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【連載】CHOOSE YOUR DISTANCE Vol8──〈りんご音楽祭2021〉開催直前、主催者古川陽介インタビュー

StoryWriter

今年で開催13年目を迎える野外フェス〈りんご音楽祭2021〉が2021年11月5日(金)、6日(土)、7日(日)の3日間、長野県松本市のアルプス公園にて開催される。

本来は9月末に開催予定だったが、全国規模の緊急事態宣言延長を受け、11月の3日間に開催を延期。松本市と何度も協議を重ね、安全に遂行できる運営方法を慎重かつ誠実に策定、新型コロナウィルスの感染症対策ガイドラインを昨年以上に具体的に制定した。さらに行政のガイドライン指示を大幅に下回る通常キャパシティーの5分の1にあたる1日1000人限定入場とし、全参加者の新型コロナウイルス「抗原検査」または「PCR検査」の48時間以内の陰性証明を必須にし、安全にフェスを開催するための準備を最大限行っている。

開催まで1週間を切った10月31日の夜、主催者の古川陽介に話を聞くため松本まで足を運んだ。日曜日の夜でもダンスミュージックが流れ続ける瓦レコードにて、〈りんご音楽祭2021〉について、その率直な想いを語ってもらった。

取材&文:西澤裕郎


とにかくシンプルに、わかりやすく運営できるようにした

──〈りんご音楽祭2021〉、開催まで1週間を切りましたが、スタッフのみなさんの雰囲気や気運はいかがですか?

今年はスタッフも松本にいるメンバーをメインにしているのと、運営しやすいように大きいステージも一個だけにしているんです。普段、松本でパーティをしている人が多いので、すごく雰囲気がいい。逆にいうと、そうじゃない人は今年関わっていないし、無理に誘っていないんです。去年の開催を経て、コロナ中の音楽祭はちょっと違うかも……と思った人がスタッフの中でも1/3はいて。世の中の99%くらいがNOと言っていたから、それは仕方ないことではあるんですけど、日本の社会が弱者を助ける余裕がない状況で遊ぶためには、たくましさが必要になってしまった。たしかに、たくましいほうがいいんだけど、たくましくない人が遊びづらい世の中ってよくないなと思うんです。僕の場合、家族が応援してくれているし、仲間も元気だし、瓦レコードも盛り上がっていて、この状況をなんとかしようってみんなで言っている。開催までがんばろうって、みんなで言っているのが救いかな。

──中止ではなく、延期という判断を選ばれたのはどうしてだったんでしょう。

スタッフが言った一言だったんだけど、思いついちゃったんですよね。9月の時点で、11月頭くらいには別のフェスの開催も発表されていたし、〈FESTIVAL de FRUE 2021〉とか〈ボロフェスタ〉とか10月くらいからできそうな雰囲気も出はじめていた。9月には緊急事態宣言が解除されるかもみたいなことも言われ始めていたんですけど、10月末は他のフェスやイベントがいっぱいかぶっているのと、準備も間に合わなそうだったから、11月1週目で考えて延期の日程を組んでいきました。

──松本市と毎週協議をしながら、ガイドラインを決めていったそうですね。

松本にある公共の公園でやっているから、民間の施設を使うより大変で。去年開催してみて、お客さんたちが思った以上に盛り上がるのがわかったから、具体的にガイドラインを守るにはどういう対策をするのか毎週1回、2ヶ月間かけて話し合って詰めて作りました。最終的に松本市の後援も決定しました。

──去年と今年の開催で、大きく違う部分はどういったところなんでしょう。

抗原検査もしくはPCR検査の陰性証明がないと入れないようになっています。あとステージ前方に、1mごとにちっちゃい低いコーンを置くことにしました。密になったら離れてくださいとアナウンスするだけだと正直無理があるけど、コーンの場合、物理的に邪魔だから、離れるようになる。現実的かつ目に見えてわかることをすごく考えました。スタッフが少ないから、それだけで実際結果がかなりでると思います。あと、飲食時以外はマスク必須にしました。夏だったら反対していたと思うけど、むしろ寒いからいいかなって。あと撮影は禁止にしています。とにかくシンプルに、わかりやすく運営できるようにしようとしたんです。無事に終えることを1番重要視しようって。そのために、ここだけは譲れないもの以外は全部譲って欲しい、松本市としても無事に終えたいと言われて。ガイドライン通りやれば安全に終わるよう考えていますし、それさえ守れば、比較的自由に遊べるはずです。

