PARADISESの新メンバーを見出すオーディション企画〈PARADISESの素晴らしき未来〉に参加中のWAggメンバー5人。
2020年11月21日（土）と22日（日）には1泊2日で合宿審査が開催され、その様子はすべてニコニコ生放送にて生中継された。合宿を迎えるにあたり、アイナスターは、ア・アンズピアととともにPARADISESの月ノウサギとペアを組み、合宿や日々のインタビュー取材などにも同行。先輩からライヴ以外のエッセンスも吸収しながら成長を続けている。
12月13日には名古屋市公会堂で〈PARADISESとWAggの素晴らしき未来 -TEAM BATTLE-〉が行われ、ア・アンズピア、愛、サアヤイトの3名が最終審査に進む権利を獲得。アイナスターは星が足りず最終審査への切符を手にできなかった。しかし、救済措置が発表。12月14日（月）よりタワーレコードで限定発売されている企画盤CD『WAggとPARADISESの素晴らしき世界と未来』の、12月18日(金)までの販売数が一番多いメンバーは無条件でファイナルステージに進むことができる。
そんな佳境に迫ったオーディションに挑戦中のアイナスターに現在の心境を訊いた。
取材＆文：西澤裕郎
写真：大橋祐希
踏み出したら見ていてくれる人はいて届くのかなと思えた
──約2ヶ月間にわたる〈PARADISESの素晴らしき未来〉で、合宿やトレーナー制など、これまでにない挑戦をしてきたと思います。そうした経験を通して、アイナスターさんの中でどんなことが変わりましたか？
アイナスター：これまで以上に、お客さんや見てくれている方のことを意識するようになりました。私がWAggに加入してすぐコロナ禍になってしまったので、他のメンバーのようにお客さんを鮮明に意識してライヴできてないような気がして、そこにずっと引っかかっていたんです。実際、数回しかお客さんの前でライヴをできていなかったんですけど、合宿や作詞審査などを行ううちに、1人でもしっかり届けばいいなという気持ちが強くなったんです。
──アイナスターさんが届けたいものとはどういうものなんでしょう。
アイナスター：私は、後ろ向きで進むみたいなことができなくて。それは正真正銘のポジティブな前向きって気持ちじゃなくて、いろいろな気持ちを抱えた前向きなんですけど、そういう気持ちも全部含めてパフォーマンスに乗せられたらいいなと思っているんです。きっと見てくださっている方も、幸せなことだけの毎日じゃないと思うし、ただ嫌なことだけでもないんじゃないかなって。そういう部分で共通しているものがみんなあると思うので、それをパフォーマンスを通して届けられたらというのは心の中にあります。
──今回のオーディション企画で、アイナスターさんは言葉が軽いと言われたり、言葉で伝えることの難しさに誰よりも苦労されていましたよね。
アイナスター：もともと、この話し方をしていたわけではないんです。少し前まで話すのが下手すぎて、なにを言っているか分からないと学校でも言われていて。例えば、話したいことが2つあるなら、最初に2つあってと言った方がいいとか、機械的に改善をしていったんです。学校とかでは役に立つスキルだったし、そこで掴んだものもあるんですけど、人の心を動かすってなった時にそれでは足りなくて。自分自身でも見て見ぬ振りをしていたというか、分かっていた部分もあったんです。それが分かりやすくオーディションでは出てしまっていたので、整理された言葉じゃなくて、その奥をどうやったら話せるか日々いろいろ考えていました。合宿が終わった後に報告メールを渡辺（淳之介／WACK代表）さんに送らせていただいたら、「スピーチ見ていたよ。変わっていた」って言ってくださって。自分が勇気を持って踏み出さないと届かないし、踏み出したら見ていてくれる人はいて届くんだなと思えたんです。いまは、人に届く伝え方をもっともっとできるようになったらいいなと思って活動しています。
──それこそ渡辺さん扮するJJ.PARKは言葉がすごく少ないですもんね。
アイナスター：そうですね（笑）。オーディションで渡辺さんからぽろっと出た言葉から考えることはすごく多くて。例えば、迫力が伝わってこなかったって言われたら、じゃあどこだったんだろう？ って、いくらでもこっちの想像力で改善できる幅があるなって。言葉ってすごく難しいなって思います。
──そういう意味だと、合宿の時で「これ以上どうしたらいいんだ」という表情をしながら、パフォーマンスを全力でやっていたときに、アイナスターさんの気迫をものすごく感じました。
