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【PARADISES 連載】Vol.8 ウタウウタ編「今の4人のPARADISESを観てほしい」

StoryWriter

BiSHや豆柴の大群らが所属するWACKの中でキャリアが最も長かったGANG PARADE(以下、ギャンパレ)が2020年4月、2つに分裂して生まれたアイドルグループ「PARADISES」。テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイの4人でスタートを切った。

2020年10月からは、育成ユニットWAggから新メンバーを追加するオーディション〈PARADISESの素晴らしき未来〉が開催。歌唱審査や合宿審査など数多のオーディション審査を経て、12月26日のサンリオピューロランド公演でウタウウタの加入が発表された。同時に、月ノウサギのWAggへの半年間のレンタル移籍が発表され、ファンを中心に大きな衝撃を与えた。

2021年2月28日(日)には、新体制初のワンマンライヴ〈PARADISES RETURN〉をSHIBUYA WWWにて開催、3月3日には1st EP『PARADISES RETURN』をリリースする。そんな彼女たちに迫る個別インタビュー連載。今回は新メンバーのウタウウタに加入後初となるロングインタビューを行った。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


悲しいけど嬉しい気持ちだったWAgg卒業ライヴ

──PARADISESに加入して約1ヶ月経ちますが、毎日いかがですか?

ウタウウタ:楽しいです。今はワンマンに向けた準備が多いんですけど、やることがいっぱいあることはありがたいなと思って毎日過ごしています。

──改めて、〈PARADISESの素晴らしき未来〉の合格者発表で名前が呼ばれたときの気持ちを教えていただけますか?

ウタウウタ:名前が呼ばれてびっくりしていたら、次の瞬間、月ノ(ウサギ)さんのWAggへのレンタル移籍の発表があって。本当にあっという間の出来事で、前にいた月ノさんのファンの人たちが泣いているのを見たら、自分もこれからどうしたらいいんだろう…… と訳がわからなくなって何も考えず泣いていました。

──PARADISESに入るんだという実感はいつぐらいに湧いてきたんでしょう?

ウタウウタ:家に返って、あ、PARADISESに入ったんだ、と思いました。その余韻に浸る暇もなく、レコーディングや作詞など、いろいろ予定が入って。実感というより、めっちゃ忙しくなったので、目の前のことばかり考えていました。

──年明け1月3日には、WAggの卒業公演がありました。合格発表から怒涛の日々の中で迎えたWAggの卒業公演、振り返ってみていかがでしたか?

ウタウウタ:会場のTSUTAYA O-WESTは、WAggのお披露目の場所でもあるんです。お披露目以降もたくさんO-WESTでライヴをやらせてもらっていたんですけど、これまでのライヴとは全然違う雰囲気で。自分の曲が増えてたくさんの人に聴いてもらえると思ったら嬉しいけど、今までやっていた曲ができないのはさみしいなと思いながら歌っていました。

──本来であれば、月ノさんを加えた5人体制でのスタートでしたが、レンタル移籍のため4人でのお披露目になりました。そのあたりはどう考えていましたか。

ウタウウタ:月ノさんが戻ってきた5人体制が完成形、みたいな意見もSNSでいくつか目にしたんです。ユユちゃんがGANG PARADEのときにメンバーのレンタルトレードを経験していたので、トレード時代の話をしてくれて。今の4人体制のPARADISESをいいと思ってもらった上で、月ノさんが戻ってきて5人になることで、もっとよくなれたらいいねってことを話しました。そうなれるようにライヴの仕方とかをすごく考えるようになりました。

しゃべることも含めて自信がついた

──新生PARADISESのお披露目ライヴが、1月30日にKT Zeep Yokohamaの〈WACK TOUR〉で行われました。どんな気持ちで迎えましたか?

