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StoryWriter

世の中には、音楽、映画、漫画、ファッション、アートなど、たくさんのカルチャーが溢れている。そして誰しもが何かしらの文化に触れて、影響を受けて成長をしていく。世の中で活躍する人たちは、どんなカルチャーに親しんできたのか? 様々な人のバックグラウンドに迫っていく不定期連載『あの人のカルチャー遍歴辿ってみた』。

第2回は、セクシー女優として活動するうららか麗にロング・インタビュー。デスメタル、ダークサイケ、ハードコア、サイケデリック・トランス、テクノなどにハマり、クラブやライヴハウスにも入り浸っていた音楽オタクな気質を持つ彼女。音楽とセックスの関係など赤裸々にそのルーツを語ってくれた。

取材:上野拓朗
文構成:StoryWriter編集部
写真:西村満


髪の毛が真っ赤になって顔中にピアスを開けて帰りました(笑)

──他媒体のインタビューで拝見したのですが、高校時代は2年間カナダにいたそうですね。

うららか:高校生の時は、ノバスコシア州というニューヨーク上の東海岸の半島にある学校に通っていました。カナダの中でも最もイケてない田舎です(笑)。

──なぜノバスコシアに留学することになったんですか?

うららか:親が決めました。あまり素行がよくなかったので、手に負えなくて海外の田舎に左遷されたんだと思います(笑)。

──留学については最初からすんなり受け入れられたんですか?

うららか:めっちゃ楽しかったですね。最初に入った学校はクリスチャンが多い漁村の田舎of田舎みたいなところで相性が悪くて微妙で。すぐに2個ぐらい離れた地区の学校に転校したらちょー楽しくなりました。

──親御さんも、うららかさんは海外の方が合うだろうと考えていたのかもしれないですね。

うららか:たぶんそういう気持ちがあったんだと思います。中学生の時も夏休みを利用してロサンゼルスへ短期留学に行っていたんです。幼少期から英会話もやっていたので、親的には海外の方がいいと思って留学に行かせたんでしょうけど、髪の毛が真っ赤になって顔中にピアスを開けて帰りました(笑)。

──ご両親の影響で触れたカルチャーはありましたか?

うららか:父は昔から海外のアーティストが好きで。私は4つ打ちのミュージックを掘るのが好きなんですけど、この前、家族で車に乗っていたら、父が昔のハウスのCDを3枚ぐらい持ってきてDeee-Liteをずっと聴いていて、「あ、パパもこういう音楽聴くんだ」という発見がありました。

 

父はオイパンクがめちゃくちゃ好きだったみたいで、私が好きなコックニー・リジェクツというバンドがいるんですけど、コックニーを聴いていたら「なんでお前知ってるの?」となって。「逆にパパはなんで知ってるの?」というところで、「あ、遺伝したんだ」という発見があったり(笑)。コックニーの来日ライヴも何年か前に一緒に行きました。

 

──思春期の頃、他にどういうものを吸収していましたか?

うららか:思春期は日本や海外のアニメを観ていました。所謂アニソンじゃなくて、サウンドトラックをディグっていた時期があったんです。今でもよくアニメを観るんですけど、同じものを何周も観るタイプで。例えば『攻殻機動隊』がすごく好きで、タトゥーも入れるくらい影響を受けています。

──『攻殻機動隊』以外で自分に影響を与えている作品はありますか?

うららか:漫画だと、地下沢中也『パパと踊ろう』。最初に全巻読んだ漫画だと思います。あとは『風の谷のナウシカ』。小学生ぐらいに読んでいた漫画がその2冊と『MASTERキートン』。本だと、その頃はアガサ・クリスティ作品を全巻読破してたり、『ナルニア国物語』、『デルトラ・クエスト』。話の内容が堅めなものか、ファンタジーを好んでいたかもしれないです。漫画は結構インモラルなやつを好んでいました。『湘南爆走族』も読んでました(笑)。子どもって家に置いてあった漫画や本から手をつけることが多いと思うんですけど、私もそうで。小学生の時、母は村上春樹を読んでいた気がします。村上春樹はあまり好きじゃなくて、「キモいな」と思いながら読んでました(笑)。大人になったら、良さが分かるやつですね。

──その頃、将来の夢はありましたか?

