WACK所属のアイドルグループ「GO TO THE BEDS」と「PARADISES」が2020年9月6日（日）、初のワンマンライヴ〈初めまして、楽園です。〉と〈ARE YOU SLEEPER?〉を神奈川 横浜・関内ホールにて開催した。
昼間はPARADISESが、夜はGO TO THE BEDSが同会場で収容人数を25％に絞り、観客を入れた状態で開催。会場に来ることができない人のために有料生配信も行った。
本ページでは、GO TO THE BEDS初のワンマンライヴ〈ARE YOU SLEEPER?〉のレポートを掲載する。
LIVE REPORT：GO TO THE BEDS〈ARE YOU SLEEPER?〉
GANG PARADE（以下、ギャンパレ）が分裂して生まれたアイドルグループGO TO THE BEDS。2020年4月から活動をスタートさせたが、結成直後に新型コロナウィルスに見舞われ、活動もままならない時期が続いた。
8月1日にパシフィコ横浜で開催されたWACKグループ総出演の無観客有料配信ライヴ〈WACK FUCKiN’SORRY PARTY〉で念願の初ライヴを実施。しかしココ・パーティン・ココが“個人的な事情で不参加”だったため、〈ARE YOU SLEEPER?〉が5人揃ってのお披露目ライヴとなった。
記念すべきライヴ当日を迎えた9月6日0時、新曲「現状間違いなくGO TO THE BEDS」をゲリラ配信。全裸・うんこ・103回連発パフォーマンスをつめこんだMVも同時に発表し、SNSを中心に賛否両論を巻き起こし大きな注目を集める中で、初ワンマンを迎えることとなった。
開演直前、マネージャー辻山がステージに登場。GO TO THE BEDSの三ヶ条を発表した。
その1。GO TO THE BEDSのファンの総称は「SLEEPER」と言います。GO TO THE BEDSは老いた枯れ木が似合ってしまうグループですが、私たちはそんな枯れ木すら糧として進んでいき、SLEEPERの皆さまと心ゆくまで眠れる場所を探し続けます。
その2。ライヴの写真撮影はOKですが動画撮影・録音は禁止となっております。写真等は撮影してSNSにて拡散をお願いします。
その3。ダイブ、リフト、サーフ、組体操、脱衣などの危険行為は禁止です。後は自由です。
「これからSLEEPERの皆様と一緒に、快眠できるベッドを作っていきたいと思っておりますので、 どうか暖かい応援よろしくお願いします」と辻山が述べると、暖かい拍手が会場を包んだ。辻山がステージを後にし、オープニングSEが流れるとSLEEPERたちの手拍子とカラフルに光る照明の中、メンバー5人がステージに登場。ライヴがスタートした。
デビュー曲「Don’t go to the bed」を勢いよく歌い踊ると、アルバムから「GO TO THE BEDS is my life」、PARADISESメンバーのテラシマユウカ作詞曲「EGOIST」を続けて披露。ライヴハウスではなくホールでのステージ、なおかつSLEEPERたちが声を出せない条件下にいることで、いつも以上にメンバーのパフォーマンスに目がいく。前後左右、立体的にステージを使い、機動力あふれる緩急ある動きは、表現力豊かだ。
「はじめまして、私たち、GO TO THE BEDSです」と全員で挨拶、1人1人自己紹介をし、客席と配信先に声をかけていくと、SLEEPERたちも機転をきかせ、普段WACKの現場ではあまり観られないサイリウムを振ったり手拍子や拍手などでリアクションをとって一緒に会場を盛り上げていった。そして、ユメノユアがMCを行った。
「なかなか思うように活動できない日々が続く中、私は自分と向き合う時間を過ごして来ました。今まであったものが突然なくなって、学校や会社、家族や友達に会うことさえ当たり前のことなんて何一つないんだなって思いました。そして同時に「日常ってなんだっけ」とすごくすごく考えました。私にとっての日常は音楽しかない、そう思います。なので、たった一度きりの自分の人生、そしてGO TO THE BEDS、何よりも、今日この時間を私たちと過ごすと決めて一緒の時間を過ごしているSLEEPERの皆さんのためにこの曲を歌います」
ユメノユアがタイトルコールをすると、〈センチメンタルな言葉なんていらないよ〉という歌詞が刺さる松隈ケンタ×JxSxK「I don’t say sentiment」を熱唱。ユメノユア作詞の「パッパラパー」、ゾンビのような動きが目を引くユイ・ガ・ドクソン作詞の「SCREWY DANCER」、間奏で手拍子が起こる中マイカが1人ダンスする「Where are you?」、スプリットアルバムより「MAYDAY」を続け様に披露していった。
ユイ・ガ・ドクソンが「オープン・ザ・ドア〜!!」と叫ぶと、会場後方のドアが開き換気タイムに。換気の10分間、「GO GOなエピソード」を話すコーナーへ。マイカは、MV撮影で体重が1日で3kg減っていたので翌日と翌々日食べまくったら3kg以上増えていたことを、ドクソンは昼夜逆転を直そうと早く寝て次の日起きたらGOGO（午後）でしたというエピソードを語り、ココが鋭いツッコミを見せた。ココは、みんなに想いを届けるためにGO GOな気持ちでやってきたと語った。グループの中で1番のSLEEPERだというユアは、ライヴハウスにメンバー全員で向かう中、1人だけ電車で寝過ごしたこと、眠過ぎてホームのベンチで30分ほど仮眠をとったことを語った。トークが盛り上がっているうちに、空気がクリーンになり、ドアを閉め、ドクソンが「みなさんにとっても楽しい1日になったら嬉しいです！」とタイトルコールをし「ANSWER」へ。