ウタウウタ:事前に4人で〈WACK TOUR〉に対する意気込みを話していたんです。BiSHと豆柴の大群と3組で出演したこともあって、初めてPARADISESを観る人も多いだろうから頑張ろうってことを話していて。ユユちゃんとナルハちゃんは、ギャンパレの時はゴリラみたいな勢いでやっていたそうなんです。他のグループと一緒に見られるからみんなバチバチだったということを聞いて、私たちも同じ気持ちでやらなきゃねって。ライヴ中、手を下げているお客さんが多くてもめげずにいこうって言っていたんですけど、みんなやさしくて。初めて見る振り付けでも踊ってくれるお客さんが多くて安心したし、人もいっぱいいて楽しかった。どうしたらPARADISESいいねって思ってもらえるのか、ライヴに対してすごくいっぱいみんなで考えて挑んだライヴでした。

──〈PARADISESの素晴らしき未来〉で、PARADISESのことを考える時間がたくさんあったことがすごくプラスに働いているんですね。とは言え、オーディション期間は、ウタさん自身、悩んだり苦しそうな時もあったんじゃないですか。

ウタウウタ:今まで2年間WAggで活動してきて、自分はグループのことを考えて一生懸命活動をやっていると思っていたんです。でも、実際それができていないんだってことにオーディションを通して気がついて。歌やダンスがどれだけ良くなっても、思い返すと、その意識が足りていなかったのかなと思って。そういう面でオーディション期間中、自分の意識がすごく変わりました。それは今もなんですけど、意識が変わっていっているなって感じます。

──PARADISESで活動をはじめて、自信がついた部分もあるんじゃないですか。

ウタウウタ:WAggにいた時、私はあまり話すタイプというより、後ろにいるタイプだと思っていたんです。よく喋る子が話してくれるからいいかなと思って喋っていなかったんですけど、PARADISESに入ってからは、MCだったり、インタビューだったり、話す機会が多くて。オーディション中にも実感したんですけど自分の考えを話せるようにならなきゃと思って、頑張って本を読んだり、ラジオを聴き始めて。昨日ヴォイトレに行ったんですけど、ヴォイトレの先生にもめちゃ喋れるようになっているね、いいねって言われて。よかったー! と思って。喋ることもそうなんですけど、自信がついたなと思います。

──実際メンバーになってみてPARADISESはどんなグループだと思いますか?

ウタウウタ:みんなグループのことを考えていて、個人での活動も頑張ってくれている。ユユちゃんは映画コラムをやっていて、ナルちゃんは『今日、好きになりました』に出たり、メイちゃんも常に考えているからめっちゃ喋りが上手い。そういう姿を見ていたら自分もPARADISESのために何ができる考えて活動しなきゃと思うし、すごくグループが好きになりました。

自分のことかなと思えるのが音楽の好きなところ

──新体制で再録したデジタルアルバム『PARADISES (REFRESH ver.)』が1月30日にリリースされました。PARADISESの楽曲全部を歌ってみて、どんなことを感じましたか?

ウタウウタ:PARADISESは明るい曲が多いんです。自分のネガティブな歌い方をしたら合わないから、明るく歌えるようにめっちゃ練習しました(笑)。

──3月3日には1st EP『PARADISES RETURN』がリリースされます。ウタさんの作詞曲が3曲入っています。1曲ずつ聞かせていただきたいのですが、「Youth Song」はどんなことを思い描いて書いた歌詞なんでしょう。

ウタウウタ:この曲はオーディションの作詞審査の課題曲だったんです。作詞がほぼ初めてで、ペアだったユユちゃんが、どういう感じで書いているのか1から教えてくれて。ユユちゃんは、昔のことから今の自分の気持ちの変化とかを書くことが多いそうなんです。「昔のことを思い出して書いてみたらいいんじゃない?」って言ってくれて。それで、北海道にいた時のことを考えて書きました。

──地元・北海道時代は、ウタさんにとってどんな時代なんでしょう?

ウタウウタ:北海道にいた時はずっと家にいて、音楽ばかり聴いていたんです。音楽がずっと好きだったので。だから、そのときを思い出して書いてみました。

──続いて「cry wanna」は、どんなことを書いた曲?

