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【現地レポート】WACK合宿オーデ4日目③ーGANG PARADEがパフォーマンス審査で1曲だけの復活、動きはじめた合宿オーデ

StoryWriter

レベルが高い印象を持ちつつ、候補生たちの突き抜ける兆しも感じられない。そんなやもやした気持ちを感じる「WACK合宿オーディション2021」。

そんな空気をぶち壊す渡辺淳之介の一手が指された。

合宿4日目の昼のパフォーマンス審査は、BiSH「オーケストラ」と豆柴の大群「豆柴の大群- お送りするのは人生劇場-」。わずか数時間で2曲の振付を行う審査はこれまでにはない課題だ。それは、なかなか突き抜けることのできない候補生やメンバーを揺り動かそうという一つの手段のはずだった。

しかし、それでも雰囲気は大きく変わらなかった。渡辺はパフォーマンス後、下記のような評価を下し、夜のパフォーマンス審査に新たな課題を与えた。

「全員大差はないです。特に候補生の子たち。あと3日もないです。この中でどうやって突き抜けるか。何万人の中で1位目指す世界なのに、候補者9人しかいないここでやれなくてどうする。がんばっているのは認めるけど、突き抜けていない。それに対してメンバーもサポートしてあげられない。自分たちが1番厳しい世界だってわかっているじゃないですか? もっと上を目指してやらせてあげるべきじゃないんですか? 夜のパフォーマンス審査で最下位になると、そのままお帰りいただく形になります。気負わず、自分が何をしたかったのか初心に帰ってがむしゃらにすべてをぶつけてください」

課題曲に選ばれたのは、POP〜GANG PARADEの「pretty pretty good」だった。もともと候補生に渡されていなかった曲だ。チーム分けも、現役メンバー同士、候補生同士という振り分けになった。予習をしてこなかった楽曲をどのように練習して披露するのか。メンバーと候補生たちの地力が試される。

なお、WAggのア・アンズピアは持病の腰痛悪化に伴い参加を辞退。渡辺は「このオーディションだけがゴールじゃない。お前の目標はもっと大きなところにあるから」と伝え、アンズピアは泣く泣くだが未来を見据えて合宿場を去った。

■ココ・パーティン・ココ チーム
ココ / アイナスター

■テラシマユウカ チーム
テラシマユウカ / もしもしチャン / バアユ

■ミユキエンジェル チーム
ミユキエンジェル / PAST EMPiRE / テラタイリク・ユウカ

■チャントモンキー チーム
チャントモンキー / 月ノウサギ / イギー / コーラ

■YU-Ki EMPiRE
YU-Ki EMPiRE / YUiNA EMPiRE / メインディッシュ・アカネ

■リンリン
リンリン / コユキ・デーモン / キミドリコ / コトチャン

順位
1位……チャントモンキー
2位……ココ・パーティン・ココ チーム
3位……ミユキエンジェル
4位……テラシマユウカ
5位……リンリン
5位……YU-Ki EMPiRE

19時30分からのパフォーマンス審査 チーム分け

課題曲:GANG PARADE「pretty pretty good」

■YU-Ki EMPiRE / YUiNA EMPiRE / アイナスター
■イギー / もしもしチャン / コーラ
■リンリン / チャントモンキー / ミユキエンジェル
■コトチャン / キミドリコ / PAST EMPiRE / コユキ・デーモン
■テラタイリクアカネ / バアユ / メインディッシュ・アカネ
■ココ・パーティン・ココ / テラシマユウカ / 月ノウサギ

 

19時30分 「pretty pretty good」パフォーマンス審査

そして、19時30分から、「pretty pretty good」のパフォーマンス審査が行われた。

6組のグループそれぞれが披露していったが、本審査までに見せたことのない、ライヴを感じるパフォーマンスだった。中には歌詞を覚えていないグループもあれば、ダンスを忘れてしまうグループもあった。これまでのパフォーマンスでもっとも完成度は低かっただろう。それでも、そこで繰り広げられていたのは、これまでに見ることのできない彼女たちの個性の核だった。

そして、6組目にパフォーマンスをしたのは、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、月ノウサギの3人。いまはGO TO THE BEDS、PARADISES、WAggと別グループで活動しているが、1年前はGANG PARADEのメンバーとして一緒に活動していた3人だ。ちょうど1年前の合宿最終日、グループの分裂が発表された。その3人が、合宿の舞台、しかもパフォーマンス審査で揃いパフォーマンスを行う。ニコ生上でも歓喜のコメントが画面を覆うように流れていく。