うららか:その時は、考古学者か保険調査員か宝石職人になりたかったです。保険調査員も考古学もたぶん『MASTERキートン』の影響で。ミステリーが好きだったので、捜査、推理するのがおもしろいなと思っていました。その頃は『ダ・ヴィンチ・コード』も好きで。あと、川で拾った石とか、山に行った時に取った石をコレクションしていたんです。石の図鑑をボロボロになるまで読んでいたんですけど、自分で作りたかったから宝石職人だったのかなと思います。でも今はAV女優になっていますけどね(笑)。

サイケデリックミュージックでもダークな曲を聴いていた

──素行が悪かったのはいつぐらいですか?

うららか:小学校の終わり頃からです。別につるんで悪さをしていたわけではなく、単純に自分が楽しいことをするのが優先で、それが素行の悪さに見えてしまったんだと思います。例えば漫画を読んでワルに憧れるみたいなことも、興味本位で自分で実行するタイプで。喧嘩がしたかったり、さみしさを埋めるためにとかではなく、ただやってみたいという興味で(笑)。

──その後、将来の夢は諦めてしまったんですか?

うららか:中学に入って即、勉強することをやめました。たぶん、小学校の後半に受験と家のストレスでグレはじめてしまって。中学は都内の私立の女子校に通っていたんですけど、1年生で勉強してなさすぎて一気に成績が落ちて留年の危機に陥りました。剣道部に入れられていたんですけど、あまりにも嫌すぎて。なんとか学校に行かないで済む方法はないかって考えた結果、行ったフリしてサボることにいきついた(笑)。毎日親に捜索されていたんですけど、サボり続けて、ついに行かなくていい権利を得ることに成功しました。それで数ヶ月引きこもっていた結果、仕方ないから地元の公立に転校した感じです。

──私立の女子校から公立の学校に転校したんですね。

うららか:転校先は公立の共学だったんですが治安とイジメがすごくて。もともと女子校だったので、最初は男の子が怖かったんです。転校した日から数日間、学校中の人が私のことを見に来て追い回されました。あと、私立の女子校に行っていると、公立の地元の子たちからは明らかに異質なやつがやってきたみたいな感じで見られて最初から嫌われていました。あまり気にしてなかったんですけど、結構いじめ抜かれたんです。ものが壊れることにはウチの親もむかついていたので、いじめっ子の親を呼び出して謝らせてました(笑)。

──修羅場を何度もくぐってきている感じですか?

うららか:普通よりは多いかもしれない。性格がこんな感じなのと、意外と冷静で。自分でリスクヘッジをしているんだと思います。なんとなく1個ずつ覚悟して、イケるイケないを決めていっている。AV出演もそうですね。親にもバレているんですけど、バレた時は絶望していて。でも、私としてはやりたいことをやった結果と、やりたいことをやるための最短ルートがAVだった。あと、私が変態なのは親も知っているんです。なので、「仕方ないからそれは受け入れてもらうしかないよ」と言いました(笑)。「申し訳ないとは思わないから、それは価値観の違いだね」とずっと言っています。

──さっきは漫画やアニメの話が出ましたが、音楽はいかがですか?

うららか:親の影響もあって、聴き馴染んでいた音楽の種類がメジャーなものではなかったんです。中学の同級生で仲良くなった子がヴィジュアル系を好きでCDを貸してくれてV系をYouTubeで調べていくうちに、デスメタルを発見して。アズ・アイ・レイ・ダイングというメタルコアの大御所を初めて聴いた時に「なんじゃこれ」と思って。デスボイスや、すごく速くてメロディックなところに衝撃を受けました。

 

──ポップミュージックは聴かなかった?