ウタウウタ:これもオーディションの時に書いたんですけど、仮歌がめっちゃ印象的だったんですよ。「茶碗蒸しだ!」という仮タイトルで何を言っているか分からなくて。自分には無理だと思っていたんですけど、ユユちゃんから「聴こえた言葉とか、音に当てはまりそうな言葉を入れてみたら?」って言われて、仮歌を聴いていて、当てはまりそうと思って入れた言葉です。

──「cry wanna」と「暗い罠」がかかっているのもウタさんが書いた?

ウタウウタ:そうですね。茶碗蒸しじゃない言葉で考えて(笑)。

──「visions」はどんなテーマで書いた曲ですか?

ウタウウタ:コロナで無観客ライヴが続いていたとき、WAggを辞めようかなと思っていた時期があったんです。ライヴをしている感覚があまりなくて。それまでWAggは毎週いろいろなところに行って、いろいろな人に会って、ライヴをしていたんですけど、本当に自分の声とかがお客さんに聴こえているのかなと思ってしまって。そういう時期のことを思い出して書きました。

──WAggの卒業ライヴのMCでも辞めようと思った時があったと語っていましたよね。それはライヴができなかったことが大きかった?

ウタウウタ:自分のライヴができなかったこともそうですし、好きなバンドのライヴもなくなっちゃって。ライヴがないことが何より大きかったです。

──広い質問になってしまうんですけど、ウタさんは音楽のどんなところが好きですか?

ウタウウタ:聴いていたら、どこかしらで共感できるところがあるじゃないですか。それは聴いている私が一方的に思っているだけなんですけど、自分のことかなと思えるのが音楽の好きなところなんです。

──EPの1曲目「PARADISES RETURN」は、渡辺(淳之介/WACK代表)さんと松隈(ケンタ/サウンドプロデューサー)さんの作詞曲です。渡辺さんの歌詞は、グループに対するメッセージだったり、今の状況を書くことが多いと思いますが、この曲を歌いながらどんなことを思いますか?

ウタウウタ:渡辺さんが書く歌詞はグループに向けている、ってことをユユちゃんから聞いて。PARADISESの中心的存在の月ノさんがレンタル移籍して、メンバー自身も私もめっちゃ不安で。そんな中でも、渡辺さんは「踏ん張って頑張って」って言ってくれているのかなと思って。もっと頑張らなきゃというか、そういう気持ちになります。自分は本当に頑張っているつもりでも、結局あまりそうじゃないんじゃないかという時があって。だけどこの曲を聴くと、あらためて自分はオーディションで本当に限界まで頑張れていたと思えるし、その気持ちを忘れず頑張らないと、と思えるんです。

──2曲目の「アレキシサイミア」はユユさんが書いている歌詞ですが、ユユさんの歌詞はどういうふうに感じますか?

ウタウウタ:私も作詞をしたけど採用はされなかったんですけど、私の歌詞とは全然違くて。ユユちゃんはすごくおもしろい言葉選びをしていて。女子校の友達と喋っていた時に、恋愛観が歪んでいるみたいな話になったときのことを書いたと言っていて。曲調にもあっていて、すごくおもしろい曲なんですよ。

──ナルハさん作詞曲「消えないもの」についてはいかがでしょう?

ウタウウタ:ナルちゃんの曲は歌詞がまっすぐなんですよ。「ここから始まりって何回目だろう」って、めっちゃいい歌詞だなと思って。はっきり言葉が伝わるところが、ナルちゃんのすごくいいところだなと思って歌っています。

──振り付けは、どうやって考えているんですか?

ウタウウタ:『PARADISES RETURN』は、みんなで考えて持ち寄ったものを組み合わせて作りました。「アレキシサイミア」はメイちゃん、「Youth Song」と「cry wanna」は私、「消えないもの」はナルちゃん、「visions」はユユちゃんが骨組みを考えているんですけど、こっちの方がいいんじゃない? ってみんなで喋りながら作っていきます。なのでほとんど4人で作っていますね。

──ウタさんが振り付けを考えるのは初めての経験なんじゃないですか?

