こんにちは!って始まる文章は幼稚だとTwitterで書かれていて、クソ笑いました、たまざわです。Webメディアで働いている身ですが、やっぱりTwitterは苦手です。
突然ですが、料理ってたまに作るべき量分からなくなりませんか? 私は豚汁を作ると、まるで相撲部屋のちゃんこみたいな量になってしまい、3日ぐらい豚汁を食べなきゃいけない生活になります。
いろいろな野菜を入れるから、少しだけ残すのももったないし、全部入れちゃえってなるからなんですけど、アレンジ上手になりたい。
さて、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第24回目に紹介するのは、ポール・ギャリコ『猫語の教科書』。
vol.24 ポール・ギャリコ『猫語の教科書』
『猫語の教科書』
著者:ポール・ギャリコ
訳:灰島かり
写真:スザンヌ・サース
出版年:1998年
内容:
ある日、編集者のもとへ不思議な原稿が届けられた。文字と記号がいりまじった、暗号のような文章。“£YE SUK@NT MUWOQ”相談を受けたポール・ギャリコは、それを解読してもっと驚くはめになる。原稿はなんと、猫の手になる、全国の猫のためのマニュアルだった。「快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか」ひょっとしてうちの猫も?描き下ろしマンガ(大島弓子)も収録。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480034403/
なぜこの本を今回選んだかと言うと、なんかもう人間社会に疲れてしまったんですよね……。 最近人が怖いなって感じることがたくさんあって、近所によくいる野良猫と友だちになりたい気分。『猫語の教科書』はなんと、猫が猫に向けて書いた一冊なんです。なにそれ? ってなると思いますが、下記をご覧ください。
第1章からしてインパクト大な、「人間の家をのっとる方法」。ポール・ギャリコさんは他にも猫が登場する作品を多く手がけられているので、本書もタイトル的に猫と仲良くなるための本なのかなと思って、手に取ったので読み始めてびっくりしました。まさか猫が人間と過ごすための秘訣を指南する本なんて思いもしなかった。
特にお気に入りなフレーズは、
人の心にある愛の謎はけっして解くことはできないけれど、それでも部分的にわかることもあります。男も女も、老いも若きも、善人も悪人も、つまり人間全部に共通する特徴は、孤独ということ。そして猫とちがって、人は一人でそれに耐えられるだけの強さがないのです。(ポール・ギャリコ(1998年)『猫語の教科書』160ページより引用)
上記を読んだ時、もしかしたらポールさん自身が自分、人間の真髄を俯瞰して猫の視点として語ったのかもしれない。だとしたら、自分の愛猫のことを心から愛していたからこそ書けた文章だし、本来目をそらしたくなる「孤独」と、しっかり向き合ったんだろうなと思いました。
猫が好きな方は共感する箇所がたくさんあると思いますし、これから一緒に暮らしたいなという方にはまさに必見の書です。なにせ猫が人間のことについて、とても厳しい目線で語っていますので!
それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします。
※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。
1993年生まれ。SWスタッフ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。