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【連載】本と生活と。vol.22 堀静香『せいいっぱいの悪口』

StoryWriter

こんにちは! 先日親友から超リアル・モルモットポーチをもらいました、玉澤です。

どのくらいリアルかお伝えしにくいので、写真載せます。右にいるのが我が家のプリティアイドル本物モルモット・ごまちゃん(1歳4ヶ月)です。

どちらもかわいすぎて、よだれ出てきます。心なしかいつも虚無顔のごまちゃんも喜んでいる……。 毛並みや耳の触り心地までそのままで、開発した人天才! あっぱれ!

さて、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。なぜモルモットの話をしたかと言うと、装丁にモルモットがいるからです。第22回目に紹介するのは、堀静香『せいいっぱいの悪口』。

vol.22 堀静香『せいいっぱいの悪口』

『せいいっぱいの悪口』
著者:堀静香

内容:
「今日生きていることも、昨日生きていたことも全部本当。今がすべてで、いやそんなはずはない。適当で怠惰であなたが好きで、自分がずっと許せない。事故が怖い。病気が怖い。何が起こるか分からないから五年後が怖い。二十年後はもっと怖い。今がずっといい。でも今が信じられない。なのに、今しかない。晴れていて、風が強くて、花粉がすごい。くしゃみが出る。」(本文より)―ほかの誰でもないわたしが今生きていることの、まるごとすべて。
https://twitter.com/shuzo_shizuka

 

本書はTwitterにて「突然ムーミンがうちにやってきた」で話題になった、かしわさん(Twitterのユーザ名)もとい、堀静香さんのエッセイ集。

ムーミンが話題になっていたことは知っていたのですが、書店で本書を手に取った時は内容の欄にも書いてある本文抜粋に心を打たれ、手にとりました。中身を読み出して、「あ! ムーミンの人だ!」と点と線が繋がった感じです。

いつから日本の小説を読まなくなってしまったんだろう? というくらい、最近はエッセイや日記ZINEなどを読み漁っています。たぶん、物語性よりも、今生きていること、日常を、感情を、実在している人間がそれぞれの哲学のもと、本にして残すということにめちゃくちゃ魅力を感じているからです。この『せいいっぱいの悪口』で、再確認できました。

知らない誰かの日常を読んで何が楽しいの? と思う方もいるかもしれませんが、今自分が生きていることを意識するのって、結局自分ではない誰かが生きていることをことばで理解することなんじゃないかなって思うんです(自分でも何言ってるんだろうという感じで、ことばでは伝えにくいのですが(笑))。

特に本書で印象に残っているフレーズは下記です。

私が期間限定のものを選ぶのは、いつだって特別な時間を過ごしていたいから。そしてそのことを、いつまでも覚えていたいから。だって、いつ死ぬかわからないのだ。(堀静香(2019年)『せいいっぱいの悪口』27ページより引用)

私もいつもカフェやレストランなど行くと、期間限定なものを選びます。かぼちゃ味のものが苦手なのですが、期間限定って書いてあれば、なんだかんだ頼んでしまう。周りの人には「ミーハーだね」とか、「押しに弱い」とか言われるけど、どこか惹かれちゃうんですよね。その感情ってどういうことなんだろう? と自分でも思っていたのですが、上記で堀さんが言っていること、まさにその通りで読んだ時に「それだ!」と思わず口走ってしまいました。

小説しか読まないという人もいると思います。そんな人にも、勢いがあって、ある意味潔い感情を記した堀さんの「今生きているということ」をこちらにも感じさせてくれるエッセイや日記、ぜひぜひおすすめです。

今週はここまで。全然関係ないのですが、映画とその原作特集、近日中にやりたいなと思っているのですが需要あるかなあ。では、来週もよろしくおねがいします。

※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。

たまざわかづき
1993年生まれ。SWスタッフ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。

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