「みんなの遊び場」をコンセプトに活動するWACK所属の13人組アイドル・グループGANG PARADE(以下、ギャンパレ)の1人1人のパーソナルに迫る短期集中連載がスタート。毎回1人ずつ、どんなファッションを好み、どんな音楽や漫画やゲームなどに影響を受けてきたのか、ギャンパレでの歌詞や振り付けについてなど、これまでの単独インタビューとは違った切り口からメンバーに迫る。
第1回は、ギャンパレの前身グループPOPからのオリジナルメンバーの1人、ヤママチミキのパーソナルについてインタビューを行った。これまで緑色だった髪色を黒く変えた彼女の心境や、ヤママチに最も強い影響を与えているディズニーのこと、そして独特の歌い方のクセのルーツなどざっくばらんに話を聞いた。
取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ
ちょっと大人な女を目指しちゃおうかなと思って
──StoryWriterではいつも私服で撮影をさせてもらっていますが、服装のこだわりや、どういうものを身につけていることが多いのか教えてもらえますか?
普段はジーパンにTシャツとか結構ラフな服装が多いんですけど、今回はワンピースにズボンを合わせていて。今までは、上も下もダボダボみたいな服装が好きだったんですけど、最近は上がタイトで下がダボッとしているコーディネートとか、逆に上がダボッとしているオーバーサイズだったら下はスキニーとかを着たりしていて。最近は大人の女性を目指しているんです(笑)。
──なにか、大人の女性を目指すきっかけがあったんですか?
ギャンパレに戻って13人になって、どんどん下の世代の子たちが入ってくる中で、自分の立ち位置がだんだんよくわかんなくなってきちゃったので、ここで1回切り替えてもいいかなと思って(笑)。今までは身長も小さいこともあって結構年下に見られることが多かったんですけど、活動歴も長くなってきたし、ちょっと落ち着こうかなみたいな。それで髪の毛も全部黒くしたんです。前までは緑が入っていたりしたけど、見た目的にもだいぶ落ち着いたので、ちょっと大人な女を目指しちゃおうかなと思って。
──お化粧も何か変わりました?
シャドウとかも昔は明るめの色を使うことが多かったんですけど、最近はブラウン系を多めにしたり、ノーズシャドウとかシーリングとかも立体的に、ちゃんとハイライトとかもするようにしたので、昔に比べるとちょっと変わったかなと思います。
──髪色とか化粧や服装が変わると気持ちや気分も変わったりするんじゃないですか。
そうですね。本当に気持ち程度ですけど切り替えられたかなって。ギャンパレがガラっと変わったように、自分も変われたらいいなって気持ちを込めて変えてみました。
「テヲノバス」はディズニーのことを書いた歌詞
──いまギャンパレの活動がすごく忙しいと思うんですけど、どんなに忙しくてもプライベートで絶対に欠かさないことって何かありますか?
ディズニーのグッズを必ず調べます(笑)。ツイッターとかでもまとめてくださっている方もいるので、次こんなグッズが出るんだっていうのを見て楽しんだりディズニープラスにも加入しているので、自分が見たいなって思ったものを移動中に見たりとかもしていますね。
──ディズニーの中でも特に何が好きとかありますか?
えー、難しいなあ(笑)! やっぱりパークが私は好きかな。今はなかなかいける情勢ではないので全然行けてないんですけど、やっぱりあそこに行くと、いい現実逃避ができるというか。パーク内で作詞をしてはかどることもあったし、自分の中の癒しの一つではあるので、やっぱパークが一番好きかなと思いますね。
──初めて行ったときのことって覚えていますか?
めちゃくちゃ幼い頃だと思います。母親も好きで、毎年1回は必ず連れてってもらっていたので。本当に歩くのもままならないぐらいのときから連れていってもらっている写真とか家にありますね。
──いろいろなアトラクションがありますが、強いて言うとしたらどれがオススメでしょう?