彼女たちのパフォーマンスは圧倒的だった。楽曲のオリジナルグループのメンバーということを差し引いても、自信に満ちていて、パフォーマンスは細かい部分までキビキビしていて魅せられる。なにより3人が生き生きとしていた。面談で渡辺の言葉を受けて涙を流していた姿はそこになかった。GANG PARADEが目の前に3分半現れた幻のようであまりに尊い時間だった(※ページ最下部に3人へのインタビューを掲載)。

渡辺は下記のような総評を述べている。

「なんで最初からこれをやらないのかが正直なところです。6位は問答無用で脱落といっていましたが、まだ頑張れそうなので救済措置は取らせてもらおうと思います。みんなの目を見ていても本当に気迫を感じました。これがずっとやらないといけないライヴの最低なんですよ。GANG PARADEの3人も気づいたと思いますが、改めて考えてほしい。これが最低レベルなので、これをやり続けないといけない」

ついに動き始めたWACK合宿オーディション2021。合宿5日目昼の審査は、コント対決が行われる。

 

合宿4日目夜パフォーマンス審査 結果

1位……GANG PARADEチーム(ココ・パーティン・ココ / テラシマユウカ / 月ノウサギ)
2位……イギー / もしもしチャン / コーラ
3位……リンリン / チャントモンキー / ミユキエンジェル
4位……YU-Ki EMPiRE / YUiNA EMPiRE / アイナスター
5位……テラタイリクアカネ / バアユ / メインディッシュ・アカネ
6位……コトチャン / キミドリコ / PAST EMPiRE / コユキ・デーモン

テスト順位

1位……テラシマユウカ(79点)
2位……チャントモンキー(77点)
3位……コユキデーモン(76点)
3位……メインディッシュアカネ(76点)
4位……コトチャン(75点)
5位……ココ・パーティン・ココ(73点)
6位……YU-Ki EMPiRE(71点)
7位……イギー(70点)
7位……月ノウサギ(70点)
8位……アイナスター(67点)
9位……バアユ(64点)
11位……リンリン(63点)
12位……PAST EMPiRE(61点)
13位……コーラ(57点)
14位……ミユキエンジェル(48点)
15位……テラタイリクユウカ(44点)
16位……YUiNA EMPiRE(38点)
17位……もしもしチャン(37点)
17位……キミドリコ(37点)

脱落者

・PAST EMPiRE
・コユキデーモン
・キミドリコ
・コトちゃん

救済措置:ババ抜き

 

INTERVIEW:ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、月ノウサギ

──元ギャンパレメンバーの3人で「pretty pretty good」を披露しました。審査で1位を獲得、ニコ生でも歓喜のコメントが数多く流れていましたが、パフォーマンスしてみていかがでしたか?

月ノ:楽しかったの一言につきます。体育館のステージで1回踊ったんですけど、遊び人(※GANG PARADEファンの総称)で埋まった会場の姿がバッと頭に浮かんできて。当たり前だったけど、大事なことを思い出したんです。

ココ:今回「初心を思い出す」ことと「楽しむ」ことをテーマにやったんです。新人の頃と全く同じ気持ちは取れ戻せないかもしれないけど、3人でギャンパレの曲をパフォーマンスしたり、候補生の子ががんばっている「楽しむ」段階にいこうとしている姿にグッときて。体育館でうちらが「pretty pretty good」を踊っていたら、候補生たちがすごく足をあげたり伝染していった感じがしたんです。顔つきも変わっていった。最下位だったチームの子とかも楽しそうだったから、本当にいい時間だったなと思ってありがたい気持ちになりました。

テラシマ:私は遊び人の顔や掛け声、いろんな色のバンドライトで埋まった客席の景色とかを思い出したりして。練習の途中、最近声を出せないライヴも多かったから、どこでどんなお客さんの声があがるか、月が加入した日の「pretty pretty good」の映像を見たんですよ。それで1回踊ってみようってことになって。正直、覚えていないと思っていたんですよ。でも、3人とも無意識で踊れちゃって。そういう自分に染み付いてきたGANG PARADEで生み出されてきたものを1年ぶりくらいに実感して、これやな! と思いました。いい意味で何も考えていなかったときのことを思い出せたのがよかったなと思います。

──東京にいるメンバーも「pretty pretty good」の動画を送ってくれたそうですね。

ココ:そうなんですよ!

