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【LIVE REPORT】BiS、ツアーファイナルリキッドルーム公演で垣間見せたグループの本質

StoryWriter

BiSが2023年7月18日(火)、新体制初の全国ツアー〈3 balls and 2 strikes TOUR〉のファイナル公演を東京・LIQUIDROOMで開催した。

筆者は2022年にBiSの歴史を完全網羅した書籍『BiS BOOK -What is BiS?-』を編纂したこともあり、BiSとは何かを深く考える時期があったが、このライヴを観て、自分がBiSになにを求めていたのかを改めて認識させられた。自分は、BiSにもっと自分の人生を狂わせてほしい、のだと。

第3期BiSはとても真面目なグループで、そこがよいところでもあり、同時に物足りない部分でもあった。パフォーマンスの質をあげていくことも、グループとしての結束力を高めていくことも正しいことだし素晴らしいことに異論はない。しかし、BiSHやWACKの源流であるBiSの本質はそこではないと思っている。メンバーも研究員も、その外にいる人たちもぐちゃぐちゃになって、なんだかよくわからないエネルギーに巻き込まれて、それを狂喜乱舞することにあったんじゃないか、と筆者は思う。

この日のリキッドルームは、その一端を思い出させてくれるようなライヴだった。

新メンバー3人が入ったことで6人がいい意味でバラバラになった。背の高いイコ・ムゲンノカナタが入ったことで6人が横並びになったときの凸凹感が生まれ、クレナイ・ワールズエンドの少し舌足らずなかわいらしさがストイックな空気感をやわらげ、シオンエピックの体力が尽きていくなかでもマイペースにパフォーマンスする様子が予定調和を壊す。先輩になったヒューガーのときより入る関西弁もいい味を出しているし、ナノ3のグループを引っ張っていくという顔つきも歌声もいい、初期メンバーのトギーが縁の下を支える感じも力強い。いろんな個性が一同に会している雰囲気が滲み出ていた。

なにより長いコロナ禍を経て、声出しが解禁になったことで発される研究員たちの声援がBiSの現場をよりパワフルなものにしていた。トギーがMCで言っていたように、BiSの歴史は研究員の歴史でもある。狂喜乱舞する研究員があってこそ、BiSのライヴは完成する。そういった意味で、久しぶりにそうした一体感を感じることができたワンマンだった。小さくまとまらずに、もっともっと予定調和をぶっ壊して、観ている我々を狂わせてほしいと期待が膨らんだ一夜だった。(西澤裕郎)

以下、オフィシャルレポートを掲載する。

〈3 balls and 2 strikes TOUR〉ファイナル公演@東京・LIQUIDROOM

BiSがコロナ禍を経て、観客の声出しが可能となるツアーファイナルは2020年2月3日に、ここ”LIQUIDROOM”で行われた「”LIVE DAM Ai” presents STAND BY BiS」ツアーファイナル以来となる。

会場を埋め尽くした研究員(BiSファン総称)の中には、感慨深い表情を浮かべる人もいたが、新生BiSが魅せるであろうドラマティックなライブへの期待に胸を膨らませ、会場の熱気は、どんどん高まっていった。

会場が暗転し、BiSがステージに登場すると、研究員からの早速の声援が会場にこだまする。

新生BiSの幕開けを告げる1曲目は、「LET’S GOどうも」。開始早々から研究員から大歓声が上がり、お祭り騒ぎでライブがスタートする。「今日は最高の1日にしましょう!」とナノ3が叫び、投下したBiSの代表曲「STUPiD」、ライブでの人気曲「teacher teacher teacher」、ロックの名曲「スモーキン・ビリー」が続くと、熱狂はさらに増し、”これが、新生BiSだ!”と言わんばかりのパフォーマンスを見せつける。

新メンバーのクレナイ・ワールズエンドが「改めまして! わたしたち新生アイドル研究会BiSです! まだまだこれから楽しんでいきましょう!」と挨拶すると、「BASKET BOX」のイントロが響き、会場全体が拳を上に突き上げ、BiSと研究員の絆を証明するかのようにシンクロしていく。

ここから「GOiNG ON」ではわちゃわちゃと盛り上がり、「FOOL PROOF」では、切なくエモーショナルに、「hey boy hey girl」では満面の笑みでパフォーマンスし、楽曲によって様々な表情を見せて、会場を魅了していく。

ここで「今日、たくさんの研究員に会えるのを楽しみにしてました!」とナノ3がMCをすると、メンバーに現時点での感想を聞いていくと、トギーが「もっともっと汗かけるよね?」と研究員を煽り、更に熱気を高めつつ、「少年の歌」に突入した。