わー! 難しいなあ。アトラクションは、ランドだと「ミッキーのフィルハーマジック」が一番好きで、シーだと「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」っていうのがあるんですけど、それがめちゃくちゃいいです。
──どんなアトラクションなんでしょう。
フィルハーは、ドナルドがメインの映像を見るアトラクションなんですけど、ドナルドがいろんなディズニーの作品の中に入っていって、ポンポンポンポンいろんなとこに飛ばされていく内容で。ディズニーの有名な作品がいっぱい出てくるんですけど、いいところをかいつまんでドナルドが行くのもすごくいいし、次の作品に行く繋がりがめちゃくちゃナチュラルで。そういうところもやっぱりディズニーってすごいなって思うところです。あと、3D眼鏡をかけているんですけど目の前に現れるアリエルがもう最高なんです! ただのオタク話になっていますが大丈夫ですか(笑)。
──今回はそういうインタビューですので(笑)。ランドの中で作詞をするって話がありましたが、ディズニーランドのどんなシチュエーションで作詞するんですか?
がっつり書くとかじゃなくて、ベンチに座ってぼーっとしながら、あの曲はこういうリズムだったなみたいに連想して。あと私はパレードとかショーを見るのが好きだったので、待ち時間にいろいろ考えたりしていましたね。
──その時考えて実際に歌詞が使われている曲はどれでしょう。
「テヲノバス」はディズニーのことを書いた歌詞です。自分が好きなものについて書けたら記憶にも残りやすいし、その物として残せるのが自分的にはすごく嬉しいなと思ったとき、私にとって一番好きなものがディズニーだったので、ディズニーに行ったときの話を詞に入れました。
──ディズニーランドもしくはディズニーシーは、ミキさんにとってどんな存在の場所なんでしょう。
日常の中にある非日常、っていうのが一番しっくりきます。ゲームが好きな人だったら多分ゲームの中に没入するのが好きだったりすると思うんですけど、私にとってディズニーがそれと一緒で。ちょっと遠出しなきゃいけないとか、自分の足で歩くとかゲームとは違うんですけど、現実に自分がいるにも関わらず、自分がそこにいないような感覚になれるというか。アイドルという仕事も非日常みたいなものなので、似通っているからこそ親近感が湧くというか、そういうところがすごく好きです。
──ディズニーの映画作品でのオススメはありますか?
『ロジャー・ラビット』っていう作品があって。昔の作品なので知っている方も少ないかなと思うんですけど、アニメーションと実写が融合された作品で、普通の人間とアニメーションが普通に会話をして助け合いながら物語が進んでいくのがすごく面白いんです。それって現実では絶対にできないじゃないですか? 私自身、そういう空想みたいなものが好きなのかも知れない。
──お話もそうですけど、そうした構造的なところも好きなんですね。
そうですね。話もすごく面白いんですけど、そういう構想案がすごいなって思う。ペラペラの紙が動いているように見えたりっていうところの違和感が心地いいというか。
──ミキさん自身、ちっちゃい頃とかを空想で不思議な世界の話を思い描いたりはしなかったんですか。
それは、あまりなかったかも。ただ、元々二次元が好きで漫画もすごく好きだったので、憧れみたいなのはあるのかもしれないですね。絶対に自分が行けないところへの憧れというか。
これになりたい!みたいなものは今まで抱いたことがないんですよね
──一番最初に好きになって影響を受けた漫画とかって覚えてますか。
本当の最初は覚えてないんですけど、『金色のガッシュ!!』という作品がめちゃくちゃ好きで、そのぐらいの時期の漫画が好きでした。少年漫画はたくさん読んでいましたね。
──少年漫画を読み始めたきっかけは?
多分、兄がいるからなのかなと思います。少年漫画の方が触れる機会が多くて、『キャプテン翼』とか『ドラゴンボール』とかも家にあったので。そういうところで少年漫画の方が読みやすい環境にいたからかもしれないです。
──『キャプテン翼』とか『ドラゴンボール』も最後まで読破しました?
『キャプテン翼』は最後まで読んだけど『ドラゴンボール』は途中でやめた記憶があります(笑)。
──どのあたりか覚えてます?
