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StoryWriter

こんにちは! 久しぶりの更新になってしまいました、たまざわです。

体調が優れなくて本を読めなくなっていました。文章は読めるけど、意味が頭に入ってこない、なんだかぼーっとしたような感じです。

たまにこういうことが起こるのですが、自然に任せるしかなくて今回もドラマやラジオ、音楽、映画にすごく助けられました。好きなものがたくさんあるとその分お金はかかるけど、自分の中で大切にしているカルチャーを絶やさないでいられる。そんな気持ちでいたら、いつの間にかまた本が読みたい、読めるようになりました。

さて、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第45回目に紹介するのは斉藤倫『レディオワン』。

vol.45 斉藤倫『レディオワン』

『レディオワン』

著:斉藤倫
出版:光村図書
内容:
◎翻訳家・金原瑞人さん推薦
とても大切なもの、とても素敵なもの、ほかにはないもののことを、英語で、オンリーワン、といいます。
「みなさん、こんばんわん。月曜夜九時、『レディオ ワン』の時間です。」
思いがけず言葉を話せるようになった、いぬのジョン。
そんなジョンが、リスナーからのお便りを読んだり、曲をかけたり。
フリートークも「いぬの気もちがわかる」と大人気。
物語は、ジョンと「にんげんたち」とのエピソードを追いかけながら、大きく広がっていきます。

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784813802587

 

本書は児童文学の総合誌『飛ぶ教室』にて連載されていた詩人・斉藤倫さんによる「レディオワン」がまとめられた単行本です。(本書書き下ろしも収録)写真だと伝わりにくいのですが、夜やラジオ放送室を模した装丁はとてもキラキラ光っていて、それだけでとてもワクワクします。

内容にもある通り、ざっくりなストーリーは犬のジョンがひょんなことから人間の言葉を話せるようになり、夜な夜なラジオDJをしている物語。ラジオの中で普段犬として遭遇した出来事を発信しているのですが、その全てに意味があって犬とラジオが好きだからという理由で手にとった本書ですが、とても温かくて読みながら号泣してしまいました。

ひかりのとどかないやみでも、声なら、きっととどくでしょう。

上記の言葉はジョンがラジオの前フリによく使うフレーズ。最近ラジオを聴いていて、本当にそうだなと思ったと同時にストーリーが進むにつれてジョンはある女の子と出会うのですが、その子との話にこの言葉が繋がっていて本当に感動しました(短いお話なので、どこを切り取ってもネタバレになってしまうので、気になった方はぜひ読んでみてください!)。

児童文学であるので好き嫌いは別れるかもしれませんが、日頃ラジオをよく聴く人、動物が好きな人はもちろん、眠れない不安な夜を過ごしている人に寄り添ってくれるような本です。本書と出会って、本が好きでよかったなとあらためて思いました。

それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします。

※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。

たまざわかづき
1993年生まれ。SWスタッフ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。

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