ウタウウタ:初めてです。WAggの時も、オリジナル曲の振り付けは愛ちゃんとアンちゃんが考えてくれていて。今回やってみて振り付けはすごく難しいなと実感しました。1曲の中に音がいっぱいあって。どの音に合わせるのか、歌詞に合わせたらいいのかとか、音の取り方だけでもめっちゃいっぱいあって。どの音にハマったら1番いいのか考えながら振り付けを作るのが難しかったです。

──最終的にみんなですり合わせた部分はあると思いますが、「Youth Song」と「cry wanna」はどんなテーマでそれぞれ振り付けを考えたんでしょう?

ウタウウタ:「cry wanna」は明るい曲調なので、楽しい感じの振り付けを考えました。サビは、みんなが一緒に踊れるような振り付けで考えていて。どっちもサビは本当に単純で一緒に踊れるようになっています。単純だけど見たことある動きだとおもしろくないから、そこを苦戦しながら考えました。

──「Youth Song」はいかがですか?

ウタウウタ:この曲の振付はすごく悩んで。ユユちゃんが「青春っぽい動きとかにしたらいいんじゃない?」って言ってくれて、サビとかもそれっぽい動きにしていたり、みんなで一緒に考えてもらって作りました。

ライヴを通して自分のことをもっと知ってほしい

──2月28日(日)には、SHIBUYA WWWにて初ワンマンライヴ〈PARADISES RETURN〉を開催します。自分の作った歌詞や振り付けなど、ウタウウタの表現が出せるステージでもあります。それは嬉しい気持ちなんじゃないですか。

ウタウウタ:自分の見せ方をPARADISESに入ってからめっちゃ考えていて。WAggはわりと人数が多かったので、個人というよりもみんなで揃えることを意識してやっていたんです。PARADISESはもっと個人が色を出せるというか、自分はこう、ユユちゃんはこう、ナルちゃんはこう、メイちゃんはこうみたいな個人の部分を分かりやすく出せたらいいねって。自分の魅せ方だったり、キャラクターを見せられたらいいなと思っています。

──2月7日に大阪Zepp Osaka Baysideで開催された〈WACK TOUR〉は、すごくいいライヴだったといろんなスタッフから耳にします。BiSとの対バンだったんですよね。

ウタウウタ:ライヴ前に、研究員(BiSファンの総称)が圧倒的に多いよねって話を4人でしていて。BiSとPARADISESは、真反対じゃないですか? 同じ土俵で戦おうとしても圧倒的に負けてしまうから、真逆に振り切ってPARADISESらしく行こうってことを話して。真逆だからこそ怖かったし、すごくビビリながらだったんですけど、自分たちらしく研究員にも好きになってもらえるように頑張ろうってライヴに挑んだら、お客さんがサビだけじゃなくてAメロ、イントロからアウトロまでずっと踊ってくれたんです。

──手応えがすごくあった?

ウタウウタ:そうですね。BiSのお客さんもライヴを楽しんでくれたのかなと思えて、私たちもすごく楽しかったです。

──そんな中で迎える初ワンマンへ。意気込みを訊かせてください。

ウタウウタ:今までPARADISESを好きだった人にも、初めて観に来る人にも、ライヴを通して自分のことをもっと知ってほしい。今の4人のPARADISESで完成って思ってもらえるようなライヴにします。もっとPARADISESを好きになって、みんなの気持ちを掴みたい。今の4人のPARADISESを観てほしいです!


■ライヴ情報
〈PARADISES RETURN〉
2021年2月28日(日)@SHIBUYA WWW
時間:Open 16:30 / Start 17:00
[問]KM MUSIC 045-201-9999
チケット料金:通常チケット指定席 5,000円(税込)※SOLD OUT
※当公演のチケットは全てデジタルチケットでの取り扱いとなります。
※年齢制限/未就学児童入場不可
※写真撮影可能・動画撮影不可となります。

■商品情報
PARADISES『PARADISES RETURN』
発売日:2021年3月3日(水)
品番:WPCL-13276
価格:2,420円(税込)

収録曲:
1. PARADISES RETURN
2. アレキシサイミア
3. Youth Song
4. cry wanna
5. 消えないもの
6. visions

PARADISES公式 WEBサイト:https://paradises.jp/

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