うららか:ディズニー・チャンネルも、ブリトニー・スピアーズやアヴリル・ラヴィーンとかも好きだったんですけど、そこにデスメタルという概念が入ってきて、アズ・アイを聴き始めてから、所謂メジャーどころのスリップノットやキルスウィッチ・エンゲイジとかを聴き始めて悪魔的なものが好きになり、鋼鉄の精神を手に入れました(笑)。

その後、高校ですぐに海外へ行って、向こうの最先端の流行っているエレクトロを聴き始めて。その時、海外ではLMFAOあたりが流行っていて。ホストシスターがイケイケの子でクラブミュージックっぽい音楽を聴いていたんです。すごいなと思ってパソコンでいろいろ調べた時にダークサイケを見つけました。D-DEVILSという悪魔みたいなトランス。

 

そういう人たちを発見して、「この怪しくてゾワゾワするものはなんだ」みたいな。そこで4つ打ちに出会いました。リアーナとかも好きだったし、基本的にはダークめな曲を好んでました。そんな感じで日本に帰ってきてから、全部のジャンルに対してアンテナを張れる状態になったんだと思います。

音楽とセックスの融和性を知った

──日本に戻ってきてからはどんな音楽を聴いていましたか?

うららか:日本ではFear and lothing in Las Vegasがすごく流行っていて。凛として時雨や9mm Parabellum bulletとかも好きだったんですけど、それをきっかけにライヴに1人でいっぱい行くようになったんです。その後日本にも小さいメタルコアシーンがあることを知って、お誘いをいただいて行ってみたらすごく楽しくて。その時メタルコアで有名だったのは、Her Name In Blood、NOCTURNAL BLOODLUSTとか。その界隈がDOGGY HOOD$やNUMBと一緒にライヴをやっていたと思うんですよ。それで、ハードコアの現場にも行くようになりました。

 

そこから横浜のFIGHT IT OUTのシーンにも行くようになって。そのあたりでコックニーを知って、父親と初めて音楽で繋がった来歴があります。一周回った感じです。あと、その時に音楽とセックスの融和性を知ったかもしれない。激しいハードな曲を聴きながらセックスをすると暴力的で気持ちいいんです(笑)。その後に若干ハードコアに飽き始めたんですけど、変化やシーンへの愛がないと、ずっと通い続けるのは難しいなって。FRIENDSHIPっていうバンドが柏でいたんですけど、パワーバイオレンスで、FULL OF HELLというバンドにめっちゃハマって。そこからパワーバイオレンスに行ったんです。

 

──ますますアンダーグラウンドにのめり込んでいったんですね。

うららか:そのあたりからヒップホップも聴くようになりました。もともと知識としてはあったんですけど、マック・ミラーをめっちゃいいなと思うようになって。その少し後ぐらいにリル・ピープが出始めてトラップを聴き始めました。

 

 

そこで初めてケミカルな音楽という概念を知りました。調べた結果、サイケデリック・トランスを発掘して。私、ダブステップが流行った時はハマらなかったんです。メロディックさが足りなくて。サイケデリック・トランスを発見した時、「あ、やばいこれは」と。今まで聴いてきた中で1番イカれてるシーンだと思いました。それで、サイトラのパーティーをFBとかで見つけて行くようになって。レイヴとか、ありとあらゆるサイケのイベントに行きまくった。

 

ガバはちょっと速すぎてエモーショナルじゃないのが微妙だったんですけど、ゴアトランスのイベントに行っていたらテクノとサイケが一緒にやったりすることがあって。ジャンルは違うけど同種の人間が多いと思うんです。そこからテクノのイベントにも行くようになって、bonoboっていうDJにハマってからYouTubeでDJ達のセットリストを聴き続けたり、とにかくパーティーに行きまくってクラブでずっとShazamするようになって膨大に知識が増えていきました。

 

──一度掘るとかなり深くまで掘っていくんですね。

うららか:ここまでハマる理由は音楽が好きなのもあるんですけど、そもそもの気質がオタクなので、音楽がどういう来歴でできてきたのかとかを調べちゃうんです。例えば、ハウス、テクノ、トラップとかって意味分からないけど、どういうルーツがあるんだろうと調べていったら、めっちゃオタクになっていた(笑)。それで音楽関係の友だちもできました。

──ハードコアの現場からサイケデリックの現場というのも、また極端ですよね。でも、両方ともある意味エクストリームで、そういう音楽がお好きなんでしょうね。

うららか:エクストリームに興奮しているんだと思います。19、20歳の女の子が1人で現場に行っているのおかしいですよね。怪我するし(笑)。

──ヒップホップやR&Bはいかがですか?

