんです! 悪魔が乗り移ったんです。

ウルウ・ル : その声が非現実的過ぎるもので。私は眠っていて夢を見ていたんです。その声とともに、怖い女の子が逃げている夢が再生されて、ハッて起きた。夢か…… と思ってニコ生の画面を見たら大量のコメントが流れていて。パンちゃんの元に駆けつけました。今世紀最大のビックリでした。

──パンさんに一体何が起こったんですか?

パン : 毎日日記を書くんですけど、自分の良かったところ、悪かったところを書くようにしていて。そのとき、自分の悪かったところしか思い浮かばなくて、どんどんおかしくなっちゃって。みんなが支えてくれて、3人はとても心強いなと思ったと同時に、自分はもっとしっかりしなきゃと思いました。

ウルウ・ル : 私もメンタルに来たことがあって、どうしようも涙が止められなくなってしまったときがあったんです。洗面所に行って泣いていたらパンちゃんが来てくれて、私が泣き止むまで小1時間ずっと一緒にいてくれて。やさしい言葉をいろいろ言ってくれて。だから、パンちゃんは頼りになる人です。

──24時間ニコ生中継されて観られているのは、どういう感覚なんでしょう。

パン : 生活を観られるのは不思議な感覚です。慣れてきてはいるんですけど少し気が緩んでしまう時があるので引き締めていきたいなとは思います。

ユメカ : 私は逆に、この生活を通して泣いたりとか、怒ったりとか、笑ったりとか、いろいろな部分を観てもらって、ユメカ・ナウカナ? というものをもっともっと好きになってもらえるチャンスだなと思っていて。素の人間性を観ていただいてプラスになるように頑張ります。

──ユメカさんは常に元気なイメージがあるので、それ以外の表情はあまり見たことなかったなと思います。

パン : この生活が始まる前まで、私もユメカちゃんのつらそうな顔を見たことがなかったんですよ。この前、リビングの隣の部屋でちょっとだけつらそうな表情をしていて。でも3秒で切り替えて、カメラの前で「やっほー!」って言っているのを観たんです。

ユメカ : えー! やだー! ほんとに!? 全然気づいてなかった! よく見てるのね! こういうところ、ほんとによく見てくれているんです。

がむしゃらな感じをもっと出そうと振付を作っている

──24時間中継されている点でいうと、WACK合宿オーディションも一緒ですよね。パンさんは合宿オーデがある意味で生きがいの場所にもなっていました。合宿オーデとはやっぱり感覚は違いますか?

パン : 合宿は毎日、マラソンの順位とかダンス審査のポイント、ニコ生投票だったり目に見える競うものがあったんですけど、この共同生活はメジャーデビューという大きな目標はあるんですけど、1日単位でいうと目に見えないものを自ら掲げて挑まなきゃいけない。そういう面では合宿よりも難しかったりするのかなと思います。もっとオーバーにやらないと、何と戦っているのかが観ている人からしても分からなくなっちゃったりするので。そういう課題のようなものを、もっともっと意識してやらなきゃなと思います。

──ユメカさんは唯一WACK合宿オーデに参加したことがありませんが、所謂WACKらしい今回の企画に参加してみて、どんなことを思いますか。

ユメカ : この前自分への手紙を書いたとき、勝手に涙と「お家に帰りたい!」って言葉が溢れたんです。その瞬間に「あ、本当に帰れないんだな」って自分の中でわーって感情が広がって。でも、頑張った分、何かが得られるというのもWACKらしさというか、強くなれると思うんです。だから絶対にメジャー・デビューを掴んで、笑ってお家に帰りたいと思います!

 

──最初からメジャー・デビューが決まっているんじゃないかというコメントもありましたけど、そういうわけではないんですよね?

パン : はい、決まってないです。

──どれくらいの期間で、メジャーデビューを決めたいと思いますか。

パン : 一刻も早くできるようにと思っています。今、最高の振付を考えるという課題が毎日あって。今まだ1曲目なんですけど、渡辺(淳之介/WACK代表)さんにめちゃくちゃいいって思ってもらえるような振りを考えなければお客さんにも伝わらない。振りの幅を広げたり、いろいろな面で成長しなきゃなって思います。

ウルウ・ル : 前の振りから1回全部考え直しているんです。合宿オーデに行く前と後で振り付けに対する考え方がめちゃめちゃ変わって。みんなが考えてきてくれたものにも前以上にすごい口出しをさせてもらって。そこでも全体的に関わり合いが深まったし、みんなでもっと言いあえるようになったなと思います。

