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音楽、アート、ファッションなど、様々なカルチャーの中で活躍する若きアーティスト・クリエイターを取り上げて紹介していく連載『Times O’ Youth』。第1回は、東京・吉祥寺を拠点に活動するサイケデリック・ロックバンド、くぐりを取り上げる。


Vol.1 くぐり

2019年に吉祥寺で結成された4人組バンド、くぐり。都内のライヴハウスを中心に活動を行いながら、2021年夏から2曲のシングル音源をリリースし、2022年6月8日には1stEP『形』をリリースするなど、精力的な活動で着実にバンドの知名度を広げている。

ドラム、ベース、ギターに加えて、サックスやサンプラーを駆使するなど個性的な楽器編成となっている。彼ら特有の宇宙空間に放たれたような浮遊感を付帯したサイケデリックな音像、音と密接しながらもイメージが生々しく浮き上がってくる歌詞、儚さと力強さを合わせ持った歌声が生み出す抒情的な世界観。それらの集積が妖しくも美しい調和となり、聴く者に至高の没入感をもたらす。

今回はそんなくぐりの1st EP『形』に収録されている独創的な魅力に溢れた全5曲を紹介していきたい。

「違う生き物」
イントロから美しいアルペジオギターが心地よく響き、情感に溢れた歌声と演奏が展開とともに激しさを増していく。聴けば早速、くぐりが創出する不思議な異空間へと連れて行かれるような、1st EP『形』の幕開けに相応しい楽曲。

「浮かぶ光」
丁寧に8ビートを刻むドラミングと裏拍を強調したベースが一定のペースと理性を保ちながら、曲全体に奥行きのある荘厳な雰囲気を漂わせている。重心低めのリズムに乗る激しい歪みを纏ったギターと器楽的に響くハイトーンボイスが、神秘的なサウンドスケープを創り出す。

「蛇」
ジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせる70’sライクなファズギターがイントロから冴え渡る。中盤から入る歪みのエフェクトがかかったボーカルや、フリーキーなフレーズを奏でるサックスが心地良い酩酊感を加速させる。

 

「素敵」
ゆったりとしたテンポの中、煌びやかなサウンドのギターが響くメロウな楽曲。歌声をセクションごとに加工するなど、ミキシングでの遊び心も散りばめられている。

 

「永久影」
アンビエントノイズがドープな密室感を漂わせつつ、美しい旋律を奏でる気持ちいいリバーブギターが恍惚感にふけるようなイマジネーションを膨らませる。1stEP『形』の最後に相応しい壮大な楽曲だ。


■リリース情報

くぐり1st EP『形』
発売日:2022年6月8日(水)
価格:1,650円(税込)
収録曲:
1. 違う生き物
2. 浮かぶ光
3. 蛇
4. 素敵
5. 永久影

CD取り扱い店舗 :

・TOWER RECORDS渋谷店・大阪梅田NU茶屋町店・名古屋パルコ店・福岡パルコ店

・ディスクユニオン新宿店・下北沢店・吉祥寺店

・AMAZON

・HOLIDAY! RECORDS

・FLAKE RECORDS

・newolder records

・FILE-UNDER RECORDS

・LIKE A FOOL RECORDS

・9spices distro

※CDは随時取り扱い店舗増加予定。

北村蒼生(きたむらあおい)
2000年生まれ、東京出身。大学ではロシア語を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら、就職活動をしている。好きなものは音楽、ファッションなどカルチャー全般。

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