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天津飯放浪記第40回 石の家「新宿で見つけた、白ネギと紅生姜がたっぷりの盛り盛り天津飯」

StoryWriter

おいっす。

今日は新宿で散髪。普段は3ヶ月に一回くらいしか切らないのだけど、外出する予定がない日々が続いたので気分転換も兼ねて。短い髪は好きじゃないけど、社会的な体裁も考えての断髪。美容室に行った後はどこかムズムズした気持ちになるのだけど、どうにかならんもんかね。

新宿や渋谷はよく行くのだけど、行く度に何をしたらいいか分からない街だなと思ってしまう。髪を切ったものの、先述のようにムズムズした気持ちになるし特にやることはない。時刻は午後3時。腹が鳴る……。思えば今日は朝から何も食べていない。なんかボリュームのあるものでも食べたい!

ゴゴゴゴゴゴゴ! そんな僕の願いが聞こえたのかように、奇怪な音とともに目の前の地面が隆起、生えてきたお店が本日のお店「石の家」。三匹の子ぶた達でさえも作らなかった石造りの家。こりゃ入らないわけにはいかんと鼻息を荒くして入店。今のオレ様は豚三匹を食うのも容易い、まさに狼なのだ! ワォーン!

現代の建築技術では、子ぶたでさえもこんな建物が作れるのだ。

血肉に飢えたオオカミは早速メニューを握る。ふむ、コスパは良さそうじゃのう。街中華と本格中華料理店の中間くらいのラインナップというとこであろうか? 豚三匹のメニューはなかったので、元気の良いお姉さんを呼んで「お前に噛みついて食ってやろうか!」と言いたくなるのを飲み込む、いつも通り天津丼(900円)を注文するゾ。ワォーン!

「ハイ! 天丼一丁!」

どうやら天津丼は天丼らしい(?) 非常に概念的である。

店内は思っていたよりも広い。ハッピーアワーということで、周りの若いお兄さんたちは、昼からビールで一杯やってらっしゃる。メニューにあった肉の天ぷらというのも気になるなあ。今度はビールもひっかけに来たい。あれ、童話のタイトルは「三匹の子ぶた」というけど、豚の量詞は頭(とう)ではなく匹なのだろうか? ちなみに「三匹の子ぶた」という童話は昔からあるのだけど、世間に広まるきっかけはウォルト・ディズニーらしい。文字通り軽くなった頭であれこれ思考が揺らいでいると、ほんの5,6分ほどで……。

\オマタセシマシター/

でけええええええええええええ。先週に続いて甘酢あんパワータイプの天津飯さんのおなーりー。あんがどろっどろの天津飯、ゼラチンで固まってるのでは? と疑念を抱くくらいに揺れもしない。しかし、それと対照的に天津飯には珍しい紅生姜と白髪ネギ。珍しい。うーむ……。しかし、飢えたオオカミはその圧倒的見た目の圧に文字通り狼狽したのである。いざ食さん!

レンゲを挿しても動じないあんよ。

すくい方が下手なのはご愛嬌。舌に乗せてみて思うのが、見た目ほど濃くないあんの味でくどくない。そして、その中で活きる白ネギのシャキシャキ感と紅生姜が爽やかな風を吹き込む。冷静に考えると濃いめのソースを使う料理に添えられることが多い紅生姜が、甘酢あんの天津飯に合わないわけがない! んまい! 白ネギと紅生姜と青ネギ、見た目の色合いはもうクリスマスさ。卵も特徴的で、刻み葱と人参、椎茸が細かく刻まれて入っているのだけど、その具材の量が多い。お好み焼きでも食べているかのような気持ちになる。そして茶碗2杯半くらいはあるであろう、程よい固さの白米。ものすごいボリューム! 全てがスクラムを組んでものすごい圧をくらう。負けじとこっちもガッツく! ワォーーーーーン!

すきっ腹で来たとは言え、なかなか食い切るのに時間を要した。なかなかタフな天津飯だったので、それなりの意気込みを持って臨むことを勧めるゾ。味は抜群だけどね! 満腹になったオオカミは満足気にお店を後にさせていただきますぜ、ごっそさん。

今日の天津飯あるある:

甘酢あん以外の味変はお酢とラー油になりがち。


⭐︎今日のお店⭐︎

「石の家」

住所:東京都新宿区新宿3-35-4 ユーコービル中地下
営業時間:
[月-土]11:30~23:50(L.O23:00)
[日祝]11:30~22:50(L.O22:00)
電話番号:03-3354-9334

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