watch more

【ZOC連載インタビュー】Vol.6 大森靖子「もっといろいろな人を神様にする作業をしたい」

StoryWriter

2021年2月8日、ZOCは日本武道館に立った。ZOCが遂にたどり着いたステージだったが、そのリハーサルの時期から、大森靖子は病気になっていたという。時期的には2020年2月ごろから10月ごろにかけてだそうだが、大森靖子の2021年の多作ぶり、ソロとZOCでのライヴの活発さを考えるとにわかには信じがたい。激しい炎上にも苦しめられる過程で、大森靖子に何が起きていたのだろうか。

取材&文:宗像明将
写真:まくらあさみ


早くおばさんになりたいと思って生きてきた

──「大森靖子楽曲大賞」(※)のノミネート曲が80曲って、なんでこんなに多くなったんですか?

大森:曲を作ることで自分が癒やされていく人間なので。その曲が誰かを救える曲になっていくと思っているから、いっぱい作るしかなかったのかなと思います。

※大森靖子楽曲大賞2021
ファン有志によるイベント。2021年に発表された大森靖子関連楽曲に対してファンが投票し、結果発表動画は大森靖子のYouTube公式チャンネルで公開された。2022年1月31日にはランキング通り歌うライヴも開催された。

──やっぱり、まず自分を救うために曲を作らなきゃいけない環境だったんですか?

大森:そういう環境もあったし、作らせていただける機会が普通に多かったなと思います。「こういう曲を頼みたい時は大森靖子」みたいなのが一応できてるのかなと思うし。あとはプロデュースするMAPAもできたり、パーッと曲を作らないといけない機会が多かった。

──6月に出たZOCの『PvP』って傑作だったと思うんですよ。大森さんの望んだ評価を得られている実感はありますか?

大森:メジャー・デビューの時から傑作ができたなって毎回思っていたけど、やっぱり自分の思ったように売れるものじゃないので。もっと聴かれるべきものを作っているのになっていう感覚がずっとあるから、『PvP』も作った瞬間に「あ、作っちゃったけど届かないだろうな」ってちょっと暗い気持ちになりました。できちゃったことが悲しい、みたいな。みんなが聴いた方がいい世界を作れる作品なのに届かないことは悲しいな、って。「悲しいな」みたいな気持ちは、マスタリングが終わった瞬間にいつもなります。

──みんな届けばいいのに、というのは数なのか、あるいは然るべき人に届くべきなのか、大森さんのイメージはどっちなんですか?

大森:ZOCでやってきていることは、正直、内向をサボっている人に与えてあげる作業だったと思うので。「いつからでもやり直せる」とか「年齢関係ないよ」は素晴らしいけど、それだけでは、ちょっと自分の思っている多様性と齟齬が生まれているところがあって。やっぱりカリスマっていうのはセンスと努力と継続で生まれるものだから、それをサボった人が得たところでとても足元がぐらついているものだから、自分のような継続と努力とセンスで生きてきた人間が柱になってあげられる。それが自分のプロデュースだったなと思っていて。そう考えてるなかで「何やっているんだろう?」みたいな気持ちが「断捨離彼氏」ぐらいから生まれていて。そこで(巫)まろが入ってきてくれて、まろは努力や継続や実力の人なので、そういうものに力を添える方が全然やりがいがあるなと思って、まだZOCの曲を作れると思ったんですね。

例えば、ZOCのオーディションで40歳、50歳の人が来ても全然いいと思うんです。でも、40歳だったら40歳なりのやってきたことの厚みがないと、って思うんです。やっぱり自分はエイジズムに甘えずに生きてきた自覚があるし、早くおばさんになりたいと思って生きてきたので、絶対に真理はこっちだって自分的には思っているから、みんな聴けばいいのにって思う。本当のこととか、向き合わないようにしてきたこととか、そういうものを全部右から左に受け流して生きてしまうと、エイジズムに負けるから、ちゃんと向き合って生きた方が実のある人生を送れる。私はそれに向いていて、できている人間だから、それを聴けば体験としてやったことになる。全部のカルチャーってそうじゃないですか。見たこともない景色が見たことになったり、自分の経験に置き換えたりとか。そういうものなので絶対聴いた方がいいのにって。

──エイジズムって言うと、若い方がいいというイメージがあるじゃないですか。でも、大森さんの考えるエイジズムは、歳相応に努力していくべきだという考え方であって、そこで齟齬が生まれているということですか?