──ウルウ・ルさんは振付をするとき、どういう部分を大事にしているんでしょう。

ウルウ・ル : 前は格好よく“ダンス”といった振り付けが多かったんですけど、もう少し演技みたい振りを増やそうと思って。前はターンがすごく多かったんですけど1回禁止にして。あと、綺麗な手の振り付けも1回なしにして、がむしゃらな感じをもっと出そうと思って、ルールを決めて作っています。

YUiNA : 自粛期間中にダンスを再考している時、(カミヤ)サキさんにもアドバイスをいただいていて。もっとちゃんと歌詞を深読みした方がいいと教えてもらって。例えば、「泣き出しそうな」とかだったら、ただ泣いてる振りで言葉の表面だけを汲み取る動きをするんじゃなくて、もっと考えた動きを付けていくといいってアドバイスをいただいたんです。その通りだなと思って、歌詞の理解を深めてから付けるようになりました。

ウルウ・ル : あと、前はリズムに合わせることもあまりできていなかったなということも気付いて。詳しく動画まで送ってくれたりしていただいて、こんなリズムの取り方があるんだと勉強させてもらい、本当にありがたかったです。

死ぬ気になって自信を持つことが私としての目標

──ゴールがない中での共同生活の24時間配信は、非常に思い切った企画だなと思うんですけど、どうしてこの企画が始まったと思いますか?

パン : 企画がはじまる前、一回渡辺さんにお話をいただいたんです。まだ全員が全力でやりきれていないし、本来の姿になれてない、CARRY LOOSEのことをお客さんに本気で好きになってもらえていないってことを伝えられて。BiSとの200km駅伝の時も痛感したんですけど、死にものぐるいで応援している人は圧倒的にBiSの方に多くて。CARRY LOOSEが1番って思ってもらうことが課題だと思っています。配信で必死な姿を見せて、CARRY LOOSEのことをめちゃくちゃ好きになってもらいたい。あと、4人の間で思っていることを言えていなかった。ぶつかり合って、全てさらけ出してもっともっと深い仲になる。人に興味を持ってほしいってことも言われました。

ユメカ : メンバー同士で思い合えてないのに、ファンの人たちが私たちのことを思い合えるわけないじゃないですか。マラソンで勝てたことはすごくうれしかったし、初めてCARRY LOOSEとして成し遂げられた素敵な出来事だったんですけど、終わった後のライヴでもっとファンの人がついてきたくなるようなことを言えただろうし、BiSさんのファンの人たちを全部こっち側に持ってこれるぐらいしなくちゃいけなかった。それができなかったのが悔しいです。

──YUiNAさんとパンさんは、2期BiSの解散があっただけに、メンバー同士での関わり合いに遠慮だったり怖さがあったりするんじゃないでしょうか。

パン : あれ以降、メンバーとの関わり方が分からなくなってしまって……。メンバーに対して。ものを言うことが怖いというよりは、崩れるのが怖くて。解散をしてから、自分のトゲも出せないし本当につまらない人間になってしまった。自分自身がほんとに何もない感じのクソになってしまって。

ユメカ : そんなことないよ!!

パン : 自分がクソだと思うこと自体、CARRY LOOSEのお客さんに失礼なことじゃないですか。パフォーマンスする身として、人間として、自分をクソだと思わないぐらい努力して、死ぬ気になって自信を持つことが私としての目標でもあるんです。クソだと思わないようになりたい。前まではさっきみたいにメンバーから言ってもらうことも言うこともなかったけど、今回は悪いことも言ってもらえるようになったし的確に見つめ直していけるのでうれしいです。

──YUiNAさんはどうですか?

YUiNA : メンバーに対する興味はあっても、友だちではないので、あまり深く関わらない方がいいのかなと思っちゃっていた部分があって。なので、ちょっと気になることがあっても、結構身を引いちゃうところがあったんです。でも自分が気になるんだったら、ズカズカ踏み込めるところまではちゃんと聞いて、1人1人と向き合っていける機会を作らないとと思っています。

 

──この1週間で、いわゆる喧嘩みたいなことはあった?

ユメカ : 喧嘩はまだないですね。だけど、物事は前と全く違くなりました。良いところも悪いところも言うようになりましたね。全然違います。それは断言できます。

パン : 喧嘩って、言いたいことが溜まって爆発したときに起こるじゃないですか。だけど、何かを思った時に言うようになったし、メンバー同士悪い気持ちにならないように伝えることができているというか。素直に受け止められるようにもなったと思うんです。

YUiNA : そうそう、素直に受け止められるようになった。

ユメカ : あと、1人1人が「ありがとう」とか「ごめんね」とか基本的な挨拶を多く言っていて。自分が進んで何か皿洗いとかをしても、やらされてやだなって気持ちにならないし、まだギスギスみたいな感じのことは全くないです。

YUiNA : (ウルウ・ルに向かって)溜めずに言えてます?