アイナスター：やっぱり人が魅力を感じたり心を奪われるのって、その人の心の奥底にある、ちょっと汚いところだったり上手くできないところが見えた瞬間なのかなと思っていて。他のメンバーだったり、PARADISESさんと一緒にやらせていただいて、私はそういうところで新たに引き込まれるところがたくさんあったので、そこが大事なのかなと思います。
5人が集まったら絶対すごいものが生まれるって過信していた
──PARADISESのメンバーと一緒に活動をしてみて、企画が始まる前に持っていたグループのイメージと変わりましたか？
アイナスター：変わったというより、新しく知ったという感覚があります。パシフィコ横浜のリベンジライヴの時から思っているんですけど、PARADISESさんのライヴって幸福感がすごいなって。ライヴを観ると自然と笑顔になるというか勝手に幸せになれる空気感がすごくあるんです。パシフィコの時は、そこになにがあるのかまで理解できていなかったんですけど、一緒にいさせてもらえるようになってからは、グループに対しての素直さだったり、グループへの愛がきっとそうさせているんだろうなと思っていて。PARADISESさんはお客さんへの愛もすごくあるなっていうことは強く感じています。
──12月13日には、愛知県・名古屋市公会堂でPARADISESとWAggの2マンライヴが開催されました。もしかしたらWAggがPARADISESよりいいライヴをするんじゃないかなと期待して観に行ったんですけど、渡辺さんの評価もそうでしたが、合宿の勢いがWAggのライヴには反映されてないように感じました。WAgg5人体制初めてのライヴでしたが、振り返ってみていかがでしたか。
アイナスター：今までソロ審査だったり、鎌倉のSHOWCASEで1人1人一緒にやらせていただいた時は、頑張れ頑張れ、お互いいける！ みたいに言い合ってやっていたんですけど、名古屋公演は「今日は楽しみ」って楽屋でもメンバー同士で言っていて。1人1人の成長を間近で見てきたからこそ、5人が集まったら絶対すごいものが生まれるって過信していた部分がすごくあった。WAgg1人1人に足りないことがあって、変わるべきところがたくさんあるのに、今あるものをすごく信じてしまっていたんです。パフォーマンス中に、ふとメンバーの顔が見えた瞬間があったんですけど、パシフィコでライヴをしたときに見えたキラキラ感とはまた違った顔をみんなしていて。その顔を見た時に初めて気づいたんです。なので、渡辺さんから全員最下位って言われた時に、心が痛くなるような、目を背けたいような心当たりがあるという状況でした。
常にアイナスターとしての限界を更新していきたい
──〈PARADISESの素晴らしき未来〉のテーマ曲である「PLEASE LISTEN TO MY」は、アイナスターさんにとってどんな曲になっていますか？
アイナスター：サビの〈あたまの中を のぞきまくってくれよ〉と〈こころの中を かき乱しまくりたいよ〉って歌詞は、私が伝えたいことと似ていて。本当はパッと頭が開いて、「はい、これを考えています」って見せられたらいいんですけど、それをどう伝えるかが難しいというのは図星としてあって。〈楽しい数だけ 笑った数だけ 不安大きくなっちゃってた〉とかも、クイズ大会で星をもらった時もうれしいはずなのに不安になっちゃったり、Bメロの〈ここから始まるシンデレラ物語だよ〉も、ただの前向きな気持ちじゃなくて、いろいろな気持ちを交えた上で、それでも前に進んでくって所信表明みたいな歌詞で。本当に歌詞のまま自分にも当てはまる曲だと思います。
──頭をパッて開いて観てもらえたら楽ですよね。頭の中では想いや考えがまとまってはいるんですか。
アイナスター：ちょっと遠回りというか、重い話になってしまうんですけど、今まで生きてきた中で傷ついたことがいろいろあって。私は他人を信じることに異常に固執してしまっていたんです。でも、信じるのも信じないのも自分次第じゃないですか。例えば、いまの人生がつまらないなら、変えるのも自分自身だし、自分の中の自分とずっと会話をしているんです。それが殻にこもっているように見えてしまったのかなとも思います。合宿で辻山さん(PARADISES/WAgg現場マネージャー)に「もっと感情を出していいんだよ」って言っていただいたことにつながっているのかなと。私としては出しているんだけどなと思っていたんですけど、そうじゃないんだなって。自分の中で自分と会話をして完結させているところはあります。
──自問自答というか。
アイナスター：もう1人の自分がいるんですよ。「あまり泣かないね」と言われたりするんですけど、それはたぶん第三者目線で見ている自分がいるからかなって。悲しいけど、ここで泣いたらダメだとか、いやいや泣いている場合じゃないだろと思っている第三者目線の自分がいる。ステージに立っている時も、客席にもう1人自分がいるみたいな感覚で、ずっと自分に見られているみたいな感じ。ただ、合宿2日目の審査で最下位を取った時に出た涙や1位を取った時の涙は、第三者の自分がいなくなって、ほんとに自分自身でただ溢れた涙なんだろうなって思います。