うららか:R&Bは通ってないです。メロウな恋愛の曲が苦手で、トラップやヒップホップで永遠にドラッグのことを歌っている曲とかも好きじゃなくて。だから、マック・ミラーはめっちゃ好きなんだと思います。彼はドラッグのことをリリックに入れないし、フローがめっちゃ綺麗でトラックもすごい。飽きないですね。あと、アルバム1個ごとで全部洗練されてアップグレードしていく感じが楽しくて、でも亡くなってしまった。好きだったエイミー・ワインハウスも、カート・コバーンも、みんな若くして亡くなりますよね。子どもの頃から映画俳優のリバー・フェニックスも好きだったんですけど、既に亡くなっていました。

──みなさん27歳くらいで亡くなっていますよね。

うららか:最近は27クラブってなくなっているんじゃないですか。もっと早いですよね。

──特にラッパーは早いですね。

うららか:友だちと考察していたのが、今はネットがあって、才能ある人も発掘されやすいから亡くなるのも早いんじゃないかと。最近私が思ったのは死なない人の方がかっこいい。今までは生き急いでいるところに共感性も感じていたんですけど、21歳とかで死んでいくと、「流石に早くね? もうちょっとやれることあったっしょ?」と思うようになってきて。

──27クラブと言われた時代はドラッグだったり、アルコールがあったとは言え、今はSNSが原因となったり、メンタルヘルスも要因が増えていますよね。Twitterでネガティブなことを書かれた時の気持ちって、思春期の子たちは影響されやすいですよね。

うららか:今の子たちってデジタルネイティブの世代でネットリテラシーが高い。リテラシーが低いのは、私たちの年齢の一回り上ぐらいだと思います。何人ものに人に悪口を言われている気がしちゃうじゃないですか。1人の人が個人を攻撃するために何個もアカウントを作っている場合もある。傷つけないでほしいですよね。普通に私も嫌なことを言われると、うざってなりますもん。ただ、ネットを介しての悪意の伝染だから、理解できなくはない。みんなに好かれるのは無理だし、私のこと嫌いなやつもいるよな、すまんみたいな。でも、自分を変える気はないからこれでよろしくみたいな気持ちでいます。

ベースの音は子宮に響いて気持ちいい

──いろいろな音楽の現場を渡り歩いてきて、特に印象に残っているライヴや楽曲はありますか?

うららか:横浜のリザードがなくなる前日がYCS主催のハードコアイベントだったんです。同じタイプの人間たちがたくさん集まって、みんな思うように暴れて楽しんで帰るのがすごいいいなと思いました。あとは、Victim Of Deceptionというバンドがclub asiaでライヴをしたんですけど、そのフロントマンの子が数年前ぐらいに亡くなったんです。友だちだったんですけど、その子の最後を観たライヴだったので、すごく覚えています。

あと、中学の短期留学でハリウッドに行った日に野外でマライア・キャリーがライヴをやっていて。ダンサーの人たちも、何から何まで規模が違うし、綺麗でかっこよくて。とにかくオーラがすごくて、めっちゃ覚えてます。あと、友だちに連れていかれたKAT-TUNのコンサートもめっちゃよかったです。人が宙を飛んでいて、お金がまじでかかってるドームはすごいなと思いました。そういう意味で1番感動したのはKAT-TUNかもしれない。エンターテインメントだった。あとサイケの現場に行ったりすると、所謂オラオラみたいな子がいたり、普段どこで生活してるの? みたいなドレッドヘアの子とか、いろいろな人種がたくさんいて。それを見ているのも楽しいです。

 

──サイケの現場はいる人たちも多様ですよね。

うららか:サイケは多様性の権化といってもいいくらいです。本当にいろいろな種類の人がいて、その場では各々の世界に入っていたりグループのしきたりがあったり。でも、DJが全部その場をまとめている。全員DJの手のひらの上で転がされているんです。DJが曲を繋いでいったり、こういう選曲をするのは見ていてめっちゃ楽しいですね。私はバーに行っても自分が好きな曲を流してほしいのではなく、聴かせたい曲を聴きたいし、飲ませたい飲み物を飲みたい。それによって、そのお店の世界を感じることができると思うので。

──うららかさんにとって、音楽は本当に欠かせないものですね。

うららか:カルチャーに触れてないと、何もしてない気持ちになるんですよね。焦るんです。

──映画はいかがですか?