結構序盤です。まだ悟空が大きくなってないくらいかもしれない。
──本当にドラゴンボール集めている頃で止まっちゃったんですね(笑)。
当時の私にはちょっと難しかったのかも。あと、他のものにはまるとそっちに行っちゃったりする傾向もあるので、違うものにはまっていたのかもしれないです。
──自分で絵を書いたりとかはしなかった?
下手くそだったので、漫画みたいにはできなかったけど、絵を書くのは好きでした。
──ちっちゃい頃の将来の夢ってなんでした?
それが、なかったんですよね(笑)。本当になくて。みんな、これになりたいとか、漫画が好きだったら漫画家になりたいとかあったと思うんですけど、それもなくて。漫画とかもただ好きなものだったので、これになりたい!みたいなものは今まで抱いたことがないんですよね。幼稚園の頃とかは、さすがにお花屋さんになりたいみたいな夢はあったと思うんですけど、漠然とした夢も特になくて。曖昧に生きてきた人生なもので……。
──逆に、好きなものに対して憧れとリスペクトがあるからこそ、自分では手を触れないみたいなところもあるのかなって聞いていて思いました。
そういってくださったことが一番近いかも知れないです。自分が絶対に手が届かないものだからこそ、すごく興味がわくというか。
──音楽はどんなものが好きだったんでしょう。
漫画・アニメにハマっていた頃はアニソンばっかり聞いてたし、それこそBiSが好きだった頃はBiSとかアイドルさんを聞いていたし、「テニスの王子様」のミュージカルとか舞台にはまってた時期もあって、そういうときはそういう音楽を聞いていたり。本当にその時ハマってたいた音楽を聞いていましたね。
──アニメは何が特に好きですか。
ええ!難しい。京アニの作品は映像も綺麗で好きでしたね。あとは少年漫画がアニメ化したもの、例えば 『BLEACH』とか『BLACK CAT』、『うえきの法則』とか。その時期に放送しているものを全部録画して観る生活をしていたので、このシーズンはこれが好きだったなとかっていう感じでしたね。あとは好きなゲームがアニメ化していたらそれも観ていましたし。
──ゲームも好きなんですね。
RPGが好きで、『テイルズ オブ』 シリーズはほぼ全部やっているぐらい好きなものですね。あと『キングダム ハーツ』が好きです(笑)。
──アニメを見たりゲームやるのも時間が必要だと思いますが、ギャンパレの活動との両立というか配分とかはいまどうしているんでしょう。
今はアニメも漫画もほぼほぼ手をつけられてなくて。ゲームもテイルズの新作が出たらやるとかで、お仕事をし終えて夜中から朝にかけてやるっていう生活はしていましたね。なので、いまはディズニー以外のものに手を出せてない状況です。
──いろいろある中でもやっぱり最優先がディズニーなんですね。それこそディズニーのお仕事とかもされる機会があるわけですが、それはどんな気持ちですか。
もう、幸せの極みですね。ありがたいなって本当に毎回思います。お仕事でパークに行けたり、ディズニーのお話をさせてもらうのは、仕事の感覚がなくなっちゃうぐらい嬉しい気持ちでいっぱいですね。でも、もっとできたらいいなって企んでます(笑)。
1人ぐらいは自分のことを必要としてくれる人がいるんだよ、っていうのは伝えたい
──あとミキさんの特技だったり、これがすごい得意だなとかってものはありますか?
特技がないんですよね。突出してできるものがなく生きてきたんですよ。ないんですけど……誰よりもクセを強く出す歌い方はできます(笑)。
──あの歌い方は、どこで習得したんですか?
小学校のときからカラオケに行くのがずっと好きで、仲のいい子とよく行っていたんですけど、その友達がめちゃくちゃ歌が上手で。負けた気持ちになるというか、悲しい気持ちになる瞬間もあって。でも、すぐにうまくなったりとか、私はこれ以上うまくならないなって思っていたので、何かしら癖をつけたら音程を外していてもバレないんじゃないかみたいな考えから癖をつけて歌うようにしたら、この歌い方になっちゃいました。
──それいつぐらいのこと?
