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【連載】本と生活と。vol.25トム・ゴールド『月の番人』

StoryWriter

こんにちは! 週末久しぶりに葛西臨海水族園に行きました。たまざわです。

葛西臨海水族園と言えば、マグロの大水槽。マグロって泳ぎ続けないと死んでしまう魚らしく、眠る時もずっと泳いでいるらしいです。しかも、写真を撮ろうとしても、「インスタ映えなんかしてたまるか!」と言っているかのような速さで残せるのは残像のみ。ペンギン目当てだったのですが、マグロにあらためて惚れました。

さて、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第25回目に紹介するのは、トム・ゴールド『月の番人』。

vol.25 トム・ゴールド『月の番人』

『月の番人』
著者:トム・ゴールド
訳:古屋美登里
出版年:2021年

内容:「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラー・リストに選出された、世界で大人気のマンガ家による、不思議で、愛おしくて、切ない、SFマンガの新境地!
「子どもの頃、警官になって月面で暮らすことが夢だったんだ」
主人公は月のコロニーの安全を守る警察官。
しかし、過疎化が進み、事件らしい事件はなにひとつ起こらない。
最近の重大事件といえば、迷子の犬の捜索だ。
やがて住人は、彼を残してつぎつぎと地球に戻っていき、あたりは月の静寂に包まれていく。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784750517070

 

本書は絵本のような規格なのですが、漫画です。帯に大好きな谷川俊太郎さん推薦! と書いてあったので、値段も見ずにレジに持って行ってました。本屋さんに行くと金銭感覚がバグりますよね……。

上記の内容欄にもあるように、主人公は月のコロニーを守っているお巡りさんです。漫画ですが、セリフや説明がかなり少ないのが本書の特徴。その分、月の静寂さと美しさが、主人公のいる背景を通して伝わってきます。

特に興味深いのが、登場人物が横顔のみでしか描かれていないことです。そのため、どんな表情をしているのか、よく分からないんです。その描写が月の美しさ、不思議な哀愁をさらに際立たせているかのよう。

私は犬のカスパーの小ささと月面の壮大さのサイズ感が愛らしくて、ひと目見て大好きになりました。

内省的な物語ではありますが、もし月に住めるようになったら、こういう日々になっていくんだろうなというリアルさを少し感じたり、最後の方にはロマンティックなシーンもあって、サイレント映画を観ているかのようです。

現実のすべてを放棄して、静かな世界に浸りたい気分の時におすすめ。眠る前に読むと、落ち着いて眠れる気がします。

それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします。

※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。

たまざわかづき
1993年生まれ。SWスタッフ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。

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