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StoryWriter

こんにちは! 毛布を圧縮するかしないかで悩んでいる、玉澤です。

『梨泰院クラス』という韓国のドラマが大好きなのですが、日本リメイクが決定しました。その名も『六本木クラス』。思わず、「六本木クラス……???? 」と口に出してしまいました。

『ゴールデンカムイ』実写化も気になるところですが、私的にこちらの方が気になります。パク・セロイはパク・セロイであってほしい。そして、何より私の大好きなイソはどうなるんだ…… という気持ちです。ある意味怖いもの見たさで楽しみにしたいと思います。

さて、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第48回にご紹介するのは、ルナール『博物誌』。

vol.48 ルナール『博物誌』

『博物誌』

著:ルナール
絵:ピエール・ボナール
訳:岸田国士
出版:新潮文庫
内容:
朝早くとび起きて、頭はすがすがしく、気持は澄み、からだも夏の衣装のように軽やかな時だけ、彼は出かける。――彼は最も鋭い観察者である。愛情のこもった眼を、彼を取巻く自然に注ぎこみ、最も簡明な文体にその愛を凝縮させる。本書はわが国の俳文を思わせる軽妙な短文に、作者の純粋な生活の讃美、高邁で孤高な魂の哀しい表情を写し出した特異な作品である。
https://www.shinchosha.co.jp/book/206701/

 

実はいつか紹介しようと思って謎に渋っていた一冊、ルナールの『博物誌』。「好きな本を10冊あげてください」と言われたら、絶対に入れる一冊です。

ルナールは小説『にんじん』で知られる作家ですが、本作のようなエッセイもすごくおもしろいんです(あまり、書籍が残ってないのが残念なのですが…)。本作はルナールの身の回りのありとあらゆる生物について書かれたエッセイ集のような、観察記録のような作品です。

特に鋭い観察眼、洞察力とそれを繊細にユーモラスに描写できる比喩表現には感服です。日頃から些細なことにも目を向けて言葉としてきちんと残してきたんだなという、作家としての気概を感じます。

大体1タイトルにつき2ページか1ページほどその生物の説明や、自分の生活との結びつきについて書かれているのですが、私がずっと忘れられないフレーズは蝶についての表現です。画家のピエール・ボナールが挿絵を担当しているのですが、それも相まってなんて美しいんだろうと思いました。


二つ折りの恋文が、花の番地を捜している。
((昭和29年)ルナール『博物誌』125ページより引用)

 

熱く長々と語っている生物もいれば、突然上記画像のように蛇について「ながすぎる。」だけで終わらせているのも出てきたり、シュールさもあって何度読んでも飽きません。

私はシュールさと温かさが合わさった絶妙な文章が好きなんだなとあらためて実感する本です。ルナールの小説『にんじん』もすごくおもしろいし、古本屋さんの100円コーナーに置かれていることが多いのでぜひ見かけた際には『博物誌』とあわせてぜひ!

今週はここまで。来週もよろしくおねがいします。

※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。

たまざわかづき
1993年生まれ。SWスタッフ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。

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