──飲食に関しては、今年はどのようになっているんでしょう。

公共公園の今のフェスの状況だと、お酒を自由に売るのは難しいので、考えに考えて整理券を導入することにしました。10時、11時、12時って形で1時間ごとに回数券みたいに整理券を作って、1時間に1杯しか買えないようにします。アルコール禁止にしなければいけないとは行政のガイドラインのどこにも書いていなくて、泥酔者を出すなって書いているんです。あとハードリカー、ショットとかシャンパンとかは導入しない。フードに関しては、これまでと同じくメーヤウとガネーシャに加え、ソルトインが蕎麦も出します。もともとグランピングをやっている人で、ずっとりんごのスタッフをやってくれていて、今年から蕎麦屋で働いている人が作ってくれます。

音的にも、信念もそうだし、強い人間の音楽を共有すべきだと思った

──コロナ禍の開催となった去年は3ステージありました。今年2ステージにした理由はどういう部分にあるんでしょう。

まずお客さんに目の届く範囲にいてもらったほうが、どっちにとってもいいなと。あと、導線が楽なのと、地面がしっかりしているから雨が降っても大丈夫というのもあります。運営が大変だと対策も徹底してできないから。ステージに関して、そばステージは絶対に作ろうと思っていて。西澤さんは知っていると思うけど、気持ちいいじゃないですか? とはいえ、最初は、そばステージ1つという案もあったんです。でもうちの今までの感じで、1ステージで〈りんご音楽祭〉を成り立たせられるのか、と。DJがバンドとか他の出演者と同じくらいの数並んでいる。それがうちの特徴だから、スタッフを説得して2ステージにしました。

──ブッキングに関してはいつぐらいから始めたんですか?

延期が決定してからだから、10月から始めましたね。すごく苦戦しました。こんなの10年以上やって初めてなんですけど、出演快諾の組数と同じくらい断られています。それは、秋のツアーがかぶっているのと、夏に予定していたイベントの延期日として11月が多いんですよ。だから、もともとうちに遊びに来ようとしている人もどこか別のところに行って遊んでいると思う。それぞれのイベントで取り合いまくっている状況だから、そこは難しいですよね。

──先ほどおっしゃっていた、古川さんが絶対譲れないものとは何なんでしょう?

内容に口を出さないでほしいという部分ですね。アーティストがどうとか、告知がどうとか口を出されたくはない。それって、自由経済の中で自分がリスクをとってやっているから当然じゃないですか。例えばポスターひとつとっても、今年は特殊加工にしているので、すごくお金をかけている。あれは今年ならではの格好つけとしてやっている部分で、とにかくシンプルに作っているんです。実際、評判はいいし、クリエイティヴの部分なので、うちのアートワークとかブッキングとか根幹に関わるところは触らないでくれと伝えました。当たり前の部分なんですけど、こういう状況だから市役所も俺も冷静じゃない部分もあると思うんです。でも、理解者が何人もいてフォローしてもらっています。市長も応援してくれているみたいありがたいです。

──今年のラインナップで共通しているテーマはどんなものなんでしょう?

やっぱりしぶとく活動している人。みんな普段からライヴをやっている人たちですよね。家でチルアウトしまくっている時期が続いたわけだから、こんな時代にクラブとかライブハウス、フェスに来るようなお客さんって、アガりにきているんですよ。癒されにきているんじゃないってことを僕は感じて。攻めだなって。音的にも、信念もそうだし、強い人間の音楽を共有すべきだと思った。みんなコロナでボコボコにやられた中、強い表現、強い意思のある人の表現を生で見てもらって元気になるというか、アガってほしいなと思っています。


■イベント詳細

〈りんご音楽祭2021〉

2021年11月5日(金)~7日(日)@長野県松本市アルプス公園
時間:OPNE 10:00 / START 10:30 / CLOSE 20:00
※雨天決行・荒天中止。

出演者(出演順):
<11月5日(金)>
■そばステージ
バケツドラマーMASA
下津光史(踊ってばかりの国)
チャラン・ポ・ランタン
TOSHI蝮
呂布000カルマ
RAMZA
チプルソ
韻シストBAND
FNCY[ZEN-LA-ROCK/G.RINA/鎮座DOPENESS]
GAGLE
Campanella
■きのこステージ
岡沢じゅん
HELL fromHELLHEAD
カンガモンwithヨーダE
ハロルド
maca
メコンス
Yu Takimoto
nu
よいまつり
i know
7e
中尾憲太郎 play via Modular synth
Taro Aiko(M.A.S.F./ENDON)
Sapphire Slows