ウルウ・ル : はい(笑)。前は、振り付けとか歌とかに対するアドバイスも、あまりオブラートに包まず言って傷つけちゃうこととかあったんですけど、最近はうまく伝えることを覚えて話せるようになったと思います。

絶対にCARRY LOOSEはメジャー・デビューします

──どうやったらメジャー・デビューを決めることができると思いますか?

ユメカ : 頑張ってる姿を見せることが1番響くと思っています。前の私たちと明らかに違う姿を観てもらって、この子たちと一緒に仕事をしたいと思ってもらえるくらいビシバシ頑張ってやるのが1番必要なことかなと思います。

パン : この4人のCARRY LOOSEを観たいと思ってもらわないといけない。そのためには1人1人の存在感を大きくしないといけないし、1人1人が圧倒的に格好いいヒーローにならなければいけない。人のことをよく見ないと良さも悪さも分からないから、共同生活内でお互いの全てを知って、アドバイスをしたり褒めたりして1人1人の良いところを見つけて引き出せるようにしたいです。そうすれば強くなれると思うので、圧倒的にそれぞれ1人1人が圧倒的な存在になることを目指しています。

──YUiNAさんはメジャー・デビューするには何が必要だと思いますか?

YUiNA : 共同生活の中で、1人1人が自信を持つことが大事だなと思っています。自信を持って1人1人が成長をして、CARRY LOOSEの変化に繋げていきたい。24時間みんなにも観てもらっているので、良いところも悪いところもバレちゃうと思うんです。だから悪いところも、目に見えた変化をして、それ観て認めてもらって、自分でも変われたなって感じられたらメジャー・デビューできるのかなというか。自分自身変わって叶えたいなと思います。

ウルウ・ル : 私も自信をつけることとか個々が強くなることが、すごく大事だと思っていて。さっきお話したみたいに、泣いてしまった時、洗面所に行ってしまったところが自分のダメなところだなと思うんです。その後で、スタッフさんから、何かあった時にカメラの見えないところでやっていても伝わらないし、何が起きたかも分からないからっていうLINEをいただいて。その通りだなと思って。そういうところから直していかないといけないなと思いました。

──この生活はまだまだ始まったばかりですが、1人ずつ意気込みを訊かせてください。

パン : 今まで思っていなかったわけじゃないんですけど、この生活を通して、CARRY LOOSEのことが大好きだなと思っていて。昨日練習中に感極まって歌っている途中で泣いてしまったんです。CARRY LOOSEいいなって。それは初めての感情でした。そういうふうに自分ももっともっとCARRY LOOSEを愛したいし、みんなのことも愛したい。お客さんにもそうやって愛してもらえる、尊敬してもらえるようなグループになれるように頑張ります。

ユメカ : 最初、「メジャー・デビューするまで帰れません」って聞いた時、何も考えられないくらいびっくりして。ファンの人たちにパフォーマンスを認められていてもメジャー・デビューできないアイドルさんはたくさんいるし、そのまま解散してしまうアイドルさんもいる中で、メジャー・デビューするまで帰れないというのは先は長いし過酷だなと思ったんですよ。でも、きっとこの1週間も、あの時はあーだったねみたいな笑い話になっちゃうぐらい過去になっちゃうと思うんです。この1週間でも3人のことが大好きになって、4人でよかったなって心から思えるようになったので、私はほんとにメジャー・デビューができると思っています。絶対にCARRY LOOSEはメジャー・デビューします。意気込みでした!

ウルウ・ル : また合宿の話になっちゃうんですけど、合宿で「STUPiD」(BiSの楽曲)のダンス審査が終わった後に、渡辺さんと面談をして「これをCARRY LOOSEでもやって」って言っていただいたのに、その感覚をまだ感じることができていなくて。何が違うのかと言ったら、心の面だなと思って。もっと4人が家族みたいになんでも言うし、気も遣わなくていいような関係になったら、絶対にパフォーマンスも個々の能力もあがると思うんです。そこを忘れずに頑張ってメジャー・デビューしたいです。

──最後、YUiNAさんの意気込みをお願いします。

YUiNA : 今まで以上にCARRY LOOSEとメンバー1人1人と向き合って、自信を持ってグループの変化に繋げたいです。共同生活っていうすごくありがたい機会をいただいているので、ここでみんなしっかり変わって、メジャー・デビューを叶えたいです。


■番組情報
〈CARRY LOOSE の CARRY OF MAJOR〉
配信日時:2020年7月20日(月)20:00~
※メジャーデビューするまで24時間生配信
配信媒体:ニコニコ生放送
番組URL:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv326402187

PICK UP