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【INTERVIEW】琴線に触れるメロディメイカー「イハラカンタロウ」が今伝えたい”RARE GROOVE”の魅力

StoryWriter

70年代からのソウル〜AORマナーを踏襲したメロウなフィーリングにグルーヴィーなサウンドで注目のイハラカンタロウが、最新シングル『つむぐように(twiny)』の7インチレコードを12月14日(水)にリリースした。

今作は、軽快なギターにメロウなエレピ、グルーヴィーなベースにキレのあるドラム、そして煌びやかなメロディに爽やかなコーラスが心地良い極上のフリーソウル。Weldon Irvineの名曲「I Love You」日本語カバーで見せた70’sフィーリングに加えて、シティ・ポップの系譜を受け継いだオリジナルナンバーとなっている。カップリングには、今サウス・ロンドンで最も注目を集めているedbl(エド・ブラック)によるRemixを収録。

そんなイハラにインタビューを敢行。なぜRARE GROOVEに傾倒したのか、RARE GROOVEの魅力、そして「つむぐように(Twiny)」をどのようなイメージで制作したのか話を訊いた。


イハラにとってのRARE GROOVEの魅力

──HIP HOPやR&B、SOULなど現代ブラックミュージックのルーツとしてサブスク時代の今、再評価されるRARE GROOVEですが、イハラさんがRARE GROOVEの音源を聞き始めたのはいつごろですか?

元々70年代~80年代前半くらいまでのソウルやファンク、AORなどが好きで色々聴き漁っていまして、後にこれはレアグルーヴと呼ばれる物だったのかと再認識することが多かったです。なので、いつごろからというと二十歳を過ぎたあたりかと思います。

──なぜRARE GROOVEに傾向したのでしょうか?

前の質問との重複になってしまいますが、自分の好きなジャンルを深く漁っていき、気がつくとレアグルーヴ沼に片脚突っ込んでいたという感じです。

──RARE GROOVE音源はどちらで入手していますか? いくつか教えてください。

最近は新宿が生活の中心地になっているので、ディスクユニオンの新宿ロックレコードストア、ソウル・ダンスミュージックショップ、新宿中古センター、の3店舗を歩き回ることが多いです。

──最近手に入れた音源でおすすめはありますか?

Don Thompsonの「Fanny Brown」です。

 

──ご自身のアーティスト活動、作曲においてRARE GROOVEからどのように影響を受けているか教えてください。

レアグルーヴ然り他のジャンルでもそうですが、長く聴かれる楽曲というのはやはり普遍的なアレンジやメロディであったり、楽器の使い方や音色なども、〜年代らしさというのをそこまで強く感じないものが多いかと思います。僕も自分の曲をジジイになってから聴き返せたらなと常々思っているので、そういう部分は意識しています。

──ご自身の作品をリリースされているPヴァインから発売され、イハラさんのインタビューも掲載されている別冊eke-king VINYL GOES AROUND presents『RARE GROOVE〜進化するヴァイナル・ディガー文化〜』はRARE GROOVEとレコード文化について深堀りしている書籍です。イハラさんにとってRARE GROOVEの魅力とはどのような部分であるか教えてください。

聴いた時に演者の顔や演奏風景が思い浮かぶより、リスナー自身の中にある何かしらの情景や記憶が浮かぶ方が良い音楽だと思っています。その点レアグルーヴは今は活動されてないミュージシャン、或いはバンドだったり、演者の詳細については分からなかったりすることも多いので偶像的な部分に支配されることなく、純粋に音楽を芸術として楽しめるのはひとつの魅力かと思います。

「つむぐように(Twiny)」は未来へ向かって行くことを鼓舞する応援歌

──そんな中制作され12月14日に7インチで発売された楽曲「つむぐように(Twiny)」のイメージを教えてください。

70年代後半〜80年代に入る辺りのトミー・リピューマのプロデュース作品のような楽曲をつくってみたくて制作しました。
抽象的な部分では、撚り糸のように過去から現在、未来へと時間を紡いでいくという想いを込めております。ですから「つむぐように(Twiny)」、未来へ向かって行くことを鼓舞する応援歌です。

