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【LIVE REPORT】ASP、2度目のZepp DiverCityワンマンで26曲熱演「ならず者と一緒だったら何度でも初期衝動が起こせる」

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WACK所属の7人グループ・ASPが2022年12月23日(金)、全国16ヶ所を回るツアー〈GOD SAVE the ASP TOUR〉のファイナル公演を東京・Zepp DiverCity(TOKYO)にて開催した。

同会場は2022年2月21日(月)にワンマン公演〈ANTi SOCiAL PAiNS〉を開催したが、観客がキャパシティの半分ほどしか埋まらず悔し涙を飲んだ会場でもある。リベンジの意味も込めて臨んだ本公演の様子をレポートする。

ツアーファイナル東京公演

開演5分前にメンバーのナ前ナ以が影アナで注意事項を述べ、「楽しむ準備はできてますか?」とならず者(※ASPファンの呼称)に投げかけ大きな拍手が起こると、メンバーたちの「レディーゴー!」という掛け声が会場に響いた。

18時30分になり会場の照明が落ちると、「Why don’t you KiLL me??」のインスト曲が流れ、ステージ脇から、モグ・ライアン、ナ前ナ以、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ、チッチチチーチーチー、リオンタウン、そして最後にユメカ・ナウカナ?が勢いよく現れ、ASPのライヴでは恒例となった準備体操からスタート。ユメカが「全身の脂肪燃焼、楽しくトレーニングしていくよ」と叫び、メンバー全員で片手を上げながら身体を縦に揺らす運動をはじめた。ユメカは、マチルダがZeppに着いたときに「ASPのロゴって大腿二頭筋に似てない?」と言ったことを語り、「大腿二頭筋ってどこ?!」と突っ込みながら、ジャンプをして大腿二頭筋をほぐす運動へ。客席中央から左右に分けてならず者とともに運動し終えると、「ばっちりです、みなさん。しっかり動いていい汗かこうぜ!」と「拝啓 ロックスター様」でライヴがスタート。そして紫と赤のライティングの中で「BOLLOCKS」、「Just Do it」を激しく歌い踊った。

「みなさんこんにちは!」と全員で挨拶すると、リオンタウンが「今日朝起きるのがめちゃめちゃ楽しみでした。私はライヴって自分のすべてを解放していい時間だと思っているんですけど、みなさんハメを外す準備できてますか? 今日は私たちの最大限を届けます。最後の最後までよろしくおねがいします」と語り「BE MY FRiEND」へ。Xジャンプをするなどファンキーなロックンロールを届けた。ハードなイントロに対しパラパラの振り付けのギャップで始まるヘヴィなロック曲「WARRiES」、ユメカが「前も後ろも暴れようぜ!」と叫び始まった「GO STRAiGHT」、そしてアッパーなパンク曲「the MAN CALLiNG」と立て続けに楽曲を披露していった。

MCでは「はじめまして、私たちASPです。よろしくおねがいします!」と挨拶した後、1人ずつ自己紹介をした。ウォンカーが「ASPは“ANTi SOCIETY PUNKS”で、反社会的パンクな奴らって意味があるんです。みなさんがならず者になってくれたら、この空間が社会からはみ出しちゃったものだらけの空間になると思うんですよ。そんな空間でやりたいことがあって。仲間の印の中指をみなさんと突き立てていきたいんですけどいいでしょうか?」と「いつでもファッキュー❤️」でならず者たちと中指を立てた振り付けで一体感を生んだ。続けて、和ロックな楽曲「被害者ぶるな」、「Let’s go as a weirdo」、一転してメロディアスでリズミカルな「ITSUMO KOKOKARA」、再びヘヴィがロック曲「WASTED TEARS」「DiVE」、「マジ無いです。」と続けて披露。さらに、オルタナなギターリフとポップさのバランスが気持ちいい「I won’t let you go」と駆け抜けた。

モグ・ライアンが「今日が来るまでの何日間そわそわしていたんですけど、それが嘘みたいに一瞬で過ぎていて信じられないです。今日この時間、ASPに会いにいこうと思ってくれたこと、こうやって目と目をあわせて会えていることが本当に幸せです。拍手したり手も上げてくれたり中指も一緒に立ててくれたり、ならず者最高です! いまのASPを生かしてくださっているのはみなさんだと思っています。本当に聞いてほしい曲があるので心を込めて歌います」と最新曲「I won’t let you go」へ。ASPのメイン曲であるロックとは対極的なビートメインのダンスチューンをしっとり染み渡るように歌った。デジタルハードコアな「NO REASON」、ドラマチックでキャッチーなロック曲「WAiT and WASTE」、モグが「もっと楽しんでいきましょう!」と叫んだポップな「SPiT OUT」、ストリングスが乗り壮大な「I wanna live」、ギターカッティングが疾走感を生むポップロック「日々是虚無也」と熱いライヴを繰り広げていった。

