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【LIVE REPORT】GANG PARADE、秋ツアーファイナルZepp Haneda公演「すべてを抱きしめて進み続けていきます」

StoryWriter

GANG PARADEが、2022年11月10日(木) Zepp Hanedaにて、秋ツアー〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉ファイナルとなるワンマンライヴを開催。約2時間に及ぶ熱演でツアーを締めくくった。

9月19日(月・祝) 北海道 PENNY LANE24を皮切りに全国7箇所7公演を回るこのツアーの最終地は、ギャンパレにとって再始動後及び13人編成となってから最大規模の会場となるZepp Haneda。会場の入場口前には大勢の遊び人(※ギャンパレファンの総称)たちが集結しており、現在のギャンパレへの期待感の高さが伺えた。

開演の18時半が近づき、場内に“入れ替わった”状態のヤママチミキ、チャンベイビーによる影ナレが流れると数分して会場が暗転。SEが流れ出して、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人が拍手に迎えられてステージに登場した。

ナルハワールドによる「はじめまして! 私たちエンジョイプレイ、みんなの遊び場、GANG PARADEです! よろしくおねがいします!」との挨拶から鳴り出したイントロは「pretty pretty good」。歌い出しに続き、ドクソンが「ファイナル行くぞ!3、2、1、GO!」と叫んでツアーファイナルの口火を切った。ギャンパレ楽曲でも屈指のライブアンセムをオープニング曲に持ってくるところに気合が感じられる。サビ直前で全員が中央に向かい手を伸ばすシーンは、ステージバックのツアーロゴのデザイン、トーンの暗い照明も相まって、どこか儀式のようにも見えた。ステージから伸びるレーザー光線に煽られて、遊び人も総立ちでサビの振付に合わせてエビ反りダンスで盛り上がり、ハイパーポップな「Happy Lucky Kirakira Lucky」へと続くテンションの高いオープニングとなった。「シグナル」でも見られたように、曲中で3組に分かれたり交わったりと、13人のメンバーが色々なバリエーションのフォーメーションを見せてくれるのが楽しい。

続くMCでは、キラ・メイから順番に1人ずつメンバーが自己紹介を行うと、最後のチャンベイビーが「みなさ~ん、〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉へようこそ~!」と客席に語り掛けてから、ステージ左右へと移動してダンスをしたりと自由な動きを見せてセンターへ。客席にお尻を向けると「パカッ」とひと言。メンバーから「わ、割れた?」と戸惑いの声が漏れる中、「今日の“MUST”アイテムは、ニョキニョキニョキニョキ…あれ? 羽が生えてきた! 羽だ、羽田!(Haneda)」とはしゃぎまくりながらメンバーを引き連れてステージを駆け回る。「それと、とびっきりの楽しいを共有できる、今この時間だよ~! GANG PARADEからの大きな愛、受け取ってください!」と、次の曲「PARADE GOES ON」へ突入した。再始動を飾ったこの曲は、力強いメロディに乗せて〈パレエドは続く〉と歌う意思表明だ。

キャン・GP・マイカが「みんな、一緒に踊ろう!」と呼び掛けて始まったのは 「sugar」。優しくメランコリックな旋律と、夢の中に好きな相手を浮かべて空想する切ない歌詞が深く心に沁みる。遊び人はサビに合わせて両手を広げてゆらゆら揺れて曲の世界観に入っているようだった。カラフルなレーザーが行き交う「イミナイウタ」を終えると、MCではココ・パーティン・ココがマイクを取り、「Zepp Hanedaにちなんだことをしたい」とのことで、「今日、平日なのにお休みを取ってきてくれた方!? こうやって答えてほしい」と、羽田にちなんで両手でパタパタと“羽ばたきポーズ”を促すと、多くの遊び人が「パタパタパタ」と両手で羽ばたいて見せて、メンバーから思わず「かわいい!」と声が飛ぶ。その後もメンバーそれぞれからの質問に遊び人がパタパタと羽ばたいて答える和やかな時間となった。

「GANG PARADEは再始動して11ヶ月、ステップアップしてZepp Hanedaでワンマンライヴをさせてもらえて。そしてありがいことにツアーもソールドアウトになりました。いつも応援してくださっている、遊び人のおかげだと思っています。みなさん、ありがとうございます!」とココの言葉に合わせてメンバー全員が「ありがとうございます!」と感謝を伝えると、客席から大きな拍手が送られた。