大森:そうですね。小中学生の時に遊んでいても何をしていてもいいんですよ。あとはチャンスを与えられたなら、そこからやらなきゃダメだよねって話で。そこでフォロワー数とか、いいね数とか、そういうもので何かを得た気になったら危ないなって思います。それはまだ何もないじゃん、って。「若い時にしかやれない」っていうのがおかしいだけで、若さというのも1つの価値。でも、若さという価値に頼らずに生きてきた人はその分、後で実のある人生を送れるよねってだけで、「若さ+実のあるもの」の両方をちゃんとやっている人が一番お得じゃないですか。自分は内省とか内向とか、ものを作る作業に向いているのは分かっているから、そういう人間はカリスマになっているのが楽じゃないですか。でも、そんな人生退屈じゃないですか。もっともっといろいろな人を神様にする作業をしたいなって思っちゃったからやるしかないんだけど、人はやさしくされると人のこと舐めちゃうから。「与えてほしいです」っていうものを全部あげるだけのやさしさだけが評価には直結しないんだなっていうのは分かったけど、別に後悔はしてない。……分かりづらいですね、私用語だから(笑)。

──後悔をしてないと言ったけれど、上手くいかなかったパターンもあると?

大森:上手くいかなかったパターンというか、何も学んでないんだなってパターンはあります。背中を見せて教えていたつもりだったし、なんでだろうって思うけどしょうがない。自分が関わったから、結局、自分が悪い。自分が関わるって決めてなくて関わったとしても、関わることを許容したのは自分が決めたこと。だから、別に失敗も後悔もないかな。自分が自分をやっただけだから、しょうがない。

──他人を神様にする、というのはZOCに関しても適用されているんですか?

大森:神様という概念も、たぶん一般のものとは違っていて。人は生きる限り全員、もともとは神聖。それを理解しがたい流行りや固定概念が逆に邪魔をして、見えなくなっているだけだと思っていて、人間をより自然なものにすることが人間を神様にすることだと思っていて。なので、それはできる。

「やばい、音楽人生が終わる」と思いました

──今、『PvP』の話から一気に展開したけど、大森さんと私がサシで話したのが1年ぶりなんですよね。大森さんも今、積もり積もったものがあるんだろうなと思っていて。

大森:でも、逆に何もないですよ(笑)。1回病気になって。

──え、病気?

大森:もともと19歳くらいの時に1ヶ月寝ないっていうのをやって、すごい幻覚が見えるようになって。

──1000時間近く寝なかったやつですか?

大森:そうです。その障害なのか何なのかが、チラチラ残っていたのを、自分の体験をブログに書き連ねることで本当と嘘を見分けて、22、23歳の時に克服したんです。でも、武道館のリハーサルの時にホワイトボードに描かれた自分以外の似顔絵を見た時に、そこから黒い蛆が沸いてきてから、ずっと渋谷に行く度に渋谷がブラックアウトするようになっちゃって。『PvP』のツアーの集合場所が結構渋谷だったんですよ。言葉を選ばずに言うけど、私は発狂しちゃうんじゃないかなって自分で思って。誰かに迷惑かけると申し訳ないなって思って、すごい1人でいたんですよ。そもそもそれですね、2021年の流れは。

──武道館の頃、そうなっちゃったんですか?

大森:そうですね。「AGE OF ZOC」の撮影の時とかも、「もっとパンチある曲作ってくださいよ」とか人から言われることもあって、「あ、曲しかいらないんだな」って病んでいっちゃって。ちょうど同じ悩みを絵描きの親友が持っていて。絵って、もっと自分の顔がないものじゃないですか。私は一応自分の体を引っさげて表現しているけど、絵は手で描いて、その絵が評価されても、そこに顔とか体とかないから。私たちは作品だけが人格で、私たちが生きることは阻害されるんだ、つらいなと思っていたら、親友が亡くなっちゃったから、それが結構きつくて、また幻覚が見えるようになっちゃって。それがMAPAを作って古正寺(恵巳)とヘラヘラしてたら治りました(笑)。

──この間、大森さんが古正寺さんと渋谷に行って、渋谷が苦手なのが治ったって投稿してたじゃないですか。そんな大変な話だったとは知りませんでした。

大森:でも、こんなに早く病気が治ると思わないじゃないですか。だから、治ってよかったと思いました。

──武道館の頃、病気になって、どういう状態だったんですか?