チッチチチーチーチーが「この大きな会場で、今日は1人1人のみなさんを近くに感じました。そんな特別な日にASP、新曲を持ってきました。今日ここ東京で皆さんと一緒に地面を揺らして、この曲とどんどん強くなっていけたらと思います」と新曲「Tokyo Sky Blues」を初披露。メジャーデビュー以降のクラブサウンドをよりドープにしたような楽曲で、ドロップパートで激しく踊るASP流EDMといった趣の楽曲だ。2番ではラップも乗り、これまでとは一線を画す楽曲ということが伝わってくる。初披露ということもあり、メンバーにたどたどしさもあり、歌いこなせていない部分もあったが、ドロップにおけるウワモノの派手さとメンバーのダンス、リオンタウンのロングトーンが新境地を開く楽曲になりそうな可能性を感じる楽曲だった。そのまま初期代表曲の1つ「A Song of Punk」、メンバー7人の叫びが心を打つ「SAKEBE」を輝くライトとミラーボールの中で叫び、本編は幕を閉じた。

ならず者たちの拍手に応えアンコールで登場した7人は1人ずつ想いを語った。

マチルダー・ツインズ「こうやって立っているだけで、みなさんからの視線や熱を感じて感情が溢れてくるんですけど、なにより楽しいという感情が一番です。今日というライヴは1日で終わってしまうんですけど、感情や記憶は日を跨いでも続いていくものだと思っています。今日がみなさんにとって記憶に残るライヴだったら嬉しいです。本日はありがとうございました」

ウォンカー・ツインズ「今日はツアーファイナルというひとつの終わりなんですけど、みなさんと一緒にこの日を迎えられるうれしさを感じています。寂しさとか気にならないくらい嬉しくて。ならず者という大好きな人となら、始まりも終わりも嬉しいんだなと気づきました。今日みたいに笑い合えるライヴを作っていけるようにがんばります」

ナ前ナ以「今日ステージに立ってびっくりしました。照明が確実に私たちを焼き殺しにきてる(笑)。でも今日死んでもいいって、死ぬ気でライヴしにきました。ASPのことを考えると、ならず者のことを考えると、ステージの上で生き急いじゃう自分は少しから回っているときもあるんですけど、前よりも生きるのが楽しそうです。今日もとっても楽しかったな。ありがとうございました!」

リオンタウン「今日はASPの曲で自分が伝えたいこと表現したいことが溢れていたんです。だから曲が終わってみなさんが拍手をしてくれたときは伝えたい感情とかが伝わったのかなと安心できたし、ならず者の拍手はどんな言葉より心強いと思います。ASPの曲で感情を共有をできるのが特別で、自分の居場所がここだと思えました。ASPが長生きできるようにもっとがんばります。今日はありがとうございました」

チッチチチーチーチー「今、ちんちんって聞こえた人はいないですよね? よかった。私、“ち”が名前に6個も入っているんですよ。笑われるんですけど、この“ち”には自分の夢がいっぱい詰まっています。いまはASPとしての夢がいっぱいあります。“ち”の数以上の夢をここにいるみなさんと見ていけたらと思っているし、ASPと一緒にいてくれるならず者を楽しいでいっぱいにできたらと思っています。今日はありがとうございました」

モグ・ライアン「今日はみなさんから幸せをたくさんもらいました。私の人生の中で、こんなに大切なものをもらうことはないんじゃないか。こんなに愛おしい人はならず者以外いなくていい気がします。これからもASPは愛とか感謝をこめて、みなさんの笑顔を糧にもっと大きい存在になります。これからもよろしくおねがいします」

ユメカ・ナウカナ?「今日ライヴをしていて、とにかく心が痺れました。初めてライヴしたときも心が痺れていて、これが初期衝動かと思って忘れないようにしようと思ったけど、そんな必要はなかったですね。なにせ今日もしっかり、むしろ今日のほうが痺れました。つまりみなさんと一緒だったら何度でも初期衝動が起こせちゃうんだなと思って。これからASPがみんさんを最高の衝動に駆っていけるようにがんばります。最後のみなさんが読んでくれたアンコールという時間で残せるもの全部残していくので、全部持っていってほしいです。今日は本当にありがとうございました」

そして、メジャーデビューシングルの「Hyper Cracker」を披露しならず者たちと体を揺らし、音楽愛を歌った「M」でメンバーが肩を組み足を上げてラインダンスをし、最後はポジティブなメロコア曲「レリゴ」でレネルギッシュなライヴを見せ、ならず者たちの惜しみない拍手の中でツアーファイナルは終焉を迎えた。

ならず者に感謝を伝えた後、2023年4月5日にメジャー1st EPをリリースすることを発表。ユメカは「ぜひ楽しみに待っていただけたら嬉しいです。本日は本当にありがとうございました!」と、最後は全員でマイクを通さずに感謝を言葉にし、深くお辞儀をして7人はステージを後にした。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太


〈GOD SAVE the ASP TOUR〉FiNAL at Zepp DiverCity
2022年12月23日(土)@Zepp DiverCity

1. 拝啓 ロックスター様
2. BOLLOCKS
3. Just Do it
4. BE MY FRiEND
5. WARRiES
6. GO STRAiGHT
7. the MAN CALLiNG
8. いつでもファッキュー❤️
9. 被害者ぶるな
10. Let’s go as a weirdo
11. ITSUMO KOKOKARA
12. WASTED TEARS
13. DiVE
14. マジ無いです。
15. I won’t let you go
16. NO REASON
17. WAiT and WASTE
18. SPiT OUT
19. I wanna live
20. 日々是虚無也
21. Tokyo Sky Blues
22. A Song of Punk
23. SAKEBE
EN1. Hyper Cracker
EN2. M
EN3. レリゴ

 

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