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【LIVE REPORT】BiS、初のバンド編成で挑んだ東北ツアー完遂「来年のアラバキにこのメンバーで出たい」

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BiSが2021年8月1日(日)、東北4カ所で開催してきたツアー〈ARABAKI×BiS GiP! -GREAT iDOL PURRiTANS-〉のファイナル公演を岩手・MIYAKO KLUB COUNTER ACTIONにて開催、大熱狂のうちに終幕した。

本ツアーは〈ARABAKI ROCK FEST. 20×21th〉で初披露予定だったスペシャルバンド編成で東北4箇所を巡るツアー。「ARABAKI 20th CENTURY STUPiD BOYS」と名づけられ、日高央(THE STARBEMS)がギター、津田紀昭(KEMURI/THE REDEMPTION)がベース、RONZI(BRAHMAN / OAU)を担当。第3期BiS初のバンド編成でのライヴとして各会場を熱気に巻き込んでいった。

7月22日は岩手・KESEN ROCK FREAKS、7月30日は宮城・仙台GIGS、7月31日は宮城・ISHINOMAKI BLUE RESISTANCE、8月1日には岩手 MIYAKO KLUB COUNTER ACTIONでそれぞれワンマンライヴを行った。

上記ツアーのうち7月30日の現地レポートをお届けする。

7月30日宮城・仙台GIGS

お昼過ぎ。筆者は新幹線に乗り込み東京を経ち仙台駅を目指した。第3期BiS初のバンド編成でのライヴツアーを見逃すわけにはいかないからだ。

仙台駅に到着し、地下鉄東西線に乗って終点の荒井駅で降りる。改札を出て会場に向かって歩いていくとツアーTシャツを着ている研究員(※BiSファンの総称)たちの姿が目に入ってきた。背中には「荒吐」の文字。本来、宮城県で行われるロックフェス〈ARABAKI ROCK FEST. 20th×21〉(以下、アラバキロックフェス)にBiSと「ARABAKI 20th CENTURY STUPiD BOYS」は出演予定だったが、新型コロナウィルスの影響によりイベントは中止に追い込まれてしまった。同イベントへのリスペクトと想いもしっかりこのツアーには込められている。

会場に入ると、イベント制作のGiP! 担当の佐々木渉氏がメンバーたちに笑顔で話をしていた。〈アラバキロックフェス〉へのBiS出演は佐々木氏によるラブコールも大きく、そんな彼とBiS、そしてバンドがこういう形でライヴを行えること自体がとても素敵な光景だ。仙台出身の映画監督・岩淵弘樹氏もカメラを持ってBiSを撮影しているなど、このツアーがとても意味のあるものだということが伝わってきた。

 

開演時間の18時30分になると、日高央、RONZI、津田紀昭がステージに登場。各楽器をセットすると、日高が「今日からこの3人がBiSです!」と挨拶。研究員たちの和んだ拍手に対し、「それくらいの盛り上がりじゃ本物のBiSは見れないんですよ。お前ら、本当にBiSが見たいのか? お前たちは本当に研究員なのか? BiSが見たいですか?」と煽り、最高潮の拍手の中、「それでは、4人を呼びましょう!」とBiSメンバーが登場した。

RONZIドラムのカウントが響くと「LET’S GO どうも」からライヴがスタート。もともとBiSの楽曲はバンドサウンドだが、生のバンド、しかもRONZIの信じられなくらい力強いドラム、津田の端正なベース、日高のロックなギターが混ざり合い、スピーカーからとどくサウンドが体にダイレクトに伝わってくる。その上でBiS4人の元気なヴォーカルが乗りダンスを行っている姿は、まさにこの瞬間しか見れないものだ。

「仙台の皆さん、初めまして。私たち新生アイドル研究会BiSです。そして、一緒に盛り上がってくれるバンドメンバーは」と、バンドメンバーがそれぞれ自己紹介。そのまま第3期BiS始まりの曲「STUPiD」、「DESTROY」、「this is not a love song」、「LOVELY LOVELY」と楽曲が進むにつれてメンバーとバンドのパフォーマンスが馴染んでいく。メロコア調の「BASKET BOX」では日高のギターバッキングとコーラスが気持ちよく、バンドならではの心地よさを存分に発揮。続けて「テレフォン」を披露した。

『次やる曲は第1期BiSの「BiSimulation」です』とチャントモンキーが語ると会場は湧き上がった。第3期BiSが過去のBiS楽曲をパフォーマンスするのはこれが初めて。RONZIのドラムカウントに日高のエッジの効いたギターカッティングが加わり疾走感のある同楽曲を披露。振付は第3期BiSバージョンで一気に駆け抜けた。曲終わりに日高が「この曲あげるよ。もうプー・ルイのものじゃないよ(笑)。あとで淳之介(渡辺淳之介 / BiSマネージャー)に聞いておこう」とメンバーに話すと会場は拍手に包まれた。

