お世話になっております。digる男・ヨコザワカイトです。
先日、SUPER DOMMUNEで〈世界のダンスミュージックシーンの発展に貢献した音楽機材メーカーの歴史と未来〉という特集が放送されました。
Hiroshi Watanabe、OTAIRECORDようすけ管理人、早雲健悟など国内外新旧の機材を知り尽くしたメンツが集結して最も語られた機材は「Vestax」でした。
Vestaxとアクティブオーディオ
DJ機材を触ったことがなく知らない方もいるかと思いますが、今はなき国産DJ機材メーカーVestaxは2000年代まで日本のそして世界のクラブシーンを支えたブランド。最近クラブミュージックを聴き始めたペーペーの僕は当時のことは知りません。しかし、Vestaxという言葉になぜか懐かしい響きがするのです。
今僕の部屋はレコードとCD、そしてDJ機材で埋め尽くされています。もちろんメインの機材はVestax。ハードオフで買ったターンテーブルPDX-d3s/PDX-2300とヤフオクで買ったDJミキサーPMC-50A。これはテクノのレジェンドJeff Millsが使っていたミキサーで、中古ですが少し背伸びをして買いました。
機材は毎日いじります。というか、機材の方から呼び声がかかってくるような気さえします。これはVestaxの思想が何年経っても僕たちに語りかけてくるということなのです。
Vestaxは後年「アクティブオーディオ」という概念で製品開発をおこなっていました。そして、それはVestaxの機材を貫く理念「DJ機材は楽器である」を超えた「リスナー誰もが楽器を扱うように音楽を聴く時代」への希求でもありました。
アクティブオーディオという言葉の通り、DJ機材で音楽を聴くとただ受動的に聴くだけではなく、曲から曲へとつなげたり自分でブレイクを作ったりと、まさに能動的に音楽を楽しむことができます。
Vestaxがあった当時、アクティブオーディオ的な聴き方が一般的になったようには思えません。しかし、今まさにその時代が来るのではないかと僕は思うのです。
人それぞれの楽しみ方が重視される今、そしてライヴにいく機会が減った今、音楽は個人の体験をいかに深めていくかが重要になっています。建築的な用語ではありますが、ニューマテリアリズム的な新しいサンプリングの形が到来しているのかもしれません。
そんな音楽の楽しみ方の延長線上にあるものこそ、Vestaxが20年前に提唱したアクティブオーディオなのです。まさに時代が追いついてきました。さらにアナログ回帰の波も合わさり、その思想のより戻しが予想されます。
Vestaxとハードオフ
ハードオフ船橋夏見台店ではCDJも取り扱っています。
DENON・TECHNICS・VESTAX等在庫ございます。
是非一度当店までお越しください。お待ちしております。#船橋市 #夏見台 #ハードオフ #中古 #CDJ pic.twitter.com/RC42kXAlYW— ハードオフ船橋夏見台【公式】 (@hard_natumi) August 17, 2020
そして現在、その姿勢は特にジャンクの裾野ハードオフで燃えさしているのです。
当時は高価で手に入らなかった機材もハードオフなら誰でも買うことができる時代になってきました。そして、中古DJ機材市場では、当時からコストパフォーマンスを度外視して生産されたかのような堅牢な作りのVestaxが重宝されているのです。
中古DJ機材に強いハードオフの棚の上で、Vestaxは未だ色あせることのないシャンパンゴールドの輝きを放ち続けながら僕たちを待っています。
そして、それら機材を使いこなし能動的聴覚を養うことがこれからのリスナーのあるべき姿ではないでしょうか?
DOMMUNE TOKYO DANCE MUSIC WEEK 2020 HP:https://www.dommune.com/streamings/2020/090701/
※「【連載】digる男。」は毎週月曜日更新予定です。
1997年生まれ、千葉県出身。大学では社会学を専攻している。StoryWriterで連載を担当しながら就職活動中、そして迷走中。最近は、密かに音源も制作している。