watch more
StoryWriter

音楽、アート、ファッションなど、様々なカルチャーの中で活躍する若きアーティスト・クリエイターを取り上げて紹介していく連載『Times O’ Youth』。第2回は、東京を拠点に音楽活動をするソロアーティスト、OLDSKLを取り上げる。


Vol.2 OLDSKL

Peaceのフロントマンである土谷光汰のソロプロジェクト、OLDSKL(オールドスクール)。2021年からEP音源のリリースをスタートし、2022年5月には、1stアルバム『Space, Cinema, Nostalgia』を発表。また、都内のライヴハウスを中心にこれまで多くのイベントに出演するなど精力的な活動を行なっている。

彼の音楽からは、ロック、オルタナティブ、R&B、ヒップホップなど様々なジャンルの影響を感じる。多彩なギターサウンドと打ち込みを掛け合わせたハンドメイドな音作りをする新世代のDIYインディーポップ・アーティストとでも呼ぶべきだろうか。とにかくキャッチーで日本人にとっても耳馴染みのあるメロディを英語詩でクールに歌うという個性的なスタイルのまさに“ インディー(Independent)”な若手ミュージシャンだ。今回はそんなOLDSKLの1stアルバム『Space, Cinema, Nostalgia』の中から私の推し曲を紹介したいと思う。

「Sick of It」

 

アルバムを一聴して、個人的に最も印象的だったのがこの曲だ。シンプルな8ビートに乗っかったブラックミュージック的アプローチのベースラインがグルーヴィーなビート感を生み出している。それに加えて、ざらついた質感のクランチギターがフックとなるキャッチーなフレーズを奏でることで一気にロックテイストな曲に仕上がっている。ロックとソウルの中間みたいなメロディーを歌う感じが初期のレニー・クラヴィッツのような印象を受けた。

「Love Came From」

 

洒脱なギターフレーズから始まり、ヴィンテージライクなオルガンの音色や脱力感のあるボーカルなど渋谷系を彷彿とさせる要素が散りばめられた軽快でポップな楽曲。高揚感のあるラップやファンクネス溢れる激しいカッティングギターのセクションがあったりと遊び心が感じられるのも魅力の一つだ。

「Lost Boys」

タイトで硬質なギターサウンドからポストパンクな雰囲気を感じる楽曲。ひねくれポップ要素やドリーミーな音色のシンセから連想するバンドはTalking Heads、XTCといったところだろう。サビでの、David Bowieを思わせる渋い歌声とファルセットのコーラスワークが幻想的なムードを高める。

「Flowers」

ビートルズへのリスペクトを込めた懐かしいサウンドと人懐っこく心地良いメロディーが魅力のバラードナンバー。DTM的アプローチの打ち込みドラムにビートリッシュなメロトロンのフレーズを乗せるアレンジが独創的で面白い。曲の終盤で、アコースティックに静けさを出してから盛り上がりとともにアウトロへと繋がる展開が切なさを一段と掻き立てる。


■リリース情報

OLDSKL 1stアルバム『Space, Cinema, Nostalgia』
発売日 : 2022年5月20日
形態 : デジタル
収録曲 :
1. Wall
2. Sick of It
3. Love Came From
4. Choose Life (feat. 白川開)
5. Smorkin’ (Interlude)
6. Ride
7. Garden
8. Penguin
9. Turnin’ (Interlude)
10. 5way
11. Lost Boys
12. Devil in My Mind
13. From the Dark (Interlude)
14. Under Control
15. End of the Night
16. Flowers
17. Old Car

北村蒼生(きたむらあおい)
2000年生まれ、東京出身。大学ではロシア語を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら、就職活動をしている。好きなものは音楽、ファッションなどカルチャー全般。

PICK UP