そして続く楽曲は「HiDE iN SEW」。これは第1期BiSの『BiSimulation』のカップリング曲「Hide out cut」を第3期BiSとしてアップデートした楽曲だ。「BiSimulation」がBiSにとって初めての外部プロデュース楽曲となったことで、松隈ケンタが生み出したエモーショナルな楽曲でもある。この2曲を当時のBiSとは違う4人のメンバーが日高の演奏とともに歌う姿にはBiSの歴史を強く感じさせられた。

そして「kAsAbutA」、「GETTiNG LOST」、「つよがりさん」、「teacher teacher teacher」、「I WANT TO DiE!!!!!」と披露していくと、トギーが『次にやる曲が最後なんですが、津田さんが第1期BiSの時に書いてくださった曲です。「MURA-MURA」って曲なんですけどスカパンクでノリ方があるんですよね。津田さん、教えてください。』とMC。なんと津田がツーステップをステージ上で披露。楽曲が始まると、研究員も思い思いにツーステップで体を揺らし、BiS流のスカパンクを体全身で楽しんだ。そして最後はRONZI考案の3回腕を回してジャンプをするという曲締めパフォーマンスをBiSと共に行い、「以上、私たちBiSと!」「おじさんたちでしたー」と挨拶し、ステージをあとにした。

拍手が収まらない中、BiSとバンドメンバーが再びステージに登場。チャントモンキーがMCを行った。

「なぜ今日バンドとBiSでできているのかというと、アラバキロックフェスがあったからなんです。東北の宮城のアラバキロックフェスというフェスで、BiSは2021年のアラバキにこのメンバーで呼んでいただいていました。出演が決まりましたってなったときは衝撃すぎてみんなで叫んじゃって。嬉しいのと緊張でいろいろな感情になりました。アラバキは中止になってしまったんですけど、アラバキの方々の協力のおかげで同じメンバーで東北ツアーを回れています。アラバキに出ている先輩方、バンドの方々のライヴを見たんですけど、すっごい格好よくて、言葉が出なくなるくらい感動して。こんなライヴがやりたいって思いました。私たちはまだまだなので、もっともっともっともっとパワーアップして、来年のアラバキにこのメンバーで出たいし、出るだけじゃなくて、私がすっごい心が動いたようなライヴを、研究員と、まだBiSを知らない人に届けたいって思いました。それが今のBiSの目標です。研究員とこれからももっともっともっともっともっと一緒に走っていきたいです。またこのメンバーで絶対にここ仙台でライヴしたいって思います。今日は来てくれて本当にありがとうございました。今日は最後まで楽しんでいってください。また会いましょう』

そして、「COLD CAKE」、「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」、「CURTAiN CALL」の3曲をバンドメンバー3人の迫力ある演奏とともに全力でパフォーマンスし、最後は7人で横並びになって挨拶をし大団円を迎えた。

彼女たちは翌日は宮城・ISHINOMAKI BLUE RESISTANCE、8月1日は岩手 MIYAKO KLUB COUNTER ACTIONと移動し、それぞれ熱いライヴを披露。筆者は7月30日の石巻にも同行したが、女川町長や女川町で行われている音楽イベント〈ONAGAWACK〉の実行委員長・高橋正樹氏も駆けつけるなど、BiSを愛する東北の人たちが足を運んでいるのが強く印象に残った。2022年の〈アラバキロックフェス〉で再び、このバンドセットでのライヴを、東北の現地の人たちとともに観ることができることを願い、心惜しいながらも筆者は仙台をあとにした。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

ARABAKI×BiS GiP! -GREAT iDOL PURiTANS-@仙台GIGS セットリスト
1.LET’S GO どうも
2.STUPiD
3.DESTROY
4.this is not a love song
5.LOVELY LOVELY
6.BASKET BOX
7.テレフォン
8.BiSimulation
9.HiDE iN SEW
10.kAsAbutA
11.GETTiNG LOST
12.つよがりさん
13.teacher teacher teacher
14.I WANT TO DiE!!!!!
15.MURA-MURA
EN1.COLD CAKE
EN2.BiS-どうやらゾンビのおでまし-
EN3.CURTAiN CALL

■ライヴ情報
BiS ワンマンライブ「STiLL STONE AGE」
2021年10月23日(土)
OPEN / START:17:00 / 18:00

チケット詳細
https://www.brandnewidolsociety.tokyo

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