こんにちは! ここ数日で突然精神的に元気になったけど生理痛に殴られてるたまざわです。
たぶん、ここまで回復したのはヨギボーのおかげです。ビーズクッションソファなのですが、座ると良い意味でも悪い意味でも立ち上がれなくなってしまうんです。
座った瞬間に体の全てがクッションに預けられてしまうので、リラックスはできるのですがボールプールに沈み込んでいるような感覚で起き上がる時にヨイショ! という気合いが必要。そこに座って何も考えずボーッとしている時間が多かったの諸々回復して、読書も少しずつですが、またできるようになりました。奮発して買ってよかった、2021年たまざわ’sベストバイです。みなさんもぜひ。
さて、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第34回目に紹介するのは、村上春樹、吉田由美、都築響一『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』。
vol.34 村上春樹、吉田由美、都築響一『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』
『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』
著:村上春樹 / 吉田由美 / 都築響一
内容:たいしたもんじゃないけれど、くちゃくちゃ噛んでいるうちに味が出てくるのでは…… なるコンセプトのもとに結成された「東京するめクラブ」。村上隊長を先頭に好奇心のおもむくまま、「ちょっと変な」ところを見てまわった、驚天動地のトラベルエッセイ。まずは魔都・名古屋にて、名物喫茶メニュー<甘口抹茶小倉スパ>に悶絶トライ!
本書は作家の村上春樹さん、エッセイストの吉田由美さん、編集者の都築響一さんの3人で結成された「東京するめクラブ」による旅行エッセイです。ちなみに村上春樹さんが隊長です。かなりゆるゆるのシュールな旅行エッセイでまさにするめ感を感じる一冊になっています。コンセプトとしては内容にもある通り、好奇心の赴くまま旅をするわけですが、「すごい変なところ」ではなく、「ちょっと変なところ」という部分が大事だそうです(笑)。
主に名古屋、熱海、ハワイ、江ノ島、サハリン、清里という謎ロケチョイスで目次を見ただけでも、くすっときてしまいます。
私が特に好きなのは熱海編。熱海と言えば、今は熱海プリンやバラ園、星野リゾートなど映えスポットにより、人気が再燃してきていますが、個人的にはロープウェイからの秘宝館がかなり熱いスポットです。下ネタが苦手な人には地獄みたいな場所ですが、見てはいけないものをシュールかつ謎に大胆な演出で楽しませてくれる高揚感がバブル初期の日本を感じられて大好きです。※付き合いたてのカップルは絶対に行かない方がいいです。
やっぱり本書でも秘宝館について触れられていて、勝手によっしゃー! という気持ちになりました。そして、都築さんが秘宝館について「明るいセックス・ゲームセンターという感じだ」と表現されていて、まさにそうだなと納得です。
つまらなく見える町をなんとかおもしろがろうとする努力。つまらなく見える人生をなんとかおもしろがろうとする努力。このふたつには、たぶんほとんどちがいがない。 ((2008年)『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』524ページより引用)
旅行のおともにというよりは普通とはなんだろう、自分の定めた幸せやおもしろさのものさしを少し考え直してみたいなという方におすすめです。今はなき、熱海城の空想美術館行ってみたかったなあ。
それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします。
※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。
1993年生まれ。SWスタッフ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。