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BiSHや豆柴の大群らが所属するWACKが手がけるGANG PARADE(以下、ギャンパレ)が2つに分裂して生まれたアイドルグループ「GO TO THE BEDS」。ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソンの5人で、2020年4月より活動をスタートさせた。

2020年7月にはグループ初となるフルアルバム『GO TO THE BEDS』をリリース。9月には1週間無人島でのサバイバル生活を行う企画を行い、2021年元日から10日連続ワンマンライヴを中野heavysick ZEROで開催、年間200本ライヴの目標を掲げた。1月には1st EP『REINCARNATION』をリリースし、3月には都内10箇所を巡るライヴハウスツアーを完遂した。

そんな彼女たちに迫る個別インタビュー連載が2周目に突入。第4回目は、ユメノユアにインタビューを実施。2020年末のMV撮影、無人島生活の振り返りから、2021年のライヴのこと、現在のGO TO THE BEDSまで話を訊いた。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


ライヴはその時の感情をより乗せられる大切な場所

──GO TO THE BEDSは、2月末より都内10箇所16公演を廻るライヴハウスツアー〈FEAR OF THE DARK TOUR〉を行ってきました。現状で、これだけ精力的にライヴを行うグループも珍しいですが、やってみていかがでしたか。

ユア:昔のように戻るまで時間はまだまだかかると思うんですけど、お客さんとライヴハウスの距離感で会えることが幸せだし、毎公演終わるごとにポカポカした気持ちになりました。ライヴハウスに行く選択が難しい中で来ることを選んできてくれたファンのみんなだったり、今できる精一杯をやろうとツアーを組んでくださったスタッフさん、協力してくださっているライヴハウスのみなさんがいてくださってこそのツアーで感謝しかない時間を過ごさせてもらっています。

──元日に年間200本ライヴを掲げたじゃないですか。GO TO THE BEDSの肝はライヴだという表明なのかなと受け取りました。

ユア:そうですね。やっぱりライヴはすごく大切にしていきたくて。自分たちの感情も、自分たちが書いている歌詞も、渡辺(淳之介/WACK代表)さんが書いてくださっている歌詞も、そのときにしか生まれない生感があると思うんです。ライヴはより生っぽいというか、その時の感情をより乗せられる大切な場所なんです。

──少し話が遡るんですけど、「現状間違いなくGO TO THE BEDS」のMVで、最後ユアさんの苦しそうなシーンで終わるじゃいないですか。あれは、どういう状況だったんでしょう?

ユア:体力的にも気持ち的にもオーバーヒートしてしまったんです。

 

──気持ち的にオーバーヒートというのは、どういう状況なんでしょう。

ユア:渡辺さんが私たちに頑張れよって気持ちだったり、いろいろな意味を込めて歌詞を書いてくださっているんですけど、自分はそれをプラスな意味で消化しきれなかったところもあって。もう辞めた方がいいのかな…… みたいなマイナスな気持ちに引っ張られてしまったんです。そういう状態で自分で聴いて、踊って、歌ってを103回もやっていた時に、ああ…… って気持ちになってきちゃって。

──たしかに普段、感情を込めて歌っているから、マイナスに解釈してしまうと自分にグサグサ向かってきてしまいますよね。

ユア:それでもやらなきゃいけないというか、そんなことで折れるなよって自分にも思っていて。あの歌では「諦めてくれ」とか言っているけど、その反対の部分に真意があるんじゃないかと捉えるようにしていて。今は、いつかこの歌を跳ね返してやるって気持ちでパフォーマンスできているんですけど、MVを撮った時は、悔しさと自分の不甲斐なさ、そういう気持ちで終わった瞬間にああいう状態になってしまいました。

──構成として、初期BiSの全裸PV、BiSHのMV「BiSH -星が瞬く夜に-」、3期BiSのMV「CURTAiN CALL」と、これまでWACKの歴史をトレースした内容になっていました。それをやることに対してはどういう気持ちでしたか。

ユア:あの構成で撮るって聞いた時はすごくうれしくて。自分たちもWACKを代表するチームになりたい気持ちがあるから、ポジティブな気持ちとネガティブな気持ちが混在していたんです。話題になったMV作品を3パターンやらせてもらうってことは、この曲がすごく大切なんだよという渡辺さんからのメッセージだろうなとも思ったし、ありがたいなって気持ちが1番大きかったですね。

自分のできないことも認められるようになった

──その後行った、1週間に渡る無人島生活はどうでしたか。

ユア:無人島はすごくいい経験をさせてもらったと思いますね。5泊6日でメンバーのいいところをより深く知れたし、自分ができないことを周りの子ができるんだなと思って頼ることが別に悪じゃないと思えて。すごく頼れるんだなこの人たちはとあらためて思ったし、あの環境だからこそそういう気持ちになりました。

──無人島ではオーバーヒートしなかった?