うららか:1番好きな映画がキアヌ・リーブスとリヴァー・フェニックスが主演の『マイ・プライベート・アイダホ』です。映像が芸術的で少しフェミニンで、若者の同性愛をリアルに描いていたり、若年層の焦燥感とかカルチャーチックな話が好き。ドラッグカルチャー映画って、必ず音楽とか、性、売春が絡んでくるんですよ。日本で言うと、岩井俊二監督が好きで、『スワロウテイル』もそんな世界観で好きです。静かな世界観、淡々とした中で、普通に狂気が存在するみたいな感じ。別に誰かが幸せになるストーリーでもないのが結構好きです。逆にパキパキした感じの映像はあまり得意ではなくて。例えば、『ラスベガスをやっつけろ』はそこまで好きじゃない。スタンリー・キューブリックの『時計じかけのオレンジ』は親が好きで観ていたんですけど、そこまでハマらなかった。でも、『2001年宇宙の旅』を観た時に「キューブリックってやばくね?」と思いました。もう1回『時計じかけのオレンジ』を観直した時に、キューブリックは狂気を自分の美学の中に押し込める徹底的な美学の持ち主なんだと理解できなかった自分は浅はかでした。そういう感じでいつも勉強しています。

──アニメや漫画は最近もチェックしていますか?

うららか:『東京リベンジャーズ』は観ています。次世代のヤンキーってこういうことねみたいな(笑)。

──昔と比べると、こういうヤンキー漫画があるんだと思いますよね。

うららか:最近のアニメをあまり好まなかった理由があって。全部説明してくれるじゃないですか? 清廉潔白な感じの主人公で、幼児アニメを観ている気持ちになります。『東京リベンジャーズ』を観た時に、もうヤンキーって存在しないんだと思って、次世代さを感じておもしろい。私の周りではちょっと前まで『ウルトラヘヴン』がめっちゃ流行っていました。最近は『ODD TAXI』も観たり。画の動き方と音の乗せ方とか海外アニメっぽくて、スピード感、展開が怒涛でとにかくこだわりを感じて最近で1番クールな作品です。オチとか完璧で感動しました。。終始カッコいいアニメってすごいですよね。毎日見ながら夕飯作ってます(笑)。

 

──さきほど、ハードコアを聴いていた時に音楽とセックスについて考えていたと言っていたじゃないですか。激しい音楽とセックスについてはどう考えていますか?

うららか:例えば、マッシヴ・アタックを聴きながらセックスをすると、重たくて深い雰囲気になる。でも私はハードセックスが好きで、快楽主義なのでぶっ飛びたい、所謂トランス状態になるのが好きなんです(笑)。あと、ベースの音は子宮に響いて気持ちいいです。

 

──今はSpotifyやAppleMusicでずっと曲を再生してくれるからいいけど、CDの時代だと、ハードコアのCDって長くても30分くらいだからセックスの途中で曲も終わっちゃいますよね。

うららか:でも、変えればいいんじゃないですか(笑)。私はセックスしている時、相手のことをあまり見てなくて、その快感のみにめっちゃ集中しているんです。相手からは「どこの世界にいるか分からない」って言われたりします。各々自分の世界に入ってよろしい、みたいな感じなので(笑)。私は精神的な変態性が大好きで、私が変なので相手も一緒にいると変態に育ってます。あとセックス中は話しかけないで欲しくて、一緒に気持ちよくなろうとか、1mmも思ってないですもん(笑)。「私が気持ちよくなる手助けをして」みたいな。たぶん、音楽もそうだと思います。外的要因で気持ちよくなることの方が多いじゃないですか。私、オナニストなので、自分のオナニーを人に手伝ってもらっている感じです。すごく嫌な気持ちになっているのも快感です。「こんなに私のこと嫌な気持ちにさせるんだ」ってテンション上がります(笑)。だから、「やさしい」って言われがちですけど、全然やさしくないんです(笑)。

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