WACKのアイドルグループ・ASPが2022年5月23日(月)、全国22ヶ所を回る過去最大規模のツアー〈ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR〉の東京公演をSpotify O-WESTにて開催した。
ユメカ・ナウカナ?、ナ前ナ以、モグ・ライアン、ウォンカー・ツインズ、マチルダー・ツインズに、今年3月に行われたWACK合宿オーディションで合格したチッチチチーチーチーとリオンタウンが加わり、ツアー初日の広島公演より7人体制でライヴをスタートさせたASP。
ツアースタート直後、チッチチチーチーチー、ウォンカー・ツインズが新型コロナウイルスに感染し、岡山、福島、群馬公演は中止に。本公演は、2人が復帰後一発目となるワンマンライヴとなった。本公演の様子をレポートする。
7人体制での初東京ワンマン
18時30分、ステージ脇からメンバー7人の気合いを入れる掛け声が漏れ聞こえると、ユメカ・ナウカナ?、モグ・ライアン、ナ前ナ以、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ、チッチチチーチーチー、リオンタウンの7人が前後に手を振りながらステージに登場。
「はじめまして、私たちASPです。準備をしましょう!」と、ASPオリジナルの自律神経を整える体操を行ないながら、「この体操全員やるまで終わりませんよ! 1曲ずつ減っていっちゃいますよー!」と、“ならず者”(※ASPファンの総称)に呼びかける。ならず者たちも一体となって体操を行ない、「身体もあったまってきたところで、今日は最後まで楽しんでいきましょう!」とチッチチチーチーチーが語り、「BE MY FRiEND」でライヴをスタート。そのまま、「the MAN CALLiNG」「BOLLOCKS」と3曲を続けてパフォーマンスした。
「はじめまして、私たちASPです!」と挨拶をしたのち、7人がそれぞれのキャッチコピーとともに自己紹介。ナ前ナ以が、「私たちの所属する事務所が道玄坂にあるんですけど、意外にも道玄坂でライヴをするのは初めてということで、すごくすごく楽しみにしてきました。最後までみなさんと楽しみたいと思っているのでよろしくおねがいします!」と挨拶をし、「Just Do it」へ。「WASTED TEARS」、「日々是虚無也」、「DiVE」、「ITSUMO KOKOKARA」、「TRUST MY SELF」、「被害者ぶるな」と新旧織り交ぜてハードでポップなロック楽曲たちを披露していった。
MCでモグ・ライアンが新メンバー2人に感想を求めると、リオンタウンは「本番前めっちゃ緊張していたけど、ステージからお客さんが踊ってくれるのが見えて、緊張とか忘れていた!」、チッチチチーチーチーは「今日は1階にも2階にもお客さんがいて、心が圧迫されてライヴハウスを感じられていい!」と興奮を伝えた。最初の準備体操に言及すると、マチルダー・ツインズが「次やる体操は、反骨精神を鍛えられる中指の体操です。私たちと一緒に中指立てませんかー!」とアジテーションし「いつでもファッ️キュー❤️」へ。盛大に中指を立てたダンスで同楽曲を駆け抜けると、「Let’s go as a weirdo」、「WARRiES」、オルタナパンク調の「マジ無いです。」をパフォーマンスした。
「みなさんにできたての感情や曲を届けられるのは、渋谷のライブハウスとウーバーイーツしかないと思っています。私たちにもみなさんからの一瞬一瞬の感情や視線が届いています。高評価です! みなさんは高評価配達員です。……みなさんは、高評価配達員ですか? いいえ違います。ならず者です」と独自の世界観でウォンカーが語り独特な雰囲気で会場を包むと、「ここにいるみなさんには、ならず者としてずっと一緒にいてくれたら嬉しいと思います。どうですか、楽しんでますか? まだまだですか? まだまだまだですか?」と問いかけ、ならず者たちの拍手を大きくしていくと、「ライヴ後半、まだまだ一緒に楽しみましょう!」と、デジタルハードコア調の「NO REASON」へ。「NOW or NEVER」を歌い、ポップな楽曲「SPiT OUT」では7人が手を繋ぎ円になってステージ中央を走って回った。続けてASP流のバラード曲「The Emperror’s New Clothes」、「SAKEBE」を感情的に歌いきった。
ユメカが「みなさん、疲れましたよね?」と語り、「安心してください、あと2曲で終わりますから。「蛍の光」だと思って聴いて帰ってもらえたらと思います。本日は本当にありがとうございました!」と、こちらも独自の世界観のMCで会場を和ませると「GAZE」へ。最後は「M」を披露し、ライヴ本編は幕を閉じた。