観客も含めて全員でスクワットを行うライブ名物の「thousand crickets」では会場の一体感をさらに高め、「I WANT TO DiE!!!!!」、「つよがりさん」での力いっぱいのパフォーマンスに感情を破壊される研究員が続出していった。

ここで、トギーが「次に歌う曲は、新体制になって初めてリリースした新曲です。BiSは研究員がいないとBiSじゃないし、研究員がいるから私たちは今BiSとして生きることができています。ほんとうにいつもありがとう。次の曲は、BiSと大切な研究員とのことを歌ったこの曲で、一緒に最高に愛し合いたいです! 心を込めて歌います」と話し、中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES/THE SPELLBOUND)がプロデュースした楽曲「僕の目を見つめて 君の世界になりたい」を本ツアーにおいて初披露する。BiS楽曲の中で新機軸となる、ロック・ダンスチューンに会場の研究員も体を動かし、ダンスフロアと化す。続く「DA DA DA DANCE」では、一転、タテ揺れのダンスフロアを創り上げる。本編ラストとなる「LOVE」では、”研究員への愛”を届け、笑顔でメンバーはステージからはけていく。

新生BiSを象徴する”新時代”のアンコールコールが鳴り止まない中、BiSメンバーが再登場すると、すぐにBiSの新たな翼となるだろう最新シングル「イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム」をパフォーマンス。そして、「BiS-どうやらゾンビ おでまし-」を披露し、会場は大きな熱狂に包まれた後にメンバーがそれぞれMCをしていく。

イコ・ムゲンノカナタ「大好きで憧れのBiSに加入して、こうしてBiSのイコ・ムゲンノカナタになってツアーでライブをして、沢山の人と出会う中でBiSとしての自覚とBiSとして生きていく覚悟ができました。私は歌を歌うのが大好きで、ダンスを踊るのが大好きで、そしてなによりもBiSが大好きです。大好きなBiSの一員として全国で沢山の人と出会えたこと本当に本当に幸せです。出会ってくれてありがとう。私はこのツアーで、この6人と研究員の皆さんとならどこへでも行けると思ったし、どこへでも行きたいと思います。これから始まる”BiS新時代”をよろしくお願いします」

クレナイ・ワールズエンド「色んな都道府県をツアーで回って、その土地にしか感じられない空気や景色があって、人の温かさだったりとか、ご飯のおいしさなど、いろいろ感じたツアーでした。挨拶を大きな声でするとか、ダンスの振りを大きくするとか、表情を気をつけるとか、色んな成長を自分自身感じることが出来ました。メンバーの成長も身近で感じることができ、私も負けてられないなと思えました。自分はまだまだなんですけど、少しでもお披露目から成長した姿を今日見せることができてたらなと思います。合宿で努力してBiSに入れて本当に良かったです。これからも大変なこととかあると思うけど、6人で乗り越えてもっと大きなステージに立ちたいです。研究員に支えられています。 これからも応援よろしくお願いします!」

シオンエピック「BiSに入って、こんなに嬉しいなって思ったり、楽しいなって思える場所があるんだと知って、今が一番楽しいし、すごく幸せです。自分のことをを応援してくれる人がいるのはめちゃめちゃ不思議な感じなんですが、これからも頑張っていくのでよろしくお願いします」

ナノ3「このツアーは新体制になって初めてのツアーで、全国各地で研究員に会えることがすごく楽しみであっという間でした。新体制になる前、少しライブがない期間があって、すごくすごく寂しくて早くライブがしたいな、研究員に会いたいなって思いながら過ごしていました。こうやってツアーができて色んな出会いがあって、たくさんの研究員に会えることって当たり前じゃないんだって思って、今日もこれからも一瞬一瞬を大切に過ごしたいって思っています。新体制になって環境も変わって、私は今までたくさん周り助けてもらってきたので、思うようにうまくいかないこともあって正直悩むこともたくさんあるんですけど、悩むことはあっても、BiSが大好きで、BiSのことを考えていれる時間は幸せで、もっと頑張りたいって前向きな気持ちになります。私たちにはまだまだたくさんの課題があるんですけど、課題がたくさんあることはもっと変わっていけることだと信じて、これからも6人で力を合わせて支え合って、研究員の力を借りて頑張っていきたいです。BiSまだまだ上を目指しているので、これからも研究員と一緒にどんな瞬間も楽しんで、最高のBiSを一緒に作っていって大きくなっていきたいです!」