「ANSWER」では手拍子が会場を包む中、各メンバーの歌声をじっくり聴かせた。スプリッドアルバムより「ANSWER」、「ROOM」のサビではリズミカルでダイナミックなダンスを見せた。そのままユアが1人ステージに残り、電車のつり革につかまる人々と心の内面を空間を使って描く「GROOVE」、エスニックな雰囲気のあるヤママチミキ作詞の「MISSING」をじっくりと表現してみせた。
「生きているということはお互いに何かを伝えあえることができることだと思います。まだまだ伝えたいことがたくさんあります。どうかこの先も生きることにしがみついてください。また必ず生きて会いましょう」とヤママチミキがMCで語り、アコースティックギター基調にしたヤママチミキ作詞の「VILLAIN」を披露した。ステージ上でマイカとココの2人になるなど、大胆なアイデアと行動力でステージを自在に使う演出は見事だった。そのまま本編の幕は閉じた。
大きな手拍子のアンコールが鳴り止まない中、再びステージに登場した5人。
ステージ上に5人が正座をすると、昨晩ゲリラリリースされた「現状間違いなくGO TO THE BEDS」のイントロが流れた。MV上では全裸風になったり、うんこ風の液体をかけられたり、約6時間にわたり1曲を歌い続けるなど過酷なシーンが映っていたが、キレのある動きで疾走感のある同楽曲を力強く歌って、踊ってみせた。そこに迷いは全くない。
同楽曲を披露し終えると、1人1人、挨拶を行った。
ヤママチミキ： GO TO THE BEDS、やっと墓から這い上がってくることができました。この先世の中がどうなっていくか、どう変わっていくか分かりませんが、私たちは変わらず、今日のようにたくさんの方の想いがこもったGO TO THE BEDSの曲を皆さんに全身全霊届けていきます。どうぞこれからもGO TO THE BEDSをよろしくお願いいたします。
ユメノユア：ライヴができない日々が続いた過去の私にとって、今日という日は本当に奇跡みたいな1日だなと思います。この奇跡みたいな1日を、GO TO THE BEDSとSLEEPERのみんなでこの先の未来で作っていきたいです。そんな日が来るまで、私はこの場所にしがみついて、息を吸って吐いて毎日を生きていきます。そして最後に、わがままですが、みんなが辛いとき悲しい時、どうかGO TO THE BEDSの音楽を聴いてください。私は音楽の力を信じ続けます。今日は本当にありがとうございました。
キャン・GP・マイカ：皆さん今日は楽しかったですか？ 今日の初ワンマンライブは今日来てくれた皆さんと、今配信を見てくれてる皆と、そして本当に数え切れないほどたくさんの方々の力を借りてステージに立つことができました。これからも私たちらしく一つ一つの壁をぶち壊して、たくましい姿になって成長していきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。
ユイ・ガ・ドクソン：みなさん、今日まで辛いこととかしんどい時間がいっぱいあったと思うんです。本当に、本当に、生きててくれてありがとうございます。それが今日1番伝えたかったことです。ありがとう。また会いましょう！
ココ・パーティン・ココ：やっとSLEEPERのみんなに「はじめまして」ができました。このご時世なので、次いつ会えるか分からないし、今日が最後になるんじゃないか、一生の最後になるんじゃないか？ くらいの覚悟で今日のライヴに挑みました。やっぱり今日ここに立ってみて、絶対次また皆に会いたいって気持ちになりました。なので、また必ず生きて会いましょう。今日はありがとうございました。
短くも一言一言に想いのこもった挨拶をすると、JxSxK作詞の「行かなくちゃ？」を最後にパフォーマンス。ギャンパレ時代の代表曲「Plastic 2 Mercy」のサウンドと、BiS以降のWACKが歌い続けた「行かなくちゃ」というフレーズをそれぞれ取り入れた、新しいGO TO THE BEDSのアンセムを自由に、のびのびと歌い躍り、初ワンマンは大団円で幕を閉じた。
最後に、11月8日京都KBSホールでワンマンライブの追加公演が決定したことをユアが告知し、「この日を生きがいにこれからもっともっと活動していきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。GO TO THE BEDSでした」と挨拶をして、5人のメンバーたちはステージを後にした。
ライヴ当日、「現状間違いなくGO TO THE BEDS」のMVで賛否両論大きな話題を作った中でのライヴは、SLEEPERたちの声援なしという条件の中行われたギミックなしで正々堂々、正面からパフォーマンスを魅せ尽くしたライヴだった。
取材＆文：西澤裕郎
写真：外林健太
■ライヴ情報
GO TO THE BEDS「ARE YOU SLEEPER?」
2020年9月6日（日）@神奈川 横浜・関内ホール
セットリスト
1. Don’t go to the bed
2. GO TO THE BEDS is my life
3. EGOIST
4. I don’t say sentiment
5. パッパラパー
6. SCREWY DANCER
7. Where are you?
8. MAYDAY
9. ANSWER
10. ROOM
11. GROOVE
12. MISSING
13. VILLAIN
EN1. 現状間違いなくGO TO THE BEDS
EN2. 行かなくちゃ？