MC明けに披露されたのは、GO TO THE BEDSの楽曲でダークなハードコアチューン 「現状間違いなくGO TO THE BEDS」。激しいサウンドに合わせて、〈危ないお盆 危ないお盆 覆水盆に返らないよね〉と、手にしたものに対する執着とそれを失う怖さへの緊張感が漂うシリアスな世界観が、会場を包み込みカオスとなった。さらに重たいビートで激しく踊り歌う「GANG PARADE」では、メンバーそれぞれの歌唱力の高さが際立っていた。11月16日(水)にリリースされるメジャー4thシングル収録の新曲「MELT」は、〈愛で遊ぼうよ〉というフレーズが印象的なダンスチューンで、歌詞と対照的なサウンドとのアンバランスさが面白い曲だった。

ここで、恒例のコントコーナーへ。「今宵、真のアイドルが決まります! GANG PARADEグランドパンスト大会を開催いたします!」とのドクソンの宣言から、くじ引きでキャ・ノンとチャンベイビーがパンスト相撲で戦うことに。ところが、「ちょっと待ったー!」とここに割って入ったのが、ユメノユア。「ユアもパンストかぶりたーい!! パンスト、かぶり、たーい!!」とエモ・スクリーモ調に咆哮して強引に参加することに。3人で王者を決めるのかと思いきや、最終的にカ能セイ、マイカも加わって5人で雌雄を決することとなり「WE ARE the IDOL」へ。曲中で行われたパンスト相撲で激戦を制したのは「パンストが8年越しの念願だった」というユア。大はしゃぎで長いパンストを顔からぶら下げつつ歌い終えると、センターに立ち「私が真のアイドルだー!!」と勝利の雄叫びを上げた。

ライヴは、ポジティブなメッセージが明るいライティングに映えた「don’t forget me not」から「GANG 2」へと続く。美しい鍵盤の響きに導かれて、シンフォニックなサウンドがドラマティックに曲を彩る。万華鏡のように映る背後のツアーロゴも相まって、エモーショナルな1曲となった。

MCでは月ノウサギがマイクを取る。「今、曲が終わって照明がステージの後ろから光ってみんなのことがすごく良く見えたんですけど、こんなに綺麗で幸せな景色あるのかなって。遊び人といると、そういう景色をたくさん見れます。みなさん今日は来てくださってありがとうございます。秋からこのツアーを回ってきたんですけど、あと3曲で終わっちゃうんですよ。さみしい。めっちゃさみしい! 帰りたくない。幸せになってほしいとか、みんなにずっと笑顔でいてほしいとか、そういう言葉ってちょっと綺麗ごとっぽいなって思っていたんです。でも一番大事な人に届けたい言葉って何だろうなって思ったときに、結局一番素直に出てくる言葉って、そういう真っすぐな気持ちなんだなって、遊び人のみんなとライヴをしてるとよく気付かされます。みんなに、GANG PARADEと一緒にこうやってライヴをしている時間だけは、世界で一番幸せになってほしいし、ずっと笑顔でいてほしいし、そのためにGANG PARADEはみんなに歌を届け続けます。GANG PARADEは遊び人のことが大好きです! 残り3曲、ありったけの気持ちと、愛と、感謝と、すべてを詰め込んでお届けしますので、〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉最後までよろしくお願いします!」との言葉に、大きな拍手が送られた。

プラニメ時代の2ndシングルとしてリリースされてからライヴで歌い続けている「UNIT」、さらにGANG PARADEとして編成が変わるたびにサビのコーラスが変化して今や〈BODY & 13SOUL〉となった「FOUL」と、グループの歴史を感じさせる曲が並ぶ。そして本編ラストは「CAN’T STOP」。金子みすゞの詩を引用した歌詞〈みんな違って みんないい〉と、タイトなビートとディストーションの利いたギターサウンド、メンバー全員が手を繋ぎ〈行先はそう あんなにも遠くにあるんだね? わくわくしたりして歩いていこうね〉と真っすぐに歌うサビに胸を熱くさせられた。

アンコールでは、11月16日(水)リリースのメジャー4thシングル表題曲である新曲「Priority」を披露。憂いを帯びたメロディと激しい演奏ながら、ユニークなフリやアグレッシブなダンスで“今しかない今”を歌うポジティブな曲として印象に残った。曲を終えると、最後のMCを務めたのはキャ・ノン。

