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【連載】本と生活と。Vol.46 カレル・チャペック『園芸家12カ月』

StoryWriter

こんにちは! 急にUFOキャッチャーの才能に目覚めた、たまざわです。

最近週末のお買い物ついでにゲーセンに立ち寄ることが多いです。昔からゲーセンは好きでしたが、UFOキャッチャーとかどうせ確率機だらけでお金をつぎ込まないと取れない仕様になっているんだろうと、諦めモードになっていました。

ですが! 最近YouTubeでUFOキャッチャーが上手い人の動画を観まくっていたら、「自分もできるのでは?」という謎の自信が湧いてきて、試してみたところガンガン取れる。いかに元の値段より安い価格で獲得できるかが勝負。特に私はお菓子のUFOキャッチャーが得意です。もちろん今後も修行していきます。

さて、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第46回目に紹介するのはカレル・チャペック『園芸家12カ月』。

vol.46 カレル・チャペック『園芸家12カ月』

『園芸家12カ月』

著:カレル・チャペック
訳:小松太郎
出版:中公文庫
内容:
チェコの生んだ最も著名な作家カレル・チャペックは、こよなく園芸を愛した。彼は、人びとの心まで耕して、緑の木々を茂らせ、花々を咲かせる。その絶妙のユーモアは、園芸に興味のない人を園芸マニアにおちいらせ、園芸マニアをますます重症にしてしまう。無類に愉快な本。

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784122025639

 

本書はおそらく日本では『ダーシェンカ』(子犬の物語)が有名であろうチェコの作家・カレル・チャペックによる園芸の記録です。私は動物や植物と真摯にユーモラスに向き合うカレル・チャペックが大好きで、どんなに心に余裕がなくなってもこんな人でありたいなと思っています。好きな作家は? と訊かれたときに絶対に挙げる1人です。

12カ月、毎月の園芸での出来事を繊細に時にユーモアを交えて表現している文章からは本当にこの人は植物が好きなんだなという想いが伝わってきます。読んでいると、カレル・チャペックがすぐ隣で自分に語りかけてくれているような気分になるほど。挿絵もすごくかわいい+こんな世界で生きたいと思わせられます。

ブクブク泡の立つ水が、乾ききった地面にサーッと降りそそぐときの、また夕方のうれしいシャワーで花も葉もすっかり重くなってキラキラとかがやくときの、さては、庭じゅうがしっとりとうるおい、さながら喉の乾いた旅人のようにホッとしたときのこころよさ。(カレル・チャペック『園芸家12カ月』(1996年)90ページより引用)

上記の文章は7月の出来事。乾いた地面とお腹を好かせた植物たちのことを表したものです。比喩表現がTHEカレル・チャペックという感じがしてとても好きな一節なのですが、やはり何より植物への愛が伝わってきます。

私は編集の仕事をしていますが、正直自分の書く文章に自信がありません。でも、カレル・チャペックのように読む人に愛が伝わるほどの素直な気持ちを記した文章が書けるように日々観察眼を忘れずに生きていきたいなと思いました。

好きなものをはっきり好きと言いづらい雰囲気が漂う時代ですが、みなさんも自分の好きなものに対する愛をぜひ大事にしてください(めっちゃ偉そうでごめんなさい)。最近自分の好きなものがあまりにも否定されすぎてそんなことを思う日々です。

それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします。

※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。

たまざわかづき
1993年生まれ。SWスタッフ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。

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