ヒューガー「今日を迎えることができたのは、みんなが、新体制のはじまりをあたたかく見守ってくれたり、熱く熱く応援してくれたおかげです。本当にありがとうございます。このツアー中は、「新体制のBiSの良さが、どうやったら伝わるかな、どうすれば大きくなれるかな」ってすごくもがいた期間でした。新メンバーの3人は、ツアーの回を重ねるごとに、ライブを楽しんでやっているのが伝わってきて、毎日成長を重ねる3人にすごくいい刺激をもらっていました。ナノちゃんとトギーちゃんは、力強く頼もしくBiSを引っ張っていってくれて。リスタートしてから、2人への尊敬がさらに深まりました。何かが新しく始まる時は、ちょっと怖いし、不安やし、覚悟も必要なんだけど、それを全部”大丈夫やで!””安心してきてや”って私たちを明るく迎えてくれる研究員には感謝の気持ちでいっぱいです。BiS新時代の初ツアー、そして今日のLIQUIDROOMを、この目で見たんだ!ってみんなに誇りに思ってもらえるように、6人で一生懸命にやり続けたいと思っています。しぶとく、あきらめず、何があっても笑顔で頑張ります!」

トギー「ここリキッドルームに立つのは3期BiSにとっては2回目で、前回リキッドルームでライブしたあと、すぐにコロナ禍になってしまって、”こっから登っていくぞ!”ってときに急に道を阻まれてしまった、そんな悲しい思い出がこの場所にはありました。そういう経験があったからこそ、”明日は当たり前に来るものじゃない””1日を大事にして生きていかなきゃいけないんだ”って、この場所が教えてくれました。BiSはまだ始まったばかりで、これからどうなるかわからないけど、これから6人で考えて、ぶつかり合って、やり続けて出した答えがBiSにとっての正解になるように毎日頑張っていきます。BiSは、研究員がいないとBiSじゃないから、研究員!これからも一緒にBiSを作っていってくれますかー?これからもよろしくお願いします!!!!!」

その流れから「CURTAiN CALL」をパフォーマンスし、ステージから降りようとすると、おかわりとなる「CURTAiN CALL」のイントロが流れ、2連続「CURTAiN CALL」新体制初のツアーファイナルは大熱狂のまま幕を閉じた。

BiS結成当初のような、今後、何を見せてくれるのかわからない、予測不可能な存在だが、逆にそれがワクワクとドキドキを感じさせる、ダークホース的な存在になると実感したライブだった。しかし、終演後のBiSメンバー・研究員の晴れやかな表情が、今後のBiSに期待をせざるを得ないことを証明しているようだった。

アンコール終わりには、ニューシングルリリースと全国ツアー「INCREDIBLE BiS TOUR」開催を発表し、新体制BiSは、さらに勢いを増して活動を続けていく。今後のBiSから目を離さないでほしい。

写真:外林健太

「3 balls and 2 strikes TOUR」@LIQUIDROOM セットリスト
1. LET’S GOどうも
2. STUPiD
3. teacher teacher teacher
4. スモーキン・ビリー
5. BASKET BOX
6. GOiNG ON
7. FOOL PROOF
8. Hey boy hey girl
9. 少年の歌
10. thousand crickets
11. I WANT TO DiE!!!!!
12. つよがりさん
13. 僕の目を見つめて 君の世界になりたい
14. DA DA DA DANCE SONG
15. LOVE
EN1. イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム
EN2. BiS-どうやらゾンビ のおでまし-
EN3. CURTAiN CALL
EN4. CURTAiN CALL

■リリース情報

新シングル「タイトル未定」
2023年11月8日(水)リリース
初回生産限定盤(CD+Blu-ray):CRCP-10481 / 定価 5,000
通常盤(CD):CRCP-10482 / 定価 1,100
【収録内容】※初回生産限定盤・通常盤共通
1. タイトル未定①
2. タイトル未定②
3. タイトル未定① instrumental
4. タイトル未定② instrumental
※初回生産限定盤の収録内容は、後日発表

■ライブ情報

BiS 全国ツアー「INCREDIBLE BiS TOUR」
2023年9月10日(日)@神奈川・Yokohama bayhall
2023年9月16日(土)@熊本・B.9 V2
2023年9月17日(日)@福岡・DRUM Be-1
2023年9月23日(土)@新潟・新潟NEXS
2023年9月24日(日)@石川・金沢AZ
2023年9月30日(土)@広島・VANQUISH
2023年10月1日(日)@香川・MONSTER
2023年10月8日(日)@愛知・名古屋SPADE BOX
2023年10月9日(月祝)@大阪・GORILLA HALL OSAKA
2023年10月14日(土)@岩手・宮古KLUB COUNTER ACTION
2023年10月15日(日)@宮城・仙台CLUB JUNK BOX
2023年10月28日(土)@北海道・BESSIE HALL
2023年10月29日(日)@北海道・BESSIE HALL

全国ツアー「3 balls and 2 strikes TOUR」振替公演スケジュール
2023年8月11日(金祝)@HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA VJ-1
2023年8月27日(日)@水戸ライトハウス

BiS Official HP https://www.brandnewidolsociety.tokyo/

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