ユア:無人島は意外とならなかったですね(笑)。電子機器が一切なく、情報が遮断されていたので、無駄なことを考えないで済んだというか。普段いろいろなニュースが流れてきて自分の感情が動くんですけど、無人島では今を生きなければいけない。その日の食事をどうするとか、イカダ作りをどうやるとか、火をどうするかみたいな。それが必然的にグループのことを考えることにもつながって。普段だったら、これもやらなきゃ、あれもやらなきゃとか、焦ってしまうことが多いんですけど、そういう意味で情報が少ないと、より感覚が鋭くなっていった。そういう意味でも、おもしろいなと思いましたね。

──情報が遮断されていた方が、ユアさんにとって生きやすかった。

ユア:私、自分がそうなんだなってそこで思いました(笑)。あそこには5人しかいないから、他の4人とどう接するかだけでしかなかった。今振り返ると、そういう意味ではすごく生きやすかったのかなって。

──無人島生活をしたことで、グループに何かしらの変化はありましたか?

ユア:しゃべりやすくなった空気感は感じますね。無人島で5人お互いを頼り合って生活したことによって、自分のできないことも認められるようになった。自分ができなくても周りが助けてくれることもある。そういうところで他者を頼ることを学んだし、ダメなことはダメって注意し合える関係になったのかなって。そういう変化はすごくあると思います。

──年末にはGANG PARADE時代から恒例になったピューロランドでのワンマンも開催されました。グループの節目の場所になっているんじゃないですか?

ユア:コロナ禍の状況だし、グループもギャンパレから2つに分かれたし、今年はどうなるか分からなかったんです。なので、ライヴができることが決まった時、すごくうれしくて。

──ユアさんが好きなクロミちゃんは、もはやマイメンって感じ?

ユア:そうですね(笑)。例年だったら曲中に抱きついていたのに、それができないから、ちょっとさみしかった。でも「会うのが3年目だけど友だちですか?」って訊いたら「うん」って言ってくれたから、もうマイメンです(笑)。

──あははは。その時期に、突然キラキラの衣装とティザーを発表しました。元旦に、それがフェイクだったとわかるMVが公開されるわけですが、発表するまでの期間は、どんな気持ちでいたんでしょう?

ユア:キラキラの衣装に関しては、これ、大丈夫かな? みたいに思われたらどうしようかなと(笑)。キャリアも長くなってきているので、「あの人たち方向転換するの? だったらもうついていけない」みたいな空気になったらどうしようと思っていたんですけど、解禁したらしたで意外とかわいいじゃんみたいな声が多くて(笑)。きっとこれ裏があるよってTwitterで盛り上がってくれていたので、あ、よかったーって(笑)。

 

──マイカさんも、これがずっと続くと自分自身がきついって言っていました。今さらああいう格好は恥ずかしい?

ユア:恥ずかしいですよー。しかも自分は色がピンクなので。ピンクのフリフリはもうTHEアイドルというか(笑)。ドクとかはまた白黒だからいいんですけど、ピンクのフリフリは大丈夫かなって思いましたね(笑)。フィッティングの時に、そってぃー(外林健太/WACKの衣装、写真を手がける)さんから「ユアが1番似合ってる」って言われて、それを胸に頑張ろうと思って(笑)。

──2021年になった瞬間にハードなMVを出して、本当にスタートダッシュを決めました。しかも元日からは中野 heavysick ZEROでの10日間連続ライヴ。ギャンパレ時代に4日間連続ライヴも行いましたが、いかがでしたか。

ユア:ソーシャルディスタンスをとって、お客さんが10人しか入れなかったので、1人1人目を見て濃い時間を過ごせたのではないかなと思っています。毎回お客さんが違うので、そういう意味ではライヴの空気感も全部違った。元旦からの10日間に選んで来てくださっているので、何かを持って帰ってもらいたくて。ワクワクして楽しんで来てよかったなと思ってもらえるライヴを全員にちゃんと届くようにやることを、いつも以上に意識してライヴはやっていましたね。

──heavysick ZEROは初期BiS初ワンマンの場所でもあり、渡辺さんにとって思い入れのある場所ですが、ユアさんもやっぱり気合が入る場所ですか?