大森:病気があったからって生きていけないわけじゃないし、それが普通の状況になればいいやと思って、人に迷惑をかけそうになっていたみたいな。まろと私は、例えるならばアナとエルサみたいな感じだったと思います。「グループだから一緒に頑張ろうよ!」ってまろが言っていて、私は「うるさい!」みたいな喧嘩をしてただけなんですけど、それが大変なことになってしまった(笑)。だから、まろはやさしいですよ。

──病気のなかでよく耐えられましたね。

大森:「やばい、音楽人生が終わる」と思いました。そう思ってたから、音声が出回って炎上した時はガチで終わりだと思って。でも、「おはよ♡」ってツイートしたら、100リプくらい来るわけじゃないですか。これが1リプでも来る限りは続けようって思ったら、なんか増えていって。何も言わないことだけでしか支えられない状況ってよくあって、それをすごく感じたから、みんな「おはよ♡」だけに賭けてくれたんだなと思って。そういう人が1人でもいる限りは辞めるのはおかしいじゃないですか。こっちが勝手に終わったと思っているだけで、別に終わってないから。

私のいるべきところに古正寺が戻してくれた

──大森さんはSNSに苦しめられていた面もあると思うんですよ。いろいろな憶測が勝手に飛び交って、話が膨らんで。インターネットとの関係性って、今、大森さんの中ではどうなっているんですか?

大森:うーん……。昔は内省同士を晒し合う場所だったじゃないですか。それがとても好きだったのに、それを書いたら「匂わせ」って言われるカルチャーになっちゃった(笑)。だから、ここに居場所はないんだって思って、普通に辞めたっていう。だからインターネットは宣伝です。

──SNSをほぼやらなかった鎮目のどかさんが、中野サンプラザに向けて毎日投稿してますもんね。

大森:のどかの魅力を伝えることは、もっと頑張りたい。あんな子いないじゃないですか。かわいくて、頑張っていて、何も足りないものがないじゃないですか。それが売れてないのは本当に申し訳ない。すごい炎上していたので、みんな気をつけることだけにとらわれていて。全員でライヴをすごいクオリティーまで持ってこれているので、そこから着々と口コミで広げていけばいいやって方向に2021年1年変えちゃっていたけど、のどかの魅力をもっともっと広めたい気持ちになって。思春期の男子がのどかを好きにならないわけないじゃないですか。そこにどうやって刺せばいいんだろうってことを考えた時に、「まずはインターネットやらなきゃダメだよな」ってなって。あまりメンバーに命令は出さないんですけど、「中野サンプラまで毎日投稿してね」って言ったら、みんな「するする」って言って、それぞれのタグとか考えながらやってくれて。のどかの動画がおもしろすぎて。ちょっと変じゃないですか、効果音が声よりでかかったり(笑)。背景のモザイクが自分にも半分ぐらいかかっていたり、めっちゃおもしろくて。だから幸せな気持ちで見ています。

──そういう前向きな状況に来るまでにどのくらいかかりました?

大森:真っ黒に見えたのが2月で、MAPAの『四天王』を作りながら治っていたので、期間的には8ヶ月とかなんですよ。早いと思います。でも、自分の体感としては5年ぐらい過ごした気持ち(笑)。

──『PvP』を作っている時はまだ暗黒の中?

大森:ど暗黒です。ちょっとでも救われたい気持ちで作ってる。自分が自分を救いたい気持ちで。

──大森さんが、MAPAの『四天王』のリリースのタイミングで、MAPA以前と以降で大森靖子は分かれるって言ったじゃないですか。『四天王』を聴いて、大森さんのフラストレーションが出たアルバムなのかなと思ったんですよ。

大森:曲を書いて吐き出そうとしたというより、普通に1ヶ月で13曲作らなきゃいけなかったので、ネタがたぶん自然にそうなっちゃう(笑)。それ以外を探す前に締切が来るというか。でも、作っていたのが本当に炎上中だったんですよ。あの音源流出の炎上の時ですね。さすがに2週間ぐらい作れなくて、締め切りが迫って、気持ちが勝手に入っちゃうみたいな。スピードを上げると入っちゃいますね。

──2週間で13曲も書くと、ああいう風になると。

大森:なっちゃった。申し訳ないなって思いつつ、でも私の持ちネタって必殺技で。自分の必殺技だから、ZOCや提供曲の時には使わないってことをずっとしてたけど、自分が育てるアイドルに「使っていいや」ってあげちゃったという。