「「Priority」を今日初めて歌わせていただきました。いかがでしたか? この歌をずっと大事に歌い続けて、もっともっと大きなステージに持って行きたいと思いました。そしてそのときには、今日来てくれたみんなに絶対いてほしくて。一緒にいてくれますか?(大拍手)ありがとうございます。

振り向かないで駆け抜けていくことって本当にむずかしくて。振り向いてしまうこともあるし、振りむかないで行くことが大事だと思っていたけど、それだけではないのかなって思ったんですよ。“あのときは良かったな”とか考えちゃうこともあったり、ときどき“あの過去がなければ良かったな”とか。傷ついたりとか傷つけられたりとか、人を傷つけてしまったりした過去がなかったら良かったのにって思ってしまうこともあったんですけど、今の自分がここにいられるのは、そういう過去の自分がいてくれるからだなと思っていて。こうやってGANG PARADEになれたことも、遊び人に出会えたことも、青いものを身に付けている人に出会えたことも(自分のカラー)…すいません、贔屓して(笑)。こうやってギャンパレと遊び人のみんなで同じ夢を見られることも、全部過去があったからだなって思うんですよ。GANG PARADEにも色んな過去があるけど、それは全部きっと今私たちがここにいられる理由だと思うので、すべてを抱きしめて進み続けていきます。

こうやって、大好きな人たちと一緒に過ごせることも、人生の中で一番好きなライヴという時間を作れることも、本当に幸せで。遊び人にどうやって返したらいいんだろうって、ずっとずっと考えていて。遊び人がいないとGANG PARADEはないので。もうどうしたらいいんだろうって、ずっとわかんないんですけど。でも、みんなとずっと一緒にいたいので、1つだけ約束させてください。絶対に、GANG PARADEが遊び人のことをずっと笑顔にするので、これからもずっと一緒にいてください! お願いします!」

しばし続いた大きな拍手が鳴りやむのを待ってから、「みんなのことが大好きです! 今日は本当にありがとうございました!」と改めて感謝を伝えて、〈君がいない未来はありえない〉と歌う「Period」から、〈僕が いない未来 見ない未来 ありえない〉と歌う「Plastic 2 Mercy」へと、MCと連なったメッセージに心を動かされる選曲が続き、ステージからのレーザー光線、遊び人が身に付けた色とりどりのLEDバンドの光がカラフルに会場を埋め尽くして、興奮最高潮なままツアーファイナルは終幕となった。

エンディングでは、「以上、私たちエンジョイプレイ、みんなの遊び場、GANG PARADEでした! ありがとうございましたー!」と深々と礼をしたものの、メンバーは口々に「さみしい! さみしい!」と言って名残惜しそうな様子。ユアが「ありがとうございました。今日でツアーは終わってしまうんですけど、でもね、GANG PARADEは今日この日を忘れずに突き進んでいきますので、これからもよろしくお願いします! そして次のステージは、11月23日(水・祝)幕張メッセ!!(WACK所属アーティスト≪ASP/BiS/ExWHYZ/GANG PARADE/豆柴の大群≫によるライブ「Even without BiSH, this is WACK」)」と告げると、今度はドクソンが生声で「あなたとあなたとあなたとー! 未来をー! 創りたーい!!」と客席に向かい大絶叫して拍手に包まれた。そして「みなさんは、“羽ばたき”でご一緒に」と遊び人に呼び掛けて、全員による生声で「せ~の、ありがとうございましたー!」と最後の感謝を伝えると、遊び人はパタパタと羽ばたきながら応えた。こうして再始動以来最大規模の会場に相応しいスケールの大きな“遊び場”の幕を下ろし、ギャンパレは未来へと羽ばたいて行った。

取材・文:岡本貴之
写真:外林健太

〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉
2022年11月10日(木)@ Zepp Haneda
セットリスト
1. pretty pretty good
2. Happy Lucky Kirakira Lucky
3. シグナル
4. PARADE GOES ON
5. sugar
6. イミナイウタ
7. 現状間違いなくGO TO THE BEDS
8. GANG PARADE
9. MELT(新曲)
10. WE ARE the IDOL
11. don`t forget me not
12. GANG 2
13. UNIT
14. FOUL
15. CAN’T STOP
EN1. Priority(新曲)
EN.2 Period
EN3. Plastic 2 Mercy

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