小中学生ぐらいですかね。
──自分らしさを見つけるためにってところから生まれたんですね。
自分が歌っていた音を外したときの悲しさがすごくて。劣等感まではいかないですけど、幼いながらにそういうふうに考えていて。ちょっとしゃくってみたりしたら、音程を外してもそっちに気を取られるかもしれないって。本当に駄目な考え方ばかりで。
──それが今ミキさんの大きな武器になっているわけですから。
ありがたいです。
──小さいときは、そういうコンプレックスみたいなのがあった?
コンプレックスだらけですね。別に顔もかわいくなけりゃ、これといって自慢できるものもないし、コンプレックスの塊ですね。
──でも、ずっとギャンパレで続けて、なおかつグループの顔になってるわけじゃないですか。ミキさんにとってGANG PARADEをここまで続けてこられた理由ってなんだと思いますか。
WACKっていう事務所がそうなんですけど、自分自身の存在を認めてくれるっていうか。それがすごく大きいなと思っていて。正直、この活動を始める前までは、生きていても死んでしまっても、正直私がいてもいなくても変わらないなとずっと思っていたんです。この活動が始まって年月を重ねるごとに「ミキちゃんがいるから頑張れる」とかって言葉をかけてくれる人が増えて。逆にここで自分が辞めるって選択肢をする必要はないぐらい自分にとって本当に生きがいで、自分の居場所を与えてくれている場所になっているんです。もちろんつらいことだったり、しんどいなって思うこともあるんですけど、やっぱり応援してくれる人だったり、渡辺(淳之介/WACK代表)さんだったり、関わって下さっているスタッフさんが味方でいてくれる限りは表舞台にいるべきなのかなと思って。
──この記事を読んでいる、昔のミキさんに似ている人に対してなにか言葉をかけるとしたら、どんなことを伝えたいですか。
自分が関わってきた人たちの中で、1人ぐらいは自分のことを必要としてくれる人がいるんだよ、っていうのは伝えたいですね。それは過去の私にも言えることで。大半の人が今後の人生で深く関わってくるかって言われたら絶対そうじゃないと思うけど、それでも1人でも自分のことを必要だって思ってくれる友達なり、親なり、親族なり、兄弟なりがいる可能性があるっていうポジティブな気持ちを持ってた方が人生楽しいんじゃないかなって。それは伝えたいですね。
■リリース情報
GANG PARADEメジャー4thシングル『Priority』
2022年11月16日(水)リリース
価格:1,100円(tax in)
品番:WPCL-13427
収録内容:
1. Priority
2. MELT
購入リンク:https://GANGPARADE.lnk.to/4thSG
メジャー4thシングル「Priority」
9月19日(月)各配信サイトにて配信開始
https://gangparade.lnk.to/Priority
■ツアー情報
〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉
2022年9月19日(月・祝)@北海道 PENNY LANE24
開場/開演 16:00/17:00
お問い合わせ:WESS info@wess.co.jp
2022年9月23日(金・祝)@広島 HIROSHIMA CLUB QUATTRO
開場/開演 16:00/17:00
お問い合わせ:夢番地広島 082-249-3571
2022年9月30日(金)@愛知 THE BOTTOM LINE
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:ジェイルハウス 052-936-6041
2022年10月8日(土)@福岡 DRUM LOGOS
開場/開演 16:00/17:00
お問い合わせ:BEA 092-712-4221
2022年10月17日(月)@大阪 BIGCAT
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:サウンドクリエーター 06-6357-4400
2022年11月2日(水)@宮城 Rensa
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:G/I/P https://www.gip-web.co.jp/t/info
2022年11月10日(木)@東京 Zepp Haneda
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:KM MUSIC 045-201-9999
■イベント詳細
〈Even without BiSH, this is WACK〉
2022年11月23日(水祝)@千葉 幕張メッセイベントホール
時間:Open/Start 13:30/14:30
出演:ASP/BiS/ExWHYZ/GANG PARADE/豆柴の大群
[問] KM MUSIC 045-201-9999
料金:【通常チケット】全席指定 7,000円(税込)(入場時にドリンク代別途必要)
WACK 公式WEBサイト:https://www.wack.jp/
オフィシャルサイト:https://www.gangparade.com/