──それで10月ぐらいには闇を抜けたと。

大森:完全に抜けました。古正寺のおかげです。「世の中に扱われている自分が本当の自分」みたいな気持ちになってくるから、「私は本当にやばい、誰とも関わっちゃいけない」みたいな気がしてきちゃうんですよ、あそこまで炎上すると。でも、私はおかしいけど、そこまでではないじゃないですか。なるべく人にやさしくするように、温和に生きていこうとしているし、キレたのが全部表に出ていて、あの回数なわけで、基本的に平和主義じゃないですか。でも、自分がめちゃめちゃダメな人間みたいな気持ちになってきて、それなのになんで古正寺が私とやってくれるんだろうみたいな。私がやろうって言ったんですけど。私もブクガ(Maison book girl)がなくなったってネットで知って。「ステージに立ち続けなきゃダメだよって、もしできる環境がないんだったら用意するから」って話したんです。でも、ブクガのファンの人は私に対して嫌な気持ちを持つ人もたくさんいるはずじゃないですか。でも、古正寺はそれを全く気にしてなかった(笑)。そのおかげで、人に引きずり降ろされてる自分のことを、自分だと思わずに済んだんです。私のいるべきところに古正寺が戻してくれた感じ。人をフラットな状態にスッと持っていく謎の力があるのですごーいって思いました。

めちゃくちゃ人のこと愛してないと曲は書けない

──2021年1月に「AGE OF ZOC」が出て、「炎上上等」って歌っていたけれど、この1年よく焼きあがったなって、振り返って思うんですよ。

大森:ははははは。上手いこと書いてるなって思って、レポを読みました。

──炎上中はどう過ごしてたのか聞くつもりだったけど、大森さんは音楽を作っていたと。Instagramのストーリーで、ファンからの質問に、規模を広げていくのはさすがにしんどいし、もういいって書いてた時期あるじゃないですか。今はどうです?

大森:今はのどかを思春期の男子に届けないといけない(笑)。

──重要ですね(笑)。いろいろなことが起きた後に、「自分には音楽だ」という大森さんの発信が増えたなって思っているんですよ。MAPAの「アイドルを辞める日」では、「音楽で会いましょう」って繰り返しているし、すごい曲だと思いました。

大森:ほんとですか。家で即興で作りました。あまり考えて作ってない。

 

──アイドルから反響はありませんでしたか?

大森:アイドルが辞める時にあの曲に出会う人がいるっぽい。自分の推しが辞めちゃう時にあの曲に出会って号泣、みたいな。毎回「大森靖子はこんなこと書くし悔しい」みたいな感想で(笑)。どういう人だと思ってるんだよ、もともとがオタクだし、今でもだし。オタクだしステージにも立って両方経験しているから、そりゃ書けるよって。

──これからzocが始動して、その新メンバーはZOC本体にも入ると。今後の展開はプロデューサーとしてはどう考えていますか?

大森:ZOCを動きやすくするためにzocを作ったというだけではあるし、周りの人に「靖子ちゃんは与えすぎだし関わりすぎだから、人と距離を置いて、自分がいるべき場所に戻らなきゃいけないよ、社長だし、目上だし、普通の距離に戻らなきゃいけないよ」って言われる度に、最初は病んで「やっぱり自分は人と深く関われない人間なのか」って気持ちになっていたんです。やっぱり人にお金は貸しちゃいけないとか、そういうベーシックなものがあるじゃないですか。関わり方や、ここは守った方がいいみたいな。それを守れるぐらいの距離感を自分が自分に作ってあげた方が生きやすくなるなと思って、結果いい形だと思いますね。

──新メンバーの子に対してもいい感じの距離感で?

大森:いい感じの距離感…… そうですね、でも人よりは踏み込んではいると思うんです。めちゃくちゃ人のこと愛してないと曲は書けないので、踏み込まないとできないから、覗き込まなくていいところを私が勝手に覗いていると思うんですね。そしたら過剰にその人をかばってしまったりして、それがよくないんだなと思ったので、そこを別として考えるしかないんだなって。それは自分という人間の否定にもなるので、環境でそれが勝手にできるシステムが作れたらいいのになって感じですね。あとは、絵描きの親友は亡くなる前に急に自撮りを晒しだしたんですね。自分の作るものと肉体との許せない乖離みたいなものがあっただろうし、私はそこを許してたまるかと思ってしまって、ZOCで全部やってやるという方向に意地になっちゃってた部分があって。でも、自分の体がなかったからといって、ZOC自体が動けなくなるわけじゃないから、そこがちょっと解けたなって思います。1年ぐらい経って、自分の体もあるし、才能もあるし、ってちょっと楽になったのかなって。

──そういう話って、新メンバーには特に話してないというパターンですか?