ならず者たちの拍手に応え、アンコールが始まると思いきや、会場には突然謎の音声が流れはじめる。「日比谷野音でのライヴについてどんな気持ちかお聞きしたい」とのインタビュアーらしき人物の質問に対し、「その日は鮮明に色濃く残っている」と答える女性の声。「お名前のことを聞きたい」とインタビュアーが問うと、回答者がBiSHのセントチヒロ・チッチということが明らかになった。インタビュアーはチッチチチーチーチーを、セントチヒロ・チッチと混同しているようで、話が噛み合わないまま質問は続いていく。「今回は、ASPメジャーデビューのインタビューです」とインタビュアーが言うが、チッチは「言ったでしょ! 名前を知った時点でややこしいって」と怒っている様子。それを意に介せず、「ASP、8月31日、メジャーデビュー決定! 8月24日、野音ワンマン決定ということで」と写真撮影しようとする声が流れ、照明が明るくなると、WACK代表の渡辺淳之介がメンバーとともに登場した。
メジャーデビューの文字が書かれた看板を持って登場したメンバーたち。「ということで、ASP、8月31日にavexからメジャーデビューが決定しました!」と発表すると、大きな拍手が起こった。「そして、8月27日には日比谷野外音楽堂でワンマンライヴを行います」と言うと、さらなる拍手がわき起こった。
看板に記されたavexの「a」の文字がavexの「a」であることに触れた渡辺は、「ASPのAはavexの「a」で、アナルじゃない」と述べて笑いをとった。悲願のメジャーデビューを果たすこととなったユメカは「もう解散させません!」と意気込みを述べた。渡辺が「二度あることは……」と言いかけたが、ユメカは「三度目の正直でやらせていただきます!」と強い気持ちを述べた。
ナ前ナ以が「日比谷めちゃ嬉しいです。いいんですか?」と喜びを述べ、渡辺から「ツインズは何も苦労せずに」と突っ込まれると「甘汁だらけ」と、その言葉に乗っかり笑いをとった。先程の音声について触れられたチーチーは軽い下ネタを言葉にしつつ、リオンは「うれしいです」とシンプルに嬉しさを口にした。モグは「野音はどの会場よりも嬉しいです」と嬉しそうな顔を見せた。
渡辺が「伝説のライヴにするしかないですよ! 野音を成功させたあとにメジャーデビューがあるので、みんな会場に来てくれること約束してくれるかな?」とならず者に投げかけ、「みなさんの力がないと、うまくいかないのでよろしくおねがいします!」と挨拶をすると、メンバーたちは「メジャーデビュー、そして日比谷野外音楽堂、死ぬ気でいくぞー! レディーゴー!」とASPの掛け声を叫び、ならず者たちと共に一体感を産み出した。「みなさんこれからもASPよろしくおねがいします!」と渡辺は挨拶をし、ステージを後にした。
そのままメンバー7人は横並びになり、チーチーがタイトルコールをし、「A song of punk」をパフォーマンス。そして「拝啓ロックスター様」のイントロが流れる中、チーチーの「今日は本当にありがとうございました!」という言葉から、リオンタウンの「これから7人のASPよろしくおねがいします!」へとマイクリレーが行われ、同楽曲を力一杯パフォーマンス。最後はマイクを通さず「ありがとうございました!」と7人で大きく叫び、深いお辞儀をして、ライヴは幕を閉じた。
結成わずか1年にしてメジャーデビューを果たすASP。この先にどのような道が待ち受けているのか。メジャーという舞台で、7人が作るこれからの歩みから目が離せない。
取材&文:西澤裕郎
写真:Kenta Sotobayashi
〈ANTi SOCiAL PAiNS〉
2022年2月21日(月)@東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
セットリスト
1. BE MY FRiEND
2. the MAN CALLiNG
3. BOLLOCKS
4. Just Do it
5. WASTED TEARS
6. 日々是虚無也
7. DiVE
8. ITUMO KOKOKARA
9. TRUST MYSELF
10. 被害者ぶるな
11. いつでもファッキュー♡
12. Let’s go as a weirdo
13. WARRiES
14. マジ無いです。
15. NO REASON
16. NOW or NEVER
17. SPiT OUT
18. The Emperor’s New Clothes
19. SAKEBE
20. GAZE
21. M
ENCOLE
En1. A Song of Punk
En2.拝啓 ロックスター様