<11月6日(土)>
■そばステージ
水曜日のカンパネラ
YOCO ORGAN × せのしすたぁ
Road Leef[Warbo/kakasi/OZY/Kitele2/jam fuden]
YUKSTA-ILL
愛染 eyezen
Kick a Show × B-Loved
原島“ど真ん中”宙芳
浪漫革命
showmore
TAWINGS
CHAI
ENTH
■きのこステージ
上里尭
藤山拓
四畳半
Omega f2;k
ヴィーナス・カワムラユキ(渋谷花魁)
Ooveen
nutsman
¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U
Hair Stylistics a.k.a. 中原昌也
ALTZ
Seiho(DJ SET)

<11月7日(日)>
■そばステージ
Analogfish
クリトリック・リス
Rave Racers
CHOUJI
MONJU[ISSUGI/仙人掌/Mr.PUG]
the hatch
SANABAGUN.
GOMA
Rickie-G
yonawo
■きのこステージ
宙J FDFANTA汁CHILLSTASKI(HIPHOP最PSY高CORE会議)
NOBUTA MAGIC(スイス銀行頭取/むちむちムッチーズ)
XTAL(Traks Boys)
川辺ヒロシ(TOKYO No.1 SOUL SET)
JYAJIE(TOKYO HEALTH CLUB)
HARZEY UNI
田島ハルコ
RAWLITTLENSS
Disry
YAMATO HAZE
Frankie Paris
WSZ80 a.k.a. LEF!!!CREW!!!
dj sleeper(りんご音楽祭/瓦RECORD)

<全日>
396(JKCLUB)【Lighting】
Jasmine(Mnchr-m)【Dancer】
Tasty【Floor Bitch】※11/6土11/7日のみ
ina takayuki【Live Painting】
J(海リリリ)【Live Painting】

料金:
3日間通し券 22,000円(税込)
1日券 8,000円(税込) ※各日発売
・15歳以下は入場無料(要身分証明)
・当日券は1000円増しで販売いたします
チケット販売:
チケット委託協力店
※チケット委託協力店については、オフィシャルホームページをご確認ください。

<夜の部DAY1>
■11月5日(金)21:00〜2:30 at 瓦RECORD 2,000円
ちょっこー
DJ MIZUNOBULL
ebatee&knak28(三茶番外地)
KAZUYA PEE
NEWきんぎん
Sapphire Slows
ALTZ
VJ:ALi(anttkc)

<夜の部DAY2>
■11月6日(土)21:00〜4:00 at MOLE HALL/GNU/GNU2nd  3,000円
MOLE HALL ACT:
TOMAHAWK
kento(Switch)
i know
Warbo
危NICEボーイズ
愛染 eyezen
Seiho(DJ SET)
JKCLUB
YUHi(YIGNIGHT)
DJ RYU-G
kakasi
Kitele2
ne4r a.k.a ne4rbeats
GLORY MOUNTAIN with TAKURAW

GNU2nd ACT:
Anthony Huttley
川越いもっこ倶楽部
脳FutureCafeBand
wagot
miyu
fuelphonic
バイレファンキかけ子
JAZZCUZZ
Hiro “BINGO” Watanabe(HABANERO POSSE)
TSUBAME(TOKYO HEALTH CLUB)
WSZ80 a.k.a. LEF!!!CREW!!!
VJ:ALi(anttkc)

GNU ACT:
masatax(masato&cartax)
テンション花車
DJ禾Ö民
おかめ
DJ817
Desko Deska
Mazlika(Mnchr-m)
RIOT girls
YAMADAtheGIANT
THE DAY![DON/AOSHO/yuji](三茶番外地)

<夜の部DAY3>
■11月7日(日)23:00〜6:00? at 瓦RECORD  2,000円
moe(Twee Grrrls Club)
Makiko Yamamoto
TAIHEI
Ascalypso
¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U
DJ MAMEZUKA
dj sleeper(りんご音楽祭/瓦RECORD)

りんご音楽祭 Official Site:https://ringofes.info/

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