大森:「zocって小さく見えると思うんですけど、なんでですか?」みたいな(笑)。「文春」のタイミングだったので、親が心配するじゃないですか。名前換えた方がいいんじゃないかと親に言われたみたいで、「事務所をクビになって会社作って、これだけブチ叩かれながら、私たちがやってきたクリエイティブやZOCの看板を守るためだけに頑張ってきているよ」というのは言いました。そしたら、お母さんを説得して入ってきてくれて。

──よかったです。話を聞けば聞くほど、大森さんはよくその状態で武道館をやれたなと思います。

大森:私も思います、あまり記憶ないです(笑)。まじでもう一回やりたい(笑)。大森靖子っていうプロジェクトも、ZOCっていうプロジェクトも両方その親友と一緒に作ってきていた認識があったので、こういうものが日本で「エンタメ」って言えるようになると、それはすごいことじゃないですか。やっていること自体は絶対に前衛芸術なので。すごい絵とすごい歌の実力でやって、ポップカルチャーとして名を上げてきたつもりだったので。やっぱり武道館の国旗を見ながら、「国旗の下に立っているぞ、なんでお前いないんだよ」って気持ちにはなりました。そこだけすごい覚えてる。武道館でいろいろな人がライヴするじゃないですか。「なんだこのライヴ」っていう時もあるじゃないですか。武道館で滑ってるなって思うと、国旗を見るようにしてたんですね。それを真下のステージから見るのはちょっと思うものがありました。

板の上に立つ人間としてのやるべきことを背負っているのがZOC

──ZOCは社会的な視点で活動をしていて、それをメインストリームに持ってきたいわけじゃないですか。それは今も変わらない?

大森:そうですね。自分を戻したので、ここからやっていかないといけないですね。

──よかった。戻ってこなかったらどうなっていたことか。

大森:やばいですよね(笑)。あれだけ炎上してよく戻ってこれたなって。自分の音源がインターネットに上がっていた時に「終わった」って言いました。人は終わったと思ったら、「終わった」って言うんだって思って。(10月の報道があった時に)渡辺淳之介さんから電話がかかってきて、“突撃されちゃった”って報告があった時に「『終わった』って言いました?」って言ったら、「え、言わなかった」って言われて、「え、『終わった』って言わなかったんですか!?」って(笑)。

──あはは。2022年以降はZOCはどこへ向かうんでしょう?

大森:アホほどツアーをやったので、実力がついていて地力には本当に自信があって。板の上の芸術だったら、誰にも負けない。板の上に立つ人間としてのやるべきことみたいなのを背負っているのがZOCだと思うし、逆にそれをやってる人の方が少ないんだっていうのにびっくりして。だったら見せていかなきゃなって気持ちがあって、見てもらうためにはもうちょっと派手なこともしなきゃいけない。音楽的にやりたいことのアイデアもいっぱいあるので、それができるのが楽しみ。

──大森さん的には、ZOCは2022年はどうなっていくといいと思いますか?

大森:ZOCは思いも寄らない方向に自分の人生を運んでくれるからやっているところもあるし、自分がそういう性癖だからやっているので。そういうことが起こっても対応できる力を2021年つけたんだなって思ったから、逆にもうどこに行っても大丈夫だなって思います。あとは、自分が作る理想の自分みたいなのがあるじゃないですか。ちょっと演じたり、ちょっと頑張ったりしないとなれないじゃないですか。それを無理だって思いながらはめこんで、自分で演出して、それを自分のものにしていくのが自分の中のアイドルだったので。それは反骨精神じゃないですか。ロックだから。私の中では、他人の偶像崇拝より、自分の偶像崇拝の方を高めることがアイドルだから、間違ってないんですよ。「アイドルを勝手にぶち壊さないでもらっていいですか?」みたいなことを言われるかもしれないけど、そもそもアイドルっていうカテゴリ自体が日本の中でカウンターカルチャーの連続でできているんだから、自分がやっていることはアイドルという文脈において何も間違ってないと思っているし、「ZOCがアイドルです」って言ってやるって気持ちです。