テラシマ:GO TO THE BEDSの他の4人とナルハワールド、最後だけメイちゃんとウタも参加してくれて「pretty pretty good」の動画を撮って送ってくれたんです。

ココ:動画を観て、ぐっときちゃって。正直、最初うちら3人で「私たちエンジョイプレイ」っていうかどうかも迷っていて。

月ノ:言っちゃってもいいのかなって。

テラシマ:全員揃っていない状態で、ギャンパレって名乗っていいのかなって迷っていたんです。

ココ:それをやることで、東京にいるメンバーたちが嫌な気持ちになっちゃったらどうしようと悩んでしまっていた。でもみんなすごく応援してくれて。東京で楽しく「pretty pretty good」を踊ってくれていたので、「代表でやっていきます!」って言わせてもらって。

──ギャンパレ時代のおなじみの挨拶をして、本当に涙が出そうになるような感覚になりました。

月ノ:最初は、この3人でこの曲をやる=絶対に1位を取らないとやばいと考えていたんですけど、3人とも面談で「とにかく楽しめよ」ってことを言われて。「今日の夜だけはギャンパレに戻れよ」って言われてふんぎりがついたんです。

ココ:渡辺さんとの面談のあと、3人ともすっきりして戻ってきたよね。

月ノ:泣きまくってブサイクな顔になってみんな戻ってきて(笑)。でも、ギャンパレをやっていいんだって気持ちがなったんです。そこで挨拶することを決めました。

──パフォーマンス後、憑き物が落ちたような顔をしているというか、雰囲気も違うように見えました。ユユさんはすっきりしました?

テラシマ:スッキリしましたね。PARADISESを始めたとき、自分の歴が1番長いからギャンパレでサキちゃんに任せていたことを自分でやるようになって、どこかでずっと冷静なところがあると感じていたんです。でも、GANG PARADEのときは、そんなことなかったんですよね。「pretty pretty good」をやるまで、今回の合宿もそういう感じがあって。やっと自分になったというか、自分のことのように全部感じられるようになった感じがします。

──今日のパフォーマンスを経て、合宿残り3日間どう過ごしたいと思いますか。

ココ:今回合宿にくるとき、自分の役割やしなきゃいけないことを考えてきたけど、それが100%実施できていたかというとそうじゃなくて。昨日は一発目で一緒にやって落ちちゃった子もいて。そこは悔しい気持ちでいっぱいだったんですけど、候補生と話していたら、自分がいてよかったこともあるって感じられて。候補生が直にがんばっている姿をみると、自分の昔のことを思い出したりもするんです。受かってほしいというよりは、変わって楽しんでほしい気持ちに変わりました。それを最終日まで貫けたらいいなと思っていて。最終的にそれがGO TO THE BEDSや自分にもおまけでついてきたら嬉しいです。

月ノ:「pretty pretty good」をやって、私がやりたかったのはこれだ! と1番に思ったんです。やりたかったことはこれだったし、やらなくちゃいけないこともこれだったなと思った。体育館で練習していて、候補生が見違えるように変わっているのが見えて。自分たちがやればやるほど吸収して自分からついてきてくれようとする。渡辺さんが、「それができるんだったら最初からやれ」とおっしゃっていたんですけど、その通りだと思ったんです。WACKメンバーと候補生のつながりを後数日間続けていきたいし、お互い、いい相乗効果が生み出せたらと思っています。

テラシマ:候補生の子とパフォーマンスすることになって、渡辺さんの言っている「突き抜けろ」とか「グループ感」を言葉で説明してきたんですけど、いまいちパフォーマンスとして出せないことが多くて。今回「pretty pretty good」をやったことで、それを私たちもちゃんと見せることができたし、みんながみんなその域に足を踏み入れたのかなって。でも、そこはまだ始まりでしかなくて、一回やったら終わりということではないので。もっと候補生から引き出してあげたいなと思いますし、私はPARADISESを背負ってきているので、PARADISEDに対するイメージもひっくり返していきたいと思います。

──候補生たちも、ずっと課題曲のパフォーマンスをやってきていたけれど、突然そこにない曲を披露することになって、素の部分がたくさん見えてすごくよかったんじゃないかと思います。

月ノ:どのグループも本当によくて。全部泣きそうになっちゃった。特に最下位のグループは、パフォーマンスのクオリティとしてはダメダメだったかもしれないけど、「pretty pretty good」という曲に対しても、いまの自分の立場にもしがみつこうとしている姿がダイレクトに伝わってきた。「これが見たかった!」という気持ちにめちゃめちゃなったんです。だからこそ渡辺さんは最初「救済なし」って言っていたけど、心が動いたから「救済あり」にしたんだと思うんです。人の心を動かしたからこそそうなった。私たちもそれを生で見せてもらったのが本当によかったです。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

■ ニコニコ生放送「【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2021完全密着 6泊7日の死闘」
配信日時:2021年3月21日(日)~
配信URL:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv330779980

■ ニコニコ生放送「【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2021完全密着 6泊7日の死闘」
配信日時:2021年3月27日(土)~
配信URL:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv330779981

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