ユア:思い入れのあるライヴハウスは何箇所かあるんですけど、heavysickはすごく気合の入る大切なライヴハウス。成長した時に帰ってきたいなと思う場所の1つですね。

ファンの存在は自分にとって大きい

──1月にはEP『REINCARNATION』がリリースされました。この作品はGO TO THE BEDSにとってはどんな作品になりましたか。

ユア:GO TO THE BEDSにとって転機とまでは言えないですけど、変わるきっかけになる作品だなと思います。渡辺さんが書いてくださっている「マジ神」もそうだし、生きることにしがみついた結果、一周回ってもっともっと頑張ろうみたいな意思を感じる歌詞も多いんです。ライヴをたくさんやっていく宣言をした中で、この作品と一緒にのぼっていきたいなという気持ちがありますね。

──前作ではユアさんがSNSのことを社会風刺的な歌詞で書いていました。今作で作詞する時はどんなことを意識して書いたんでしょう?

ユア:『REINCARNATION』では「Rebirth」の歌詞を書かせてもらっているんですけど、社会風刺というより自分の気持ちというか。コロナ禍で消えてしまいたいくらい落ち込んでいた時があったんです。でも、やっぱり生きていたいと思えた瞬間があって。私はマイナスになっちゃうと、すごく落ち込んじゃって周りが全部敵に見えるんですよ。でも実は、ご飯おいしいとか、好きな人達と連絡とっている時はうれしいなとか、友だちと遊んだ時楽しいなとか、小さい幸せって身近に転がっている。それに気づけない状況に自分もなってしまうから、「Rebirth」に自分も支えられていて。聴いてくれる方にもそう思ってもらえたらいいなと思って書きました。

──ユアさんはどん底まで気持ちが落ちたとき、何が引き上げてくれる?

ユア:いろいろ積もり積もって気持ちが落ち込むので、晴れる時も徐々に変わっていくんです。周りの人に対してありがとうの気持ちが生まれてきたり、敵に見えていたものが敵じゃないと思えるようになっていく。お客さんと会う機会があると、一気にもっと頑張らなきゃと思えるんです。それはSNSでもそうなんですけど、ツイートした時の反応とか些細な一言とかでもうれしいし、この人が自分たちの音楽を求めてくれているならもっと頑張らなきゃなみたいな気持ちになります。ファンの存在は自分にとって大きいと思います。

──カウンセラーの先生が言っていたんですけど、無条件で受け入れてくれる人が周りに1人でもいると全然精神的にケアされるそうなんです。ユアさんとファンの関係性はそこがしっかり築けているのかなと聞いていて思いました。

ユア:今ファンのみんなをすごく頼ってしまっているから、そこはもっと自分たちが引っ張っていけるようになりたい。私にとってのファンのみんながそうであるように、GO TO THE BEDSを好きな人にとっても自分たちがそういう存在にもっとなりたいし、そういう人が増えたらいいなと思っています。

──GO TO THE BEDSはもうすぐ活動1年になるんですよね。

ユア:そうなんですよ。この記事が出る頃にはちょうど1年が経ちますね。

──逆に言うと、1年前はまだギャンパレだったんですもんね。

ユア:そうなんですよ(笑)。サキちゃんとのライヴができなくなってどうしようみたいなことでバタバタしていた時期でしたね。

──ギャンパレから派生したPARADISESのことは気になったりしますか?

ユア:別れた当時は比べてしまっていたんです。でも今は、PARADISESだけじゃなくWACKの他グループのことも同じように見ているし、WACKだけじゃなくてもうちょっと広い視野で比べるようにしていて。ライバル関係である人たちはそこだけじゃないから、もっと多くの視野で見るようになりました。

──それは自分のラジオ番組をやっていることが役に立っている?

ユア:一緒にやってくださっているジョー横溝さんが音楽歴の長い方たちをゲストに連れて来てくださることが多くて。そういう人たちと喋っていると、自分はまだまだペーペー過ぎるなと改めて思うんです。芯があるからこそ何十年も第一線で活躍されている方々ばかり。自分の芯をすごい大事にしなきゃいけないと、お話を聞くと改めて思いますね。そういう人がかっこよく見えるし、ブレてたらダメだなと思って。

──どこでチャンスが来て、どうなるかは分からないですもんね。

ユア:続けることの大切さは感じますよね。自分の意思はあっても続けられない人たちもいるし、そんな中でこんなにライヴもさせてもらえることは本当にありがたい。だからこそ売れたいし、もっと頑張らなきゃいけない。GO TO THE BEDSは、続けることの大変さをすごく知っているグループだから、それを強みにしていたいんですよね。

自分たちの武器に変えていくのがアイドル

──3月21日からはWACK合宿オーディションが開催されます。今年はグループを代表してココさんが行きますが、どんな心境でいますか?