ライヴ情報

ZOC RPG TOUR 2022 Disc_1

ZOC (大文字表記)」藍染カレン、西井万理那、巫まろ、鎮目のどか、吉良乃ジョナ、共犯者 大森靖子、共犯者 雅雀り子
zoc (小文字表記)」藍染カレン、西井万理那、巫まろ、鎮目のどか、吉良乃ジョナ

202225日(土)@W studio RED (愛媛)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

202226日(日)@高松モンスター (香川)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

2022212日(土)@鹿児島 SR Hall (鹿児島)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022220日(日)@duo MUSIC EXCHANGE (東京)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

202235日(土)@DRUM Be-1 (福岡)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

202236日(土)@熊本 B.9 V2 (熊本)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

2022312日(土)@Nagoya ReNY limited (愛知)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022313日(日)@LiveHouse浜松窓枠 (静岡)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
☆【ZOC】藍染/西井/鎮目//吉良乃/大森/雅雀

2022319日(土)@HEAVEN’S ROCK 熊谷 VJ-1 (埼玉)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
★【zoc】藍染//鎮目/吉良乃/大森西井欠席予定、大森参加

2022320日(日)@HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ-2 (栃木)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
★【zoc】藍染//鎮目/吉良乃/大森西井欠席予定、大森参加

2022321日(月・祝)@F.A.D YOKOHAMA (神奈川)
1部公演 OPEN 13:30 / START 14:00
2部公演 OPEN 16:30 / START 17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

202241日(金)@豊洲PIT (東京)
OPEN 18:00 / START 19:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

ZOC RPG TOUR 2022 Disc_2
ZOC (大文字表記)」藍染カレン、西井万理那、巫まろ、鎮目のどか、吉良乃ジョナ、共犯者 大森靖子、共犯者 雅雀り子
zoc (小文字表記)」藍染カレン、西井万理那、巫まろ、鎮目のどか、吉良乃ジョナ

202249() SHELTER(和歌山)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022410() EVANS CASTLE HALL (奈良)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022416() @郡山Hip Shot JAPAN(福島)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

2022417() @仙台Darwin(宮城)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022430()HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3(埼玉県)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

202257()@京都FANJ(京都)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

202258()@金沢AZ(石川)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022514()LIVE HOUSE IMAGE(岡山)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

2022515()LIVE VANQUISH(広島)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

2022521()@甲府CONVICTION(山梨)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022522() @柏PALOOZA(千葉)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022528()SPACE ODD(東京)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

202264() @太陽と虎(兵庫)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

202265()@梅田CLUB QUATTRO(大阪)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022617() TAKASAKI club FLEEZ(群馬)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
★【zoc】藍染/西井//鎮目/吉良乃

2022618()NIIGATA LOTS(新潟)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

2022626() cube garden(北海道)
1部公演:開場13:30/開演14:00
2部公演:開場16:30/開演17:00
☆【ZOC】藍染/西井//鎮目/吉良乃/大森/雅雀

ZOC RPG TOUR 2022 FINAL

Coming soon…

ZOC RPG TOUR 2022 Disc_2」チケット発売スケジュール:
https://www.zoc.tokyo/news/detail.php?id=1097582

オフィシャル情報
ZOC Official Fan Apphttp://c-rayon.com/zoc/

Twitterhttps://twitter.com/ZOC_ZOC_ZOC

YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UCShhCnBdAL5nYpKrbL9JOTA

HPhttps://www.zoc.tokyo/

ZOC
大森靖子がメンバー兼プロデューサー(共犯者)を務めるグループとして2018年9月に結成。藍染カレン、西井万理那、巫まろ、鎮目のどか、吉良乃ジョナ、共犯者 大森靖子、共犯者 雅雀り子からなる7人組グループ。ZOCとは「支配領域」の意味を持つゲーム用語”Zone of Control”をもじった”Zone Out of Control”の略となり、大森が常に提唱している「孤独を孤立させない」の意味が込められている。発表した楽曲が若年層を中心に次々と大ヒットし、結成からわずか1年足らずでZepp Tokyoをソールドアウト、その後もキラーチューンを発表し続け、2021年1月にはメジャーデビューを発表。翌月2月8日にはメジャーデビューから1か月も経たずして初の武道館公演を開催。6月には22曲入りの1stフルアルバム「PvP」をリリース、全国22会場42公演に及ぶツアーを成功させた。12月の中野サンプラザ公演にて吉良乃ジョナが加入、2022年は過去最大規模のツアー「ZOC RPG TOUR 2022」を発表し、注目を集め続けるアーティスト。

PICK UP