──そういう姿が人の心を動かすときがあるというのも体験した2ヶ月だったんじゃないかと思います。
アイナスター：もっと奥底のところを見つめないとというのは、トレーナーの月ノさんを見ていてすごく思うんです。そういう部分を見せた時に、きっと人の心に届くんだろうなということは月ノさんの姿からすごく学んでいます。
──現状アイナスターさんは星が足りず、敗者復活に臨んでいる状況です。WACKは負けた後にどうするのかを大事にしてきた事務所で、逆に言うと、アイナスターさんはWACKらしさを1番見せられるポジションにいるのかなと思います。今の状況からどうやって状況を変えていきたいと思いますか？
アイナスター：敗者復活の救済内容が発表された次の日からCDの販売が始まったんですけど、Twitterとかで、いろいろな人がCDを手にとってくださっていることを書いてくれていて。このオーディションを通して、届けたい人を意識するようになったとさっきお話をしたんですけど、私は未来を続けていくために、どうしてもみんなの力が必要な状況になっていて。Twitterとかで「買ったよ!」っていうのを見たり、完売しったよとか見たりした時に、1人でいたんですけど、自然と涙が出てきたんです。こんなにいろいろな人に支えてもらって活動ができるってことが、なによりすごく幸せだなって。必死にやった先になにかが届いて、受け取ってくれる人がいる。それ以上の幸せってないなと思うぐらいとても幸せで。だからこそ未来を見せられたらと思っています。
──本当にお客さんの声や存在が力になっているんですね。
アイナスター：はい。それを感じたら、下を向いている時間はないなと思いました。見てくれている人がいる以上、下を向いている姿を見せられない。この企画がなかったら、MVだったり、レコーディングだったり、初めてテレビ収録をさせていただいたり、私は見れていなかった景色が多いと思うんです。全部が全部自分1人の力じゃ全く足元にも及ばないというか、0にもなってないなとすごく思う。その感謝を伝えるためには、やっぱりパフォーマンスで心を動かしたい。お客さんの生活にちょっとした希望だったり色をつけられたら、私にとってそれ以上うれしいことってないと思うんです。そのためには、常にアイナスターとしての限界を更新していきたいと思っています。
オーディション企画「PARADISESの素晴らしき未来」特設サイト
https://paradises.jp/event
2020年12月19日（土）20:00~「PARADISESの素晴らしき未来」
https://live2.nicovideo.jp/
■デジタルリリース詳細
PARADISES「PLEASE LISTEN TO MY」
配信URL：https://PARADISES.lnk.to/PLTM
「PLEASE LISTEN TO MY」+WAgg ver. 配信URL
+サアヤイトver.
https://paradises.lnk.to/PLTM_SAAYA
+ア・アンズピアver.
https://paradises.lnk.to/PLTM_ANZU
+アイナスターver.
https://paradises.lnk.to/PLTM_AINASTAR
+ウタウウタver.
https://paradises.lnk.to/PLTM_UTA
+愛ver.
https://paradises.lnk.to/PLTM_LOVE
■イベント概要
PARADISES&WAgg〈PARADISESとWAggの素晴らしき未来 -FINAL STAGE-」FINAL MISSION〉
2020年12月26日（土）@サンリオピューロランド 1Fエンターテイメントホール
時間：Open 16:00 / Start 16:30
特典：PARADISESとWAggメンバーとの囲みサイン入りワイドチェキ付き
[問] サンリオピューロランドゲストセンター 042-339-1111
[受付時間] 9:30〜17:00（休館日を除く）
チケット料金（税込）
【通常チケット】指定席 8,000円（税込・サンリオピューロランド入場料 3,900円込）
※当公演のチケットは全てデジタルチケットでの取り扱いとなります。
※年齢制限／未就学児童入場不可
※写真撮影可能・動画撮影不可となります。
チケット一般販売日
【通常チケット】12/19（土）AM10:00〜
電子チケット発券開始日
12月19日（土）AM10:00〜