ユア:ココ、頑張れ! という気持ちで応援しています。合宿は本当に何が起こるかわからないじゃないですか。必ずと言っていいほど新メンバーが入ったり、トレードがあったり、合宿で何か起こり続けているグループだと思うから、そこに関しては何が来ても、やってやるぞって気持ちが年々増していますね(笑)。

──去年はギャンパレが2つに分かれると発表されたわけですし、たしかに一番影響受けているグループですね。

ユア:そうなんです。でも何があってもやるしかないですからね。それを自分たちの武器に変えていくのがアイドルだと思うから。私たちはアーティストじゃないので、そういう変化にも適応していかないといけない。

──GANG PARADEやGO TO THE BEDSでの活動を追ってきた身としては、アイドルってなんなんだろうとすごく考えます。

ユア:周りの友だちからも「アイドルっぽくないよ、ユアは」って言われるんですよ。でも、自分の中のアイドルの定義は、やってもらっているか、やってもらっていないかの違いでしかなくて。曲を作ってもらっている、衣装を作ってもらっている、企画を出してもらっている。全部誰かの助けがあって、それを表現するのがアイドルだと思うんです。自分たちでこうしたい! ああしたい! とか、衣装や曲の方向性、ステージ上の表現だったり全部を自分たちでとなった時はアイドルじゃないと思うんですけど、誰かの力を借りている限りはアイドルだと思っている。

──GO TO THE BEDSは無人島に行って、自分たちの力だけで生き抜いたりしているわけで、アイドルの概念をだいぶ拡張している気がします(笑)。

ユア:それぞれの人にとっての固定概念を私は壊したいんです。

──そういう意味ではもうめちゃめちゃ壊していると思いますよ。

ユア:自分自身もなんですけど、このライヴはこうしなければならないって考えがどうしても蓄積してきてしまっていて。そこも別に捕われなくたっていいんじゃないかなって。1回自由に自分の思うようにやってみて、失敗したら失敗したで、また頑張ればいいんじゃないかなと思うんです。逆に型にはまりすぎて、これしかできないです! となっちゃう方がもったいないですし。

──そういう意味では、どういう方向に進んでいくのか楽しみにしています。ユアさんが今考えるGO TO THE BEDSでの展望を最後に教えていただけますか。

ユア:私たちは売れないといけないと思っています。今の状況が何年も続くとは思ってないというか、今のままで2、3年も持たないと思うんですよ。地味に続けていくことはできるかもしれないけど、それはかっこいい続け方じゃない。この業界は売れないといけない。私たちは歴も長いから突発的に売れるとは思ってなくて。もちろん、何かがきっかけでみつけてもらえるかもと期待もしつつ、一歩一歩進んでいくタイプだと思っているから。その中で、自分達が勝負を仕掛けられるタイミングになったら、もっと多くの人に見て貰う為に全国へライヴをしに行きたいです。そういう夢と希望を抱いております。


■イベント情報
〈GO TO THE BEDS OVERTAKE TOUR in SHIBUYA〉
2021年4月12日(月)@渋谷・TSUTAYA O-WEST
open/start 18:00/18:30
2021年4月18日(日)@渋谷・TSUTAYA O-nest
1部公演 open/start 12:30/13:00
2部公演 open/start 15:00/15:30
2021年4月23日(金)@渋谷・TSUTAYA O-nest
open/start 18:00/18:30
2021年5月2日(日)@渋谷・TSUTAYA O-Crest
1部公演 open/start 12:30/13:00
2部公演 open/start 15:00/15:30
料金:座席指定 3,500円(税込)
【受付URL】http://w.pia.jp/t/gttb

■ ニコニコ生放送「【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2021完全密着 6泊7日の死闘」
配信日時:2021年3月21日(日)~
配信URL:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv330779980

■ ニコニコ生放送「【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2021完全密着 6泊7日の死闘」
配信日時:2021年3月27日(土)~
配信URL:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv330779981

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