 

──海外を含めて日本国内でもRARE GROOVEが再評価されています。まだRARE GROOVEの魅力に触れていない方や若い世代の方にも体験してもらえるようなメッセージをお願いします。

前述しましたが、レアグルーヴには色褪せない楽曲が多いので、ずっと年代を問わず聴けるような楽曲やアルバムがたくさん見つかると思うんです。僕の好みの音像が70、80年代だからというのもあるかも知れませんが、物凄く感動する楽曲やアルバムを発見して、それを周りが知らないと何だか自分だけが知っている特別な世界みたいな気もしてきます。そういう気持ちって、皆が気がつかないうちに同じ方向を向いてしまう昨今のようなネット社会ではなかなか味わえないことだと思います。自分もまだまだ勉強中でレアグルーヴの世界は探検中ですが、僕と同世代や少し下の世代にもそういった生涯の楽曲に出会って欲しいなと思います。


■リリース情報

イハラカンタロウ『つむぐように(Twiny)』
フォーマット:7inch / Digital
7inch発売日:2022年12月14日
Digital発売日:2022年10月5日

レーベル:P-VINE
7inch品番:P7-6485
定価:¥2,365(税抜¥2,150)

TRACK LIST :
SIDE A:つむぐように (Twiny)
SIDE B:つむぐように (Twiny) -edbl Club Remix-

アナログ購入リンク / 配信 / ストリーミング
https://p-vine.lnk.to/Q2mP7w

■書籍情報
『別冊ele-king VINYL GOES AROUND presents RARE GROOVE〜進化するヴァイナル・ディガー文化〜』
価格:1,800円(税抜)
発行:株式会社Pヴァイン

ディガー待望の一冊、2022年だからこそレアグルーヴを特集する!
2020年代になり世界各地でじわじわと盛り上がっている「レアグルーヴ」。ヴァイナル・ブームとあいまって、まさにいまや「レアグルーヴ」の時代。ディガー待望の「レアグルーヴ」特集です!
DJや著名ディガーのインタヴューにディスクガイド、様々な切り口の記事を通し、「レアグルーヴ」の背景や歴史、その現在に光を当てます。
インタヴュー:MURO/Jazzman Gerald/橋本徹
レアグルーヴ・クラシック・ディスクガイド130選/ランダム・ラップやモダン・ソウルの代表盤紹介/〈Tribe〉レーベルやウェルドン・アーヴィンの基礎知識/ヒップホップとサンプリング文化/70年代音楽が90年代以降のクラブ・ミュージックに与えた影響/コンピレーションの果たした役割/レコード・カッティング・レポートなど、盛りだくさん!

[インタヴュー]
MURO (原田和典)
ジャズマン・ジェラルド (原田和典)
橋本徹 (原田和典)
イハラカンタロウ (VINYL GOES AROUND+編集部)

[ディスクガイド]
レアグルーヴ必聴盤130選
(橋本真志、B.V.J.、DJ Pigeon、TOMITA、CHINTAM、秋葉裕介、DJ Yama、長澤吉洋、マサキオンザマイク、水谷聡男、山崎真央)

[ビッグ・レガシー]
ウェルドン・アーヴィン (若杉 実)
トライブ (若杉 実)

[レア盤探勝]
ランダム・ラップの10枚 (DJ BUNTA)
モダン・ソウルの20枚 (Mr. Disco Kid)

[コラム]
ヒップホップとレアグルーヴ (小渕 晃)
クラブ・ミュージックとレアグルーヴ (小川 充)
レアグルーヴとシティ・ソウル (小渕 晃)
レアグルーヴ・コンピレーション10選 (小川 充)
最近のサンプリング事情 (金澤寿和)
書籍『ヴァイナルの時代』を紹介する
Tax Scamレコードとは (葛原大二郎)
日本コロムビアの技師に聞くカッティングの神髄

[エッセイ]
力をくれた2枚のレコード (大塚広子)
米国の若きDJが綴る、レコード・ディギングの思い出 (グレッグ・ナイス)

[アフタートーク]
そもそもVINYL GOES AROUNDって何?

PICK UP


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